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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

東大生研坂本研究室の紹介 (Vol.36 No.1)
東大生研坂本研究室の紹介

東大生研坂本研究室の紹介

本研究室は,応用音響工学の看板を掲げ、建築音響、都市環境音響に関わる予測、計測、評価の研究を行っています。 東大生研の研究室が他の多くの研究室と異なる特徴として、正規の卒論生がいない点が挙げられます。生研は東大の付置研究所であり、学部教育を行っていないのがその理由です。しかしながら、千葉工業大学(名誉教授の橘先生、OBの矢野先生、佐藤先生が所属)の他、東大の佐久間先生(大学・大学院で坂本の同期)、明治大の上野先生(2007年まで研究室助教)、神奈川大の安田先生(2004年~2006年博士研究員として所属)など、つながりの深い先生方が近くの大学に研究室を構えているという恵まれた境遇にあり、それらの大学の卒論生を研究実習生として受け入れています。また最近は、「自分の大学には音響の研究室がないけれど、どうしても音響が研究したい」という意欲のある学生の飛び込みもあります。彼(彼女)ら若い力が当研究室で行う多くの研究の推進力となっています。

 というわけで、2011年度の研究室の構成は、スタッフ3名(坂本准教授、横山助教、辻村特任研究員)、博士課程4名、修士課程4名(うち1名研究実習生)、卒業研究を行う研究実習生5名の総勢16名です。大学院生のうち4名はヨーロッパ・アジアからの留学生で、国際色豊かな点も研究室の特色です。

 生研特有の大きなイベントとして、531日(研究所の創立記念日)を含む週に開催される「生研公開」があります。要はオープンキャンパスなのですが、生研のほとんどの研究室が総力を挙げて準備に取り組みます。我が研究室も、INCE/Jの春の研究発表会の日あたりから、それまで1年の研究成果のまとめの作業を連日連夜行います。このイベントは、大学院生達が研究の次のステップを踏み出すための非常に良いきっかけとなり、また産業界や異分野の方に対するプレゼンテーションを経験することで大きく成長する場でもあります(図1)。毎年、開催されていますので、是非一度、ご来場下さい。

研究としては、実験的手法や計算機を用いた数値解析技術による音場予測法に関する研究、音響伝搬特性の計測方法に関する研究、スピーチプライバシに関する研究、建築の遮音に関する研究、音場シミュレーションを用いた各種音場の評価(図2)、道路交通騒音の予測に関する研究などを行っています。多くは建築と都市の音環境に関する研究ですが、最近携わっている研究の中で騒音制御工学会とのかかわりが非常に深いものとして、風車騒音の聴感実験があります。環境省の戦略指定研究「風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究」の一環として行っているものです。この実験を実施するために、これまで遮音測定に使用していたカップルの残響室―半無響室に大規模な改修を行いました。風車騒音に限らず、騒音制御工学会がカバーする分野は社会性が強いことは誰もが認めるところです。大学で培われる技術は、産業界だけでなく社会を豊かにするために利用されるべきとの認識をもって、若い学生たちと研究を進めていきたいと思います。

研究室の情報はホームページに公開しています。是非、http://www.acoust.iis.u-tokyo.ac.jp/を訪れてみて下さい。

-1 記念写真「生研公開お疲れさまでした」

-2 無響室と音場シミュレーション装置

坂本慎一(東京大学生産技術研究所第5)

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