日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

横浜国立大学建築環境工学研究室/日本大学井上研究室の紹介 (Vol.35 No.2)
横浜国立大学建築環境工学研究室/日本大学井上研究室の紹介

横浜国立大学建築環境工学研究室/日本大学井上研究室の紹介

横浜国立大学建築環境工学研究室の紹介

私共の研究室では,音以外にも温熱,空気,光など様々な要素を扱っています。このため,専門分野の異なる複数のスタッフと20名前後の学生が所属しています。音分野は筆者の担当ですが,長らく田村明弘先生(現名誉教授)が教鞭をとられていました。また,本会に関連深い元横浜市の故鹿島さん,神奈川県の横島さん,本学VBLの船場さんなど多くの方々に,共同研究から学生指導まで,多々お世話になっています。

研究としては騒音の暴露‐反応関係が大きなテーマの一つとなっています。現場測定とアンケートによる方法のみならず,実験室(模擬居間)での心理反応実験なども行っています(図-1)。音の研究自体の学生さんの受けは悪くはないのですが,屋外での実測や社会調査は敬遠されがちなのが悲しいところです。

他に,「視覚障害者は音環境の捉え方が晴眼者とは異なるのでは?」との考えから,視覚障害者と音の関係に関する研究も行っています。障害者関連というと,建築の分野ではUD等が叫ばれ建築計画分野で扱われることが多いためか,学生さんからは「これって環境工学なんですか?」という質問がしばしば出ます。そうすると「そもそも研究領域の境界なんてものはだな…」とかなんとかゴニョゴニョと言いながら,興味を示した学生さんを引きずりこみつつ,細々とやっております。

限られた紙面では,なかなか伝えきれないニュアンスも多々ございますが,ご興味を持っていただけたのであれば幸いです。山の上のキャンパスですが,お近くへお越しの際は,お気軽にお立ち寄りください。   

    図-1 模擬居間実験の様子

    図-2 視覚障害者の歩行実験の様子

太田 篤史(横浜国立大学大学院工学研究院)

日本大学井上研究室の紹介

 井上研究室では、建築音響に関するテーマを中心に研究を行っています。2010年度の研究室スタッフは、教員2名の他に、社会人大学院生(博士後期課程)2名、大学院生(博士前期課程)8名と卒論生28名を加えた合計40名です。

 中心的なテーマの一つである「住宅の音環境」については、約35年前から研究を継続し、国内外に350編を超える論文等として成果を公表しています。具体的なテーマとして、実居住者や住宅購入予定者を対象に膨大なアンケート調査を定期的に実施し、客観的な立場から、性能の表現方法の提案や各時代の問題点及び要求性能を明らかにしています。一方、技術的な音環境制御に関するテーマとしては、建築物の遮音メカニズムを明らかにすることや予測計算の確立、性能改善方法等を目的として、床衝撃音、界壁や外壁の遮音、固体音等、住宅で問題となるほとんどの音源について研究を行っています。特に、床衝撃音の予測計算法については「インピーダンス法」なる計算法を確立し、日本建築学会の出版物にも掲載されており、現在幅広く利用されています。上記以外の最近の研究テーマとしては、「音環境に係わる民事裁判の現状と分析」、「高齢者・子供に配慮した住宅床の快適性・安全性に関する研究」、「居住床を対象とした環境振動の測定・評価方法」、「保育園・小学校の建築計画と音環境」などがあります。さらに、音・振動以外の研究としては、都市の熱環境や電磁環境に関する研究も行っています。研究室のHP(http://feeling.arch.cst.nihon-u.ac.jp/)をご参照ください。

-1 井上教授により開発された床衝撃音測定用ゴムボール(JIS A 1418-2の衝撃力特性(2)を有するゴムボール)

図-2 井上教授により開発された歩行衝撃シミュレータ(左図)と実歩行との再現性(右図)

井上勝夫・冨田隆太(日本大学理工学部建築学科)

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