日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

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超音波が医療に役立っているとテレビで見ました。超低周波音も何か私達の生活に有効利用されていますか。(Vol.35 No.1)
                                      (主婦)
Vol.35 No.1

(小林理学研究所 田矢晃一)

確かに、超音波は直進性が強く、波長が短いため分解能が高く、放射能と比べて安全であるという特徴を生かして多くの超音波診断機器が開発され、私たちの生活に役立っています。

それでは、超低周波音を生活に役立てるための特徴を考えてみましょう。

第1の特徴として、位相速度が遅いことがあげられます。ある閉空間内で音を発生させると、周波数の高い音は進行波になりますが、周波数が低いと空間内の全ての場所で位相が一致する、つまり圧力場となります。このような場ではボイルの法則により圧力と容積が反比例するという関係が成立します。

この現象を利用して開発された機器が音響式体積計です。容器内に体積を測定したい被計測物を入れると、どんなに複雑な形状をしていても音圧レベルを計るだけで正確な体積を求めることができます。

従来は、複雑な形状の物体の体積を測るには、水槽の中に沈めて溢れる水の体積を測る方法が一般的でしたが、音響式体積計は正確さだけでなく、乾いたままで測れる特徴があるため色々なものの測定に応用することが期待されます。図-1奥にはボールが容器に入っていますが、スイカや桃などに置き換えて重さも計ると、糖度すなわち甘さを計る測定器に応用できるそうです。手前はエンジンヘッド内の複雑な形状の燃料室の容積を乾いたままで瞬時に正確に計る容積計を表しています。

第2の特徴として、波長が長いことがあげられます。波長が長いと、地表面の建物などによる凹凸や、空気中の水滴などの粒子が音波伝搬の障害にならないため、音波が長距離伝搬します。一方、地球内部のマントルやマグマの動き、プレートの活動などはゆっくりとした動きですが、これらの動きを観測し続けることにより、火山の噴火や地震の発生を予測する研究が行われています。これも超低周波音を(観測することにより)私達の生活に有効利用することの一環ではないでしょうか。

第3の特徴として、エネルギーが高いことがあげられます。無論、一般環境ではなく、超低周波音の代表的な発生源での話です。あるダムの放流を観測したとき、ダムサイトにある観光レストランの大きなガラス窓に触れると大きな振幅で揺れていて、強大なパワーを感じました。このパワーを利用して新エネルギー発電などできないかと期待しています。

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