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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

認定技士の会報告(Vol.24 No.6)

認定技士の会報告

第58回認定技士の会が4月19日(水)グランドヒル市ヶ谷で開催されました。出席者は17名でした。

中野環境クリニックの中野有朋氏をお招きして、「最近の超低周波音、低周波音対策事例」という題で講演していただきました。

低周波音・超低周波音の影響によると思われる苦情とその実態について、多くの調査事例を挙げて、具体的に分かりやすくご説明していただきました。

低周波音で普通耳から聞こえる音としては①遠方からの自動車走行音や工場操業音、②集合住宅ではかすかに聞こえる隣戸の物音やドアの開閉音、③戸建住宅では換気扇の音、エアコンの室外機の音などで、一般的にレベルは低く特定の周波数成分が卓越した音である。なお、20Hz以下の超低周波音は真空ポンプ、空気圧縮機等の大型機械や高速道路のような構造物によって発生するもので、作業環境やダムの放水路等の自然現象で生じて問題になることはあるが、一般家庭においては人体に感じられるような超低周波音の発生源はほとんどないと考えてよい。また、低周波音の問題はほとんどが静かな住宅地で起こっているのが特徴で、低周波騒音計などの測定機器で測定はできるが、評価方法や基準値は騒音のように定められたものは現在のところない。最近、基準がないことから訴訟も増えており、対策においては周辺環境が非常に静かな場合、その音が感知されるか否かによって評価が行われているが、防止技術は現在充分確立されていると考えてよい。

このような現状において、低周波音に類する音の問題の取り扱いにおける評価方法、対策としての防止技術についても事例を通じて説明され、質問も活発に行われ大変参考になる講演でした。

第59回認定技士の会は7月12日(水)同じくグランドヒル市ヶ谷で開催され、出席者は13名でした。講演は「続・梵鐘の音」という演題でリオン(株)の大熊恒靖氏にお願いしました。

環境庁が選んだ「残したい日本の音風景100選」の中でも、12の梵鐘の音が選ばれています。鐘の音はNHKテレビ「ゆく年くる年」の除夜の鐘の音をイメージすることが一般的で、鐘の音をゆっくり聞く機会も昨今では少なくなりました。今回、長年にわたる鐘の音の収集活動の中で得た貴重な資料等からなる研究の概要を、パソコンを使用した映像と音によるプレゼンテーションによりご説明していただきました。鐘の音は、鐘が鳴っているとき、その鐘の表面の一部だけを詳細に調べても全体像はとらえられないそうで、鐘全体を見る必要があるそうです。鐘の音はいつまでも残る最も低い周波数の音(基音)をベースとして、たくさんの倍音が複雑に混ざった音になっています。基音の減衰時間が鐘の音の印象を決める重要な要因の一つであることに着目して、鐘の年代と減衰時間の関係から梵鐘の音の減衰時間に時代的な変遷があるという研究成果を様々な角度からご説明されました。寺の鐘にまつわる話など興味の引かれる講演でした。

その他、認定技士の会の今後の活動、見学会、ニュースの発行等について討議して会を終了しました。

(認定技士世話人 石橋正義)

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