日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

邯鄲の夢(Vol.28 No.2)

邯鄲の夢

はじめに騒音公害は典型7公害のうちでワースト・ワンであり、従前に較べて多少減少したとはいえ、状況は必ずしもよいとは言えない。

低周波騒音対策騒音対策の技術はかなり進んでいるものの未だ十分とは言い難い。
一方、自動車室内、オフィス内などでは空調器用のファンの、さらなる静音化が進んでいる。
他方、低周波音対策が研究され、工藤(東京農工大)などによるサイドブランチ形サイレンサやリアクティブ形サイレンサなどがその例である。
低周波音の音源対策として、たとえばファン自体で35dBもの低周波音が低減し、実用に供していることが筆者らによって報告されている。

学際的研究以上のハードの研究も大切であるが、これらに対しては学際的立場で研究を行うのも一法と考える。幅広い分野の研究者、技術者の知恵を結集して、ことにあたれば、その進展はかなりのものになろう。

感性を考える以上の立場とは違って、音環境の技術はそこに生活し作業する人々にとって、静けさと安らぎを与えることになろう。しかし、何か欠如を感じる。それは何であろうか、私は感性への配慮の欠闕であると思う。
感性は定量的にあらわすことは難しい。一つの方法として、音質評価があると思う。音質評価については桑野(大阪大学)、橋本(成蹊大学)らの研究がある。
感性と音質評価の方法は一対一の関係とは言い難いというものの、有効な手段であることは否定できない。

結び

以上、いくつかの問題を抽出したが、各分野の研究者、技術者の研鑽を望むとともに邯鄲の夢におわらないことを望む。

参考文献

  • 1)工藤信之, ポンプ(静音設計と騒音防止・利用技術), pp.292-298, (1993)
  • 2)桑野園子ほか,カテゴリ連続判断法による音質評価, 日本音響学会誌, 38, pp.199-210, (1982)
  • 3)橋本竹夫ほか, 定常音の上にAM音を付加した時の音質評価について, 日本音響学会騒音研究会資料, N88-07-01, pp.1-10, (1988)
  • 4)鈴木昭次, 超低周波音の発生と対策, 日本機械学会誌, pp.86-91, 日本機械学会, (1983)

(元法政大学工学部機械工学科 鈴木 昭次)

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