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公益社団法人 日本騒音制御工学会

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道路交通騒音の面的評価において、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間について、「評価マニュアルⅡ」に示されている簡易な予測手法(建物列上方のパスを考慮しない場合)を用いて良いのでしょうか?
                                 (コンサルタント)

(中央復建コンサルタンツ株式会社 八川 圭司)

「評価マニュアルⅡ」1)においては、建物・建物群による減衰補正量に関する予測手法は、詳細調査手法として、建物群上方の回折音を考慮した一般式、基本調査手法として、建物群上方の回折音を無視した簡易式が示されています。いずれの手法とも、遮音壁のない平面道路を対象としたモデル式であり、モデル式の適用条件を勘案すると、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間については、基本的には適用できません。

高架・盛土道路等の平面道路ではない区間を対象として、建物・建物群による減衰補正量を予測計算する方法については、上坂ら2)が示したモデル式が適用可能であり、伝播パスの考え方は、図-1に示すとおりです。

ここで、道路交通騒音の面的評価では、数千戸あるいは数万戸の家屋等を対象として、騒音に係る環境基準値の超過状況を把握・評価するわけですが、これについては、家屋の立地状況等の年次更新も念頭に置き、効率的な予測システムが不可欠であると考えられます。

図-1 市街地のモデル化と伝播パスの考え方

上記の上坂らによる高架・盛土道路等も適用対象としたモデル式は、予測過程が複雑であり、道路交通騒音の面的評価に適用した場合、予測条件の整理に膨大な作業量を要する可能性があるものと思われます。

一方、高架・盛土道路等といった音源位置が受音点位置より高い場合は、建物群上方からの回折音の影響が比較的大きくなることが想定されますので、これらを反映していない「評価マニュアルⅡ」に示されている手法を適用することは過小な予測となります。

上記要件を勘案すると、実務レベルでは、高架・盛土道路等の平面道路ではない区間については、実測値に基づく検証・補正を行い、予測精度を補完するような措置を講じた上で、「評価マニュアルⅡ」に示されている手法を適用しても構わないのではないかと思います。この場合、モデル式の拡大適用を行っているわけですから、評価結果と併せて、モデル式の適用条件等を明示しておく必要があるものと考えられます。

なお、「評価マニュアルⅡ」に示されているモデル式については、評価高さを1階レベルで代表させる場合(基本調査)では、建物群上方の回折音を無視した簡易式を適用しても良いものと思われますが、沿道建物高さに対応した評価を行う場合(詳細調査)では、建物群上方の回折音を無視することは適切ではないものと考えられるため、建物群上方の回折音を考慮した一般式を適用する必要があります。

参考文献

  • 1)環境庁:騒音に係る環境基準の評価マニュアル Ⅱ.地域評価編(道路に面する地域)(平成10年5月)p37
  • 2)上坂克己、大西博文、千葉 隆、高木興一:幹線道路に面した市街地における騒音レベルの計算方法、((社)日本音響学会騒音振動研究会資料N98-67(平成10年12月)

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