日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

「 床衝撃音 」の関連記事一覧

重量床衝撃音レベルの大きさはスラブ厚さに関連するそうですが,何mm 以上の厚さにすると苦情が減少するなどといった経験値などはありますか?(Vol.37 No.5)

((株)熊谷組 大脇雅直)

重量床衝撃音レベルの大きさは,スラブの厚さ(基本インピーダンスレベル),面積,スラブスパン,スラブ周辺の梁などによる拘束条件の違い(1 辺拘束,2 辺拘束,梁の大きさ等),床仕上げ材(乾式二重床(床先行工法,壁先行工法),直貼り床),二重天井の有無によって変わります。

スラブの基本インピーダンスレベルは,無限大板のインピーダンスレベルに相当するもので,衝撃力(入力)と,それによってスラブに生じる振動(出力)との関係を示しています。感覚的な意味としては,インピーダンスレベルが大きいほどスラブが振動しにくくなります。スラブ厚さと基本インピーダンスレベルを計算すると,スラブ厚さ 200 mm で基本インピーダンスレベルは 117 dB,230 mm で 119dB,250 mm で 121 dB,280 mm で 123 dB,300 mmで 124 dB となります。つまりスラブの基本インピーダンスレベルは,スラブを 200 mm から 250mm に 50 mm 厚くすると 4 dB,200 mm から 300mm に 100 mm 厚くすると 7 dB 大きくなります。これは,スラブを加振したときに発生する床衝撃音レベルが,スラブを 200 mm から 50 mm 厚くすると 4 dB,200 mm から 100 mm 厚くすると 7 dB 小さくなることを示しています。

しかし,スラブ厚さを大きくしても,スラブ厚さ以外の条件によって重量床衝撃音レベルが向上しない場合があります。設計時にはスラブ厚さ以外の条件をも考慮したスラブ素面における重量床衝撃音レベル予測結果をもとにスラブの厚さを決めています。

現在,首都圏で共同住宅として供給されている居室のスラブ厚さは 200mm から 300mm が一般的であり,竣工時の重量床衝撃音遮断性能は Li,Fmax,r,H(1)-50∼60 の性能のものが多いです。竣工時の重量床衝撃音遮断性能がタイヤ衝撃でLi,Fmax,r,H(1)- 50∼55,ボール衝撃で Li,Fmax,r,H(2)-45∼50 の乾式二重床仕上げの居室において子供及び大人の歩行などによって発生する音の大きさを測定した事例を紹介します。3∼8 歳の子供 9 名の場合では,歩行(普通∼強歩行)によって直下居室で発生する最大 A 特性音圧レベルは,LD の普通歩行で 22∼36 dB,洋室で 25∼33 dB でした。走り回りによって発生する音は LD で 24∼44 dB,洋室で26∼42 dB でした。飛び跳ねによって発生する音は,LD で 30∼52 dB,洋室で 27∼49 dB でした。A特性音圧レベルの大きい子供は踵から踏み込む傾向がみられました。測定時の暗騒音レベルは 23∼24dB と静かな音環境であったため,聴感上いずれの行動も「小さく聞こえる」から「聞こえる」程度でした。重量床衝撃音レベルと比較すると,子供の走り回りはボールと同程度のレベル,子供の飛び跳ねはタイヤと同程度のレベルになる場合があることがわかります。

次に,30∼60 歳代の大人 16 名(男性 12 名,女性4 名)の場合では,歩行音の最大 A 特性音圧レベルは LD で 24∼30 dB,洋室で 24∼28 dB の大きさでした。小走り時は LD で 27∼34 dB,洋室で 26∼29dB でした。大人の場合,性別,体重にばらつきがあるにも関わらず音圧レベルに大きな差はみられませんでした。これは,今回の被験者はつま先から踏み込む傾向を示したことが原因と考えられます。聴感上は,測定時の暗騒音レベルが 23∼28 dB と静かな音環境であったため,「小さく聞こえる」程度でした。

居室内の音環境が非常に静謐な場合(例えば暗騒音が 25 dB 以下)には上階からの歩行音が聞こえることになります。特に子供は体重が軽いですが歩行音は大人よりも大きくなる傾向があります。「リブランひと住文化研究所」が東京都と埼玉の分譲マンションの居住者を対象に行った音トラブルに関する意識調査の結果が朝日新聞(2007 年 2 月 27 日)に紹介されていました。「生活の音(子供が走り回る音,大人が歩く音等)にいらだちを感じる」という回答が 52% あり,音のトラブルについて「入居者間のコミュニケーションで減ると思うか」との問いに「はい」との回答が 71% でした。しかし,「問題解消へお付き合い」する努力をしている人は 13% と非常に少ない結果となっていました。これらのことからもわかりますようにスラブの厚さを厚くするだけでは問題の解決になりません。共同住宅においては住まい方の工夫も重要と考えます。

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最近アクティブノイズコントロール(ANC)という言葉をよく聞きますが、どのような仕組みで音が小さくなっているのでしょうか? また、これを使って道路や鉄道などの騒音は制御できないのでしょうか。(Vol.36 No.1)
                                     (会社員)

(東海大学 森下達哉)

騒音の能動制御あるいは Active Noise Control(ANC)については,1930 年代にアメリカ合衆国で特許申請された記録が残っています。特許申請時の図には,元々存在している騒音に対して,同振幅・逆位相の波形をもつ音波を重ね合わせることによって,騒音を消去するという基本的考え方が示されています。その後,1980 年代以降のディジタル信号処理技術の発展に伴って,数多くの ANC システムが考案されてきました。最近では,ノイズキャンセリングヘッドホンや自動車キャビンの静穏化などで,ANC の実用システムに接することができます。

ANC は,騒音源(Primary Noise Source)が作る音場と同一の音場を騒音源周囲に配置した二次的な音源(Secondary Noise Source)で作ることができるという原理に基づいています。したがって,空間全体を静かにしなければならいような場合には,静かにしようとしている音の周波数にもよりますが,比較的多くの音源が必要になるとされています。

一方,細長い管状の空間を伝わる音波については,管の断面寸法よりも波長が十分に長ければ,管の長さ方向への波の伝わり方だけを考えれば良いので,制御方法も簡単になります。そのため,ANCの研究が盛んになり始めた 1980 年代には,ダクト内を伝わる騒音を対象とした研究が盛んに行われていました。詳しくは文献 1)をご参照下さい。

ANC の制御方法としては,フィードフォワード(FF)制御とフィードバック(FB)制御に大別できます。説明を簡単にするため,ダクト内 ANC を例にとります。図−1(a)に示す FF 制御では,まず参照用センサで事前に騒音の情報を検出します。その騒音が音の重ね合わせ点に到達するまでに制御器で処理を行い二次音源から制御用音波を生成させ重ね合わせ点に到達させます。図−1(b)はブロック図と呼ばれますが,制御器を通る信号が信号 x と同様前向きに送られているため,FF 制御と呼ばれます。

一方図−2(a)に示す FB 制御では,参照用信号を使わずに,制御結果(誤差信号)を制御器で処理し,二次音源によって制御用音波を生成させます。図−2(b)のブロック図において,制御器を通る信号が信号 x と反対の後ろ向きに送られているため,FB 制御と呼ばれます。前述のノイズキャンセリングヘッドホンでは,基本的に FB 制御が用いられますが,FF と FB の両者を組み合わせた制御システムも存在します。

ANC の道路騒音や鉄道騒音への適用については,受動的デバイスとの協調動作という意味では,遮音壁と ANC の組み合わせがあります。このシステムは,遮音壁エッジ部の音場を適切に制御することで遮音壁の騒音抑制効果を向上させることを目的としたシステムです。国道 43 号線での試験運用の報告があります2)。

移動する音源に対する ANC の検討としては,広い空間における制御システムの構成法の検討3)や適応アルゴリズムの動作特性の検討4)などが行われています。当然海外でも研究例があります。原理から考えると,移動する音源に対して広い空間に渡って減音領域を生成することは大変難しい問題であることは間違いないでしょう。しかし,騒音制御のために大きな構造物を付加できない場合には,上記のような ANC システムが唯一の騒音対策手段になると考えられるため,移動音源に対する ANC のさらなる検討が望まれます。

  • 1 )西村他,アクティブノイズコントロール(コロナ社,東京都,2006).
  • 2 )ASE 試験導入に関わる騒音調査結果,兵庫県国道事務所,http://www.kkr.mlit.go.jp/hyogo/oshirase/2006/2006-10-30-01.html
  • 3 )大西他,日本音響学会誌,vol. 64, no. 3, pp. 131-141(2008).
  • 4 )A. Omoto et al, Acoust. Sci.&Tech., vol. 23, no. 2, pp.84-89 (2002).

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室間音圧レベル差の測定に63Hzが含まれていないのは、どのような理由なのでしょうか。(Vol.36 No.4)
                                (音響測定会社 社員)

(日本騒音制御工学会認定技士 安岡博人)

日本工業規格 JIS A 1417 における周波数範囲について,“63 Hz が入ってないのはなぜか?”という質問は良く聞きます。“床衝撃音の方には含まれているのに”ということだと思われます。私の聞き伝えの回答でよろしければ,以下のように考えられます。

集合住宅,ホテルなどは一般に居室が小さく,相対的に波長の長い周波数に関しては定在波が大きく寄与して,音圧レベルの偏差が各測定点間で大きくなり,平均音圧レベルで扱うのには問題が多いということだと思います。つまり,室のどの点が受音点になるか分からない状況で平均値を当てはめると,受音点の取り方によっては平均音圧レベル差の測定結果に 1 ランク以上の違いが生じる場合もあるということではないでしょうか。

このため,特定場所間音圧レベル差が規定されていますので,それで 63 Hz を測定して,当てはめるのは,その点の固有の値ですので,一つの考え方としては妥当と思われます。また,参考として 63 Hzの室間音圧レベル差を測定する場合もありますが,当然データの妥当性はその旨明記して自己責任で行うことになります。

そして,床衝撃音の重量衝撃音の場合は,低音を測定するために行いますから偏差を承知で決めてあり,打点も多くなっていますし,測定値の空間的ばらつきは今まで多く検証されながら運用されています。

関連 JIS

  • ・JIS A 1416 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法.
  • ・JIS A 1417 建築物の空気音遮断性能の測定方法.
  • ・JIS A 1418-1 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法─第一部 : 標準軽量衝撃源による方法.
  • ・JIS A 1418-2 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法─第二部 : 標準重量衝撃源による方法.
  • ・JIS A 1419-1 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法─第一部 : 空気音遮断性能.
  • ・JIS A 1419-2 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法─第二部 : 床衝撃音遮断性能.

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直下に居室があるような厨房の床は、浮き床が必要であると聞きましたが、耐水性を考慮してスタイロフォームを緩衝材として用いたいのですが性能はどうでしょうか?(Vol.27 No.5)
                                  (工務店 社員)

((株)大林組技術研究所)

厨房の床は水仕舞の関係から硬い仕上げとなりますので、固体音対策が不十分な場合には、厨房での作業音は直下の室で50dBA以上となります。特に、グリストラップや側溝のグレーチング上を作業者が歩行する時に発生する衝撃音は60dBAに達し、発生頻度も高いので、厨房の直下に居室がある場合は浮き床などの固体音対策は不可欠です。

浮き床の緩衝材としてスタイロフォームを用いられるとのことですが、スタイロフォームでは十分な対策であるとは言えません。スタイロフォームは、厚さ50mmで動ばね定数は4×107N/m3、損失係数は0.5程度です。一方、グラスウール96kg/m3の厚さ50mmの動ばね定数は4×106N/m3、損失係数は0.25程度ですので、スタイロフォームの動ばね定数はグラスウールの10倍、損失係数は2倍に相当します。そのため、スタイロフォームを緩衝材として用いた浮き床は、グラスウールを用いた浮き床よりも固体音遮断性能が約10dB劣ります。厨房の床衝撃音対策としては、スタイロフォームよりもグラスウールを用いた浮き床を推奨致します。

なお、浮き床はわずかでも躯体と接触した部分(サウンドブリッジ)があると固体音の遮断性能は低下します。浮き床を施工する際には、サウンドブリッジができないように、特に立ち上がり部分などは十分な施工管理が必要だと思います。その他の留意点としては、以下の事項が挙げられます。緩衝材は、JIS A 6321、 JIS A 6322に規定するロックウール(100~150kg/m3)またはグラスウール(96kg/m3)で厚さ25mm以上のものを用います。これらの材料は濡れると性能が発揮できませんので、JIS K 6781に規定するポリエチレンフィルム1種厚さ0.1mm以上で防水処理します。フィルムの継ぎ目は10cm以上重ねて、テープなどで目貼りをします。コンクリート打設の際には、ポリエチレンフィルムを踏み破らないようにし、また局部的な荷重をかけてグラスウールに損傷を与えないように注意して打設します。

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戸建て住宅で床衝撃音を測定する場合、1階と2階が全て面していない場合、測定点や衝撃点などどのように測定するのでしょうか。
                                     (製造業)

(日本建築総合試験所 和木孝男)

床衝撃音はJIS A 1418-2000「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法」に測定方法が規定されています。

JISにはご質問のような条件は想定していません。が、軽量衝撃源、重量衝撃源どちらも受音点を4点以上、打撃点は3~5点とすることになっていますので、JISに沿った測定をするために経験的に次のようにして測定しています。

戸建て住宅の居室面積はさほど広くない場合が多いので1階と2階の間取りが異なる戸建て住宅で床衝撃音レベルを測定する場合は、1階と2階の面する部分によって2パターンに分けます。

1階の大部分(1/2以上)が2階の床の投影面内にある場合は、受音室を1階全体とし図1のように打撃点および受音点を設定します。

また、1階における2階の投影面が小さい(1階の1/2以下)場合は1階の半分を受音面として図2のように打撃点および受音点を設定します。

なお、このことは戸建て住宅について言えるのであり、マンション等では梁の条件等によって異なりますので要注意です。

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室間音圧レベル差及び重量・軽量床衝撃音レベルで問題となる周波数は実際のところ,主に何Hzですか。
                          (ゴム・樹脂部品の製造業 社員)

(三井建設(株)技術研究所 赤尾伸一)

問題となる、という意味は、居住者などからのクレームになる、あるいは竣 工時確認測定において設計時点に設定した所定の性能が出ないということでしょ うか。室間音圧レベル差のD値や床衝撃音レベルのL値はクレームとの対応が 良いとされているので、ここでは後者の観点から問題となる周波数について述 べたいと思います。
室間音圧レベル差の測定では、通常125Hzから4KHzまでを測定することになっ ています。建物の主体構造や内装材料などの違い、また、建物用途などの違い により一概に言うことは出来ませんが、問題となる周波数はすべての周波数と いっても良いと思います。たとえばGL工法では250Hz、4KHzで落ち込み性能が 低下してしまいます。また、プラスターボードなどの軽量中空二重壁では 125Hzで性能か決定される製品が多いようです。さらに乾式の間仕切壁では床・ 梁との取り合い部のシール不良により1KHzや2KHzで遮音低下が起きることがあ ります。特に鉄骨構造の建物では、柱、梁に耐火被覆が施されること により間仕切壁との取り合いが複雑になり落ち込む周波数もケースバイケース となるようです。

重量床衝撃音レベルについては建物の主体構造で決まることが多く、ほとん どの場合63Hzが決定周波数となります。ただし、二重床や、天井の影響で 125Hzで決まることもあります。

軽量衝撃音レベルは仕上げ材で決まり、性能が良いものは125Hz、250Hzで決 まることが多く、性能が悪くなると250Hz、500Hzとなるようです。

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近年、戸建住宅でアスファルト系の遮音ボードが 使われていますが、どれを用いても、床衝撃音の125、250Hzあたりの ピークが下がらず、L値が高くなる傾向が多いようです。 どうすれば下がるのでしょうか。また、木造や軽量鉄骨 造といった構造別の床衝撃音対策の注意点も教えて下さい。
                                  (製造業 社員)

(戸田建設(株)技術研究所 渡邉秀夫)

125Hz~250Hzの発生音は、根太間(300~450mm)のボードの 共振と考えられます。これを低減させるには、 共振周波数の高域へのシフトとダンピング効果の増大が必要で、 具体的には根太間隔の狭小化や表面ボードに下地合板を 付加して曲げ剛性の増加を図ることなどがあげられます。
次に、木造、軽量鉄骨住宅の重量床衝撃音遮断性能向上の基本的な 考え方を述べます。

木造・鉄骨造では、建物自体の質量や剛性が小さいため、 床衝撃により、床以外にも建物全体が振動しますので、 床衝撃音の低減には床のほかに、 下室の天井および壁にも対策を行うことが必要不可欠です。

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室間音圧レベル差、重量・軽量床衝撃音測定などで、 音源側と受音側の広さによって吸音力等も変化すると思いますが、 どの程度の比率で受音側の音圧レベルがどう変化するのか 目安といったものはありますか。
                               (石膏製造会社 社員)

安藤啓(鹿島建設技研)0424-89-7123

室内音圧レベル差や重量・軽量床衝撃音レベルの測定方法は、日本ではJIS (日本工業規格)に制定されており、それぞれJIS-A-1417“建築物の現場にお ける音圧レベル差の測定方法”とJIS-A-1418“建築物の現場における床衝撃音 レベルの測定方法”であります。

この測定方法の基本はあくまでも建築物の空間の音響性能を得ようとする観 点から制定されており、受音室における音圧レベルの絶対値を重点に評価する 立場をとっています。更にこの規格は受音室の広さや吸音力がどの程度でなけ ればならないという規定ではなく、一般的な室の使用状態を想定している程度 です。そのため受音室が広かったり、内部の吸音力が大きい場合には、当然そ の影響を直接受けることになります。この影響度合いは吸音力の比の常用対数 の10倍で評価されます。すなわち、吸音力が2倍になれば3dBの差になりま す。一般的な室の使用状態といっても、カーペットやソファーの状態、家具の 配置、また人の存在によって室の吸音力は2倍程度の変化はあるものと考えら れます。

国際的にはISO(International Standard)140シリーズの規格があります。 “Acoustics-Measurement of sound insulation in building and of building element-Part 4:Field measurements of airborne sound insulation between rooms”と“Acoustics-Measurement of sound insulation in building and of building element-Part 7:Field measurements of impact sound insulation of floors”がそれです。

この規格の基本は建築物の部位性能を評価する方針であるため、受音室の吸 音力や残響時間を基に基準化して評価値を得る手法をとっています。吸音力は 10m3 、残響時間では0.5秒がその基準値となっているため、受音室の広さや吸 音力の影響の少ない指標といえます。

最近になって前述のJISは改訂されることになりました。これはGATT(関税 と貿易に関する一般協定)を1995年に改組したWTO(世界貿易機構)における 非関税障壁撤廃の要求に対応する施策の一つとしてJISの国際整合化が進めら れるようになったためです。ただし、建築の分野においては、各国における建 築構造や生活様式の違いなどに関連して、建築法規なども独自の形で規定され ていることが多いため一概に整合が取りにくい面があるのは当然と考えられま す。

建築音響分野のJISについても、特に空気音及び床衝撃音遮音性能の測定・ 評価方法については、対応するISO規格との間に多くの不整合があり、国際整 合化は容易ではないことが想定されました。これらのJISに関しては、その主 管が建設大臣となっているため、この規格改訂に関しては、建設省から(社) 日本音響学会に委託が行われ学会内に委員会を設置して改訂作業が行われまし た。その結果、本年3月に規格原案が答申されました。

今回答申のJISは基本的にはISOを踏襲し、それから大きくはずれる点に関し ては、付属書などで対応をとる方針としています。更に、重量衝撃源遮断性能 の測定法はISOにはないため、現行のJISをPart1は軽量、Part2は重量というよ うに2分割して作成されていることが特徴です。

現在ではこのJISがどのようなスケジュールで制定公布されるかは明確では ありません。公布されるようになれば、各方面からニュースが入ってくるよう になると思いますので、皆様もそれに注意しておいて下さい。

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