日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.44, 2020-2

騒音規制法、振動規制法における工場・事業場に係る特定施設の届け出について具体的に教えてください。また、変更届け等についてもご教示ください。 (Vol.44No.2)
Vol.44 No.2

(松戸市役所 桑原 厚)

騒音規制法及び振動規制法(以下「規制法」という。)における工場・事業場(以下「事業所」という。)に係る特定施設の届出については、規制法第6条において「指定地域内において事業所(特定施設が設置されていないものに限る。)に特定施設を設置しようとする者は、その特定施設の設置の工事の開始の日の30日前までに市町村長に関係書類を添えて、特定施設設置届出書を提出しなくてはならない。」と規定されています。ここで、設置者とは事業を行う個人又は法人であり、法人にあってはその代表者(代表権を有する者)が届出者となります。従って、一般家庭に設置される場合は対象外となります。また、30日前までとしているのは、この期間に市町村長が届出の内容を審査するための期間として設定されています。なお、審査の結果、規制基準に適合し周辺の生活環境を著しく損なう恐れがなければ、受理書が交付され、当該特定施設の設置工事を開始できることとなります。また、規制法第7条において特定施設の使用の届出に関する規定がありますが、こちらは、既に特定施設を有する事業所が存する場所が、後から指定地域となった場合、又は一の施設が特定施設となった場合(今までは、特定施設ではなかったが、政令改正により特定施設に追加されたといった場合)に適用されるものです。次に、変更届等についてですが、規制法第8条において、「第6条第1項又は前条第1項の規定による届出をした者は、その届出に係る第6条第1項第3号又は第4号(振動は第3号から第5号)に掲げる事項の変更をしようとするときは、当該事項の変更に係る工事の開始の日の30日前までに、市町村長に関係書類を添えて、特定施設使用届出書を提出しなくてはならない。」と規定されています。この規定は、届出内容のうち、特定施設に変更があった場合の手続きを定めたものです。ただし、騒音については、第3号は特定施設の種類ごとの数の増加が直近届出の2倍の範囲内、第4号は発生する騒音の大きさの増加を伴わない場合、振動については、第3号は特定施設の種類及び能力ごとの数が増加しない場合、第4号は発生する振動の大きさの増加を伴わない場合、第5号は使用開始時刻の繰り上げ又は使用終了時刻の繰り下げを伴わない場合は、届出が不要とされています。これは、実質的に騒音振動の増加を伴わない場合は事務の繁雑さなどを考慮して、届出対象としていないものです。このように、変更に関する規定は、騒音と振動で適用条件等が異なるので注意が必要です。なお、届出義務が不要とされている条件であっても、届出を自主的に行うことを妨げてはいないため、法令順守等の観点から届出を行うことは問題ないとされています。なお、審査の結果、規制基準に適合し、周辺の生活環境を著しく損なう恐れがなければ、受理書が交付され、当該特定施設の変更に係る工事を開始できることとなります。以上は、特定施設に変更が生じた場合の規定ですが、それ以外にも氏名の変更等及び承継の届出に関する規定があり、氏名の変更等については規制法第10条に承継の届出については規制法第11条において届出が規定されています。これらの規定は、当初の届出者等の情報に変更があった場合の届出を規定するもので、適切に規制事務を執行するためのものです。氏名変更については、会社の代表者変更、本社住所変更や会社名の変更などがあった場合に必要な手続きとなります。
なお、いずれの届出についても、届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者に対しては、届出義務違反としての罰則が設けられており、これにより届出を担保しています。
また、騒音振動に関する規制事務については、各市町村長(特別区長を含む。)に委ねられている上に、条例で独自の規制等を行っている自治体も多数ありますので、事業所の存する地域の市区町村役場へ問合せて確認した方が良いでしょう。

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