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会員コラム

イスタンブールとマドリッドの騒音事情-騒音評価は相対評価?-(Vol.32 No.1)
イスタンブールとマドリッドの騒音事情

イスタンブールとマドリッドの騒音事情-騒音評価は相対評価?-

 11時間を超えるフライトの末 、イスタンブールに到着したのは、現地時間で夜8時を過ぎていた 。機内では、一人アルコールを少々 (?)塩野七海さんの”コンスタンティノープル陥落”を夢中になって読んだ。イスタンブールについては全く知識が無かったが、この本のおかげで、町の中に残る城壁、ギリシャ正教の本拠であったアヤソフィア、ボスフォラス海峡から見えたルメリ・ヒサール、 ガラタ塔が印象的なジェノバ居留区などなど…トルコは私にとって非常に印象深い町になった。

 空港を出てイスタンブールのホテルに向かった。暗い道路をジェットコースターのようなタクシーに揺られ 、見えてきたのはマルマラ海の海岸で人々がバーベキューをする光景。やはり遊牧民の国なのか? 大規模ではなく、家族単位の小さなグループが、ほのかな明かりを囲んでバーベキューを楽しんでいた。かなり遅い時間にもかかわらず、バーベキューの輪の側で小さな子供とその親がボール遊びをしているのには驚いた。それほど大音響で騒ぐ人達はいない印象であった。

さて イスタンブール騒音事情ということであるが、一番に思い出すのは自動車騒音である。トルコの人々は、まさにレーサーという感じであった。急発進、 急ブレーキ…道路には車線が引かれてはいるが 、彼らにとっては全く関係ない。隙間があればとりあえず頭入れ、追い越しをかけていった。当然 、走行騒音は大きい。しかし、それ以上にクラクションが印象的であった。前を走る車の前に隙間があれば、すかさずクラクション。割り込み、車線変更、追い越しの時、そこら中からクラクションが聞こえてくる。軽いクラクション、意思のこもったクラクション、長さも強さも異なるクラクション…常にクラクションが鳴っている。まるでの声の掛け合いようであったは。

 鉄道は、1週間の滞在中に1度しかに目にしなかった。トプカプ宮殿のテラスからボスフォラス海峡を眺めて殿いた時である。眼下をゆっくりと存在感のある音をあげ列車が横切るのが見えた。列車音が聞こえている時間の長さ、重量感のある響き、ともに貨物車?という印象を受けた

 トルコの交通機関として重要な役割を果たしているのはトラムである。代表的な車両と古い車両が走っているが、 近代的車な車両が旧市街、古い車両が新市街を走っているのは、観光客の輸送力を考慮しないのか?日本の観光地における感覚との差を感じた。代表的なトラムの音は静かすぎて、 周りの景色や会話に話夢中になっていると危うく引かれそうになった。(自動車騒音が大きかったせいかもしれない…)

 1週間のイスタンブール滞在後 、マドリッドに移動して最初乗った乗り物は、やはり空港からタクシーであった。滑らかな発進、 停止 、非常にゆっくりと柔らかい運転で安心して乗っていられた。(ただ、日本から直接マドリッドに入った人によると、マドリッドのタクシーは運転が非常に荒く怖かったということ…)

 マドリッドで主な移動手段は地下鉄だった。学会会場までの地下鉄は比較的新しい車両で、車内でも顔を近づければ話はできた。一方ホームでは、坑内が反射性の材料で仕上げられているためなのか?車両が重たいのか?とにかくうるさい。日本の様に、ホームへの電車進入のアナウンスは必要ない。電車がっ入てくるのは誰でも分かる。また、町へ向かう地下鉄は車両が比較的古ものが多く、車内騒音も大きい。治安的な意味で緊張感のある車内だから音も大きく感じるのか?騒音が車内の雰囲気に緊張感を与えているのか?思わず貴重品を手で押さえてしまう。

 地下鉄の路上ミュージシャンならぬ車内ミュージシャンに遭遇した。小型のアンプを用いて地下鉄の音に負けない大音量で演奏していた。隣の車両で演奏してくれるとちょうど良い程度である。彼は地下鉄の混み具合のあまり気にせず、日本の地下鉄並みの混んでいる車内に最後に乗り込みドア前を確保、 一区間で1局、駅毎にドアを移動して行った。

 マドリッドからはパリ経由で日本に帰国した。 シャルルドゴール空港の豊かな響きには驚いた。まったくアナウンスを聞き取ることができなかった。

 日本に着き、空港から自宅へは地下鉄を利用した。「電車が参ります」というアナウンスの後、非常に静かに(音をたてず)地下鉄がホームに入ってきた。

 この文章を書いている現在、帰国から1ヶ月以上経ち、日本の地下鉄に対してあの感じた印象はすでになくなっている…

((財)財小林化学究所 横田孝俊)

写真1 夕方大渋滞(イスタンブール)のえきれなくなりトラムの線内路をるタクシー耐走

 

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