日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

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エコキュートを設置しようと思っていますが、騒音は大丈夫でしょうか?性能や設置に関する基準等はないのでしょうか?周りは閑静な住宅街です。(Vol.35 No.5)
                                      (主婦)

((株)アイ・エヌ・シー・エンジニアリング技術本部 井上保雄)

近年,さまざまな生活騒音の苦情が増えてきています。その中には,隣家に設置されたエコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯機,以下,エコキュート)等の騒音もあります。

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯ユニットから構成されます(図−1)。騒音は主にヒートポンプユニット(外気との熱交換を行う送風機,CO2冷媒を圧縮加熱する圧縮機)から発生します(図−2)。騒音の大きさはメーカ,型式により異なりますが,ヒートポンプユニット近傍で概ね 40 dB程度です。

エコキュートは深夜から明け方にかけて深夜電力を使ってお湯をつくります。周りの音が静かな深夜に運転するため,運転音自体が小さくても,相対的に知覚され易くなります。また,敷地の関係で,隣接民家との間隔が狭く,その間に設置せざるを得ない場合もあり,苦情要因の一つになる可能性があります。

このような状況を踏まえ,(社)日本冷凍空調工業会では据付業者さん向けに【騒音防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック】を作成,Web に公開しています。

据付時の配慮事項としてはヒートポンプユニットの据付場所を隣家の寝室から離す,壁面の反射による音圧上昇を小さくするため,片側開放空間の場所を選ぶなどです。

低減策としては防音壁等で騒音を遮蔽するのが一般的です。この場合,空熱環境が給湯器の性能に影響を及ぼす可能性もあり,専門化に相談されると良いでしょう。ベランダ等に設置する場合は,防振ゴム等を用いるなど振動絶縁にも気を配ると良いでしょう。

また,普段からの,ご近所様とのコミュニケーションも大切です。

なお,エコキュートの性能,試験,検査,表示などについては,(社)日本冷凍空調工業会の標準規格があります(下記)。

  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機 JRA4050 : 2007R
  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機(追補 1)JRA4050 :2009
  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機の給湯性能 JRA4060 :2009

(社)日本冷凍空調工業会

URL : http://www.jraia.or.jp

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近年、低周波騒音の苦情が増えていますが、どう対処すべきか苦慮しています。適切な対応が取れるための基準やマニュアルはありませんでしょうか。(Vol.35 No.6)
                                (地方公共団体職員)

(低周波音分科会委員 沖山文敏)

低周波音の苦情については,図−1 に示したように,平成 5 年頃から増加の傾向にあり地方公共団体ではその対応に苦慮していました。そこで,環境省では平成 12 年に「低周波音の測定方法に関するマニュアル」を作成しましたが,それ以降さらに低周波音の苦情は急激に増加しました。なかでも暗騒音レベルが低い,静かな地域の家屋内における音圧レベルが低い低周波音に関する苦情が多く見られました。しかしこのような低周波音について測定方法は示されたものの,苦情にどのように対処していくかが明確ではありませんでした。これを改善するため,平成 16 年に「低周波音問題対応の手引書」が作成されました。

手引書には,[1]苦情申し立て内容の把握,[2]現場の確認,[3]低周波音の測定,[4]測定された低周波音の評価の方法,[5]対策の検討,[6]対策効果の確認という一連の筋道における,具体的な方法や配慮事項,技術的な解説が盛り込まれています。

特に,低周波音の評価の方法としては,発生源側で測定される低周波音と苦情者側で測定される低周波音の対応関係を調べることが特に重要であることが述べられ,対応関係を調べる方法が示されています。これと併せて,手引書では『評価指針』が示され,それまでの手法では対応の難しかった音圧レベルの低い低周波音に関する苦情に対応するために,『参照値』が提案されています。

『参照値』とは,建具類のがたつきや室内での不快感などについて苦情申し立てがあった場合に,低周波音によるものかどうかを判断する目安となる値です。

なお,低周波音の規制基準については,年間の騒音苦情全体が約 15,000 件に対して低周波音は 245件(平成 21 年度)と苦情件数割合が少ないため,環境省では当分の間規制基準などの規制は設けないとしています。

最近では,風車発電施設に対する低周波音の苦情が発生していることから,現在環境省では,これに対する測定,評価方法について調査,検討を行っているとのことです。

なお,環境省では「低周波音の測定方法に関するマニュアル」,「低周波音問題対応の手引書」のほかに「低周波音防止対策事例集」,「低周波音対応事例集」,「よく分かる低周波音」等を作成しており,これらは,環境省のホームページに掲載されています。

URL : http://www.env.go.jp/air/teishuha/index.html

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騒音規制法の特定工場で,特定施設を増設する場合に,届出において騒音の予測計算を行い,規制基準の遵守状況を確認します。そのときに,予測評価するのは新たに増設する施設だけか,それとも全ての施設について行うのでしょうか。(Vol.31 No.1)
                               (騒音担当 行政職員)

(千葉市 松島 貢)

騒音規制法の工場事業場の仕組み

騒音規制法の工場・事業場に対する規制は,指定地域内において,工場・事業場が騒音規制法に定められた騒音発生施設(以下,特定施設)を設置すると都道府県知事が定めた規制基準の遵守義務が生じます。その工場・事業場を特定工場等といいます。

特定工場等は敷地境界において,規制基準を遵守しなければなりません。この際に,規制基準は特定施設から発生する騒音だけでなく,特定工場等から発生する全ての騒音が対象となります。

さて,ご質問の主旨を,特定工場等が新たに特定施設を増設する場合,新たに増設する施設だけを対象にして評価するのか,それとも増設施設を含めた特定工場等から発生する全ての騒音を対象にして評価するのか,と理解しまして回答いたします。

騒音規制法による特定工場等の規制の仕組みを踏まえますと,特定工場等に新たに特定施設を増設する場合には,工場から発生している現状の騒音に,増設する施設の騒音を加えて評価しなければなりません。

ちなみに,現状の騒音とは,実測値,若しくは直近の届出以降騒音の発生状況に変化がなければ,その届出時の評価値のどちらを用いてもかまいません。

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