日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.30, 2006-3

騒音制御工学会では道路振動予測式を提案されたと聞きましたがどのような予測式なのでしょうか。また、この式をアセスメントの際に利用することは可能でしょうか。その他、式を利用する場合に注意する事柄があればご教授下さい。(Vol.30 No.3)

この道路交通振動の予測式は,環境振動に係る国際的な動向を加味した「物理的なモデル」に基づいて,新たに道路交通振動予測計算方法を提案し,会員のみならず関係する方々に提供するものです。道路交通振動予測計算方法(INCE/J RTV-MODEL 2003)として,騒音制御誌上に発表されています1)。

従来より,広く利用されている道路交通振動の予測式2)は,行政面での道路交通振動の評価値である,振動レベルの80%レンジの上端値LV10を直接予測する式であり,データの蓄積による統計的かつ経験的な側面が強いものです。一方,提案した新しい予測式では,道路交通振動の予測量として等価振動レベルLVeqを定義しています。また同時に,LVeqからLV10への変換式を提案し,行政面での評価値への対応を図っています。

予測式の構築にあたっては,地盤・路面条件等を考慮し実測データを基にして,基準点の振動加速度レベルを設定,Bornitzの振動伝搬式を用いて伝搬計算を簡略化し,各離散点振動源と予測地点間の振動伝搬計算から振動加速度レベルのユニットパターンを求めます。次いで,車線,車種別に求めた等価振動加速度レベルLVaeqを合成して車線ごとのLVaeqを求め,最後に全車線分を合成して地盤による補正を加味して等価振動レベルLVeqを求めています。また,補正値(+3dB)によりLV10を推定しています。

本予測式をアセスメントに利用することは可能ですが,アセスメント(環境影響評価法)では,一定規模以上の事業は,調査・予測及び評価をすることを法律で義務付けられており,学術的な根拠に基づいた方法で予測計算をすること,また,予測の不確実性の程度その理由等を明らかにすることが求められています。標準予測手法として広く利用されている建設省土木研究所の提案式は,その効果に関する知見の蓄積が十分であると判断されていますが,本予測式は新しい予測手法であるため,その効果に関する知見の蓄積はこれからである分,事後調査などが必要となるケースも考えられます。

本予測式は平坦道路を対象としていること,LV10の計算値が実測値より多少小さな値となっていることから,計算値に不確定要因による補正値として2dBを加えることを推奨していることに留意して利用して下さい。


図.1一台の自動車と予測地点の位置関係

参考文献

  • 1)道路交通振動予測式作成分科会:研究部会報告 道路交通振動予測計算方法(INCE/J RTV-MODEL 2003),騒音制御,28巻3号,pp.207~216(2004).
  • 2)(財)道路環境研究所:道路環境影響評価の技術手法,第2巻,293~317(2000)

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