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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

低騒音タイプの家庭用精米器開発への取り組み(Vol.24 No.2)

低騒音タイプの家庭用精米器開発への取り組み

平成7年に新食糧法が施行されて以降、自主流通米が認められたこと、お米の販売が届け出制になったことから、お米が様々な形で流通、販売されるようになりました。

そのような中で、家庭で手軽に玄米を精米できる家庭用精米器が注目を浴びています。流通の変化によって、米作農家が贈答として親戚にお米を送るようになったり、スーパーなどでも玄米が販売されるようになったことから、私たちのまわりは、案外玄米を入手しやすい環境になっています。お米は精米後1週間で、酸化の進行により風味が落ちてくるため、できるだけ精米したてのお米を食べることがおいしくお米を食べる秘訣といえます。家庭用精米器を使うことで玄米の状態で保存をし、毎日食べる分だけ精米することができるので、家庭で常につきたてのおいしいお米を食べることができます。

しかし、従来の家庭用精米器は精米の発生音が非常に大きく、その大きさは精米器から1mの位置で69dBAもありました。精米中は電話のベルもテレビの音も聞こえなくなるほどでした。家庭用精米器は夜間の使用が多いことやマンションなどでの利用を考えると、隣人に対する音の配慮から、発生音の対策が強く望まれていました。

今後精米器の需要がさらに見込まれることから、長野県工業試験場は、20年前から家庭用精米器の開発生産を行っている(株)柳沢精機製作所と共同で、低騒音化の課題解決に取り組んできました。

発生音の原因は、精米中に精米機構部で米がこすれあうことによって発生する非常に大きな振動で、この振動が各構成部品に伝わり、精米器全体を振動させ、振動音を発生させていました。振動発生源である精米機構部は、精米のノウハウや能力維持の問題があり、構造の変更は困難でした。そこで、精米機構部をモーターも含めて一体と考え、発生した振動が他の部分に伝達しないよう、周囲と振動絶縁することにしました。この対策によって、新しい家庭用精米器の発生音は1mの距離で57dBAと、12dBA低減させることに成功しました。

(長野県工業試験場 芳川美代子)

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