日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

福岡市における交通騒音・振動について (Vol.38 No.3)
福岡市における交通騒音・振動について

福岡市における交通騒音・振動について

はじめに

福岡市は北に博多湾,南に脊振山地,東に三郡山地と,海と山に囲まれた人口約151万人(H26.2.1現在)の都市で,航空機や新幹線などの公共交通ネットワークが発達しています。

環境局では,騒音・振動について発生源別に定期的に監視するとともに,市民からの騒音・振動に係る苦情相談などについても対応しています。

自動車騒音・振動

市内には,福岡都市高速道路(総延長56.8km),九州自動車道,国道3号線及び国道202号線など主要幹線道路が通っており,自動車交通量も多くなっています。

自動車騒音の常時監視実施計画については,平成24年度から5年間で512区間(総延長391.9km)について実施する計画であり,平成24年度の沿道住居等における環境基準達成率は95.3%でした(図-1)。常時監視結果については,道路管理者の道路補修計画等へ活用できるよう説明会を開催し連携を深めています。

航空機騒音

福岡空港は,国内で最も都心に近く,地下鉄が直結し博多駅から5分でアクセスできる利便性の高い空港ですが,周辺には市街地が広がり住宅も多いことから,航空機騒音について配慮が必要な空港でもあります(図―2)。

また,平成24年の年間発着回数が15.6万回と羽田,成田に次いで多く,今後の需要の増加に対応するため滑走路増設の計画が進められています。

平成24年度は空港周辺を中心に12地点について年1回の短期測定を実施しており, 3地点で環境基準を超過,9地点で達成していました。

平成25年度からは,環境基準の改正に合わせて測定計画を見直し,福岡空港の特性及び飛行経路等を考慮して継続的に監視が必要なエリアの7地点について毎年2回の短期測定を実施しています(図―3)。

鉄道騒音・振動

新幹線については,平成23年3月に九州新幹線が開通し,山陽新幹線とあわせて2路線が通っており,山陽新幹線について4地域11地点,九州新幹線について2地域6地点の計6地域17地点で騒音・振動を測定しています。

九州新幹線の1地域については,開通時の騒音調査で環境基準を超過していたため,現在騒音対策工事が行われています。その他の地域については,平成24年度は山陽新幹線の2地域で環境基準を超過,残り3地域では環境基準を達成していました。

在来線については,鹿児島本線,篠栗線,筑肥線,香椎線,天神大牟田線,貝塚線の沿線6地域で騒音・振動を監視し,現状の把握に努めています。

工場・事業場の騒音・振動

市内に大規模な工場・事業場はなく,ほとんどはビル等の送風機で,近年は規制基準を超過する事例は少なくなっています。

苦情相談

騒音・振動に関する苦情相談では,解体・建設工事に伴うものが全体の半数を超え最も多く、今後もこの傾向は続くと考えられます。また,全国一集合住宅の多い都市を反映して,近年はマンションの上下階の騒音などの近隣騒音や低周波音に関する苦情相談も増加傾向にあります。

おわりに

騒音に関する苦情は依然として多く,低周波音や近隣騒音など規制のない新たな問題も増えていますが,福岡市の良好な生活環境を保全していくため,今後も騒音・振動に関する監視を実施していきたいと考えています。

 

江頭 勝(福岡市環境局 環境監理部 環境保全課)

 

 

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