日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

工学会と社会貢献 (Vol.41 No.3)
工学会と社会貢献

工学会と社会貢献

皆さんは、「社会貢献」というと、どんなイメージを抱かれますか。企業活動においてはCSR(企業の社会的責任)の一環として社会貢献が定着してきましたし、災害発生時の被災地でボランティアとして社会貢献される方も増えています。企業はイメージアップというメリットが、ボランティアには人を助けたいという使命感があり、活動のモチベーションになっていると感じます。では、工学会の社会貢献においてはどうか、少し考えてみました。

公益社団法人に移行した当工学会は、平成21年度に社会貢献準備委員会が、平成22年度には社会貢献委員会を立ち上げました。工学会として社会貢献をどう位置づけ、どのような活動をすべきか議論され、中小企業向け出前講座などの取組が行われてきました。現在の社会貢献部会は、その骨子を基に活動しています。以前は、「奉仕活動?自分には無関係」と思っていた私が(すみません)、数年来参加し、今は部会長を務めています。

現在、社会貢献部会では、一般の方を対象にした音についての簡単な紹介や、子ども向けに音の出るおもちゃの工作体験などを地域のイベントなどに参加して行っています。音を身近に感じ、興味を持ってもらうことが目的の一つです(工学会のホームページでも活動を紹介していますので、宜しければご覧下さい)。参加して頂いた方々の笑顔を見ると、社会貢献していることを少し実感できます。その反面、工学会のイメージアップ、知名度アップにつなげるのは、なかなかの難題です。日本騒音制御工学会という名称も、一般の方には浸透しにくいかもしれません。略称のINCEではどうでしょうか?JAXAみたいに覚えてもらえるとうれしいのですが。

知名度はともかく、工学会の活動自体は、騒音低減という環境保全につながっており社会貢献そのものです。会員の多くはそれが仕事でもあり、日常的に社会貢献していることになります。その意味で工学会は、隠れた社会貢献集団、縁の下の力持ちと言えるのではないかと思います。そういったことをアピールするのも効果があるかもしれません。

また、直接的な騒音低減だけではなく、間接的な騒音低減ということも考えられます。例えば、最近通勤電車の車内は静かだと思いませんか。ロングレール化が進んで電車が発する音も小さくなりましたが、スマホや携帯電話の普及で、友達や同僚と同乗していても話をする人が減ってきたり、新聞を読む人が少なくなり紙面をめくる音がしなくなったりしたことが要因と推測されます。スマホが間接的に騒音を低減しており、これは間接的社会貢献なのでは?こじつけかもしれませんが、こんな風に、自分の仕事を結びつけてみるのも面白いのではないでしょうか。

話を直接的社会貢献に戻します。自身を振り返ってみると、仕事以外の社会貢献をしてきた覚えがありません。子どもの通う学校や自治会などでの活動に参加しても、何かの役に立ったとか、充実したという感じはあまりしません。消極的な参加だからでしょう。

自発的、継続的に活動に参加してもらうにはどうすればよいでしょう。特定の人に負担がかかる活動には人が集まらないですし、得意な人だけに限られる活動も広がりません。何より、面白くなくては続かないものでしょう。仕事であれば、強制力があり継続的に社会貢献していけますが、単に奉仕としての社会貢献では、何か好循環を生む仕組みが必要です。ストレスにならず、充実感が得られ、楽しみでもあって・・・そんな活動ができるのが理想です。

近年、騒音低減という社会的ニーズは依然として高いにも関わらず、当工学会は会員の減少が続く厳しい状況です。何か、新しい使命や方向性が必要だと感じます。例えば「社会貢献」というおぼろ気なイメージを会員が共有することでも、案外強いベクトルになるかもしれません。

そんな大それた話は置いておきまして、防音業務に従事する者として、社会貢献しているという気持ちを励みに、これからも仕事に取り組みたいと思います。最後になりますが、社会貢献部会では、工学会としてどのような社会貢献ができるのか検討しています。良いアイディアをお持ちでしたら、是非お知らせ下さい。

((株)荏原製作所 松田道昭 )

 

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