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公益社団法人 日本騒音制御工学会

会員コラム

認定技士の会報告(Vol.23No.4)

認定技士の会報告

認定技士の会では4月19日(日)、鹿島建設(株)の長友宗重氏を講師に招き、第53回講演会を催した。参加者は認定技士21名であった。

我が国は21世紀に未曾有の高齢者社会を迎える。高齢者の身体能力の衰えや、視力の衰え、聴覚の衰えなど日常生活上、個人を取り巻く物理環境の障害が問題点として挙げられている中で、長友氏には「高齢者の聴覚と騒音」という演題で、聴覚の問題についてお話をしていただいた。

特に、人間は生きている限り誰しも年をとり、それに伴って様々な不具合が生じる加齢現象というものがあり、加齢による感覚の鈍化が起きる。65歳以上の高齢者になると、視覚の面では視界が暗くなり視野が狭くなる。聴覚の面では聴力の低下により、1kHz以上の高音域の音が聞こえにくくなるなどの高齢者特有の視覚聴覚特性や、言語理解速度が若年者に比較して遅くなる言語認識能力の感覚特性上の問題点等、人間の全体的な情報処理能力の衰えを指摘された。

こうした聴覚上の不具合にもかかわらず、今まで同様の生活を送り、高齢者と共に生きる社会の実現を目指すという考え方が最近提唱されており、高齢者を含む全ての人が利用できる都市空間、建築空間の構築が求められており、今後、公共施設等における拡声装置のデザイン(明瞭度・了解度)を最初から考える必要性があることを指摘されていた。

また、この分野の研究において、情報を聴取する側の高齢者の実態が十分把握されていないことが今後の課題ということで、参加者の中からもモニター参加協力のお話や補聴器の問題など活発な質問・意見が交わされ、非常に興味深い講演だった。

(認定技士の会世話人 石橋正義)

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