日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.35, 2011-4

校正信号の数値が騒音計の場合-6dBであり,振動レベルは0dB(もしくは-10dB)である理由は?(Vol.35 No.4)
                               (環境調査会社 社員)

(リオン(株)音響振動計測器営業部 河野正秀)

騒音計には基準音圧に相当する基準電圧(校正信号)が備えられていますが、この校正方式はマイクロホンを除く増幅器・指示機構等の感度を校正するものです。一方、マイクロホンの感度は-32dBV(例)のように表記されていますが、これは1Pa(パスカル)の音圧によりマイクロホンに生じる電圧値を1V基準にしてその対数を求めたものです。

すなわち-32dBV=20×log10(25mV/1V)であり、このマイクロホンは1Paの音圧で25mVの電圧を発生するわけです。1Paは音圧レベルで表現すると94dBであり、この音圧に相当する基準電圧を校正信号に用いることから、古スケールを100として100-94=6で、-6dBを校正信号の数値としています。

また、騒音計の国際規格IEC61672-1の翻訳規格であるJISC1509-1(サウンドレベルメータ)では、94dBを基準音圧レベルとすることを推奨しています。

振動レベル計では、振動ピックアップを含む加振試験で加振レベルを100dB(1m/s2)程度にすることが一般的であり、校正信号の数値はフルスケールやフルスケール-10といった、ぴったりの数値が使用されています。

指示計(メータ)のみが対象であった頃、校正信号の数値の前後(調整範囲)がメータの直線性範囲にあるようフルスケール-10の数値が使用されていました。その後、アナログ回路をほとんど使用せずDSPによるデジタル処理が一般的になって感度の調整は不要として、校正信号は録音機器等の後続機器のレベル調整用として備えられるようになりました。このような機器では校正信号はOUTPUTCAL(出力校正)と表記され、その数値は利便性を考慮しフルスケール(0dB)が使用されています。

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