日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

新潟大学・大嶋研究室/埼玉大学 建設構造工学研究室の活動紹介 (Vol.35 No.1)
新潟大学・大嶋研究室/埼玉大学 建設構造工学研究室の活動紹介

新潟大学・大嶋研究室/埼玉大学 建設構造工学研究室の活動紹介

新潟大学・大嶋研究室の活動紹介

本研究室では音響数値シミュレーション手法ほかの開発・実証・普及を行っている。現在の活動は主に以下であるが、特に2.3.は実務への数値シミュレーション普及を目指した活動であり、興味を持たれた方は是非、末尾の参考サイトを御覧頂ければ幸いである。

  1. 気流中の音響伝搬数値解析手法の開発 (図−1)

 屋外における気流など気象効果を考慮した音響伝搬の予測が近年、重要性を増しつつあることから、汎用性の高い線形化オイラー方程式に基づいた数値シミュレーション手法の開発、および本手法の実街区への適用のために数値地形データからの3次元街区形状メッシュ自動生成技術の開発に取組んでいる。また本手法実証のための参照データとして、道路交通騒音伝搬における風速と騒音レベル変動の同期測定を行っている。

  1. オープンソースの音響数値解析環境整備活動 [1]

 上記1. で開発したような音響数値シミュレーションソフトウエアおよび付随するナレッジ・ノウハウは従来、開発研究室の元で閉じる傾向が強く、実務者が最先端の研究成果を享受できない状況が続いて来た。この状況に対し、産学の有志でOpenAcousticsプロジェクトを立ち上げ、現在は日本建築学会下の研究委員会としてこれらのオープン化を目指している。

  1. オープンソースCAEに係る普及啓蒙活動 [2]

 音響分野に限らず、汎用の計算工学的シミュレーション (CAE) ソフトウエアは従来、高額でブラックボックスな商用ソフトウエア以外に選択肢の無い状況であった。しかしながらここ数年になって、誰もが自由にダウンロードして、用途に応じて改良できるオープンソースのソフトウエアが登場してきた。この動きに対して、分野横断的な産学の有志により啓蒙普及のための一般社団法人を立ち上げ、活動を行っている。

 参考サイト:[1] http://www.openacoustics.org/

       [2] http://www.opencae.jp/

図−1: () 1×1 km実街区における音響伝搬の波動数値シミュレーション、() 風速と騒音の同期測定風景

 

大嶋拓也 (新潟大学工学部)

埼玉大学 建設構造工学研究室

 本研究室は,土木工学系の学科に属し,名前のとおり,橋など社会基盤構造物の計画・設計・性能評価・維持管理に関わる静力学・動力学的諸問題を主な専門としています.教員が筆者を含め3名,学生が学部3年生から博士後期課程の大学院生まで例年25名程度の規模の研究室で,アジアからの留学生が多数在籍していますので,日本語と英語を併用しながら教育・研究活動を行っています.環境振動や騒音に関する研究は,主に筆者が担当しており,動力学的問題から派生した研究テーマとして,構造物の振動に起因する環境振動や騒音,低周波音の問題,さらに振動や音が人に与える影響の解明とその評価に関する研究を行っています.最近の研究例として,例えば,環境振動評価への応用を目的とした全身振動に対する人の知覚閾に関する研究では,知覚閾測定用に設計・製作された振動試験機(図1)を用いた被験者実験により,振動の特性と知覚閾の関係に基づく知覚閾の評価法を検討しています.また,実験室内には音響心理実験用の防音室も設置されており,それを用いて低周波音に対する人の知覚閾に関する研究を行っています.さらに,現場での振動・音の実測や解析,シミュレーションを利用した研究も行っており,その一例として,橋梁の継ぎ目に配される伸縮装置に関連する騒音問題の研究では,伸縮装置の実物大試験や現場での計測,また振動・音響解析により,その原因の究明と対策について検討しました.今後も,学生さんたちが社会に出ていくための準備を支援するとともに,騒音・振動問題の解決に資するような研究を行っていきたいと考えています.

松本泰尚(埼玉大学大学院理工学研究科)

     図1 知覚閾測定用振動試験機

 

閉じる

PAGE TOP