会員コラム
- 第四回国際環境騒音振動管理技術会議に参加して(Vol.42 No.5)
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第四回国際環境騒音振動管理技術会議に参加して
第四回国際環境騒音振動管理技術会議に参加して
平成30年4月25日、26日に北京で開催された、第4回国際環境騒音振動管理技術検討会(The 4th International Conference on Management Technology for Environmental Noise and Vibration Control)に参加したので、その会議の内容、北京市労働保護科学研究所(State Environmental Protection Engineering Center for City Noise and Vibration Control)の研究者との意見交換会、中国の騒音振動研究者との親睦及び北京市の様子を、ご紹介させていただきます。
第四回国際環境騒音振動管理技術会議
会議は、北京市海淀区蓮花池にある北京中裕世紀大酒店の国際会議場で開催されました。本会議の参加にあたっては、(株)エーアールの福原さん(瀋陽薬科大学教授)と同社北京支社の李さんの仲介によるものでした。会議のテーマは「環境騒音と振動の最新技術」で、騒音振動に関する行政施策、規制体系の現状およびそれらの最新技術に関して、中国や諸外国の研究者からそれぞれの研究成果に関して発表がありました。
発表件数は中国(5件)、イギリス(1件)、オーストラリア(1件)、日本(3件)、台湾(1件)の11件でありました。日本からは、福原さんが「日本における環境計量制度」、内田さん(前長野県環境保全研究所)が「日本における環境騒音の測定精度」、松島が「日本における法令規制の現状」について発表しました。全体の発表の中で目を引いたのは、中国のノイズマップの現状に関するもので、中国ではノイズマップに2009年頃から着手し、現在では、北京や上海などの主要都市においては作成されているとのことでした。
北京市労働保護科学研究所との交流会
北京市労働保護科学研究所からの声掛けより、会議前日に、同研究所研究者との意見交換会と施設見学をさせていただきました。意見交換会には、日本側4名と同研究所長 戸氏及び若手の研究者の20名程の参加がありまして、中国側からの質問に我々が回答する形式で、工場、建設作業、交通関係および環境騒音など多岐分野にわたっての意見交換がなされました。この時に、特に記憶に残ったことがあり、中国の一人の研究者が、本会が編集出版した「地域の環境振動」を示し、振動の予測手法に関する質問をしました。その時は、驚きとともに、私たちと彼らの距離が縮まった感じがしました。そして、意見交換会に参加した多くの若手研究者の姿勢が、非常に熱心であったことが強く記憶に残っています。
北京市の様子
我々が滞在したホテルは、北京市中心部から車で30分ほどの所でしたが、環状道路や高速道路の交通量の多さには驚かされました。タクシードライバーによりますと、交通渋滞は日常的で、特に通勤時間にはさらに混雑が増すとのことでした。
また、市街地を歩いていると、電気自動車及び電動二輪車を多く目とまり、聞いたところによりますと、電気自動車や電動バイクの保有率は、日本よりかなり高とのことでした。
郊外の環状道路沿道には、高層住宅がそびえ立っていましたが、日本のように道路間際に位置しておらず、道路から一定の距離(100~200m)が確保されており、中国の国土の広さを感じたとともに、環境保全に関する前向きな姿勢がうかがえました。
市中心部では古い建物が新しいものへの建て替えが進んでいる印象で、そこらここらでビル建設が行なわれていました。
最後に
北京滞在中は、研究所の戸所長や所員の方々及び李さんから友好的なおもてなしをいただいたことに感謝の意を表します。
(前千葉市 松島貢)