日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.24, 2000-9

騒音に規制事務に携わって1年に満たないが、法律や条例に抵触しない工場・事業場、建設作業、近隣騒音等についての苦情処理について苦慮しています。対処方法のコツのようなものがあればお教え下さい。
                                   (自治体職員)

(大阪府公害監視センター 厚井弘志)

騒音の苦情処理は、古くて新しい問題であり、ご苦労の程良く分かります。一 昔まえの騒音公害であれば、誰が聞いてもこれは大変だ、というものでしたが、近年 は騒音レベルが低くなり、技術的にそれ以上にレベルを下げることがほとんど不可能 に近い場合が多いのが現状です。特に大阪府の場合などは、規模に関わりなく、全て の工場・事業場を規制対象にしており、条例上は、例えば製品の搬出・搬入にともな うトラックの出入りに伴う音(事実状防止の方法がない)までが含まれますから、規 制に当たられる市町村の担当者のご苦労には大変なものがあります。

また、騒音公害のいくつかには、騒音自体が問題ではなく、相手方が我が家にな いピアノを持っていることがしゃくに障る、とか、先代からの土地の境界問題が根底 にあるとか、騒音そのものが問題でない場合も多いのです。

さて、こうした問題への対応ですが、まず誠実に対応し言い分を良く聞いてあげ る(私の場合は3度までは同じ事の繰言であっても聞く)のが、原則です。苦情者の 多くは孤独で、自分の悩みを理解してくれる人を持たない。したがって、まじめに聞 いてあげるだけで解決する場合もあります。もちろん行政の説明に納得せず、しつこ く何度も何度も苦情を申し立てる方も多くおられます。実は、私自身騒音公害の加害 者(マンションでの子供の飛び跳ねる音)になったり、被害者(隣家のボイラー音) になった経験がありますが、自分で出来る限りの処置をし行政に持ちこんだりはしま せんでした。

ですから、私が相手の立場ならこうする、あるいは、このようにして解決された 事例がある、と言えば、近隣騒音の場合は大抵以後苦情は来なくなります。

それでも納得が得られない場合、公害紛争処理法に基づく調停を進めます。大阪府 では年間7,8件の調停事案がありますが、6,7割は騒音に関するものです。それ でもだめなら残された手段は民事訴訟を勧めるしかないでしょう。

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