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公益社団法人 日本騒音制御工学会

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立体駐車場から低周波音が出ると聞きますが、 原理的に出るものですか、それとも共振のような状況で出るのでしょうか。
                                   (自治体職員)

(石川島防音工業(株) 緒方三郎)

大型機械式駐車場装置の特に垂直循環式の立体駐車場(タワーパーキング) に隣接した木造や剛性の弱い低層建築物において、低周波音で家具や建具の 「ガタツキ」が発生することがあります。また木造2階建て家屋の固有振動数 10~15Hzがタワーパーキングが出す低周波音の主要周波数に近く、共振によっ てその影響が大きくなることもあります。

タワーパーキングは、電動機(16~20Hz)の出力を遊星差動方式減速機を介 し上部駆動部と下部従動部の大型スプロケットチェーンを旋回速度16~ 20m/minで回転し、チェーンで結ばれたパレットが車を移動する装置です。筆 者の調査では駆動部機側において4~31.5Hzに90~100dBの低周波音が発生し ています。装置メーカによって低周波音のピークが10~15Hz前後と若干の差が ありますが、全く低周波音を発生しない装置はありません。低周波音は装置の 機械がある特定の条件の場合に発生しますが、特に、不具合のある構造物との 共振による増幅が高レベルの低周波音発生の主要因です。

前述のタワーパーキングの構成は、あたかも遠心送風機に似たモデルです。 大きなパレットが羽根の役目で大空間の空気を撹拌し、粗と密の圧力変化を与 え、この圧縮波とタワー構造体の鉄骨フレームや外装板の共振が重なって低周 波音を増幅することも考えられます。

低周波音の有効な実務的対策としては、(1)回転スピード制御による回転加 振エネルギーの減少(加振力の除去、伝達防止、加振力周波数の変更)。(2) ピーク性の鋭い成分だけを目的とした動吸振器を応用した装置の付加(3%程 度の重りを付加した振動系付装置が販売中)。(3)高剛性遮音構造(コンクリー ト造、重量鋼製パネル):「空気の共振域」(40~60Hz域)を除いて、上では 質量則で5dB/oct.、下では剛性則で-6dB/oct.の遮音効果が期待できます。

現在、各装置メーカは騒音振動の屋外規制値を満足できるように極力経済設 計に努めていますが、高剛性遮音構造で低周波音域から可聴音域までの広範囲 を対象として設計することは、なかなか難しいようです。将来、低周波音に対 し、測定方法、評価方法及び行政の規制が普及・確立すれば対策方法も同時に 展開すると思われます。

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