日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

芝浦工業大学波動情報研究室の紹介(Vol.35 No.4)
芝浦工業大学波動情報研究室の紹介

芝浦工業大学波動情報研究室の紹介

本研究室は,音響ディジタル信号処理を専門としています.近年は大きな音が発生するMRI装置の駆動音の計測と,その大きな音環境で検査を受ける患者さんの負担を減らすためアクティブノイズコントロール装置の開発の研究を行っています. 2011年度の研究室には教員1名に修士課程の大学院生3名と卒研生12名が所属しています.芝浦工業大学のキャンパスは豊洲,大宮,芝浦に分散しており,本研究室は豊洲キャンパスにあります.

中心的な研究テーマは医療診断で用いるMRI装置の駆動音の分析です.首都大学東京の八木一夫教授と共同研究を行っています.MRI装置は核磁気共鳴現象を利用して体内の断層画像をつくる装置です.そのために傾斜磁場を断続的に発生させていて,強力な静磁場を発生させるコイルと傾斜磁場コイルで生じる大きな力の断続的な発生により大きな駆動音が生じています.大病院で使用している多くの装置は強磁場が生じる装置です.MRI検査の内容に応じていくつかの撮像が行われます.検査時間は20分~60分程度と言われています.

-1にいくつもの撮像を行った場合の患者さんの耳元で収録した駆動音の一例を示します.図-2は静磁場が1.5T3Tの強磁場を発生させるいろいろなMRI装置の駆動音の音圧レベルまたは騒音レベルを示しています.いずれも大きな音ですが,その大きさは機種や撮像法によって変化しています.撮像法によって駆動音の周波数特性も異なっています.図-3は装置の周囲の音響インテンシティの情報を元に装置から音が放射する様子を示したものです.装置中央の検査部位を挿入する穴の部分と装置壁面からの音が発生しています.このように我々はMRI装置の内部や周囲のさまざまな音を計測してきました.これにより,頭部検査の被験者の耳の位置である装置の中央,膝の検査時にはMRI装置の中央に検査部位を置くため耳の位置は装置の外側にあるからです.検査室の内部で駆動音を聞くのは被験者だけではなく,被験者を介助する人も大きな音に曝されます.これらの情報を発信することで,興味をもついろいろな分野の方に知って頂くことができると考えております.

さらに,MRI装置が発生する音を逆位相の音で打ち消して減衰させるアクティブノイズコントロールの研究に取り組んでいます.この技術を用いて大きな音に曝される患者さんのために防音保護具の開発を行っています.これにより患者さんにとって不快感のない音環境の実現を目指しております.

武藤 憲司(芝浦工業大学工学部通信工学科)

 

 

閉じる

PAGE TOP