日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.29, 2005-4

工場の設備機器への外気導入のために壁に開口部を設けています。開口部の騒音対策について、考え方と方法を教えて下さい。(Vol.29 No.4)
                                 (公害防止管理者)

((株)荏原製作所 松田 道昭)

対策の詳細は専門書に譲るとして、ここでは考え方の基本を述べますので参考にして下さい。

1) 開口部の位置と面積の最適化

開口部から放射する騒音のパワーレベルに対して、開口面積Sは10log10 S [dB]として影響します。例えば、Sが1/2になれば、騒音は3dB低減します。面積は必要最小限にして下さい。

開口部が矩形(長辺a×短辺b)の場合、開口部からの距離rをr1からr2にしたときの減衰は、r≧a/πの領域では点音源と同様に20log10(r2/r1) [dB]です。そのため、境界線が近ければ、少し遠ざけるだけでも減衰効果が上がります。例えば、3mから4mに離したときの減衰量は、20Log(4/3)=2.5dB です。但し開口部寸法と距離の関係が、b/π≦r<a/πの領域になると、減衰量は線音源と同様に10log10(r2/r1) [dB]に半減し、r<b/πの領域では減衰しないので注意が必要です。ただ余程大きな開口部でない限り減衰が見込める場合が多いので、開口部は敷地境界線からできるだけ遠ざけて下さい。

建物角部の開口部は、敷地境界線に面していない側の壁面に設置すれば、建物による回折減衰や開口部の指向性(大体の場合正面方向の音が大きい)によって低減が期待できます。簡易的にフードを取り付けて、下や横に向きを変える方法もあります。開口部と敷地境界線は向き合わせないで下さい。

2) 開口部での消音

開口部での消音対策には様々な種類がありますので、減音効果、設置スペース、圧力損失等を考慮して選択して下さい。

  • ・消音エルボ(直角やラウンドエルボに吸音材内貼)
  • ・吸音材内貼ダクト
  • ・消音器(セル型やスプリッタ型から選定)
  • ・吸音ルーバ(吸音材付きのルーバ)
  • ・遮蔽板(開口部屋内側で機械の直接音を遮る)

3) 室内騒音の低減

屋内の機器配置を変更できるなら、騒音の大きい機器は開口部から遠ざけ、ファンの吸込口などは開口部と反対に向けて直接音が到達しないように工夫します。室内の反響が大きい場合、グラスウール等の吸音材を壁や天井に内貼りすれば、対策効果が上がりますし、室内作業環境もあわせて改善できます。また機器の改修時期であれば、低騒音型への変更なども検討しては如何でしょうか。

開口部の対策を十分に行っても騒音が低減しない場合、固体伝搬音の影響も疑われますので、壁面に振動が伝わっていないか確認してみて下さい。

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