日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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機械等から発生する騒音の対策についての留意点はどのような事でしょう。(Vol.28 No.1)
                                 (コンサルタント)

(東芝 岡崎洋二)

家電製品など小型の機械関連

機械の騒音対策は、問題解決へかける時間とコストで変わる場合がありますが、今は早く、低コストで実現できることが求められています。これを実現するには騒音振動の原因にさかのぼって対策を考える必要があります。

騒音は騒音振動源を入力とし機械システムを伝達系としたときの出力とみることができます。騒音振動源は様々ですが家電ではモータ、ギヤ、ファン、コンプレッサが主なものです。騒音振動の原因である強制力のメカニズムが解明されそのスペクトルの大きさが予測できたとき、騒音発生の原理が理解され対策を考えることができます。騒音の原因となっている力は直接測ることができない場合が多く、出力である騒音振動を計測し解析技術を使って音源振動源を推定する必要があります。その現象は機械力学的なもの、電磁気学的なもの、流体力学的なものなど様々でそれぞれ学術的な現象解明のアプローチがされているので文献から音源振動源対策のヒントを得ることができます。音源振動源対策例としてモータのスロットコンビネーション最適化、はすば歯車の使用などがあります。

伝達系としてはフレームへ振動伝達など固体振動系伝達とカバー内の空間の音響伝達、隙間の透過などの音響系伝達とがあります。伝達系を調べるとはその周波数応答と空間的な特性を調べることです。音源振動源が制御可能なら回転数を変えたりすることで周波数応答を調べることができます。伝達系の周波数応答の大きいところに騒音振動源の周波数があると共振状態となるので周波数が一致しないようにずらす必要があります。このようにして騒音振動の真因、騒音振動を大きくしている真因がわかれば真因を取り除くことで低コストな騒音振動低減が実現できます。真因がわかった上で的確に吸音材や制振材を使えば、使う量も最小量で済みます。

今後はdB値を下げるだけでなく、音質改善が求められることも多くなってくるものと思われます。dB値を下げることが技術的に限界となって求められる場合もありますが、コスト的にdB値を下げることが困難な場合にも音質改善は必要なことです。

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道路の音がうるさいので、窓を替えようと思っています。ガラスが2枚ある複層ガラスにしようと思いますが、遮音性能は今の2倍になるでしょうか?(Vol.27 No.6)
                                 (マンション住人)

複層ガラスは、断熱ガラスとして広く用いられるようになってきています。複層ガラスは対流による断熱性能の低下を防ぐため、空気層(ガラス間隔)は通常6~12mmとなっています。そのため、ガラスの質量と空気のばねによる共鳴透過現象が中低音域に生じ、共鳴透過周波数帯域での遮音性能は、2枚のガラスの面密度を合計して、単板の音響透過損失質量則から計算した遮音性能よりも大きく性能は低下します。したがって、道路交通騒音のように低い周波数成分の多い音源に対しては、複層ガラスの遮音性能は2倍にはなりませんし、かえって逆効果となることもあります。

複層ガラスでも厚いガラス構成、特に異なる厚さのガラスで構成されたものは、比較的高い遮音性能が得られます。ただし、重くかつ見込み厚さが厚くなるため、普通のサッシでは対応できなくなりますので、サッシの交換を伴う工事が必要になると思います。

道路交通騒音を十分に遮音するためには、別々のサッシを現場で二重に構成する二重窓とされることが良いと思います。二重サッシは、十分なサッシ間隔(150mm程度以上)が確保できると、2枚のサッシの遮音性能の合計に近い性能が得られます。また、2枚のサッシは両方とも防音サッシとする必要はなく、片側は既存の普通サッシでも高い遮音性能が得られます。さらに、施工面や使い勝手の制約がなければ、二重サッシ間の周壁を吸音構造としたりひだを多くしたカーテンなどによる吸音処理をされると遮音性能は向上します。

なお、既製品で工場出荷時に二重に構成されているものを二重サッシと言い、上記の二重窓とは区別しています。

((株)大林組技術研究所)

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現在一般に用いられているアルミサッシ、シャッター、ドアの透過損失について、防音型のそれらの透過損失はメーカ資料にもよく見られますが、一般的なものは見当たりません。いい資料はないでしょうか。
                               (建材メーカー 社員)

(戸田建設(株)技術研究所 渡邉 秀夫)

ご質問の「一般的なもの」を「普通型の透過損失」と解釈して以下お答えします。

音響関係の専門書、ハンドブックなどを改めて調べてみますと、アルミサッシ、シャッター、ドアの透過損失のうち、アルミサッシのデータは、掲載されているのが多くみられますが、ドアはかなり少なく、シャッターは極くわずかなようです。その中で、比較的新しいデータが盛り込まれているのは、「騒音・振動対策ハンドブック:日本音響材料協会編」と「建物の騒音防止設計:日本建築学会編」ですが、その他に普通型の最近の透過損失データが纏まって掲載されている資料はないようです。

透過損失データを必要とする場合は、遮音材料の透過損失の概略傾向を把握する場合とかなり厳密な遮音計算を行う場合の二通りに分けられると考えられますが、その目的によって求めるデータが異なってくると思います。

前者の場合は、音響関係の専門書やハンドブック類のデータで問題ないと思います。しかし、後者の場合は、透過損失はサッシメーカやサッシの種類、型などによって異なってきますので、それらを特定して、そのサッシ固有の透過損失データを使って遮音計算を行うのが普通ですので、メーカやサッシの仕様が明確でない透過損失データを使用して計算しても不十分になる場合がでてきます。したがって、厳密な遮音計算を行う場合は、メーカのカタロクを調べるか直接メーカから透過損失を入手するのが原則となります。なお、普通型サッシの透過損失データがメーカのカタログに掲載されていない場合でも、社内データとして保有している場合がありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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