日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.24, 2000-8

在来鉄道の騒音指針値は新線のみ定められており、既設線の大規模改良には明確な数字がなく「現状より改善すること」となっている。「改善する」とは何dB(A)程度低減させるのが目的なのか。
                                      (匿名)

(環境庁大気保全局自動車環境対策第一課 奥山 広)

在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」(平成7年12月20日環境庁通達)は、在来線のうち、特に新線建設による路線や立体交差等に伴う高架化又は線路の増設のような大規模工事を行った路線は、鉄道騒音を巡る周辺環境が急変するため新たな騒音問題が生じているケースが少なくありませんでした。このため、これらに際しての騒音問題の発生を未然に防止ために、目標となる当面の指針を定めたものです。

この策定過程で、最近供用された新線と大規模改良線について列車本数と騒音レベルを比較したところ、大規模改良線の方が運転本数が多い路線があり、新線と比較して数dB(A)大きくなってしまう状況もあることがわかりました。また、貨物列車と旅客列車の両方が走行する区間においては、列車総本数が同様でも貨物列車の運転本数が多いケースでは貨物列車の長さが長いため、夜間においてさらに数dB(A)大きくなった事例がありました。

このため、大規模改良線の指針については、状況が極めて複雑であり必ずしも新線と同様の騒音レベルに抑えることは容易ではないとして、「騒音レベルの状況を改良前より改善すること」としたものです。

したがって、「現状より改善すること」とは技術的な対応可能性も踏まえたうえで、できるだけ現状より騒音レベルを低くすることである、と考えていただきたいとおもいます。

なお、既設線の環境基準や指針については、列車の種類、編成内容、運行頻度、運行時間などが多種多様であり、採りうる環境対策も路線ごとにその条件が異なることから全国一律に設定することは困難ですので、この場合の騒音対策は個別の事例ごとに適切な対策が講じられるもの、と考えています。

閉じる

分野

キーワード

フリーワード

PAGE TOP