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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

環境省における低周波音の取組について(Vol.25 No.3)

環境省における低周波音の取組について

環境省では,有効な低周波音対策を講じるため,低周波音の実態の把握・人体に対する影響の調査に取り組んでいます。

平成12年10月に,「低周波音の測定方法に関するマニュアル」を策定し,地方公共団体に送付しました。このマニュアルは,主に苦情が発生した場合における測定方法を示したもので,G特性音圧レベル及び1/3オクターブバンド音圧レベルの測定を基本としています。このマニュアルは,統一的な測定方法を示したものであり,今後,精度の高いデータが集積できるものと考えています。

さらに,データを集積するために,43の都道府県・市に低周波音の測定を委託しました。この測定に関しては,測定方法の詳細を委員会で検討し,委託先の自治体に対し説明会を行いました。測定対象の音源は,(1)低周波音に関係すると思われる苦情が発生している地点,(2)低周波音の問題が生じる可能性がある地点とし,原則として,音源側・生活環境側各1地点以上で測定を行いました。具体的には,工場・事業場,橋梁,新幹線のトンネル付近で行われました。また,測定者からは,風の影響・測定対象以外の発生源の影響に苦慮したこと,苦情者が最も低周波音を感じる場所と測定値が最大になる場所にずれが生じる場合があったことなどの感想が聞かれました。この測定により得られたデータは,平成13年度に解析を行う予定です。なお,測定機器の一部を環境省から測定を実施した都道府県・市に無償貸与していましたが,これらの機器は,今後も当該自治体で利用され,測定データを提出していただく予定です。

また,平成13年度から低周波音が人体に及ぼす影響の調査を行う予定です。今回の調査では,生理的影響や心理的影響について調査します。特に,心理的側面も含めた苦情の実態を把握し,最小感覚閾値等との比較検討を行います。この他にも人体影響に関する調査を4~5年程度実施する予定です。

環境省としては,これらの測定,調査から得られた知見をもとに,有効な低周波音対策を講じて参る所存です。

(環境省環境管理局大気生活環境室 高尾智満)

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