日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.28, 2004-3

防音ダクトの設計や施工についての留意点について教えて下さい。(Vol.28 No.3)
                                (建築会社 技術者)

((株)ササクラ 音・冷熱事業部 黒部能幸)

防音ダクト(以降、消音器と言います)の目的は、強制気流があるダクト内部を空気伝播する騒音を減音することです。この消音器を設計あるいは選定する際、下記のことに注意する必要があります。

1. 圧力損失

消音器の減音効果のみを考えていると、消音器の圧力損失が高くなる。これは例えば低周波域での減音量を大きくしようとすると、同減音構造部が大きくなり、減音構造部の気流速度が上がり、圧力損失が増加するからです。

次に消音器が設置される直近上下流のダクト形状(エルボ等)により、気流が変化して、ダクト消音器と直近のダクト系での総合圧力損失を増加させますので、このような設置をする場合、圧力損失は直管ダクト設置時の2倍を見込む必要があります。これらは消音器メーカーの技術データ等に示されているので、参照されると良いでしょう。

2. セルフノイズ

コンパクトな消音器を追求すると、同消音器の断面積が小さくなり、内部流速が増えて、圧力損失と共に、消音器の内部減音構造が発生する気流音(これをセルフノイズと言います‐パワーレベルで示す)が増えて、下流の騒音値を増加させることになりかねません。消音器の各気流速度におけるセルフノイズを掴んでおくことが必要です。基本的にはダクト内気流速度を出来るだけ遅くすることが必要ですが、コスト上ダクトサイズを大きくすることが出来ないのが現状です。セルフノイズデータについては、ダクト消音器メーカーカタログに記載されていますので参照できます。通常、消音器設計、選定の際、低周波音が下流のダクト系を加振して、新たな振動音を発生することがあるので、上流で低周波音を必要なだけ減音することが必要です。低周波音用消音器の構造上、気流速度が速くなり、セルフノイズを多く出す結果となります。場合によっては、その下流に気流音の主体である中・高周波を取るための消音器を考慮する必要があるでしょう。

3. ブレークイン・ブレークアウト

これは消音器で上流からの騒音を消音しても、下流でダクト外部の騒音が同ダクト内に透過して同ダクト内部騒音を増加させることがあるので注意する必要があります(ブレークイン)。その反対にダクト内部の騒音が同ダクトを透過して、その回りの空間、室内に侵入して同空間、或いは室内の騒音値を増加させることがありますので、その注意が必要でしょう。

4. 正流、逆流での消音器性能

消音器性能を詳細に見ますと、気流と騒音が同方向に流れる場合(正流)とそれぞれが反対方向に流れる場合(逆流)の同じ消音器性能が低周波域において1~3dB異なる(逆流の場合の方が性能が高く現れる)場合があるので注意が必要でしょう。これも消音器メーカーカタログ等に出ているので参照されるとよいでしょう。

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