日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

わが工学会の展望と課題(Vol.28 No.5)

わが工学会の展望と課題

INCE/USA の要請でInter-noise75が仙台で開かれ、その翌年わが工学会が結成されてから30年に近い。

隔月に発行される学会誌や技術(部会)レポートの充実ぶりは、春秋の研究発表会の活況と共に目覚しいものがある。にも拘らず音は何故マイナーか?。

1984年5月の総会で制定された工学会認定技士資格制度は,当時の石井会長の下,副会長の中野氏と私が2年掛けて原案を作成したもの。騒音公害対策の社会的ニーズが高まったのに,その責任を負うべき音響技術者の社会的地位が認められず,環境計量士制度の国家試験にも化学分析の技術を要求され,音響屋の所在が無いかのような状況であった。何とかして我々の存在を社会に認知して貰う必要があったのである。

その目標達成はいつか?。長引く不況の中,実力重視の傾向と共に資格ブームとさえ言われ、その種類は1000とも2000とも言われる。社会に貢献する個人の能力を証明するもの故,国家資格が最高である。国が直接試験をせず只認定することによっても公的資格として認められ,高い信用や評価を得ているものがある。文部省認定の実用英語検定や簿記能力検定,通産省認定のインテリア・コーディネータ等がそれ。わが工学会認定技士を環境省が認定しないのは何故か?、その理由を明確に把握する必要がある。そしてその障害を克服して国家資格を勝ち取るには、担当理事を決め、いろんな立場から考えて環境省を攻略するのに、会長が先頭に立って全力を揚げて取り組んで欲しい。

さらに関連する問題は、道路交通騒音予測式、大店立地法、品確法・住宅性能表示等、音響技術者の活躍が当然期待されるべき場であるのに、それらのマニュアルが出来、ソフトまで売り出される事になると、其の作成に尽力した音響専門家が一転して排除される場になる。この現実を許して良いのだろうか?。何かが狂っている。何かが間違っている。社会構造に問題がある、と言って座視できない問題ではないか。

参考に先進諸外国はどうなっているのだろうか?。

先ず、自らの能力を高めinter-noiseに発表する件数を増やすための研鑚をするのは当然だが、音の重要さの社会的アッピールを、政府・民間に対して工夫を凝らして、強力に推進すべきではなかろうか。

最後にお願いしたいこと。日本騒音制御工学会・1976年・創立以来の足跡、30年の歴史資料を編纂し後世に遺して頂きたい。世代交代の時期なのだから。

(神戸大学名誉教授、環境音響研究所、前川純一)

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