日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.22, 1998-8

室間音圧レベル差の測定に63Hz が含まれていないのはどのような理由なのでしょうか。
                              (スレート製造業 社員)

(三井建設技研 安岡博人)

室間音圧レベル差は住宅の居室やホテルの客室など事務所、宴会場などと比 較して小さい室で多く測定されています。室間音圧レベル差測定は室における 音がある程度以上拡散した状態で測るのを前提にしていますので、小さい室で は波長と室容量、形状によっては拡散音場が形成できなくなります。

実用的な周波数としては、63Hz帯域も欲しいところで、実際に測定しても何 らかの値はでてきます。

これが、他の周波数帯域同様な測定精度と意味を持つかどうかが理由の一つ です。スピーカで音場を作る場合、1個用いる時や2個以上用いる時、また無 指向性型を用いる時などで音圧分布は変り、それらの偏差も変ってきます。受 音点のマイクロホンの位置による音圧の分布状態も周波数が低くなるとバラツ キは大きくなり、測定点間で10dB以上の差が生じてきます。あまり大きな差が 生じると、空間平均の意味が薄れ、特定場所間の色合いが強くなってきます。 現行の各受音点間の差が10dB以内を基本と考えると63Hz帯域は満足しない確率 は高くなり、31.5Hzはなおさらでしょう。

現在JISの国際整合化が行われていますが、この中で“低周波数域の測定が 必要な場合には、オクターブバンド測定による場合は中心周波数63Hzの帯域、 1/3オクターブバンド測定による場合は中心周波数50Hz、63Hz、及び80Hzの帯 域について測定を追加する”という備考が案として盛り込まれています。バラ ツキや定在波などを考慮すれば、実用的に必要な63Hz帯域を測定しても良いと いう方向が付け加えられる予定です。実際の測定時には、測定上の工夫や、注 意事項を解説として作成して、条件をそろえるようにして、測定結果の信頼性 を上げる必要があるでしょう。 ホールや体育館と隣室のような場合は、特定 場所間音圧レベル差として考えれば、問題点は少ないのではないかと考えられ ます。いずれにせよ測定上の目的がはっきりしていれば、開発などに応用して ゆくことについては、発展的に考えたほうが良いと思います。

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