日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.24, 2000-7

騒音や振動レベルのフィールド測定中に,定格の温湿度測定可能条件から少し外れてしまった場合,どのような対策をとればよいのか,また,補正などが可能なのでしょうか。
                                      (匿名)

(リオン(株) 若林 友晴)

JISで規定されている騒音計および振動レベル計の使用温湿度範囲は-10℃~50℃、90%以下となっており、温度による器差の変化が0.5dB以上ある場合には補正値を取扱説明書に記載することになっています。しかし補正が必要な性能では測定者の利便性に問題が生じるため、現実にこの範囲で補正の必要な騒音計・振動レベル計は実在していないと思います。

騒音計・振動レベル計の製品仕様に記載される温湿度範囲は前記したJISの規定と同一になっている製品が一般的ですが、その範囲よりも広く規定されている製品もありえます。問題は御質問にあるように製品仕様で規定される温湿度範囲外でのことですが、残念ながらメーカーでは性能保証することが出来ませんし補正値も用意されていません。その理由は次によります。

一般には温湿度試験を出荷される製品の全数について実施することはその必然性が低く、コストアップにも繋がるため行われていません。温湿度試験は製品の開発段階や、計量法の型式承認試験で実施されています。そしてその後は製品の量産時に抜き取り試験で実施されます。メーカー側ではそれらの試験データや設計上の理論的な判断によって製造された全数についての性能保証ができる範囲を決めています。そこで個々の製品で捉えた場合にはある程度の余裕度が含まれる場合もあるため、規定した温湿度範囲を大きく外れない範囲では正常に動作することもありえます。しかし、その環境での試験を行っての判断がないためメーカーとしてはあくまで性能保証ができないのです。

製品仕様より広い使用環境での性能保証を必要とする場合にはメーカーに依頼することにより、ある範囲内であればその環境での性能試験を実施することで対応出来る場合もありますが、別途に費用が発生してしまいます。メーカーではなく使用者の自己責任において性能を確認する場合には、その環境で音響校正器や振動レベル校正器を利用することなどにより動作確認するのも一つの方法ですが、その場合には動作確認が測定器の持つさまざまな機能の一部に限定されている点に注意することが必要です。

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