日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.28, 2004-5

低周波音の測定では風の影響を受けるとのことですが、具体的に風速何m/s以下での測定が望ましいのでしょうか。(Vol.28 No.5)
                               (計量証明事業所所員)

(財団法人小林理学研究所 落合博明)

低周波音測定では風の影響を受けますが、具体的に風速何m/s以下での測定が望ましいということは単純には言えません。

低周波音レベル計のマイクロホンに風が当たると雑音が発生します。低周波音の測定にあたっては、防風スクリーンを使用しますが、大きな効果は期待できません。防風スクリ?ンの効果は、周波数範囲 1~80Hz平坦特性で測定した場合、通常使用される連続気泡ポリウレタンの直径 9cmの防風スクリ?ンでは約10dB、同じ材質の直径20cmの防風スクリ?ンでは約20dBほどです。図?11)は直径20cmの防風スクリーンの有無による風雑音の大きさを比較したもので、図に示すように風が強くなると風雑音も増加しています。対象とする低周波音の音圧レベルが小さいほど, 風が強いほど風による影響は大きくなります。経験的には、低周波音の音圧レベルが80dB程度の場合、周囲の草が風で揺れていると(概ね風速1m/s以上),正確な値を得ることは難しいでしょう。

音圧レベル変動の小さい低周波音の測定で、時折風が吹く場合には、低周波音レベル計の出力をレベルレコーダに接続して音圧レベル変動をモニターし、変動の少ない区間を測定します。

図22)は風速による風雑音の周波数特性の違いを示したものです。風速の増加に伴い、低周波数域ほど音圧レベルの上昇が認められることがわかります。すなわち、測定対象とする低周波音の周波数特性によっても、風による影響の度合が異なることがわかります。対象とする発生源の卓越周波数が高い周波数域にあれば、風による影響は受けにくくなります。

低周波音の測定では、屋外の測定だけでなく、屋内でも風による影響を受けます。風により窓が振動することにより, 室内でも見かけの音圧レベル変動が観測されることがあります。風の強い日に室内で低周波音を測定する場合には, 風雑音の発生に注意を払う必要があります。

なお、低周波音測定時における風雑音の影響については、環境省より公表されている「低周波音の測定方法に関するマニュアル」(下記URL)にも記載されています。

(http://www.env.go.jp/air/teishuha/manual/index.html)

参考文献

  • 1)大熊恒靖, 福原博篤, 低周波音測定に及ぼす風の影響について,日本騒音制御工学会技術発表会講演論文集,1980.9, 173-176.
  • 2)R.N.Hosier and P.R.Donavan, Microphone Windscreen Performance, National Bureau of Standards Report NBSIR 79, 1599, Jan.1979.

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