日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Vol.23, 1999-10

世の中で人が心地よくないと感じる音や音色とはどういうものですか。それらの範囲はありますか。
                                      (匿名)

(千代田化工建設(株) 中村ひさお)

これは大変難しい質問です。ある音を心地よいと感じるか心地よくないと感じるかには、個人差ばかりでなく、その人の健康状態や気持ちの状況、その音を耳にするタイミング等、実に様々なものが影響してくるからです。このため、「人が心地よくないと感じる音や音色」に一般的な傾向はありますが、その範囲となると簡単に特定できるものではありません。

人が心地よくないと感じる音の一般的な特徴は、大きく次のように分類することができます。

  • 物理的な分類
    • ・大きな音
    • ・特定の周波数が強調された音(純音に近い音)
    • ・衝撃性の音/間欠的な音
  • 精神的(感情的)な分類
    • ・嫌なことを思い出させる音
    • ・嫌いな人(モノ)が出す音
    • ・あることに集中しようとしている時に、他のことを思い起こさせる音

大きな音というのは、それがどんなに美しい音色であっても、ある限度を超えてしまえば「心地よくない音」になってしまいます。特定の周波数が強調された音というのはジェット機の「キーン」という音やガラスを引っ掻いた時の音などのことです。衝撃性の音/間欠的な音は音のレベル変動が大きいため、聞いていて慣れにくいという特徴があります。

嫌なことを思い出させる音や嫌いな人(モノ)が出す音というのは、理由などなく「心地よくない」と感じてしまうようです。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということでしょう。あることに集中しようとしている時に他のことを思い起こさせる音には、眠ろうとしている時に聞こえてくる隣の部屋の物音や、仕事に集中しようとしている時に聞こえてくる大好きなジャンルの音楽などがあります。

このように「心地よくない音」というのはケースバイケースで変わってきます。また人が心地よくないと感じる時、一つの音のみから受ける印象が心地よくない場合も確かにありますが、様々な要因が絡み合っている場合が多く、原因を特定するのは困難なことが多いようです。さらに「心地よくない」と感じるような音が聞こえていても、他の環境的な要素がこの音を意識の下に隠してしまっているために、その時は「心地よくない」ことに気づかず、後になって妙に疲労感を覚えたりするということもあります。

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