公益社団法人 日本騒音制御工学会

(公社)日本騒音制御工学会 道路交通振動予測式作成分科会

更新日:26-Sep.-2017

設置目的[2003]

建設省土木研究所(現国土交通省 国土技術政策総合研究所)は、昭和50年代初期に、1台の自動車走行時の発生振動レベルを設定して、モンテカルロ法による交通流を用いたシミュレーションを行い、各種の補正項を組み合わせて、一般性を持たせた道路交通振動に係る予測計算方法として「土木研究所の提案式」を開発した。その提案式の中から、建設省所管道路事業の環境影響評価(以後:環境アセスメントと称す)に採用した予測計算方法が、(財)日本道路協会発行「道路環境整備マニュアル」で体系化され現在も広く利用されている。しかしながら、その予測計算方法は、統計的な蓄積による経験的な側面が強いと言われている。また、物理数学的なモデルに基づいた他の方法も提案されているが、環境アセスメント分野では多く利用されているわけではない。 平成9年6月に環境アセスメント法が公布され(平成11年6月に本格的に施行)、一定規模以上の事業(第一種事業)は、法律に則って、調査、予測及び評価をすることが義務付けられている。その予測の際に、学術的な根拠に基づいた方法で予測計算することや、また、不確実な場合においても、その理由を明らかにすることが求められている。このような背景の中で、環境振動における国際的な動きも考慮し、より現実に沿った予測・評価が期待されている。 道路交通振動予測に関しては、現段階において、「いわゆる土木研究所方式」が、唯一の方法として利用されていることが多い。環境アセスメントに係る道路交通振動予測に関して、基本的に,その予測結果の規制値を80%レンジの上端値(LV10)で評価しているため,本工学会では、そのことも考慮しながら,国際的な動向を加味した「物理的なモデル」を構築して新たに,道路交通振動予測方法を提案し、会員の方々のみならず関係する方々に提供することを目指している。

<平成29年度活動予定>

【盛土・切土WG】 実測データ取得の困難さに鑑み、自動車走行を移動加振源として、盛土・切土の道路構造に対して数値シミュレーションにより、平面道路のみを対象とした予測計算法INCE/JRTV MODEL 2003で用いているユニットパターンを用いた予測計算法が適用可能かどうかについて検討を行ってきた。その成果を取りまとめ、INCE/J RTV MODEL 2003を盛土・切土の道路構造へ拡張したINCE/J RTV MODEL 2017として分科会に提出し、分科会提案の研究部会報告として学会誌に投稿するための議論、修正等を終えたところである。 今年度の活動予定としては、
  • 1)学会誌投稿様式に原稿をまとめ、掲載に向けた手続きを進める。
  • 2)INCE/J RTV MODEL 2017の普及のためエクセル版予測計算ソフトを作成する。
  • 3)引き続き、盛土・切土道路の実測データの収集活動を行う。
  • 4)引き続き、INCE/J RTV MODEL 2017の改善に向けて議論を行う。
【高架WG】 高架WGでは、高架橋上の車両走行により生じた車両-橋梁系の振動に起因した高架橋周辺地盤での振動予測の検討を行っている。平面道路と違い、車両振動や上部・下部構造の振動の影響など様々な要因が複雑に関係しているため、予測式の作成が難しいのが現状である。現在では下記のように詳細解法(A法)と簡易法(B法)の2通りの予測手法について検討している。
  • ○詳細法(A法):車両,橋梁(上部構造,下部構造),地盤をそれぞれ有限要素法によってモデル化し、路面凹凸を有する高架橋上を車両が走行したときの橋脚下端での時刻歴反力データを算出する。そのデータを地盤に入力することにより、予測地点での応答を算出する。
  • ○簡便法(B法):高架橋上を大型車両1台が走行したときの1橋脚から伝搬する振動を基準点ユニットパターンと定義する。それに橋梁上部・下部構造・地盤種別・走行荷重などの影響因子を付加したうえで、予測地点に影響を及ぼす各橋脚からの伝搬を重ね合わせることにより簡易な予測を行う。
今年度の活動予定としては、
    • ○詳細法(A法)
      • 1)橋梁モデルにおける杭構造のモデル化の検討
      • 2)実測結果との整合による精度向上
 
    • ○簡便法(B法)
      • 3)基準点ユニットパターンの構築と定式化
      • 5)実測結果との整合による精度向上
      • 4)予測式に反映する影響因子(橋梁上部・下部構造、地盤種別、走行荷重など)の検討
   

分科会活動 年3~4回分科会の開催

<これまでの活動概要> 道路交通振動予測式作成分科会は、地盤振動を物理的に説明できる予測モデルを構築することを目的とし、平成12年度に発足して2004年6月には、「INCE/J RTV Model 2003」を発表した。このモデルは、エネルギーベースの考え方に基づき平面道路に適用される予測式である。その後、盛土・切土道路への適用拡大が検討されている。現在、盛土・切土WGでは、距離減衰の経路・基準点の考え方についての議論が終了し、「INCE/J RTV Model 2017」の公表を準備している。 道路交通振動予測式「INCE/J RTV Model 2003」については、次の文献を参照願います。       また、平成23年度からは「高架道路の振動予測式作成WG」が発足し、大規模な現地調査(平成24年度)や橋脚・地盤の実測データの収集(平成25年度)および国総研試験橋梁での各種実験(平成27年度)や分析・数値シミュレーションなどが行われた。これら一連の研究成果は、次のオーガナイズドセッションとして騒音制御工学会で発表している。
    • 日本騒音制御工学会春季OS(平成26年 4月)
    • 日本騒音制御工学会春季OS(平成29年 4月)
    • 日本騒音制御工学会秋季OS(平成28年11月)
本分科会の高架WGでは、過年度の実測データおよび数値シミュレーション結果に基づき、2通りの予測手法を検討している。ひとつは、振動理論・波動理論に基づく数値シミュレーションを前提とする詳細解法(A法)、もうひとつは、橋脚下端部での基準点ユニットパターンを前提として地盤振動を予測する簡易法(B法)である。道路交通振動の予測ニーズは多岐にわたるので、目的や状況に応じて使い分けることができるように考えている。 <アンケートの実施結果> 当分科会では、以下の趣旨のもとに、2014年にアンケートを実施した。 [アンケート趣旨] 現在、道路交通振動の予測式には、環境アセスメント等で利用されている旧土木研究所と(公社)日本騒音制御工学会のRTV-Model 2003があります。今回のアンケートは、それぞれの予測式の利用実態、特性及び問題点を把握し、今後の道路交通振動予測のあり方を検討するための情報収集を行うものです。また、このアンケート対象は、コンサルタンツ会社・建築設計事務所・総合建設業・道路管理会社・地方公共団体・大学等研究機関などです。 (公社)日本騒音制御工学会の道路交通振動予測分科会では、現在の予測式の適用範囲を盛土・切土・高架部に拡張するための検討を行っています。 つきましては、下記よりエクセルファイルをダウンロード頂き、ご回答後、 道路交通振動予測式作成分科会:rtv-estimation[@マーク]ince-j.or.jp までメール返信をお願い致します。回答は複数の方と相談されても結構ですが、個人でのご記入をお願い致します。 アンケート調査票(クリックしてダウンロードして下さい) 2014年12月までのアンケート集計結果を学会春季研究発表会で発表致しました。発表原稿と発表時のは以下からダウンロードできます。
委員名簿
主査 志村 正幸 (株) 建設環境研究所
幹事 国松    直 (独)産業技術総合研究所
内田  季延 飛島建設(株)
佐野 泰之 愛知工業大学
委員 深田 宰史 金沢大学大学院
石田 理永 石田振動環境研究室
井關 幸仁 リオン(株)
岩吹  啓史 (株) 高速道路総合技術研究所
長船 寿一 中日本ハイウェイエンジニアリング東京(株)
上明戸 昇 (株)建設環境研究所
北村  泰寿 神戸大学名誉教授
関口 徹 千葉大学大学院
塩田  正純 SCCRI静穏創造研究所
竹宮  宏和 E&Dテクノデザイン株式会社
濱   博和 (株) フジエンジニアリング
林 健太郎 (株)ベネック振動音響研究所
平尾  善裕 (財) 小林理学研究所
松本  泰尚 埼玉大学大学院
矢部 明人 (株) 構造計画研究所
横田 明則 元リオン(株)
吉岡   修 地質計測株式会社
顧問 時田 保夫 (財) 小林理学研究所

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