日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.36, 2012-4

室間音圧レベル差の測定に63Hzが含まれていないのは、どのような理由なのでしょうか。(Vol.36 No.4)
                                (音響測定会社 社員)

(日本騒音制御工学会認定技士 安岡博人)

日本工業規格 JIS A 1417 における周波数範囲について,“63 Hz が入ってないのはなぜか?”という質問は良く聞きます。“床衝撃音の方には含まれているのに”ということだと思われます。私の聞き伝えの回答でよろしければ,以下のように考えられます。

集合住宅,ホテルなどは一般に居室が小さく,相対的に波長の長い周波数に関しては定在波が大きく寄与して,音圧レベルの偏差が各測定点間で大きくなり,平均音圧レベルで扱うのには問題が多いということだと思います。つまり,室のどの点が受音点になるか分からない状況で平均値を当てはめると,受音点の取り方によっては平均音圧レベル差の測定結果に 1 ランク以上の違いが生じる場合もあるということではないでしょうか。

このため,特定場所間音圧レベル差が規定されていますので,それで 63 Hz を測定して,当てはめるのは,その点の固有の値ですので,一つの考え方としては妥当と思われます。また,参考として 63 Hzの室間音圧レベル差を測定する場合もありますが,当然データの妥当性はその旨明記して自己責任で行うことになります。

そして,床衝撃音の重量衝撃音の場合は,低音を測定するために行いますから偏差を承知で決めてあり,打点も多くなっていますし,測定値の空間的ばらつきは今まで多く検証されながら運用されています。

関連 JIS

  • ・JIS A 1416 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法.
  • ・JIS A 1417 建築物の空気音遮断性能の測定方法.
  • ・JIS A 1418-1 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法─第一部 : 標準軽量衝撃源による方法.
  • ・JIS A 1418-2 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法─第二部 : 標準重量衝撃源による方法.
  • ・JIS A 1419-1 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法─第一部 : 空気音遮断性能.
  • ・JIS A 1419-2 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法─第二部 : 床衝撃音遮断性能.

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