日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

「 ●は行 」の関連記事一覧

機械等から発生する騒音の対策についての留意点はどのような事でしょう。(Vol.28 No.1)
                                 (コンサルタント)

(東芝 岡崎洋二)

家電製品など小型の機械関連

機械の騒音対策は、問題解決へかける時間とコストで変わる場合がありますが、今は早く、低コストで実現できることが求められています。これを実現するには騒音振動の原因にさかのぼって対策を考える必要があります。

騒音は騒音振動源を入力とし機械システムを伝達系としたときの出力とみることができます。騒音振動源は様々ですが家電ではモータ、ギヤ、ファン、コンプレッサが主なものです。騒音振動の原因である強制力のメカニズムが解明されそのスペクトルの大きさが予測できたとき、騒音発生の原理が理解され対策を考えることができます。騒音の原因となっている力は直接測ることができない場合が多く、出力である騒音振動を計測し解析技術を使って音源振動源を推定する必要があります。その現象は機械力学的なもの、電磁気学的なもの、流体力学的なものなど様々でそれぞれ学術的な現象解明のアプローチがされているので文献から音源振動源対策のヒントを得ることができます。音源振動源対策例としてモータのスロットコンビネーション最適化、はすば歯車の使用などがあります。

伝達系としてはフレームへ振動伝達など固体振動系伝達とカバー内の空間の音響伝達、隙間の透過などの音響系伝達とがあります。伝達系を調べるとはその周波数応答と空間的な特性を調べることです。音源振動源が制御可能なら回転数を変えたりすることで周波数応答を調べることができます。伝達系の周波数応答の大きいところに騒音振動源の周波数があると共振状態となるので周波数が一致しないようにずらす必要があります。このようにして騒音振動の真因、騒音振動を大きくしている真因がわかれば真因を取り除くことで低コストな騒音振動低減が実現できます。真因がわかった上で的確に吸音材や制振材を使えば、使う量も最小量で済みます。

今後はdB値を下げるだけでなく、音質改善が求められることも多くなってくるものと思われます。dB値を下げることが技術的に限界となって求められる場合もありますが、コスト的にdB値を下げることが困難な場合にも音質改善は必要なことです。

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既存道路の騒音対策を遮音壁、吸音処理によって行おうとする場合、費用はどのくらいかかりますか。また費用以外に注意すべき点はどのようなことでしょうか。(Vol.27 No.4)
                               (建設コンサルタント)

(日東紡績 三神 貴)

このようなご質問に「マイナス1dBあたり単価」のようなものが簡単に提示できれば便利だろうなあといつも思います。しかし、伝播経路対策である遮音壁では、そのように表現することには無理があります。

また、一口に道路といっても、土工部・高架部・掘割部など様々な道路構造が存在する事や、遮音壁であれば高さや形状(柱のサイズ、「忍び返し」、R付きなど)でも費用は左右されます。更に近年では、遮音壁や吸音板も音響的な機能以外に、意匠性、耐久性、リサイクル性などに付加価値を求めるなど、製品も多様化してきており、費用の面でも様々です。

前置きが(言い訳が)長くなりましたが、これでは回答になりませんので、具体的に条件を絞ってお話ししてみます。

  • ・遮音壁「JH統一板*1)を用いて、遮音壁を高さ3mで土工部に施工した場合」を例にとると、大凡で¥30,000/㎡(材工共、以下全て)程度です。これよりも単価が上昇する要素としては、「塗装を施す」、「支柱を隠すなど意匠に工夫する」、「勾配がある」、「透光性にする」、「防汚仕上げを施す」、「工事が夜間に限られるなど作業効率が悪い」などが挙げられるでしょう。因みに透光性(反射性)にした場合、同様の施工条件で、¥60,000~70,000/㎡程度(枠つきポリカーボネート透光板)、¥65,000~75,000/㎡(枠なしアクリル透光板)程度です。また、近年遮音壁頂部に「新型遮音壁」を施工する例も増加してきております。凡そ¥59,000~62,000/m程度と考えられますが、こちらも様々な製品がありますので、各メーカーに問い合わせたほうがよいでしょう。
  • ・吸音処理トンネルの内壁や掘割などの反射面に、後から吸音処理を施す場合、吸音材としてグラスウールを用いた一般的なタイプでは、¥35,000~40,000/㎡程度と思われます。耐候性に優れたセラミック吸音板を用いた場合は、¥50,000~55,000/㎡程度です。また、比較的特殊な施工箇所ですが、近年対策事例の多い高架道路の裏面に対する吸音板は大凡¥45,000~55,000/㎡程度です。

これら全ては、誠に大雑把な概算です。計画に際しては、必ず各々見積もりをとる事をお勧め致します。

また、費用以外に注意すべき点との事ですが、

様々多くの点があると思います。材料メーカーの立場から申し上げられる事は限られていますが、既存構造ならではの点であれば、現状耐力の照査、供用中道路の工事規制の問題等が具体的に挙げられると思います。何事においても新品を作るより修理の方が難しいという事があると思いますが、手を加えるための、現状の調査・把握・診断の重要性に集約されるのではないでしょうか。

  • *1)竹本恒行,”日本道路公団における金属製統一型吸音壁,”音響技術vol.6 no.3 53-60(1977)など

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プレス工場などの防音対策はどのようにすればよいか教えて下さい。
                           (音響コンサルタント 技術者)

(平野防音 平野 康夫)

公害防止としての騒音対策は企業の利益に結びつかない投資であるため、実施に当たっては必ず的確な効果が期待でき、目標値(規制値)を達成できる様な計算の上に立った騒音対策計画を立案するべきである。 「これ位の工事をやれば良いダロウ、ブロックでも積めば解決するダロウ」という安易なダロウ設計、ダロウ工事では目的の防音効果が得られず、ムダ金、死に金になる。(場合によっては、防音効果が不十分なため一度施工したものを撤去して、改めて工事施工することもある。) プレス工場の防音対策計画を進めるには、下図の如くに行うのが好ましい。

○現場調査・騒音測定・周波数分析

先ず現状状況を聴覚、視覚にて調査し、騒音レベル測定・周波数分析を行う。周波数分析は、音の性質(高周波か?低周波か?)を知るために(即ち的確な防音設計を立案するために)必要であるから必ず行うこと。周波数分析値を把握せずに経済的な防音設計はできない。

○騒音予測計算・防音設計

騒音レベルの減音量(現状値-目標値)を決め、周波数分析結果より音の性質に合致した騒音防止の方法、防音材料の選定をし、騒音予測計算を行った上で防音設計計画を作成すること。

防音対策の方法としては、下図の3つの方法がある。

イ)防音ボックス(音源を狭い範囲で囲う)

“音は根源で断つ”の鉄則通り、若し可能なれば防音ボックス対策が最も有効、適切な方法である。

☆検討事項:プレス、コンプレッサー等全台数を実施できるか、作業能率、メンテナンス、工場内スペース、ボックス内の温度上昇、機器の更新等、作業安全、作業環境・・・・・

ロ)建家防音対策(屋根・壁を改善

現在の屋根・天井及び壁の防音強化対策。(二重壁・二重天井・二重屋根等の対策)防音材として音源側に吸音材、外部側に遮音材の構成とする。

☆検討事項:建築基準法・消防法他法例との関連、工場内スペース、換気口、サッシ、出入口等全面施工、作業環境(工場内換気・工場内採光) 遮音材等の材料の荷重計算・・・・・

ハ)防音塀対策(敷地境界等に塀を建てる)

回折音(回り込み音)の計算をした上で対策の範囲(高さ、長さ)を決める。あまり大きな防音効果はない(最大限25dB位である)但し、視覚的・心理的効果は大であり、企業側の前向きの誠意は通じる。

☆検討事項:消防法他法例との関連、日照権、通風権、環境権・・・・・

上記いずれの防音対策についても、施工技術の優劣により防音効果は、同じ防音材料を使ってもその差異が大きいため、施工に当たっては美観・雨仕舞等を主眼とする一般建築工事でなく、防音を主眼とする間隙部密閉処理を充分配慮した上の、綿密且つ入念な施工を行う事。

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道路交通騒音の面的評価において、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間について、「評価マニュアルⅡ」に示されている簡易な予測手法(建物列上方のパスを考慮しない場合)を用いて良いのでしょうか?
                                 (コンサルタント)

(中央復建コンサルタンツ株式会社 八川 圭司)

「評価マニュアルⅡ」1)においては、建物・建物群による減衰補正量に関する予測手法は、詳細調査手法として、建物群上方の回折音を考慮した一般式、基本調査手法として、建物群上方の回折音を無視した簡易式が示されています。いずれの手法とも、遮音壁のない平面道路を対象としたモデル式であり、モデル式の適用条件を勘案すると、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間については、基本的には適用できません。

高架・盛土道路等の平面道路ではない区間を対象として、建物・建物群による減衰補正量を予測計算する方法については、上坂ら2)が示したモデル式が適用可能であり、伝播パスの考え方は、図-1に示すとおりです。

ここで、道路交通騒音の面的評価では、数千戸あるいは数万戸の家屋等を対象として、騒音に係る環境基準値の超過状況を把握・評価するわけですが、これについては、家屋の立地状況等の年次更新も念頭に置き、効率的な予測システムが不可欠であると考えられます。

図-1 市街地のモデル化と伝播パスの考え方

上記の上坂らによる高架・盛土道路等も適用対象としたモデル式は、予測過程が複雑であり、道路交通騒音の面的評価に適用した場合、予測条件の整理に膨大な作業量を要する可能性があるものと思われます。

一方、高架・盛土道路等といった音源位置が受音点位置より高い場合は、建物群上方からの回折音の影響が比較的大きくなることが想定されますので、これらを反映していない「評価マニュアルⅡ」に示されている手法を適用することは過小な予測となります。

上記要件を勘案すると、実務レベルでは、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間については、実測値に基づく検証・補正を行い、予測精度を補完するような措置を講じた上で、「評価マニュアルⅡ」に示されている手法を適用しても構わないのではないかと思います。この場合、モデル式の拡大適用を行っているわけですから、評価結果と併せて、モデル式の適用条件等を明示しておく必要があるものと考えられます。

なお、「評価マニュアルⅡ」に示されているモデル式については、評価高さを1階レベルで代表させる場合(基本調査)では、建物群上方の回折音を無視した簡易式を適用しても良いものと思われますが、沿道建物高さに対応した評価を行う場合(詳細調査)では、建物群上方の回折音を無視することは適切ではないものと考えられるため、建物群上方の回折音を考慮した一般式を適用する必要があります。

参考文献

  • 1)環境庁:騒音に係る環境基準の評価マニュアル Ⅱ.地域評価編(道路に面する地域)(平成10年5月)p37
  • 2)上坂克己、大西博文、千葉 隆、高木興一:幹線道路に面した市街地における騒音レベルの計算方法、((社)日本音響学会騒音振動研究会資料N98-67(平成10年12月)

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自動車騒音の防止に関して、排水性舗装が有効だと聞いておりますが、その原理、路面下への影響、空隙の詰まりなどに対するメンテナンスの問題についてお教え下さい。
                                      (匿名)

(国土交通省国土技術政策総合研究所 大西博文)

排水性舗装は空隙を有しており雨水が路面に溜まらないため、もともとは交通安全に資するものとして用いられていました。ところが、自動車走行騒音の低減効果があるということで近年では騒音対策としても用いられています。現在よく用いられている排水性舗装は、骨材粒径が5~13mmの6号砕石を使い、厚さが4~5cm、空隙率が約20%のものです。

排水性舗装は自動車騒音の中でも特にタイヤ路面騒音を低減させるもので、その騒音低減の原理には次の三つの要因が挙げられます。

  • (1)路面とタイヤのトレッドパターンの溝に挟まれた空気が、タイヤが転動するときに圧縮・膨張することにより生じるエアポンピング音の発生を排水性舗装の空隙が抑制する。
  • (2)路面と車体下面の間においてタイヤ路面騒音やエンジン騒音等が多重反射するときに、空隙がある排水性舗装の路面が吸音する。
  • (3)多孔質で吸音性のある排水性舗装面上を自動車走行騒音が伝搬するときに、超過減衰が生じる。

これらのうち、(1)の要因が最も大きな騒音低減効果をもっているとする報告があります。

前述のとおり排水性舗装は空隙があるため、雨水は空隙を伝って下りてきますが、排水性舗装では表層だけに空隙がありその下の基層はふつう密粒度アスファルト混合物でできておりほとんど空隙はないので、雨水は表層と基層の境界上を流れ車道の側方にある側溝に排水されます。従って、路面の下に浸透するわけではなく、路面下の地質に影響を及ぼすものではありません。

また、排水性舗装の空隙は塵埃等により詰まってくるため、その騒音低減効果は徐々に低下します。そこで、この空隙詰まりを回復するため排水性舗装洗浄機械が製作されていますが、現在空隙の効率的な維持管理のために洗浄の時期、頻度、洗浄方法等の洗浄機械の運用方法が検討されています。

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最近,ディジタル信号処理の分野でウェーブレット解析という言葉を耳にしますが,これは従来のフーリエ解析に基づく信号処理方法と比べてどのような特徴があり,また現在どの程度研究が進んでいるのでしょうか。
                                      (匿名)

(大阪大学大学院 青野正二)

ディジタル信号処理の分野においては近年様々な進歩が見られ,1980年代後半にはDaubechiesらによってウェーブレット解析の基礎が固められました。それは,画像やオーディオデータの圧縮の分野では応用が進んでいます。しかしその他には,現在まで音響分野におけるウェーブレットの応用例は少なく,その有効利用への示唆も十分には与えられていないようです。

なかでも,時間-周波数平面上に直交系を構成する直交ウェーブレットは,他では得られない卓越した特徴をもっています。直交ウェーブレットでは,得られる情報の定量性や完全再構成が保証されるだけでなく,本来直交関係にある時間と周波数の2つの次元によって張られる領域上で全ての係数が互いに独立しています。そのため,そこには原信号の情報が過不足なく保持されており,また任意の変形に対して実波形と1対1の対応が保たれます。

このような特徴を活かして,最近では例えば,直交ウェーブレットを用いた音響系の計測や処理についての研究も行われています。つまり,フーリエ解析に基づくインパルス応答の概念を時間-周波数平面上に拡張し,周波数ごとに得られる単一応答をそのまま周波数ごとの伝達関数として扱おうとするものです。これにより,各周波数対の応答をまとめて1本のインパルス応答としたり,既存のインパルス応答を部分的に修正することも可能となります。また,非線形系に対して,単一ウェーブレット応答に含まれるある種の非線形特性は,それを伝達関数とした系の出力の計算において失われずに出力結果に反映させることができます。そこで,高次の非線形歪の特性をもつスピーカシステムに対して,単一ウェーブレット応答によりその高調波歪の特性を捉え,低減処理を行おうという研究も見られます。

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周波数分析の結果,ある中心周波数で1/3オクターブとオクターブの結果の差異がバンド幅の違いによるのは理解できますが,それらとFFT分析結果で得たその周波数での音圧とはどのように比較すれば良いのですか。
                                   (自治体職員)

((株)小野測器 今泉八郎)

騒音振動関係の周波数分析の一般的手法は1/1,1/3などのオクターブ分析とFFT分析があります。主な違いは、分析バンド幅にて前者が定比型であるのに対して、後者が定幅型であることです。すなわち中心周波数列が、前者が等比級数で、後者が等差級数です。

オクターブフィルタの中心周波数とバンド幅などのフィルタ特性は、IEC規格(IEC61260)やJIS規格(JIS C 1513)で規定されますので、規格を参照して下さい。それに対して、FFTアナライザのバンド幅は、定幅分析なので、解析周波数レンジをFmax、分解能ライン数をLとすると、バンド幅=Fmax/Lとなります。例えば10kHzレンジで800ライン分解能だとすると、12.5Hzとなります。(厳密にはウィンドウ関数の影響でこれより大きめになります。)

ここで、注意するべきは、このようにFFT分析のバンド幅は一般的にオクターブ分析のそれと比較して非常に小さい(狭帯域分析とも呼ばれるゆえんです)ので、中心周波数のラインだけの分析と勘違いされそうですが、FFT分析といえどもある有限幅で分析していることです。

誤解を恐れずに言えば、FFT分析も、バンド幅が比較して小さい、中心周波数によらず幅が一定という違いを除けば、オクターブ分析とそれほど違いはありません。例えば、1kHzの顕著な離散音(1kHzのラインスペクトルの周りにランダムな信号成分のパワーが小さい場合)を分析すると、1/3オクターブ分析もFFT分析もほぼ同じような結果になります。実際の騒音はランダム成分が多いので、バンド幅に比例して音圧レベルは変わります。

ファンの羽根の枚数に依存した離散的な音の分析などには、FFTアナライザがよく利用され、全体の騒音レベルの評価にはオクターブ分析が利用されます。

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「破砕機(建築廃材、廃アスファルトの中間処理施設)を設置する場合に有効な騒音対策を教えていただきたい。特に、法律によって建屋が建てられない場合。」
                                      (匿名)

(平野防音株式会社 平野康夫)

破砕機(クラッシャー、ジョークラッシャー)の騒音対策は非常に困難なものの一つである。防音対策に苦慮する主な要因は下記事項のためである。

  1. クラッシャー自体及び付帯設備の騒音レベルが非常に大きい。(音源近傍で90~110dB位)
  2. 開放型作業場であり法令等の制約により、屋根の架設が出来ないケースもある。
  3. 作業場が広大であり対策範囲も広く工事費用が膨大となる。
  4. 防音対策と共に粉塵対策にも配慮する必要がある。

対策の実際面では次の様なことに配慮して計画されるのが好ましい。

  1. 破砕機自体の防音対策
    1. 屋根が架設出来る場合屋根材料、外壁材料共、外側遮音材、内側吸音材の構成にすること。外壁内側はハネ石等の衝撃等に強い吸音材(例えば、防音ブロックサウンドガード、セラミック系又は剛体多孔質ポアセル等)を選定すること。
    2. 屋根が架設出来ない場合(建築基準法等の規制により)屋根のない場合高い外壁が必要となる。近隣への影響は、透過音と回折音があるので回折音の影響を無視しないこと。破砕機自体を地下に入れるか又は半地下形式にするものも一方法である。 外壁材料は①と同じ。
  2. 破砕機以外の付帯設備の防音対策
    1. ブロワの防音対策ブロワ本体を防音ボックスに収容し、排気音についてはダクトに消音器(サイレンサー)を装着する。
    2. 投入口(ホッパー)の防音対策コンクリート片等投入時の騒音対策としてホッパーの内部にゴム板等を貼付けると防音効果があるがすぐ摩耗破損するのでホッパーの外部に塗布型制振材(例えば、セメダインHCO25等)の塗付でもかなりの減音効果が期待できる。
    3. 建設重機(ショベルカー、ダンプカー等)の防音対策構内道路作業場所等の高低差をできるだけなくし、登り坂によるエンジン音の増大を防止する。その他の対策方法としては敷地境界に防音塀を建設することが上げられる。

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流体では流れを乱さない事が騒音を 抑えるこつの様ですが,逆に流れを乱す事で騒音を抑える事は可能でしょうか。1)一様流中に球がある場合,層流よりも乱流の方が剥離点が球の後方に移り, 渦が生じ難く抵抗も少なくなる(ゴルフボールのディンプルは流れを乱し剥離 を抑える)。2)飛行機の翼にも,境界層の発達とその末に起きる剥離を抑えるために, Vortex Generatorなる小突起を付けて流れを乱す。以上の2点を聞いた事があります。剥離に因って生ずる渦と音の関係を詳し く教えて下さい。
                                  (楽器メーカ社員)

((株)荏原総合研究所 丸田芳幸)

流体の非定常な動き(流れ)から発生する音(流力発生音または流体音と呼ぶ) を抑える方法として、流れを乱すことで発生音を低減できる場合もあります。 特に物体周りのはく離流れのように流れの構造が複雑な場合には、あえて規模 が小さい流れの乱れを作ることではく離域を縮小できたり、乱れの相関スケー ルを小さくできる場合には、この方法は有効です。

ご質問の中で示されている2つの事例は流体音の低減ではなくて、はく離流 れの制御方法として良く知られていることです。まずこの2事例について補足 説明をします。物体表面(流体中の固体境界面)上にはく離流れが発生すると流 体抵抗が増加するので、これを防ぐ手法が幾つか解明されています。一方、境 界層流れには層流境界層と乱流境界層の2種類があり、はく離流れが発生する タイミングは乱流境界層の方が遅く(下流側に)なることが解っています。そこ で、事例2)のように飛行機の翼面においてはVortex Generatorと呼ばれる小さ な突起を装着して、翼面上の境界層を乱流境界層に遷移させることではく離流 れの発生をより少なくしています。これにより翼の揚力を大きくすることがで きます。また事例1)のように球体の表面に乱流境界層が発生するようにすると 球体後面のはく離域が小さくなって、流体抵抗の低減につながります。但し、 ゴルフボールのディンプルははく離流れの低減ではなくて、回転するゴルフボー ルに伴う循環流を多くすることで揚力を増加させ、飛距離を延ばすという理解 が一般的です。

物体周りの流れにおけるはく離流れの定義はかなり広いものですので、はく 離流れに伴う流体音と称する音にも各種あります。流れの中にある物体の後流 には反対回りの渦が交互に並んだカルマン渦列がしばしば発生します。これも はく離流れであり、この渦放出流れから発生する流体音をエオルス音と呼びま す。エオルス音を低減するためには2つの方法が代表的です。一つは干渉板を 後流中に設置してカルマン渦列の発生を抑制する方法です 。もう一つは渦の 相関長さを短くする方法です。渦列のそれぞれの渦は物体の軸方向(流れの幅 方向)に同時性を伴った或る長さを有しているので、同時性が保たれる渦の長 さ(渦の相関長さ)をより短くする(渦を崩す)と発生音の強度が低下するもので す。例えば、物体を流れ方向に傾斜させるとか、物体表面の粗さを局所的に変 えるとか、表面に微小突起を設けるなどで相関スケールを小さくします。渦列 流れではない一般的なはく離流れにおいても流れの乱れを様々な短い渦の流れ によって置き換えることができ、これらの様々な渦(乱れ)の同時性を有してい る領域が広いほどはく離流れから発生する流体音も大きくなる傾向があります。 したがってはく離流れを同時性が小さい(相関スケールが小さい)乱れの集まり にすることができれば、この流体音も低減可能です。しかし、相関がなくても 流れの乱れが存在しているのですから、発生する流体音を無にすることはでき ませんし、規則正しい渦流れを崩すことによって得られる流体音の低減効果の ような顕著な低減は期待できません。事例1)のように球体周りのはく離流れの 領域を縮小できるのであれば、強制的な乱流を与えることではく離流れ音を低 減可能と推察します。

少し観点を変えると、「音源の密度」と「音源の広さ」の積が「発生音の強 さ」であると理解できます。「音源の密度」が流れの乱れの強さであり、「音 源の広さ」が流れの乱れの相関スケールに相当します。はく離流れの乱れを弱 めることが発生音低減のための主課題ですが、現実的な流れでははく離や乱流 を存在させないことは不可能ですので、流れの乱れの相関スケールを小さくす るように流体を制御する(乱れを強制的に与える)方法を考案するほうが、流体 音の低減には効果的であると考えます。但し、その制御のための装置が新たな 流体音の発生源になるのであれば、用いる意味がありませんので注意が必要で す。これらの定量的な関係は未解明ですが、詳細に関しては流体音と流れの乱 れとの関係を解説した、望月・丸田著「流体音工学入門」(朝倉書店)が参考に なると思います。

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発破等の瞬間的な騒音、低周波音、振動をレベル表示させる場合、 騒音計、低周波音レベル計、 振動レベル計及びレベルレコーダの動特性はどれを選定すべきですか。
                              (環境衛生研究所 所員)

(資源環境技術総合研究所 国松 直)

各測定器により表示されるレベルは入力信号に対してある周波数補正(例えば、 騒音計ではA特性など)を行った後に、動特性(指示特性)としてFAST、 SLOW、VIBRATION等の時間的な補正を加え、 それを実効値のdB値で示しています。

JIS C 1502(普通騒音計)では速い動特性(FAST) と遅い動特性(SLOW)を規定しており、 応答の相対レスポンスを表す時定数τはそれぞれ0.125sと1sです。 JIS C 1510(振動レベル計)ではVIBRATIONとしてτを 0.63sと規定しています。 定常振幅の正弦信号が騒音計に突然入力されたときの応答の相対レスポンスは 次式で示されます。(式中、tは時間(s))

JIS C 1512(騒音レベル、振動レベル記録用レベルレコーダ) においてもFAST、SLOW、VIBRATIONに同一の規定がされています。 FASTとVIBRATIONは被験者試験の結果を反映した値ですので 表示レベルとしては意味のある値と考えられます。一方、 SLOWは適当な平均を得るための特性と位置づけられます。

現行では、環境騒音・振動はJIS規格に基づき測定しますから、 衝撃的な騒音であってもFAST、 振動ではVIBRATIONで計測しておくべきだと思います。しかし、 低周波音については周波数補正及び動特性についてもまだ規定がなく、 当工学会技術レポートNo.11「低周波音及び超低周波音測定方法」 (1991)はSLOWを用いることを提案しています。

衝撃的な音・振動の評価についてはまだまだ多くの議論がなされており、 対象騒音毎に種々の評価量が用いられています (ピーク音圧レベルや等価騒音レベルなど)。IEC規格では IMPULSEとして0.035sを規定しており、 ISO規格などではこの最大レベルを評価量として推奨しているものがありますが、 使用については留意する必要があります。

また、各測定器で衝撃的な信号を測定する時は、 信号波形の実効値に対するピーク値の比で定義される波高率 (crest factor)に対する測定器の実効値の指示精度についても、 各測定器が許容できる波高率(削岩機の音で約7) を知っておく必要もあると思います。

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