日本騒音制御工学会は、騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, 生活環境の保全と向上に寄与いたします

公益社団法人 日本騒音制御工学会

Q&A

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昨今,保育施設における騒音問題が話題となっていますが,具体的にどのような問題がありますか? またこれらの問題に対し,どのような対策の方法がありますか。(Vol.42No.3)
Vol.42 No.3

(岩手大学 船場ひさお)

保育施設から出される音の大きさは以前とほとんど変わっていませんが,待機児童解消に向けて保
育園新設が急増しており,保育施設からの音を理由に保育園の建設に反対する事例が増えて来たことなどから話題になるケースも多いと思われます。そこで,少し問題を整理しながら質問に答えていきたいと思います。
◇保育施設から出される音について
保育施設から出される音には,園庭で子どもが活動する中で出る音,放送設備等の音,園舎から漏れ
出る音,施設の設備機器から出る音などがあります。このうち,設備機器からの音については一般的
な事業所からの発生音と同様に対策できるためここでは省いて考えます。
園庭で子どもが活動する中で出る音について,実測された例は少ないのですが,筆者らが近年実施し
た実態調査1)において,園庭で外遊びをする際の子どもの声の騒音レベルは70∼80 dB を示しました。
特にプール遊びをする際には大きな歓声があがるためレベルが上昇する傾向が見られました。
同様に室内活動時の騒音レベルは「歌やリズム運動」を行う際に80∼90 dB を示しました。室外にお
いては建物による遮音を考慮するとこの値から20∼30 dB 低減されると考えられるため,50∼70dB 程度
になります。但し窓を開放している場合は,これよりも高いレベルを示すこともあるでしょう。
放送設備の音については,不必要に大きな音量を出さないことや,スピーカの設置位置・方向を近隣
の住宅に向けない配慮をするなどで対策することができます。
◇外遊び時に子どもが外部騒音から影響を受けていることも多い
WHO 環境騒音のガイドラインでは,子どものための施設の園庭における外部騒音の許容値は55 dB以下とされています。しかし近年新設される首都圏の保育園は幹線道路沿いや鉄道高架下に位置することも多く,筆者らが調査した保育施設では近接する道路の車両交通騒音や直上を走る鉄道騒音のために65∼80 dB に達しており,許容値を大きく上回っていました。子どもの声が外部に与える影響ばかりに目が行きがちですが,実際には外部騒音から子どもが受ける影響も大きいのです。
◇保育施設内の音環境を整えることが,保育施設から発生する音の対策につながる可能性は高い
見逃されがちなのが,保育施設の室内の音の響きです。残念ながら日本の保育施設には音に関するガイドラインがありませんが,例えばドイツでは保育施設の室内の騒音レベルだけでなく,残響時間の値も決められています。国内の保育施設では,仕上げ材料に吸音材が使われていない園が多く,特に天井が高いケースやワンルーム型で間仕切りがなく床面積が広いケースで,響きの長さによって室内の喧騒感が増している場合が見られます。響きやすい空間では子どもの声が大きくなりがちであり,そのために保育士の声も大きくなる傾向があります。こうしてさらに喧騒感が高まる悪循環に陥っているものと考えられます。保育室の響きの状態と子どもの発声や発話行動との関係性については今後さらに検討が必要ですが,保育施設内に吸音材を設置することで,計算値以上に室内の騒音レベルが下がる事例は増えています。
◇子どもはいつも大声を出しているわけではない
子どもは賑やかなものと,つい思ってしまいますが,どんな時にも大きな声を出しているわけではありません。保育士に意思を伝えたいのに自分の方を向いてもらえない時などに大きな声を出すのです。そして室内で大きな声を出す癖がついてしまうと,室外に出ても大きな声を出してしまうのでしょう。
◇ハードな対策ありきではない。
例えば防音壁を建てるのは最後の手段 このように考えてくると保育施設における騒音問題についてまずやるべきなのは,当事者同士がいろいろな知恵を絞って落とし所を考えることであり,子どものために良い音環境を作るためにはどうしたら良いかを考えることだと言えます。施設を新設する場合には,まず周辺の道路や住宅地と園庭・園舎の位置関係を音の面から考えてレイアウトすることは非常に重要です。次に園庭で遊ぶ時間を制限したり,歌やリズム運動といった大きな音の出やすい活動の際には窓を閉めるなどの工夫もできるでしょう。そうは言ってもうるさいものはうるさい。何かハード的な対策をしなければ話が前に進まない場合には,防音壁を建てるなども必要かもしれません。でもそれは最後の手段だと思います。

参考文献
1 )船場ひさお: 小特集─子どものための音環境─,保育施設における音環境の現状─首都圏に新設された保
育施設の実態調査から─,日本音響学会誌,vol. 72,no. 3,pp. 152-159(2016).

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洋上風力発電所の環境影響評価項目における水中音の国内外実施状況等(発生源データ,伝搬予測手法,影響評価方法等)について教えてください。(Vol.42No.6)
Vol.42 No.6

(SCCRI 静穏創造研究所 塩田正純)

ISO1683-1983によれば,空気中の音圧基準値:20 μPa に対して,水中の音圧基準値: 1 μPa であり,音圧レベルで水中の方が26 dB 大きくなる。更に,空気中の音速は,約15℃/340 m/sに対し,水中は約4.4 倍速い。陸上と洋上では,基本的な要因が異なっている。洋上風力関係には,海中音,水中音,水中音響,水中騒音等の用語が,使用されている。が,ここでは,水中音を用いることとする。

(1)国内の実施状況: 環境省1) では,「洋上風力発電所に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会」において,本発電所(着床式/浮体式)を「沖合と沿岸」に区分し,工事の実施(建設機械の稼働)及び土地又は工作物の存在及び供用(施設の稼働)では,水中音の影響を勘案して選定することになっている。

1)発生源データは,陸上風車の音響パワーレベルとほとんど同様であるが,洋上風車の出力は,年々大きくかつ大型化してきている。

2)伝搬予測手法は,国際的には数多く発表されているが,国内では,陸上風車で利用している「NEDO の式」や「ISO2631-2 : 1996」が代表的であり,超過減衰の要因に差異がある。また,ソフトウエアとして「サウンドプラン」が活用されている。が,水中音の伝搬予測モデル2)が利用されているかどうかは定かでない。

3)水中音の環境影響評価は,海域に生息する動物,海域に生息する植物が対象となっている。その環境要因は,建設機械の稼働,地形改変および施設の稼働などがあげられる。特に,基礎における杭工事から発生する水中音が海洋哺乳類,魚類3),等々に影響があるとされている。水中音が,魚類に対してどの程度の音圧レベルであれば,影響反応を示すかを反応段階で評価している4)。

(2)海外の実施状況: ウインドヨーロッパ2017によれば,洋上風力の総出力は15.8GW に達し,この1 年間で25% 増加したと報告されている。特に,英国,ドイツ,デンマーク,オランダ,ベルギーが貢献している。オランダでは,2015年に新法として「洋上風力エネルギー法」が施行され,環境影響評価,住民参加と必要であればEIA の補正が行われるとされている。

1)1基当たりの音響パワーレベルは,大型化・大出力になってきているが,110 dB前後の風車が一般的である。例として,総出力108MW(3MW×36 基から9MW×12基)のウインドファームが離岸距離10∼18 km,水深15∼18mに設置されている1)。

2)伝搬予測手法には,「ISO2631-2 : 1996」,スウェーデン方式,オランダ方式,CONCAWE方式,NORD2000 方式,ハーモノイズP2P 方式,偏微分方程式による基本方式(CNPE,GFPE,FFP)が提案されている。水中音の要因が含まれているのは,オランダ方式である。その他は含まれていないので,独立的に資料5),6)を利用しているようである。また,これらの予測式を包含したソフトウエアとして,キャドナA,サウンドプラン,ウインドプロ,エックスサウンド2000,SPL2000等6),7)が紹介されている。

3)建設段階の杭工事や建設用船舶の往来による水中音が,海洋哺乳類(イルカ,アザラシ等),魚類の逃避や繁殖サイトへの影響があるとされているが限定的といわれている8)。また,ブレードの回転による空力音の水面入射の屈折や反射による水中音は風車の最高高さ2倍程度で,ほとんど伝搬減衰し,その影響範囲外であれば,海洋生物等には影響が及ばないとしている8)。

参考資料

1)環境省: 洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会報告書(平成27 年3 月,
平成28 年3月).
2 )X. Lurton : An introduction to underwater acoustics─Principles and application/2. underwater acoustic
wave propagation (Spriger, 2010).
3 )赤坂友成: 小特集─音響に関する国際規格審議の動向─ TC43/ SC3(水中音響)の規格審議の進展につい
て,日本音響学会誌,vol. 74,no. 1,pp. 44-49(2018).
4 )畠山良己他: 水中音の魚類に及ぼす影響,水産研究叢書47((社)日本水産資源保護協会,1997).
5 )L. Mylonas, B. Uzunoglu : Assessment of noise prediction models for long-range sound propagation of wind
turbines over water, Uppsala University (2014).
6 )J. Doran, et al. : Sound propagation modelling for offshore wind farms, Ministry of the Environment and
Climate Change (2016).
7 )塩田正純:(公社)日本騒音制御工学会低周波音分科会 第100回記念「洋上風力発電所から発生する騒音の伝
搬予測に関する国際比較」(平成30 年7月23日).
8 )片山洋一: ヨーロッパの洋上風力ファームにおける海
生生物への環境影響評価事例の紹介(1),(2),海生研ニュース,no. 120,pp. 5-6(2013.10),no. 121,pp.
6-7(2014.1).

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製品音などの音のクオリティを評価したい場合,騒音レベルだけでなくひとの聴感特性をより子細に考慮した評価尺度が必要となる場合がありますが,どのような尺度があるのでしょうか。(Vol.41 No.4)
Vol.41 No.4

(広島市立大学 石光俊介)

JIS Z 8106によると、音は「音波またはそれによって引き起こされる聴覚的感覚」と定義されています。“聴覚的感覚”というように,これまで音の評価は耳で行ってきました。しかし、評価の客観化のために数値化も必要になってきており、音の物理量と聴覚を通した感覚による心理量を結びつける研究がなされてきました。それらのうち、音の大きさや鋭さ、あらさの評価を行う音質評価指標1)があります。代表的なものに次のようなものがあります。

ラウドネス(loudness)

ラウドネスは人が感じる音の大きさを評価する指標です。人は24kHzあたりがよく聞こえ、低い周波数と高い周波数は聞こえにくい特性を持っています。また、大きな音が小さな音を聞こえにくくするマスキングもあります。これらの特性を考慮し音の大きさを表現しようとしたものです。また、ISO532-1, ISO532-2として今年新たに規格化されました。

シャープネス(sharpness)

シャープネスは人が感じる音の高さを評価する指標です。ラウドネスの周波数特性の重心で評価します。よって高い周波数のラウドネスが大きいとシャープネスは大きくなり、甲高さを感じます。

変動強度(fluctuation strength)

変動強度は音から感じる変動感を評価する指標です。低い周期で変調するときに人は変動感を感じ、その変調が4Hzのときに最大値となります。

ラフネス(roughness)

ラフネスは人が感じる音のあらさを評価する指標です。変動強度において、20Hzの変調周波数を超えると、人はその変動についていけなくなり、あらさを感じるようになります。その変調が70Hzのときにラフネスが最大となります。 

音質評価指標ソフトウエア

以上の音質評価指標を手軽に試せるフリーソフトウエアとして、Psysound3 2)があります。ただしMATLAB版しか公開されていません。校正信号と解析したい騒音を読み込むことで、上に述べた評価指標の他,スペクトログラムなどの簡単な信号解析もできます。

以上の指標ですが、過渡音、エンジン加速音や楽音など非定常な信号を用いる場合、これらの指標と物理量の対応付けに疑問を呈する報告もあります3)。そこで、聴覚の多重解像度も考慮した時変ラウドネス4)という非定常騒音を評価する指標もケンブリッジ大学のWeb上に公開されています。なお、新しいラウドネスの規格では一部非定常騒音にも対応しています(ISO532-1)。

 

一方で、感覚の次元を決定する方法にOsgoodらのSD(semantic differential)5)があります.この方法により,音を聞いたときの感覚空間の次元を見いだして、それぞれの感覚因子と物理量を結びつける研究もなされています. たとえば、ゴルフショット音やボタン押し音などの過渡音では、音質評価指標だけでなく、ウェーブレット解析という時間周波数解析から抽出された特徴量による重回帰分析結果が各因子とよく一致するという報告6)もあります。

 

参 考 文 献

  • Fastl, E. Zwicker : Psychoacoustics Facts and Models, (Springer, Berlin Heidelberg, 2007)
  • http://www.densilcabrera.com/wordpress/psysound3/
  • 例えば、 Kubo, V. Mellert, R. Weber and J. Meschke: Engine sound perception: Apart from so-called engine order analysis, Proc. of CFA/DAGA’04, pp.867-868 (2004)
  • R.Glasberg, and B.C.J. Moore : A Model of Loudness Applicable to Time-Varying Sounds, J. Audio. Eng. Soc. ,50, pp. 331-342, (2002)

http://hearing.psychol.cam.ac.uk/Demos/demos.html

  • E. Osgood, J.G. Suci and P.H. Tannenbaum: The Measurement of Meaning, Illinois Press (1957)

例えば、阪本浩二,石光俊介,荒井貴行,好美敏和,藤本裕一,川崎健一:カーオーディオ・メインユニットのボタン押し音評価に関する検討- 第1 報 ウェーブレットによる特徴分析-日本感性工学会論文誌 Vol.10 No.3 pp.375-

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母集団の数はどの程度必要か。(Vol.40 No.4)
Vol.40 No.4

(熊本大学大学院先端科学研究部 矢野隆)

騒音の社会調査に関して, 1) 母集団の数はどの程度必要か,2)回答率はどの程度あれば代表性があるか, という2つの質問が寄せられています。母集団と回答率(回収率)が分かれば, 回答数が分かりますので,質問1)の母集団の数は以後回答数と読み替えることにします。両質問に関して明確な回答はないと思いますが, 両者とも大きいほどよいことは確かです。 では, どの程度必要かは調査の目的と予算によると思います。

騒音に関する社会調査の主要な目的は, 騒音の暴露量と反応(一般には%Highly Annoyed(%HAと略記,非常にうるさいと反応した人の割合))との関係を求め, その成果を騒音政策に反映させることです。 また, 回答者の選定方法としてランダムサンプリングが望ましいことは論を待ちません。実際にランダムサンプリングを行って広域に実施した調査もありますが1), わが国では膨大な労力と費用を要します。通常は,騒音の暴露量が広範囲に及ぶように地区を選定し, 地区ごとに回答者を選定します。地区ごとに%HAを求める場合, ある研究者は1地区あたり100∼150名必要であると主張しますが, 筆者は50名は必要だろうと思います。ただ, 地区ごとに50名から回答が得られない場合もあります。最近, わが国で行われた風車騒音の影響に関する調査2)では1地区あたり10数名から40名程度でした。このような場合でも全体で数百程度(風車騒音調査では747)回答を集めることができれば,安定した暴露反応関係を求めることができます。

筆者はこれまで欧米諸国や日本で行われた代表的な社会調査を参考として調査を行ってきました。社会調査を始めた1990年代には約80%の回収率が得られましたが,徐々に減少し,2000年代の調査でも60%以上の回収率がありました。2010年から2012 年に行った前述の風車騒音調査では約50%, 同時期に行った九州新幹線調査3)では約30%でした。回収率は時代とともに減少する傾向にありますが,調査方法や調査場所でも異なります。ここ10年にわたってベトナムで行った調査4)では回収率は全体で80%以上, 調査によっては90%以上です。やはり,回収率は50%以上を目指して, インタビューの方法を工夫すべきでしょう。

2011年には騒音制御工学会に社会調査データアーカイブが設立され, 日本の社会調査データを収集し,広く利用に供する体制を整えられましたので,参照してください5)。これまで23のデータセットが収集されましたが, そのうち回答数と回収率の両方が示されている調査は16あり,回答数は181∼1,828,回収率は45%から80%に及びます。Miedema とVos6)は当時世界で行われた20の航空機騒音調査,26の道路交通騒音調査,9の鉄道騒音調査のデータセットから3つの騒音源に関する代表的な暴露反応関係を提案し, これらはEUの騒音政策に反映されています。 これらの調査の回収率は示されていませんが, 回答者数は71∼4,515に及びます。さらに, Bassarab ら7) は世界で行われた騒音に関する628の社会調査のカタログを発表しています。 その中にも回答者数が示されていますので, 参照してください。

ところで, 質問者は今後騒音に関する社会調査を計画されておられるのでしょうか。もしそうなら,ISO TS156668)を参考にされるとよいと思います。そこには調査方法の概要と標準的なアノイアンス質問が示されています。 その日本語の質問文は難波他9)や拙稿10),11)を参照されるとよいでしょう。また,前述のアーカイブの調査概要チェックシートにも主要な質問文が示されています。 この質問文を採用すると, そのデータは国内だけでなく諸外国の同じ調査方法を使った社会調査の結果と直接比較が可能であり,将来的に騒音政策の議論に供することができます。また,調査・分析が終了後に, データセットを前述のアーカイブに寄託していただければ, その成果は将来にわたって学術的および社会的に貢献することになるでしょう

参考文献
1)M.Brink et al.:Annoyance responses to stable and changing aircraft noise,
J.A.S.A.,vol.124,no.5,pp.
2930-2941(2008).

2)S.Kuwano et al.:Social survey on wind turbine noise
in Japan,Noise Control Engr. J.,vol.62,no.6,pp.503-
520(2014).

3)村上泰浩ほか:九州新幹線および隣接平行 JR鹿児島
本線の騒音・振動に関する社会調査, 日本騒音制御工
学会2014年秋季研究発表会講演論文集,pp.85-88
(2014).

4)T.L.Nguyen et al.:Exposure-response relationships
for road traffic and aircraft noise in Vietnam,Noise
Control Engr. J.,vol.64,no.2,pp.243-258(2016).

5)http://www.ince-j.or.jp/old/04/04_page/04_doc/bunkakai/
shachodata/

6)H.M.E.Miedema,H.Vos:Exposure-response relation-
ships for transportation noise, J.A.S.A.,vol.104,no.6,
pp.3432-3445(1998).

7) R.Bassarab et al.:An update catalog of628social sur-
veys of residents’reaction to environmental noise
(1948-2008),Wyle Report WR 09-18(2009).

8)ISO/TS15666,Acoustics─Assessment of noise an-
noyance by means ofsocial and socio-acoustic surveys,
First edition2003-02-01(2003).

9)難波精一郎ほか:調査研究委員会報告 音環境に関す
る調査票改訂版の提案─(社)日本音響学会・社会調査
手法調査研究委員会報告─,日本音響学会誌,vol.62,
no.4,pp.351-356(2006).

10)矢野隆ほか:騒音の社会反応の測定方法に関する国際
共同研究─日本語のうるささ尺度の構成─, 日本音響
学会誌,vol.58,no.2,pp.101-110(2002).

11)矢野隆ほか:騒音の社会反応の測定方法に関する国際
共同研究─日本語のうるささの程度表現語の妥当性
と質問文の作成─, 日本音響学会誌,vol.58,no.3,
pp.165-172(2002).

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風車騒音を測定する時など,風が強い場所で騒音測定する際に留意すべきことにはどんなことがあるでしょうか?また風雑音の影響を避ける方法はあるのでしょうか?(Vol.38 No.4)

((株)ニューズ環境設計 太田達也)

マイクロホンに風が当たると,胴の部分を空気が迂回するときに渦ができ,渦による風雑音が発生します。そのため,マイクロホンにウインドスクリーン(以下,WS)をつけて測定します。風雑音の影響は,WS の大きさ,風速や乱れ具合によって異なりますが,マイクロホンに付属のウレタン製 WS(直径 6 cm 程度)や全天候型 WS(直径 20 cm 程度)を着けても,低周波音領域(特に超低周波音領域)を対象とした測定では,風雑音の影響を防ぐことはできません。また,より強風時には,WS 自体に風があたることにより広帯域に風雑音が発生することがあります。

一般的な環境騒音測定では,このような強風が見込まれる日を避け,風の弱い日を選びますが,質問にあるような風車騒音を対象とした測定の場合は,風車が定格回転しているような風が強い日に測定する必要があります。また,風車騒音は,低周波音成分を含む広帯域な騒音であるといわれており,広い周波数範囲にわたって風雑音を低減する手法が必要です。

よく使われる風雑音の低減方法として,マイクロホン自体を地表面付近まで下げて設置し測定を行います。筆者らが,草地において高さ別の風速を調査したところ,地表面付近では,高さ 1.2 m と比べて 7割程度まで風が弱くなることから,風雑音は低減します。風車騒音のパワーレベルの測定方法として,地表面上に設置した円板の中心に全天候型 WS を装着したマイクロホンを設置し測定する方法があります。IEC 61400-11(JIS C 1400-11)で規格化されています。また地上付近まで下げることで,風によるマイクロホンの転倒防止にも役立ちます。

地表面付近に設置しても風雑音の影響が避けられないくらい強風の場合は,マイクロホンに取り付けるウレタン製 WS を一次 WS とし,さらにそれを覆うように二次 WS を被せる方法が有用です。ただし二次 WS を作成する必要があります。

この二次 WS については,さまざまな検討が行われており,落合らは,低周波騒音測定の常時監視を目的として,ウレタン製シートや農業用ネットを二次 WS とする方法を報告1)しています。また,H23∼H25 年度に実施された環境省の風車騒音調査では,超低周波音領域から騒音領域までを一つのマイクロホンで測定するための二次 WS の開発2)を行っています。こちらは暴露側の調査であり,運用面を考慮しできるだけ小型になるように設計しています。雨天時の測定を考えて一次 WS には全天候型WS を用いています。また,二次 WS は一次 WS との間に 10 数 cm 程度の間隔を空けて取り付けることで,風をより低減する効果があります。二次 WSの素材や開口率,伸縮性により防風性能が多少変化します。測定対象とする騒音や低周波音の特性,設置場所,運用面などを考慮し,目的に応じた WS を作成する必要があります。なお,特に高周波数領域では WS による減衰が考えられるため,現地で測定する前に実験により WS の挿入損失を把握しておく必要があります。

  • 1 )
    落合他 : 低周波騒音計測用防風スクリーンの開発,騒音制御,vol. 30,no. 5,pp. 408-417(2006).
  • 2 )
    太田他 : 低周波音領域を含む環境騒音測定のための防風スクリーンの試作,音講論(春),pp. 1195-1196

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時間帯補正等価騒音レベル(Ldn,Lden)は,騒音レベルに夕方の時間帯は+5dB,夜間の時間帯は+10dB の重みを付けて,1日の等価騒音レベルを算出して求めますが,これらの補正の根拠はあるのでしょうか。(Vol.37 No.4)

(横浜国立大学名誉教授 田村明弘)

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は,1972 年騒音規制法に則り連邦議会から要請された 2 つの相互に関連ある責務を,1973 年に「騒音に関する公衆の健康と福祉クライテリア1)」,1974 年に「公衆の健康と福祉を十分な安全幅で保護するのに必要な環境騒音レベルに関する情報2)」の公表により果たした。

この中で EPA は 7 つの判断基準を設定し,A 特性等価騒音レベルが環境騒音の大きさの最良の物差しであると判断した。その上で,住居など長時間にわたり人々が環境騒音に曝される地域や状況下で,会話,睡眠その他の日常活動妨害による慢性的なうるささと関連づけるために,夜間の睡眠時に 10 dB の重みを付けた 1 日 24 時間の等価騒音レベルであるLdnを採用した。1 日を昼,夕,夜に 3 分して夕方 5dB,夜間 10 dB の重みを付ける Ldenについても検討しているが,2 分法と 3 分法で得られる数値の差が極めて小さいことから簡便な Ldnを選択した。

この Ldnは,Von Gierke らが EPA の依頼により蓄積する騒音暴露を適切でかつ簡潔に定義し測定する手法として開発した成果である。夜間 10 dB の加重は,世界中の多数の騒音評価法3)に取り入れられていた実績を考慮したことと,Ldn,Ld,Lnからなる 63 組の環境騒音の調査結果に基づくものである。Ldnが 55 dB 未満の低騒音レベル地域では Lnの自然低下は約 10 dB であるため,Ldと Lnは同等に Ldnに寄与する。しかし騒音レベルが高い地域では Lnの低下は僅かであり,LnがLdnを支配する。このため騒音基準を順守しようとすれば,夜間の加重が 1 日 24 時間にわたって騒音レベルを引き下げるように圧力をかけることになる。

更に,EPA は 55 の地域社会での騒音測定結果と苦情や訴訟との関連を解析した報告を基に,「10 dB程度の夜間加重を正当なものと実証できる。10 dB加重時に比べ夜間加重を全く適用しないときは関連性が悪化した。しかし,夜間加重が 8 dB から 12 dBの間では差異は認められず,これ以上細かく夜間加重を決定できるものではない。」と指摘している。わが国の初期の騒音防止条例4)でも夜間は睡眠を妨げない程度の小音とする,他の時間も付近の暗騒音より 10 dB をこえてはならないとするなど,夜間重視,暗騒音との相対性の考えが散見される。

B. Berglund と T. Lindvall が編集し WHO に向けて用意した 1995 年文書「生活騒音」5)は,発生時間重みについて,「同様の騒音環境でも,昼間より夕方又は夜間には住宅地域により煩わしさをもたらすとしばしば仮定される。夜間に重みを加えることは,したがってLdnのようないくつかの騒音指標に含まれている。合計 22000 人の回答者からなる 10 の研究の分析は,夕方及び夜間騒音が煩わしさに多少大きな影響を及ぼすかもしれないというある証拠を見いだした。(Fields, 1985,1986)

しかし,この違いの大きさの有意性は示されることはできていない。Ldnや騒音暴露予測(NEF)のように多くの累積的な騒音指標では,昼間の騒音に比べ夜間の騒音に 10 dB の重みが加えられる。夕方時(通常午後 7 時と 10 時の間)の煩わしさをさらに取りいれている騒音指標は,測定した騒音レベルに5 dB を加えている。
Ldnが導入されたとき,夜間の騒音に重みを付けるために次の 3 つの理由が主張された。

  • 1)生活騒音は,昼間より夜間において,より煩わしいと知覚される。
  • 2)夜の睡眠のための低い騒音レベルの要求は,暗騒音が通常夜間に減少しているために,より一層の騒音低減を動機づける。
  • 3)夜中の屋内での活動が低くなればそれだけ,より低い騒音レベルであることにつながる。

多くの研究が上記理由 2),3)を確認する。すなわち,低レベルの暗騒音下では,騒音源からの煩わしさが増大する。昼間の騒音暴露と夜間の睡眠の質との関係が示唆された(Blois, Debilly & Mouret,1980)が,夜間の騒音がどの程度昼間の騒音に関連して重み付けされなければならないのか経験的に示すことはできなかった。オーストラリアの飛行場近くでの社会学的研究(Bullen, Hede, 1983)は,騒音の非妨害への要求は午後 6 時から 9 時の間で最も重要であることを見いだした。」と報告している。

以上をまとめてみると,Ldn,Ldenは

  • a)24 時間の累積騒音暴露をエネルギーベースで評価している。
  • b)長時間にわたる日常活動への妨害による慢性的なうるささに関連する。
  • c)夜間(加えて夕方)の騒音源からの煩わしさ増大を夜間 10 dB(加えて夕方 5 dB)と見込んでいる。

騒音の大きさがうるささの第 1 要因であることは広く認めるところであり,a),b)を導くものである。他方 c)項は,5 dB は 1 ランク,10 dB は 2 ランク地域社会反応の増大に相当するペナルティであるという経験知に依るところが大きく,世界的暗黙知である。

  • 1 )EPA, Public Health and Welfare Criteria for Noise,1973
  • 2 )EPA, Information on Levels of Environmental NoiseRequisite to Protect Public Health and Welfare withan Adequate Margin of Safety, 1974(全訳 : 東京都公害研究所,海外公害情報シリーズ(15),1978)
  • 3 )日本建築学会編,騒音の評価法─各種騒音評価法の系譜と手法─,1981
  • 4 )横浜市騒音防止条例(1953),京都市騒音防止条例(1954)等
  • 5 )Edited by Birgitta Berglund & Thomas Lindvall, CommunityNoise, Stockholm, Sweden, 1995

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1/1,1/3オクターブ分析(フィルタ分析)とFFT 分析とはどのような違いがあるのでしょうか。使用上の留意点を教えてください。また,昔から使われてきたアナログ方式と最新のディジタル方式によって同じ分析結果が得られるのでしょうか。(Vol.36 No.5)
                               (計量証明事業所 社員)

(ブリュエル・ケアー・ジャパン 佐藤利和)

オクターブ分析と FFT 分析は,定常信号であればほぼ同じ結果が得られます。非定常信号では,分析原理に起因する(時間と周波数の)分解能に注意しなければなりませんので,以下に原理と注意点を解説します。

オクターブ分析(一定比率帯域幅または CPB(Constant Persentage Bandwidth)分析)はフィルタ分析に基づく方法です。そのバンドパスフィルタの設計,例えば中心周波数 1 kHz のオクターブ分析では,帯域幅 707 Hz,一定比率(70.7%)帯域幅,通過帯域形状に依存して,時間応答(インパルス応答)が決まります。これに対応するディジタル処理は,同一の設計方法で得た時間応答と重畳積分を行う方法であれば,アナログ処理と同じ結果が得られます。

一方,FFT 分析は,有限離散フーリエ変換を高速計算に行うアルゴリズム(Fast Fourie Transform)による方法です。まず,対象信号を窓関数(時間窓)にて 2 のべき乗数(…256,512,1024…)の有限長データに制限します。次にこのデータに単位振幅の正弦波成分の掛け算と足し算(積和演算)を行うことで,信号に含まれる周波数成分を抽出します。窓関数の有限長に対応した一定数(…100,200,400…)の一定帯域幅分析結果となります。

原理的な相違をまとめると,時間応答の重畳積分か有限データの積和演算かということです。オクターブ分析の注意点は,時間応答が分析帯域幅に逆比例することです。衝撃波の分析では低周波数の分析帯域の応答がより遅れて出力すること(因果性)です。

一方,FFT 分析の計算時間は周波数と無関係にどの周波数帯域についても一定ですが,信号の時間分解能は,衝撃発生時を中心とした,時間窓の記録長 T となります。FFT 分析の欠点は,定常信号では時間窓を無作為(フリーラン)に適用できますが,過渡信号では時間窓の正確な制御(オーバーラップやトリガの利用)が必要になることです。

一般に,定常信号では,帯域幅 B(FFT : 周波数分解能 Δf )と平均時間 T(FFT : 記録長 Tr×n)で決定される BT 積が同一であれば,同じ結果が得られます。過渡信号の特徴と捕らえるために平均時間を短くすれば,再現性の確保はより困難になります。というわけで,信号の性質(定常/非定常)と,周波数分析の不確定性原理(BT 積一定)の検討は重要です。

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エコキュートを設置しようと思っていますが、騒音は大丈夫でしょうか?性能や設置に関する基準等はないのでしょうか?周りは閑静な住宅街です。(Vol.35 No.5)
                                      (主婦)

((株)アイ・エヌ・シー・エンジニアリング技術本部 井上保雄)

近年,さまざまな生活騒音の苦情が増えてきています。その中には,隣家に設置されたエコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯機,以下,エコキュート)等の騒音もあります。

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯ユニットから構成されます(図−1)。騒音は主にヒートポンプユニット(外気との熱交換を行う送風機,CO2冷媒を圧縮加熱する圧縮機)から発生します(図−2)。騒音の大きさはメーカ,型式により異なりますが,ヒートポンプユニット近傍で概ね 40 dB程度です。

エコキュートは深夜から明け方にかけて深夜電力を使ってお湯をつくります。周りの音が静かな深夜に運転するため,運転音自体が小さくても,相対的に知覚され易くなります。また,敷地の関係で,隣接民家との間隔が狭く,その間に設置せざるを得ない場合もあり,苦情要因の一つになる可能性があります。

このような状況を踏まえ,(社)日本冷凍空調工業会では据付業者さん向けに【騒音防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック】を作成,Web に公開しています。

据付時の配慮事項としてはヒートポンプユニットの据付場所を隣家の寝室から離す,壁面の反射による音圧上昇を小さくするため,片側開放空間の場所を選ぶなどです。

低減策としては防音壁等で騒音を遮蔽するのが一般的です。この場合,空熱環境が給湯器の性能に影響を及ぼす可能性もあり,専門化に相談されると良いでしょう。ベランダ等に設置する場合は,防振ゴム等を用いるなど振動絶縁にも気を配ると良いでしょう。

また,普段からの,ご近所様とのコミュニケーションも大切です。

なお,エコキュートの性能,試験,検査,表示などについては,(社)日本冷凍空調工業会の標準規格があります(下記)。

  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機 JRA4050 : 2007R
  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機(追補 1)JRA4050 :2009
  • ・家庭用ヒートポンプ給湯機の給湯性能 JRA4060 :2009

(社)日本冷凍空調工業会

URL : http://www.jraia.or.jp

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工場騒音を評価する時の評価時間を教えてください。ある特定工場の操業時間は8:00~17:00なのですが,騒音レベルが大きく苦情が生じるのは,この時間内のある30分間だけです。この場合,工場騒音を評価するための測定時間は,問題となる騒音が発生している時間だけを対象とすればよいのか,それとも操業時間全体を対象とすればよいのか教えてください。(Vol.31 No.2)
                               (騒音担当 行政職員)

(千葉市 松島 貢)

騒音規制法において,工場・事業場に関する規制は「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」(以下,特定工場等の基準)に定められています。

この中の備考に,時間帯区分等とあわせて,騒音の測定方法が示されています。しかし,騒音の大きさの決定方法については詳しく示されていますが,その他の事項については日本工業規格Z 8731によるものと示されています。

しかし,この日本工業規格にも明確な測定時間は示されていません。ということは,騒音規制法における特定工場等の評価手法において,明確に実測時間がさだめられておりません。

そこで,一般的に行なわれている実測時間と測定対象の考え方を説明させていただきます。今回のご質問は,苦情対応のための測定と判断して回答いたします。

工場騒音はご質問の内容のとおり,うるさい時とそうでない時があります。苦情対応による工場騒音の測定は,生活環境の保全が目的ですから,問題となっている騒音に着目して測定・評価を行い,その状態の改善を目的にしなければなりません。仮に,問題となっている以外の騒音も評価に含めた場合には,問題となる騒音の適切な評価ができず,問題解決に至らない可能性があります。そのような訳ですから,工場騒音の測定対象は問題となる騒音に絞り,実測時間はその騒音の状況を的確に把握できる時間となります。

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高性能な吸音材料は、遮音性能も良いと考えてもよいのですか。例えば、グラスウールは吸音材として高い性能を示しますが、遮音材料としても有効な材料なのでしょうか。
                                 (設計事務所社員)

(財団法人小林理学研究所 杉江 聡)

このような質問は,吸音という言葉のイメージから出てくるものだと思います。吸音と聞くと,あたかも冷蔵庫の中にある脱臭剤のようなものをイメージしてしまい,吸音材がそこにあるだけで,周りの音を吸い取ってしまうと考えがちです。

しかし,そうではありません。まずは,吸音率と透過率の定義を示します。Fig. 1に示すように,透過率はPt/Piで,吸音率は1-(Pr/Pi)2です。すなわち,吸音率は入射エネルギーに対する「反射しなかったエネルギー」となり,仮に材料内部で音が減衰していなくても,音波が材料を透過して返って来なければ,吸音率が高いことになります。(注: 一般的には,材料背後に剛壁を設けた状態での吸音率が示されます。)一方,透過率は高くなります(音響透過損失は小さくなります)。

グラスウール等の多孔質材料の吸音メカニズムは,材料内を音波が透過する際に,材料を構成する繊維と空気の摩擦によって音のエネルギーが熱エネルギーに変換されて消散されるというものです。そのため,高性能な吸音材料は,効率よく音波を材料内に取り込むことで,通気性が高くなるように工夫されています。このことは逆に音波を透過しやすくしていることになり,高い吸音率をもつ材料は,高い遮音性能を発揮できないということになります。その違いがわかる一例をFig.2に示します1)。軽量コンクリートブロックは通気性があり吸音性をある程度示します。しかし,ブロックの表面に塗装を施し通気性を低減すると吸音性は失われる一方,遮音性能は高くなることがわかります。

単体では高い遮音性能がない吸音材料でも,他の材料と組み合わせると高い遮音性能を発揮する場合があります。例えば,二重壁の中空に吸音材料を充填するという方法があります。2枚のせっこうボード(9.5 mm厚)で製作した二重壁の中空層内に,グラスウールを挿入した例をFig.3に示します2)。吸音材料がない場合に比べ,吸音材料が入ることにより,中高音域で遮音性能が増加していることがわかります。また,吸音材料の厚さの増加とともに遮音性能も増加することもわかります。

吸音材料は,単体では大きな遮音性能を示しませんが,他の遮音材料と併用することにより,その遮音性能を向上させることができます。


Fig. 1 吸音率と透過率


Fig. 2 通気性の有無による遮音性能の違い


Fig. 3 二重壁への吸音材料の挿入効果

参考文献

  • 1)騒音制御工学会編: 騒音制御ハンドブック[資料編](技報堂, 2001)
  • 2)杉江 他: 中空二重壁の音響透過損失に与える吸音材料の影響-小試験体による検討-, 日本音響学会講演論文集CD-ROM, (2005.9)

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