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会員コラム

ご贔屓の『音系』テレビ番組 (Vol.43 No.6)
ご贔屓の『音系』テレビ番組

ご贔屓の『音系』テレビ番組

テレビが好きだ。朝起きて明かりをつけた後、真っ先に手が伸びるのはテレビのリモコンである。外出する時と寝ている時以外、常に何らかの映像と音を発し続ける状態になっている。そのような性分だからか、長年見続けている番組も多い、と思っていたが、10年以上贔屓にしている番組は意外と少ない。平日の朝、通勤前の一服の清涼剤となっている『めざましテレビ(フジテレビ系列)』、金曜深夜に一週間の激務で疲弊した頭を解きほぐす『タモリ倶楽部(テレビ朝日系列)』、そして日曜日のゴールデンタイム(1)、高視聴率番組のスキマに15年以上一定のインパクトを残し続ける『音のソノリティ(日本テレビ系列)』。これらが私の中の三大長寿番組となっている。今日は、私が長らく愛してやまない番組の一つである、『音のソノリティ』の魅力をお伝えしたい。

J-POWER(旧電源開発)がスポンサーを務めるこの番組は20031011日放送開始、今年で17年目を迎え、先日113日の放送で800回を数えるまでになっている。6分の時間枠(といってもCMを除いた放送時間は実質1分少々)は二胡の優雅な調べに乗せて始まり、ある地域のテーマ性を持たせた『音』を取り上げ、美しい映像に控えめなナレーション、そして解像感の高い音が滔々と流れていく。

対象地域は日本全国津々浦々、テーマとなるのは、鳥の鳴き声や川のせせらぎといった自然音をはじめ、伝統ある産業に由来する音風景、地域に根差す祭りのサウンドスケープとバラエティに富んでいるのが特徴である。また、「セマルハコガメの吐息」といった非常にマニアックなものや、「カタツムリの食事」「いぶりがっこ」といったどんな音を聞かせてくれるのか想像がつかないテーマまでカバーしているところに目新しさを感じる。

日本各地の著名な音風景リストとして、ある種一定の市民権を得つつあると思われる『環境省の残したい音風景100選』と同じテーマであるものは800件中37件とさほど多くはない。環境省の音風景100選は各都道府県に対して大体均等に選出されている(最大でも北海道の5)のに比べて、音のソノリティでは、取り上げられている地域に偏りが見られる。数多く取り上げられている都道府県TOP5は、1位:北海道(117)2位:沖縄県(64)3位:鹿児島県(41)、その後4位:京都府(29)5位:長野県(27)と続く。1位の北海道は、風雪や流氷等の雪国独自の音風景から、キタキツネ、エゾシカ、タンチョウヅルといった北海道特有の動物が多く取り上げられている。2位の沖縄は、水牛、ウミガメ、ヤシガニといったやはり島の生物をテーマとした回が多く、3位の鹿児島も同様に、奄美大島等の島々の生物を取り上げるものから屋久島の水系に関する音、鹿児島各地の祭り事に関する音と幅広く取り上げられている。

特徴的なシリーズとしては、収穫シリーズ:10(小豆島のオリーブ/落花生/わさび/大鰐温泉もやし/じゅんさい/信濃くるみ/石鎚黒茶/ホップ/伊勢芋/南天)、天日干しシリーズ:5(海苔/筆軸/落花生/桜えび/ちりめんじゃこ)、不思議な音シリーズ:6(ポンポン山/弟子屈町の森/有明海/壺畑/早岐瀬戸/後生掛温泉)、産卵シリーズ:11(ウミガメ/カブトガニ/クサフグ/アカテガニ/エゾアカガエル/オニヤンマ/マルタウグイ/金魚/アカガエル/コイ/モンカゲロウ)などがあり、番組プロデューサーの哲学や趣向が窺え、それら各々の音の違いも比べてみたくなるところである。

ちなみに私のお気に入りは、「辛子蓮根作り」と「ポンポン山の不思議な音」。前者は、音自体は蓮根に辛子を詰めるシンプルなものであるが、その音を録るための文字通り涙ぐましい苦労が番組HP(2)記載のDIRECTOR’S COMMENTから窺え、臨場感を持ってその音を感じることが出来る。後者は北海道の雪深い山で身元不明の音が聞こえるという話を聞きつけての取材であったこと、そしてその音の正体を同様にDIRECTOR’S COMMENTから知ることで、より一層音を楽しめることが出来る。是非、本コラム読後は番組HPを訪れ、気になった音を背景込みで味わっていただきたい。尽きないネタ、気になる今後のラインナップを考えると、日曜の夜は、まだまだ4chからチャンネルは変えられそうもない。

(※1:元々土曜21:5422:00の枠であったが、20104月に現在の日曜20:5421:00の枠に移動)

(※2:http://www.ntv.co.jp/oto/)

 

(千代田化工建設 武田真樹)

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