日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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ランドサットデータ等、資源探査衛星を用いて環境監視を行っている例は良く見かけるのですが、騒音の分野での応用例があればお教え下さい。特に土地利用関連情報の少ない途上国では役に立つと思うのですが。
                               (コンサルエンジニア)

(大阪府公害監視センター 厚井弘志)

ランドサットなど、資源探査衛星の画像が水質汚濁や植生の実態把握等、環境監視の分野で活用されている例は数多くありますが、騒音の分野で活用されている例は少ないようです。電磁波の地表反射データを受信、解析するのが資源探査衛星のシステムですから、地表の音波を直接計測するのが、不可能なことは当たり前です。

我々が行った方法は、地表の音源に関しては建設省や地方自治体の土木部局が3~5年毎に行っている交通情勢調査(春季と秋期に幹線道路の地点別に、車種別交通量を計測している)や、メッシュ別の工場面積ファイルを用いて、500m×500mメッシュ単位で騒音発生総量(PWL)を求め、それを基に等パワーの音源が均一に分布していると仮定しL50を求める(Shaw & Olson,J.A.S.A.,Vol.51,No.6,1984)。メッシュ内での騒音伝搬係数、メッシュ間での騒音伝搬係数については、ランドサットMSSデータ(地上分解能80m×80m)を用いて、建物面積率を推定し、建物が稠密であれば騒音が伝搬し難く、疎であれば伝搬しやすいと仮定してメッシュレベルで騒音予測を行い、実測値との対応もおおむね良好な結果を得ました(厚井他、日音学誌、Vol.41,No.7,1985)。

また、道路近傍の騒音分布を詳細に予測するためランドサットTMデータ(地上分解能30m×30m)を用い、家田他の伝搬の考え方(家田他,日音学誌,Vol.39,No.4,1983)を取り入れて予測を行ったところ、これもおおむね良好な結果を得ました(藤田他,日本リモートセンシング学会誌,Vol.6,No.4,1986)。

現在わが国では、ASJ Model 1998 で道路近傍の騒音予測を行う趨勢になっていますが、地域全体の騒音をマクロな立場から評価したり、ご指摘のように、都市基盤に関するデータが少ない途上国などでは、(交通量データは必須ですが)応用可能なケースがあると考えています。

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