日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.29, 2005-10

騒音測定を行う際に、騒音計はどちらに向けると良いのでしょうか。(Vol.29 No.10)
                                    (大学院生)

(リオン株式会社  瀧浪 弘章)

騒音計は,どの方向から入射する音に対しても等しい感度を持つことを理想とします。(全指向性)。音の波長がマイクロホンや騒音計の筐体(ケース)の寸法に対して十分に長い,低い周波数範囲では, 騒音計の指向特性は全指向性となります。しかしながら, 音の波長が騒音計の寸法と同程度より短くなってくる, 高い周波数範囲では, 音の反射や回折のために, 指向性を持ち, 一般に, マイクロホンの後方から入射する音に対する感度は低くなっていきます。

騒音計の規格 (近々改正される予定のJIS) では, 騒音計の指向特性の許容限度値を表のように規定しています。表の数値 (dB) は, 精密級に相当するクラス1の限度値で, 普通級クラス2の限度値はこれより大きくなります。なお, この許容限度値には測定の不確かさの最大許容値が含まれています。

周波数
(Hz)
入射角(θ)
30° 90° 150°
250~1,000 1.3 1.8 2.3
1,000~2,000 1.5 2.5 4.5
2,000~4,000 2.0 4.5 6.5
4,000~8,000 3.5 8.0 11.0
8,000~12,500 5.5 11.5 15.5

想像以上に大きい値だと思われるかもしれませんが, これは, 正弦波を特定の方向から入射したときの値です。一般の騒音は広帯域であり, 数kHz以上の成分が突出していることは殆どありません。また, 一般の環境騒音の測定では音の到来方向が特定できないことも多く, 交通騒音の場合には, 音源が移動しています。

純音性で音源位置が固定して明確な場合を除き, 実際の測定では, 騒音計の向きにあまり神経質になる必要はないと考えられます。

音源の向きが特定できる場合には音源の方向にマイクロホンを向け, 特定できない場合には上を向けるというのが自然な方法かと思います。

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