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公益社団法人 日本騒音制御工学会

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原稿や説明資料の作成にあたり,他人の著作物を参照することが多々あります。その際の注意事項についてご教示ください。(Vol.43No.3)
Vol.43 No.3

(アイ・エヌ・シー・エンジニアリング 井上保雄)

東京五輪2020 のエンブレムが著作権の門題で変更になったのは記憶に新しいことと思います。我々は日常的に様々な場面で報告書や説明資料を作成しています。その際,他人の書籍,あるいはインターネットなどを参照することが多々あります。これらの情報は,知的財産権1)の一つである著作権法により守られています。今回は資料を作成する上で,知っておいていただきたい著作権法について説明します。
【著作権法とは】
「著作物に関し著作者の権利を定め,著作者等の権利の保護を図り,もって文化の発展に寄与する(著作権法第1 条抜粋)」と記載されています。
【所管官庁と権利化】
著作権法(著作権)は文化庁の所管です。著作者が著作物を創作した時に権利が発生し,手続きは不要です。なお,特許法(特許権)や商標法(商標権)は特許庁の所管で,発明者が申請をし,審査を経て特許等の権利を得ることになります。
【著作物とは】
「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう(著作権法2条1項)」と記載され,小説,論文,音楽,絵画,建築,映画,写真,プログラムなどに関する著作物があります。なお,富士山の高さは3776m,これは単なるデータで,慶弔記事などは単なる事実なので著作物にはなりません。
【権利の期間】
著作者の死後50 年,映画については公表後70年と決められています。
【他人の著作物の利用】
報告書,論文,説明資料などを作成する際,他人の著作物を合法的に使用するには著作者に「許諾」を得る,あるいは「引用」することになります。著作者の承諾が得られれば問題ありませんが,引用の場合は下記①∼④の条件を満たす必要があります。
①主従関係
引用する側とされる側の双方が質的,量的に主従関係があることが求められます。核の部分(質),あるいは大部分(量)を引用するのはだめです。
②明瞭区分性
引用する側とされる側の両者が明確に区分されていることが判らねばなりません(線・かぎ括弧等)。
③必然性
なぜそれを引用しなければならないのかの必然性が要求されます。
④出所の明示
引用個所の出典元(書籍の場合は著者・書籍名・ページ・発行年,Webサイトの場合はURL,日付など)を引用部分に近い個所に明示する必要があります。
【同一性保護権】
これは,自己の著作物の内容などを意に反して改変させない権利です。著作物を引用するとき,写真の一部を加工したり,説明を追記すると権利侵害になります。時々見かけますが,十分に注意しなくてはいけません。
【まとめ】
他人の著作物を利用する場合,①「著作物に相当するか」→②「保護期間内か」→③「許諾を得たか」,あるいは④「引用の条件を満たしているか」,の手順で使用の可否を判断します。
実務上,著作権法の性質を考慮しつつ,目的に応じて著作権法遵守と資料作成の「バランス」をとり,ケースバイケースで対応することになります。
著作権に関連して多くの不祥事が報告されています。本報が多少なりとも参考になれば幸いです。

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