日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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これまでの環境騒音測定(L50)ではレベルレコーダのチャートに現場でコメントをつけ,異常音を削除してデータ処理を行ってきました。今後,LAeq測定ではメモリ付き積分型騒音計で瞬時値を取り込むとしても,コメントが無ければ異常音処理ができないのでは。
                                 (コンサル 社員)

((株)小野測器 向井ひかり)

理想的には異常音の影響が無視できるほど、Leqの測定時間を長くすれば、異常音に対する処理を行わずに済みますが、それが不可能な場合は以下の方法で測定を行ってみてはいかがでしょうか。

近頃の騒音計には、Leq測定中に異常音が発生した場合、操作ボタンによって測定が一時停止状態になり、異常音の発生中とその時点からさかのぼって数秒間のデータを除いてLeqの計算を行う機能を持っているものがあります。測定者が測定中に騒音計の近くにいることができる場合、この機能を使うことで異常音の影響を取り除くことが可能です。

しかし、夜間測定など測定者が騒音計の付近にいることができない場合、この機能を使うことができません。この場合に突発的な異常音の影響を測定値から取り除くには何らかの工夫が必要です。これをどのように処理すべきか、騒音測定に係わる多くの方々が困っていらっしゃるのではないでしょうか。測定器メーカ各社でも現在いくつかの方法を検討中です。

例えば1分間というような短時間のLeqを連続して測定し、それを騒音計または測定器の記憶装置に保存していき、測定後に異常音が発生した時間のLeqを除いて実測時間全体(例えば10分間)のLeqを計算する方法が考えられます。測定時には同時にテープレコーダ等の録音機を用意して一定値以上の強さの音が発生した場合、その音を録音するように設定します。測定後、録音を聴き、それが異常音かどうかの判断をします。異常音と認められる音であればその部分の短時間のLeq測定値を除いてLeqの計算を行います。

しかし、この方法では騒音計のみで測定を行うことができず、2次的なデータ処理に時間がかかってしまいます。また大がかりな測定装置が必要となります。実際にどのような方法が簡便で有効であるのか、今後も検討が必要です。

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自動車のユニットパターンについて、交通量が非常に少ない時に試験車両を1台走行させて理想的なユニットパターンを実測することが出来たら、そのデータから伝搬特性を抽出して使用することはできないでしょうか。道路構造や交通条件から求められるユニットパターンの計算値よりも有効なデータになると思うのですが。
                                      (匿名)

((財)小林理学研究所 松本敏雄)

現場において、自動車1台の理想的なユニットパターンを測定することができれば、それによる計算値と実測値との対応を検証する上でも非常に有効なデータになると思います。

では、理想的なユニットパターンとはどうすれば測定することが出来るのでしょうか。まず、試験車両として大型車と乗用車の2種類は必要となるでしょう。大型車については積載の有無の条件が有ればなお良いでしょう。次に、各試験車両を一定速度で対象車線を走行させ、ユニットパターンを測定することになります。その時、3種類程度の速度を設定し(例えば、40、60、80km/h)、データの安定性を確保するためには各車両、各車線毎に5回程度を走行させることが必要でしょう。また、現場ではなかなか難しいことなのですが、ユニットパターンの測定範囲(計算の場合は、道路中心線から測定点の距離の±20倍が必要。25mならば±500m)で十分なS/Nが取れていることが必要な条件となります。さらに、ここで測定されたデータは、試験車両がある一定速度で走行した場合のユニットパターンの実測値に過ぎません。このデータから伝搬特性の部分を抽出するためには音源である試験車両のパワーレベルの測定も同時に実施する必要があります。まだ、これ以外にも必要な測定や注意すべき点はたくさんありますが、自動車1台の理想的なユニットパターンを測定するには多大な労力を必要とすることが理解できると思います。私自身も、試験車両あるいは一般車両の単独走行を狙ったユニットパターン測定、スピーカを用いたユニットパターン測定等をこれまで手がけてきましたが、思うようなデータが得られたことは少なく、上記のいずれかの条件を犠牲にせざるを得ないことがしばしばです。  確かに、自動車1台の理想的なユニットパターンを実測することができれば、計算値よりも説得力があり車線毎の寄与が把握でき、また交通条件の変化に対しても汎用性が高いなどの有効なデータになると思いますが、音の伝搬過程での条件変化に対応できないといった欠点も考慮しておく必要があります。もし、自動車1台の理想的なユニットパターンの実測値を得ることが出来たならば、是非、本誌に報告されることを期待いたします。

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航空機騒音計測について,ICAO基準では音圧型マイクロホンを指定しているが,自由音場型マイクロホンを使用した場合と何dBほどの差が出るのですか。
                                  (メーカ 社員)

(リオン(株) 若林友晴)

航空機騒音の測定には、飛行場周辺の環境を評価するための測定の他に、発生源対策の観点から航空機が発生する騒音が一定の基準以下であることを判定する航空機騒音証明のための測定があります。  ICAO・ANNEX16にはその航空機騒音証明に係る測定の方法が記載されています。そこでは使用するマイクロホンとして音圧型が指定され、上空を通過する航空機からマイクロホンへの音波の入射角がかすめ入射(正面に対しての90°入射すなわちマイクロホン振動膜面の延長面上)となるようにマイクロホンを水平に設置することが規定されています。このような位置関係を満足した場合には飛行軌道上において音の入射角が常に一定となるため、全方向を均一な周波数特性で測定することが可能です。  下図に音波の入射角をパラメータとした時の、1/2インチ音圧型マイクロホンの自由音場における周波数特性を示します。音圧型マイクロホンはかすめ入射においてほぼ平坦な特性を示すため、このようにマイクロホンを設置すれば自由音場型マイクロホンを正面入射で使用した場合と同一な測定結果の得られることがわかります。  実際の測定においては音波の入射角が一定でないために音圧型と自由音場型の両者間で周波数特性に僅かながら差の生じることがあります。しかし、航空機騒音の周波数成分を考え合わせれば評価量に与えるその影響は極めて小さく、統計的に両者の測定値が同じであるという実測結果も報告されています1)。

参考文献

  • 1)吉岡:航空機騒音の測定方法, 騒音制御, Vol.19, No.3, 1995

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大規模工場の作業環境騒音測定をガイドラインに従って行うと,多数の測定点が設定され金額的にユーザに負担が掛かり過ぎます。測定点数,測定方法,次回以降の測定点数・測定方法等で簡素化する案はあるのでしょうか。
                                      (匿名)

(増本安全衛生管理事務所 増本直樹)

騒音職場で働く人の聴力を保護するために定められた法、規則を先ず列記してみます。

(1)労働安全衛生法

(2)労働安全衛生規則

(3)騒音障害防止のためのガイドライン(通達)

(4)作業環境測定基準

騒音技術などの変化に沿った規則改正が平成4年に行なわれ、新たに騒音障害防止のためのガイドラインが定められ、測定、評価方法などが示され、騒音作業のある事業場の管理が進め易くなりました。

上記(1)、(2)および(3)の中からご質問に係わる事項を取り出してみます。

  1. 単位作業場所における騒音レべルがほぼ均一(標準偏差が3デシべル以下)であることが明らかのときは、測定点に係わる交点は、当該単位作業場所の床面上に6メートルを超える等間隔で引いた縦の線と横の線との交点とすることができる。
  2. 間欠的な騒音又は不規則に変動する騒音を考慮して、一測定点における騒音の測定時間は10分間以上の継続したものであること。
  3. A測定平均値の算定には、80dB(A)未満の測定値は含めないこと。
  4. 屋内作業場以外の作業場における測定については、騒音発生源が作業により移動する手持動力工具を取り扱う業務が多いことから、屋内作業における作業環境基準に基づく測定を行なう必要はなく、音源に近接する場所において作業を行なう作業者の位置で測定を行なえば、足りるものである。
  5. 測定は衛生管理者など、事業場の労働衛生管理の実務に直接携わるもの、或は、測定機関に委託して実施することが望ましい。

法規に則り騒音事業場の労働衛生管理を行う立場の私からは具体的なことは申せませんが、法律、規則は最低限の決まりであり、前述した内容を十分検討すれば、質問事項についての解答が得られるものと考えます。

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