日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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アセス業務に携わっておりますが、ある現場で道路交通騒音・建設機械騒音についてスピーカ等を用いて再生する調査を計画しています。どうしたらよいでしょう。
                            (建設コンサルタント技術者)

ご質問のような調査での目的は二つ考えられます。一つは、事業を行うにあたり周辺住民に事前に道路交通騒音・建設機械騒音(以下、表記騒音という)を体感してもらうこと、もう一つは表記騒音が環境保全対象地点で何dBになるかを調査することと思われます。

前者の目的には、どのように標準的なデータを収録するかが問題になります。収録する地点とパワーレベルの設定方法です。建設機械の騒音レベル測定方法(日本建設機械化協会規格)やJIS Z 8733(一般の音場における音響パワーレベル測定方法)では多数の測定点を設けており、1点で代表する方法は記述しておりません。目的が表記騒音の体感ということですので、遮蔽されない地点で測定・録音したらどうでしょうか。録音したテープは時間的な問題等でそのまま使用できないでしょうから編集することになります。そのときアセスで設定したパワーレベルになるようスピーカのアンプを調整します。

他に、保全対象地点までの伝搬条件を計算し音源テープをイコライザで調整し聞いてもらう方法もあります。パソコンを使用すると、騒音対策時の騒音もシミュレートできます。この他にもいい方法があるかもしれません。

後者の目的にも、表記騒音の録音テープを再生させ調査することは可能です。しかし、レベルが変動するため、環境保全地点での騒音レベルを正確に測定することは暗騒音の影響もあり困難なことが多いように思われます。この場合には、音源にピンクノイズ等を使われるとよいでしょう。

先ず、スピーカからピンクノイズ等を発生させ、各測定点位置でバンド別(1/1または1/3オクターブバンド)の音圧レベルを測定し、基準点(例えば音源から1m)からの伝搬減衰量を求めます。このバンド別減衰量がわかれば対象とする任意の騒音源のパワースペクトルから基準点までの幾何減衰を含めたバンド別減衰量を差し引き、A特性補正を加えて求められる各バンド音圧レベルを全バンドについて合成することにより、伝搬音の騒音レベル(A特性オールパス値)を推定することができます。

(綜合技術C 三宅龍雄、ゼット音響 北川 保)

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道路交通騒音の環境アセスにおける保全対策として、 最近では「透水性舗装にする」という事例が見られます。 実際には、どの程度の減衰が期待できるのか、また、 その問題点をお教え下さい。
                             (地方自治体土木関係職員)

(日本道路公団名古屋建設局 中崎邦夫)

ご質問の「透水性舗装」は、使用目的により、 「排水性舗装」または「低騒音舗装」と呼ばれています。平成元年頃より、 雨天時の事故に対する対策として用いられ出したため、 路面の水を排水する舗装として「排水性舗装」と呼ばれていましたが、 平成6年頃より騒音対策として用いられる場合には「低騒音舗装」と呼ばれています。以後、 「低騒音舗装」という名称を使わせていただきます。

道路交通騒音は、1,250Hz付近で最も大きい音の圧力レベルを示しますが、 「低騒音舗装」はこの周波数を含む周波数範囲で音の圧力レベルを 減衰する効果があります。タイヤ転がりによるエアポンピング音 (空気の破裂によりタイヤリブを震わす音)の減衰、 エンジン音などの吸音により音が減衰します。

また、発生源にて音を減衰させることから、その効果は一定の値ではなく、 交通量が増減すれば変化します。「低騒音舗装」の空隙量や質の違い (設計空隙量の違い、施工誤差)、舗装面積(舗装する車線数や延長) によっても変化しますが、 普通に施工されている滑らかな表面の舗装に比較しますと、 L50値で3~7dB程度減衰が期待されます。

なお、「低騒音舗装」は空隙があるため、 沿道の埃や自動車が持ち込む土砂成分により詰まったり、 大型車両の走行による厚密により詰まりますと、音の減衰効果で減少します。 つまり、「低騒音舗装」の問題点としては、 その減衰効果が遮音壁のように半永久に持続するわけではないことが 挙げられます。関係機関における研究報告文献を見ますと、 効果は施工後4年までは確認されています。

計画段階の環境アセスとして取り込むためには、 「低騒音舗装」の騒音減衰値の予測計算式の確立、 減衰値を確保するための舗装の適切な時期での打換及び 機能回復洗浄が担保される必要があります。

「低騒音舗装」の減衰効果は、遮音壁のように半永久なものでないため、 遮音壁による対処ができない(橋梁補強なしでは嵩上げできない、 遮音壁では非常に不経済)場合、 マンション等の高層建築物への対処として使用されることが望まれます。

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