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公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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LAeqの取り扱いについて、今まで蓄積されたL50のデータを利用できないのでしょうか。
                                      (匿名)

(静岡県環境衛生科学研究所 竹下昭二)

L50は統計量としては中央値と呼ばれるもので、騒音を連続的に測定した時ある値を超える時間の割合とその値以下となる時間の割合がちょうど同じ(それぞれ50%)となる値のことをいいます。

一方、LAeqは等価騒音レベルと呼ばれていますが、その意味は騒音のエネルギー平均値をデシベルで表したものです。具体的には、騒音を連続的に測定した時、測定を行った時間について騒音となっている音のエネルギーの総和を求め、その総和を測定時間で割った平均エネルギーをデシベル表示で書き直したものをいいます。

このように、両者は全く異なる評価方法であるためL50のデータをLAeqに換算することは一般にはできません。したがって、今までに蓄積されたL50のデータを使って新しい環境基準に対する適合状況を判断するなどといった、基準値に関係するデリケートなことはできないと言えます。

しかしあまりデリケートでない場合については、今までに蓄積されたL50のデータの利用は可能と思われます。この場合はL50のデータのを近似的な換算によってLAeqのデータに置き換えます。換算の方法は、①L50に一定の値を加算(減算)する、②統計的方法により処理する、③単純な仮定に基づく近似計算を行う、などが考えられます。ここでは③についてのひとつの例を紹介します。

騒音レベルが正規分布(標準偏差:σ)している場合、

LAeq=L50+σ2/20log(e)、と書けますが1)、ここから次のバリエーションが得られます。

LAeq=L50+(L5-L95)2/94.0

LAeq=L50+(L5-L50)2/23.5

LAeq=(L5+L95)/2+(L5-L95)2/94.0

これらは正規分布から多少ずれている場合でも比較的良く成り立つことが知られています。しかしあくまで近似計算ですので誤差の大きい場合もあり注意が必要です。これらについては文献を参照して下さい。

参考文献

  • 1)曽根、仁村:音学講論集(1977)
  • 2)高木:環境技術、8(1979)
  • 3)中野:騒音と振動
  • 4)竹下他:騒制講論集(1987)、同(1999)

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これまでの環境騒音測定(L50)ではレベルレコーダのチャートに現場でコメントをつけ,異常音を削除してデータ処理を行ってきました。今後,LAeq測定ではメモリ付き積分型騒音計で瞬時値を取り込むとしても,コメントが無ければ異常音処理ができないのでは。
                                 (コンサル 社員)

((株)小野測器 向井ひかり)

理想的には異常音の影響が無視できるほど、Leqの測定時間を長くすれば、異常音に対する処理を行わずに済みますが、それが不可能な場合は以下の方法で測定を行ってみてはいかがでしょうか。

近頃の騒音計には、Leq測定中に異常音が発生した場合、操作ボタンによって測定が一時停止状態になり、異常音の発生中とその時点からさかのぼって数秒間のデータを除いてLeqの計算を行う機能を持っているものがあります。測定者が測定中に騒音計の近くにいることができる場合、この機能を使うことで異常音の影響を取り除くことが可能です。

しかし、夜間測定など測定者が騒音計の付近にいることができない場合、この機能を使うことができません。この場合に突発的な異常音の影響を測定値から取り除くには何らかの工夫が必要です。これをどのように処理すべきか、騒音測定に係わる多くの方々が困っていらっしゃるのではないでしょうか。測定器メーカ各社でも現在いくつかの方法を検討中です。

例えば1分間というような短時間のLeqを連続して測定し、それを騒音計または測定器の記憶装置に保存していき、測定後に異常音が発生した時間のLeqを除いて実測時間全体(例えば10分間)のLeqを計算する方法が考えられます。測定時には同時にテープレコーダ等の録音機を用意して一定値以上の強さの音が発生した場合、その音を録音するように設定します。測定後、録音を聴き、それが異常音かどうかの判断をします。異常音と認められる音であればその部分の短時間のLeq測定値を除いてLeqの計算を行います。

しかし、この方法では騒音計のみで測定を行うことができず、2次的なデータ処理に時間がかかってしまいます。また大がかりな測定装置が必要となります。実際にどのような方法が簡便で有効であるのか、今後も検討が必要です。

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