日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

「 発生源探査 」の関連記事一覧

近年、低周波が原因とみられる苦情が 再び増加傾向にありますが、発生源が不明瞭であることが多く、 それを容易に確定できる機器や手法がありましたなら紹介願います。
                                    (行政職員)

(東昌エンジニアリング(株)森 卓支 認定技士)

適当な間隔を離して置いた2つのマイクロホンを使用して、発生源からの音 の到達時間差(位相差)を利用して音源の方向を知ることが出来ます。図1 (a)のようにマイクロホンA,Bが同位相の位置に在れば、2個のマイクロホ ンの出力(交流電流)も同位相になります。図1(b)のようにマイクロホンへ の到達時間に差が在れば、2個のマイクロホンの出力にも位相差が現れます。

従いまして、マイクロホンを移動して図1(a)のような状態を見いだすこと ができれば、発生源はマイクロホンAとBを結ぶ直線に直角な方向に存在する ことになります。

この方向探知を2箇所で実施すれば、低周波音の発生源の大体の位置を推定 できます。図2の測定点Ⅰで発生源がⅠ-Ⅰ’の方向に在ると推定され、次に 測定点Ⅱで発生源がⅡ-Ⅱ’の方向に在ると推定されれば、その両者の交点付 近に発生源が在ると考えられます。

但し、発生源からマイクロホンに音波が到達するまでに、風などの影響によ り音波の波形に乱れが生じることがあり、オシロスコープなどのリサージュ波 形で位相差を観測するだけではうまくいきません。

図3は筆者が以前開発したシステムのブロック図です。マイクロホンで採取 した音波からフィルタにより目的の周波数のみを取り出し、2個のマイクロホ ンの位相差を検出します。2つのフィルタ間の位相のずれの調整、音圧の変動 による影響をなくし位相情報のみを取り出す工夫(方形波変換)や、風による 位相のゆらぎの影響を少なくするための平均化が必要となります。このような 方法で測定しても、風のあるときはたとえ微風でも測定は無理と考えた方が良 いでしょう。

位相差を利用する原理は一緒ですが、2個以上のマイクロホンを利用して、 マイクロホンを移動せずに発生源の方向を探知するシステムもあるようです。

以上のような音源探知機は筆者の知っている限りでは、現在ではどこも販売 はしていないようです。

閉じる

分野

キーワード

フリーワード

PAGE TOP