日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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室間音圧レベル差及び重量・軽量床衝撃音レベルで問題となる周波数は実際のところ,主に何Hzですか。(Vol.36 No.6)
                          (ゴム・樹脂部品の製造業 社員)

(三井住友建設(株)技術開発センター 赤尾伸一)

問題となる,という意味は,居住者などからのクレームになる,あるいは竣工時確認測定において設計時点に設定した所定の性能が出ないということでしょうか。クレームは様々な原因で発生するものだと思いますので,ここでは後者の観点から問題となる周波数について述べたいと思います。

室間音圧レベル差の測定では,125 Hz から 2 kHzまでを測定し,室間音圧レベル差等級(Dr 値)で表します。問題になる周波数は,建物の主体構造や内装材料などの違いにより一概に言うことは出来ません。たとえば GL 工法では 250 Hz,4 kHz で性能が低下してしまいます。また,プラスターボードなどの軽量中空二重壁では 125 Hz で性能が決定される製品が多いようです。さらに乾式の間仕切壁では柱・梁・床スラブとの取り合い部の隙間により 1kHz や 2 kHz で遮音低下が起きることがあります。特に鉄骨構造の建物では,柱,梁に耐火被覆が施されることにより間仕切壁との取り合いが複雑になり,落ち込む周波数もケースバイケースとなります。

重量床衝撃音レベルの測定では,63 Hz から 500Hz までを,軽量床衝撃音レベルの測定では,125 Hzから 2 kHz までを測定し,床衝撃音レベル等級(Lr値)で表します。重量床衝撃音遮断性能は建物の主体構造で決まることが多く,ほとんどの場合 63 Hzが決定周波数となります。ただし,二重床や天井の影響で 125 Hz で決まることもあります。軽量床衝撃音遮断性能は仕上げ材で決まり,性能が良いものは 125 Hz,250 Hz で決まることが多く,性能が悪いものでは 250 Hz,500 Hz となるようです。

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工学会の講習会で、空気は通す(排気?)が音は通さないといった構造物の説明がありましたが、具体的に構造を教えて下さい。
                                      (匿名)

((財)小林理学研究所 松本敏雄)

まず、音は空気中を伝わる波動です。空気が通れば、必ず音は伝わります。したがって、「空気は通すが音は通さない構造物」はちょっと言い過ぎです。しかし、空気を通しながら音を減衰させる物はあります。身近な例としては自動車のマフラーや建物内の空調設備用吸音ダクトなどの消音器(サイレンサ)が挙げられます。上記の質問を「空気は通すが音を通しにくい構造物」とするとそれはたぶん吸音ルーバーのことではないでしょうか。吸音ルーバーは、掘割構造道路やトンネル出入口部に架設し、道路交通騒音を対策するための道路施設です。もともとはトンネル出入口部の照度調節(明るさの変化をやわらげる)装置として開発されたものです。この装置はルーバーブレードといわれる薄いパネル板から構成された格子状の構造物であり、光学効果の他に空気が通ることで排気ガスの拡散を妨げないという換気効果も有しています。騒音に対してはこのブレード表面を吸音性にすることで、減音効果を得ることができます。ルーバーブレードは光が直接差し込まない間隔(外部から音源が直接見通せない間隔)で部材に取りつけられています。このブレードは「く」の字型に成型されたステンレス製の表面材(パンチングメタル[開孔率約35%])で吸音材(グラスウール[密度32kg/m3])を挟む構造となっています。図1に代表的な吸音ルーバーの構造を示します。吸音ルーバーはブレードの吸音面積や厚さにより減音量を調節することが可能で、自動車騒音(A特性加重)に対して15dB程度の挿入損失(ルーバーが有る時と無い時の差)が得られるものもあります。

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