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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

九州大学藤本研究室の紹介 (Vol.35 No.3)
九州大学藤本研究室の紹介

九州大学藤本研究室の紹介

2011年度スタッフは,私を含めて13名という小さな研究室です。正式には「建築音響」が研究室の名称ですが,この10年間に取り組んできた研究テーマは,(1)建物群による道路交通騒音減衰量の予測法,(2)ポリエステル不織布吸音材の応用,(3)コンサートホールのステージ音響,(4)アジア発展途上国の道路交通騒音管理などです。(1)の成果F2006F2006+(本会2009年度守田栄論文賞受賞)は,日本音響学会ASJ RTN-Model 2008にも採用されています。現在,点音源モデルへの拡張を目指して研究を続けています。また,()産業技術総合研究所と共同で,ASJ Modelに準拠した道路交通騒音予測・評価のためのGISソフトウェアPOEMの開発を行っており,近いうちに()パスコからレリースされる予定です。(2)では,()フコクと共同で,ポリエステル不織布を用いた吸音材ポリウールPWとその生産・加工過程で発生する端材をリサイクルした吸音材RPWを開発しました(本会2009年度環境デザイン賞受賞)。これらの建築・自動車用吸音材へ応用を目指して研究しています。(3)では,演奏者が演奏しやすいステージ音場を解明し,それを実現する方法を研究しています。(4)はインドネシアからの留学生が取り組んでいる研究です。アジア発展途上国では,現在,自動車が急激な勢いで増加しており,それに伴って沿道の道路交通騒音問題が顕在化しています。騒音を野放しにせず,沿道を少しでも静かにするにはどうしたらよいかを考えています。以上の他にもいくつかの研究に取り組んでいます。http://faal.jpをご参照いただければ幸いです。

こうして,改めて取り組んでいる研究を見直してみても,どれも“静けさの価値”の認識向上に直接的につながる研究とは言えないなあと反省させられます。私自身に残された研究時間も少なくなってきたことだし,ここは一念発起,「エラベール吸音機」(本誌352)の研究でも始めますか(?)。実現までおよそ100年かかると予告されているので,私にはその完成を見届けることはできませんが………。

藤本一壽 (九州大学大学院人間環境学研究院 都市・建築学部門)

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