日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.24, 2000-3

LAeqの取り扱いについて、今まで蓄積されたL50のデータを利用できないのでしょうか。
                                      (匿名)

(静岡県環境衛生科学研究所 竹下昭二)

L50は統計量としては中央値と呼ばれるもので、騒音を連続的に測定した時ある値を超える時間の割合とその値以下となる時間の割合がちょうど同じ(それぞれ50%)となる値のことをいいます。

一方、LAeqは等価騒音レベルと呼ばれていますが、その意味は騒音のエネルギー平均値をデシベルで表したものです。具体的には、騒音を連続的に測定した時、測定を行った時間について騒音となっている音のエネルギーの総和を求め、その総和を測定時間で割った平均エネルギーをデシベル表示で書き直したものをいいます。

このように、両者は全く異なる評価方法であるためL50のデータをLAeqに換算することは一般にはできません。したがって、今までに蓄積されたL50のデータを使って新しい環境基準に対する適合状況を判断するなどといった、基準値に関係するデリケートなことはできないと言えます。

しかしあまりデリケートでない場合については、今までに蓄積されたL50のデータの利用は可能と思われます。この場合はL50のデータのを近似的な換算によってLAeqのデータに置き換えます。換算の方法は、①L50に一定の値を加算(減算)する、②統計的方法により処理する、③単純な仮定に基づく近似計算を行う、などが考えられます。ここでは③についてのひとつの例を紹介します。

騒音レベルが正規分布(標準偏差:σ)している場合、

LAeq=L50+σ2/20log(e)、と書けますが1)、ここから次のバリエーションが得られます。

LAeq=L50+(L5-L95)2/94.0

LAeq=L50+(L5-L50)2/23.5

LAeq=(L5+L95)/2+(L5-L95)2/94.0

これらは正規分布から多少ずれている場合でも比較的良く成り立つことが知られています。しかしあくまで近似計算ですので誤差の大きい場合もあり注意が必要です。これらについては文献を参照して下さい。

参考文献

  • 1)曽根、仁村:音学講論集(1977)
  • 2)高木:環境技術、8(1979)
  • 3)中野:騒音と振動
  • 4)竹下他:騒制講論集(1987)、同(1999)

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