公益社団法人 日本騒音制御工学会

(公社)日本騒音制御工学会 道路交通振動予測式作成分科会

更新日:01-Oct.-2014

設置目的[2003]

建設省土木研究所(現国土交通省 国土技術政策総合研究所)は、昭和50年代初期に、1台の自動車走行時の発生振動レベルを設定して、モンテカルロ法による交通流を用いたシミュレーションを行い、各種の補正項を組み合わせて、一般性を持たせた道路交通振動に係る予測計算方法として「土木研究所の提案式」を開発していた。その提案式の中から、建設省所管道路事業の環境影響評価(以後:環境アセスメントと称す)に採用した予測計算方法が、(財)日本道路協会発行「道路環境整備マニュアル」で体系化され現在も広く利用されている。しかしながら、その予測計算方法は、統計的な蓄積による経験的な側面が強いと言われている。また、物理数学的なモデルに基づいた他の方法も提案されているが、環境アセスメント分野では多く利用されているわけではない。
平成9年6月に環境アセスメント法が公布され(平成11年6月に本格的に施行)、一定規模以上の事業(第一種事業)は、法律に則って、調査、予測及び評価をすることが義務付けられている。その予測の際に、学術的な根拠に基づいた方法で予測計算することや、また、不確実な場合においても、その理由を明らかにすることが求められている。このような背景の中で、環境振動における国際的な動きも考慮し、より現実に沿った予測・評価が期待されている。
道路交通振動予測に関しては、現段階において、「いわゆる土木研究所方式」が、唯一の方法として利用されていることが多い。環境アセスメントに係る道路交通振動予測に関して、基本的に,その予測結果の規制値を80%レンジの上端値(LV10)で評価しているため,本工学会では、そのことも考慮しながら,国際的な動向を加味した「物理的なモデル」を構築して新たに,道路交通振動予測方法を提案し、会員の方々のみならず関係する方々に提供することを目指している。

分科会活動 年3~4回分科会の開催

<これまでの活動概要>
道路交通振動予測式作成分科会は、地盤振動を物理的に説明できる予測モデルを構築することを目的とし、平成12年度に発足して2004年6月には、「INCE/J RTV Model 2003」を発表した。このモデルは、エネルギーベースの考え方に基づき平面道路に適用される予測式である。その後、盛土・切土道路への適用拡大が検討されている。また、平成23年度からは「高架道路の振動予測式作成」が発足し、大規模な現地調査(平成24年度)や橋脚・地盤の実測データの収集(平成25年度)が行われている。

○道路交通振動予測式
☆RTV_Model 2003(平面道路対象)
等価振動レベルを基本予測量とするエネルギーベースの物理的モデルによる予測式

公表:

<平成24年度活動>

【高架橋】
供用中の高速道路高架橋において、次のような大規模実験および数値シミュレーションを実施した。

  1. 大型車単独走行による振動伝搬の実測(上部工・下部工・地盤の伝搬性状の把握)
  2. 大型車両による準静的載荷実験(シミュレーションのための上部工の剛性評価)
  3. 大型車両による衝撃加振実験(上部工の卓越振動モード・周辺地盤への振動伝搬性状の把握)
  4. 大型車走行荷重による橋梁の動的解析(径間2橋:全長約700mのシミュレーション)

なお、これらの結果はH26年4月INCE/J春季研究発表会のOSで発表した。

【盛土・切土WG】
FEM解析によるパラメータスタディーと、土研式の予測パラメータについての検討を行った。平面道路の予測式を盛土、切土道路に拡張するための方法について検討を行った。

【アンケートWG】
道路交通振動予測式に関するニーズを調査する目的でアンケート項目を検討し、コンサル・ゼネコン・設計事務所・地方自治体環境部局等への協力を依頼した。また、INCE/Jの分科会HPにもアンケート用紙を掲載し、アンケートによるデータ収集を継続している。

<平成25年度活動>

【高架橋WG】
RTV MODEL(高架橋版)を作成する目的で、下部工とその周辺地盤の同時測定振動データの収集(合計30本の橋脚)を行った。また、既往実測データの収集・整理も行い、多くの測定データが蓄積できた。

【盛土・切土WG】
盛土部に2.5次元境界要素法を適用して、大型車両の走行時のユニットパターンを検討した。また、FEM2次元解析により、盛土・切土・掘割道路の振動予測式におけるパラメータスタディーうを実施した。これらについても、H26年4月INCE/J春季研究発表会のOSで発表した。

【アンケートWG】
道路交通振動の予測式に関するアンケート結果を集計し、H26年4月INCE/J春季研究発表会のOSで発表した。

平成26年度活動計画

【高架橋WG】
橋梁構造・地盤種別・走行荷重などのパラメータでユニットパターンがどのように変化するのかを今期検討して行く予定である。特に上部工から基礎への入力という観点が重要である。つまり、地盤振動に特に影響するパラメータを検討・整理する予定である。そのためには、ピア下部の振動と周辺地盤の振動実測結果から、基礎-地盤系の相互作用を考慮したモデルの検討が必要になる。これによって、基礎から地盤への振動伝達率を周波数領域の3成分で考えることになる。

【盛土・切土WG】
自動車走行を移動加振源として、盛土・切土の道路構造について解析し、平面道路のINCE/J RTV MODELで用いているユニットパターンを用いた予測方法が適用可能かどうか引き続き検討を行う。また、高速道路の盛土・切土の道路構造を対象に実測データを取得し、解析結果との比較検討を行う。

アンケートへのご協力のお願い

当分科会では、以下の趣旨のもとに、アンケートを実施中です。

[アンケート趣旨]
現在、道路交通振動の予測式には、環境アセスメント等で利用されている旧土木研究所と(公社)日本騒音制御工学会のRTV-Model 2003があります。今回のアンケートは、それぞれの予測式の利用実態、特性及び問題点を把握し、今後の道路交通振動予測のあり方を検討するための情報収集を行うものです。
また、このアンケート対象は、コンサルタンツ会社・建築設計事務所・総合建設業・道路管理会社・地方公共団体・大学等研究機関などです。

(公社)日本騒音制御工学会の道路交通振動予測分科会では、現在の予測式の適用範囲を盛土・切土・高架部に拡張するための検討を行っています。
つきましては、下記よりエクセルファイルをダウンロード頂き、ご回答後、
道路交通振動予測式作成分科会:rtv-estimation[@マーク]ince-j.or.jp までメール返信をお願い致します。
回答は複数の方と相談されても結構ですが、個人でのご記入をお願い致します。

アンケート調査票(クリックしてダウンロードして下さい)

2014年12月までのアンケート集計結果を学会春季研究発表会で発表致しました。発表原稿と発表時のは以下からダウンロードできます。

主査 志村 正幸 (株) 建設環境研究所
幹事 国松    直 (独)産業技術総合研究所
内田  季延 飛島建設(株)
佐野 泰之 愛知工業大学
委員 深田 宰史 金沢大学大学院
石田 理永 石田振動環境研究室
井關 幸仁 リオン(株)
岩吹  啓史 (株) 高速道路総合技術研究所
伊藤 和也 (独)労働安全衛生総合研究所
岩田  克司 株式会社エイト日本技術開発
長船 寿一 (株) 高速道路総合技術研究所
川久保 政茂 円石コンサルタント株式会社
北村  泰寿 神戸大学名誉教授
塩田  正純 芝浦工業大学
竹宮  宏和 E&Dテクノデザイン株式会社
濱   博和 (株) フジエンジニアリング
平尾  善裕 (財) 小林理学研究所
松本  泰尚 埼玉大学大学院
森下  真行 前田建設(株)
三宅  龍雄 (株) 綜合技術コンサルタント
矢部 明人 (株) 構造計画研究所
横田 明則 元リオン(株)
吉岡   修 地質計測株式会社
顧問 時田 保夫 (財) 小林理学研究所
特別委員 本田   卓 環境省  水・大気環境局
加藤   淳 環境省  水・大気環境局

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