公益社団法人 日本騒音制御工学会

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騒音防止技術(耐候性吸音材)に係る想いと願い

騒音防止技術(耐候性吸音材)に係る想いと願い

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千葉市の騒音振動に関する取り組み

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福岡市における交通騒音・振動について

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神奈川県藤沢市の紹介

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騒音問題と係わって50年あまり

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環境影響評価における騒音・振動専門家の役割

環境影響評価における騒音・振動専門家の役割

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千葉県の紹介

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宮城県における騒音・振動について

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「環境対策」への取り組み

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名古屋市環境科学調査センタ-の紹介

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東大生研坂本研究室の紹介

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九州大学岩宮・高田研究室の紹介

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熊本大学矢野・川井研究室の紹介

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三重大学ナノセンシング研究室の紹介

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千葉工業大学における音響研究の紹介

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福島大学サウンドスケープ研究室の紹介

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新潟大学・大嶋研究室/埼玉大学 建設構造工学研究室の活動紹介

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横浜国立大学建築環境工学研究室/日本大学井上研究室の紹介

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九州大学藤本研究室の紹介

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芝浦工業大学波動情報研究室の紹介

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愛知工業大学成瀬・佐野研究室紹介

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金沢工業大学土田研究室の紹介

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騒音制御工学との関わり

騒音制御工学との関わり

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騒音計(サウンドレベルメータ)

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マニュアル考

マニュアル考

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東京タワー展望台

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東北大学マルチメディアホールについて

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無題(高速道路遮音壁が環境デザイン賞を受賞

無題(高速道路遮音壁が環境デザイン賞を受賞

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工事騒音リアルタイム評価・対応システムの開発

工事騒音リアルタイム評価・対応システムの開発

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研究のはじめに

研究のはじめに

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イスタンブールとマドリッドの騒音事情

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社団法人日本騒音制御工学会の誕生と足跡

社団法人日本騒音制御工学会の誕生と足跡

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研究機器と研究手法を回顧して

研究機器と研究手法を回顧して

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音を聴き・聞き歩
-小学生のサウンド・ウオッチングを指導して-

音を聴き・聞き歩く
-小学生のサウンド・ウオッチングを指導して-

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空気調和ダクト系騒音の予測に向けて

空気調和ダクト系騒音の予測に向けて

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32巻6号曽根先生原稿

32巻6号曽根先生原稿

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平成18年度大都市騒音振動主管担当者会議

平成18年度大都市騒音振動主管担当者会議

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ホノルルの騒音事情

ホノルルの騒音事情

じめじめと鬱陶しい梅雨が近づき, ワイキキの爽やかな青空を再び味わいたいと思っている方々も大勢いらっしゃると思います。広報委員会のご担当からは”インターノイズの裏話”の執筆を依頼されましたが, 現在は閉鎖した日本語版実行委員会ウェブサイトに掲載した記事の一部に手を加え改めて書かせていただくことにしました。

  • 航空機騒音:
    ホノルル空港の滑走路は, 半ば海に突き出しているので, 民間大型機の騒音は, ワイキキ周辺にいる限り気になりません。軍用機もワイキキ周辺では見たことがありません (空港の西側に基地があるらしい)。小型機がときどき “ぶ~ん” といいながら飛んでいますが, 気になるほどではありません。落ちないかどうか心配するだけです。 たまに, 頭上をヘリコプターが飛ぶことがありますが, 犯罪の捜査か救急の患者搬送 (くらげが発生する時期には大活躍です) が多いようで, 騒音を気にするどころではありません。
  • 鉄道騒音:
    最近, 観光用にサトウキビ列車が復活したという噂を聞きましたが, オアフ島は, 鉄道騒音とは無縁です。
  • 自動車騒音:
    交通騒音の中で問題になりそうなのが, 自動車騒音ということになります。最近は, 幹線道路沿いにも高層住宅が建てられるようになりましたが, 基本的に幹線道路沿いに住んでいる人は殆どいません。道路沿いだったとしても, 庭がすごく広かったりするので気にならないのでしょう。高速道路を走っていても, 防音塀を見たことがありません。らしきものはあっても, 貧弱極まりなしです。 日本ではあまり見かけない大型のトレーラーなどが沢山走っています。音響パワーレベルはかなり高いだろうと感じています。改造マフラー車もちらほら見かけるようになりました。
  • これも自動車騒音?:
    ワイキキでは, エンジンやタイヤ/路面以外から大きな音を出している車が走っています。風さえ通れば暑くないので, クーラーを使わず窓を開けて走る車が結構いるのですが, その窓から聞こえて来る大音量の音楽です。 ワイキキ近くで, 西城秀樹の歌に合わせて “ロ~ラ~~” と叫びながら走っている車がいたら, 多分, 運転しているのは家内です。 運転手さんと乗客が “幸せなら手をたたこう” を大きな声で歌いながら走るトロリーバスを見たこともあります。水陸両用車 (戦時中, 上陸用舟艇として使われていたとか) で市内と海をめぐるダックツアーでは, アヒルの鳴き声のクラクションを大音量で鳴らしながら観光客に手を振って走っています。
  • バンプ (段差):
    目的は騒音の低減ではなく, 安全の確保だと思いますが, ホテルやゴルフ場の敷地内, ショッピングモールの駐車場など, いたるところにバンプが作られています。当然, 速く走れませんので, 騒音レベルも下がっているようです。住居地域内の道も, バンプはありませんが, それほどスピードを出せないように設計されているようです。 ある方から, 土木の世界ではハンプ (hump) と呼ぶというご指摘をいただきましたが, 現地踏査により, 米語 (少なくともハワイ) では, humpではなくbumpと呼んでいることを確認いたしました。
  • ゴミ収集車:
    住居地域での最大の騒音源です。あきれるほどの大音量を出して, ゴミを回収していきます。音楽もアナウンスも流しませんが, ごみ箱からゴミを落とすときの音の凄まじさは尋常ではありません。文句をいう人がいないのが不思議なくらいです。公共の目的のためであれば, 許容するという意識なのでしょうか。普段の住居地域は, 周りが静かなだけに, 人の声が案外気になります。窓を開けている家が多いので, 夫婦喧嘩などは筒抜けです。
  • 排気ガス:
    騒音の話題ではありませんが, バスを筆頭に, 大型車は, 屋根より高い位置で排気しています。拡散に役立つのかどうか存じませんが, 少なくとも, 後続の車には優しい配慮です。

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事務所移転裏話

事務所移転裏話

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「よくわかる低周波音」パンフレットについて
全国環境研協議会で「騒音の目安」づくり

「よくわかる低周波音」パンフレットについて
全国環境研協議会で「騒音の目安」づくり

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創立30周年記念式典開催

創立30周年記念式典開催

平成18年9月20日に秋季研究発表会の開催されている愛知工業大学エクステンションセンターにおいて、社団法人日本騒音制御工学会の創立30周年記念式典が開催されました。この式典には、来賓の方や多数の会員の皆様のご出席をいただき盛大に挙行することができ、感謝しております。詳細については別途ご報告いたします。なお、当日は多くの皆様から祝電をたまわり、ここにお名前を記して学会からの御礼とさせていただきます。

(30周年記念事業WG主査 安藤 啓)

  • 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング
  • 愛知県環境調査センター
  • 株式会社秋田県分析化学センター
  • 株式会社大西熱学
  • 株式会社大林組
  • 株式会社小野測定器
  • 鹿島建設技術研究所
  • 環境アセスメント学会
  • 環境計測株式会社
  • 株式会社環境技術研究所
  • 技報堂出版株式会社
  • 財団法人空港環境整備協会
  • クラリオン株式会社
  • 株式会社神戸製鋼所
  • 財団法人小林理学研究所
  • 佐々木實(名誉会員)
  • 清水建設株式会社
  • 消音技研株式会社
  • 住友金属建材株式会社
  • 全国環境研協議会
  • 社団法人大気環境学会
  • 大建工業株式会社
  • 大成建設株式会社
  • 大同コンクリート工業株式会社
  • 大丸通商株式会社
  • 東海旅客鉄道株式会社
  • 東北大学電気通信研究所
  • 東洋建設株式会社総合技術研究所
  • ナイガイ株式会社
  • 株式会社永田音響設計
  • 中日本高速道路株式会社
  • 長野県環境保全研究所
  • 財団法人成田国際空港振興協会
  • 財団法人新潟県環境分析センター
  • 社団法人におい・かおり環境協会
  • 日本アイテック株式会社
  • 社団法人日本音響学会
  • 日本ガイシ株式会社
  • 社団法人日本環境アセスメント協会
  • 日本ゲッツナー株式会社
  • 社団法人日本建築学会
  • 財団法人日本自動車研究所
  • 日本ドナルドソン株式会社
  • 日本ノイズコントロール株式会社
  • 財団法人日本品質保証機構
  • 株式会社ニューズ環境設計
  • ネミー株式会社
  • 東日本旅客鉄道株式会社
  • 富士エンジニアリング株式会社
  • 株式会社フジタ技術センター
  • ブリュエル・ケアー・ジャパン
  • ヤマハ株式会社
  • 株式会社四元音響設計事務所
  • リオン株式会社

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音の化石を残したい

音の化石を残したい

最近時々考えることは音の有意性というか、必然性というか、なぜその音はその特性を持っていないといけないか、それらのお互いのバランスがどう成り立っているのか、ということです。騒音、建築音響関連の仕事を始めてしばらくは、その固有の音源や遮音部材の単独のものとして考えていた。しかし耳のほうが、ある必然性のもとに作り上げられてきたと考えると、音源の特異性は聞かせる側の意思、作為の結果だと思われる。聴覚も聞かせる側、聞く側の生態系全体として取り込まれた感覚だということが、やっと分かってきたような気がする。一般的に考えると自然界や少し前の時代には大きな音を出すこと自体が難しかったのではないか。伝達手段として音を作るのに苦労や試行錯誤を繰り返していた時代と、音を小さくするために苦労している時代。確かに熱や動力の現在の使用量に比べて音のエネルギーは微々たるものであるが、雷以上の音圧に酔いしれている爆音愛好家(マフラー改造車や強力ロック演奏など)たちの心は自己顕示欲と、その麻酔効果なのか、もしくは難聴なのか。

“聞く耳持たぬ”の効果は何dBと考えてみると、泥酔しているときに、雷が近くでなっても起きないことがあることを考えると、100dB位までは平気かもしれない。一方“聞く耳持つ”方は、私の経験から言うと15dB位まではクレームの対象となり得ると考えられる。当然坊主が憎ければ袈裟まで憎い気持ちは理解できるが、音に敏感な人でそれ以上に研究熱心な方もいて、日々周辺の生活状況調査と原因究明をされる。筆者などが不思議音などの探査をするため意識的に壁に耳をつけるのと同じように壁に耳を当てて聴いてみる。そうすればかすかな固体音も聞こえるので、いろいろメモを取りデータを分析し、音による他人の生活パターンまで把握する、こういう人は研究者と言える。

音が無いのも不安なものである。世の中から取り残されたような感じがする。無響室を説明するときに時々思うが、10dB位の中にどれぐらい居られるのだろうか。たとえば、音も無く、光もなく、匂いもほとんどなく、壁にも触れさせてもらえない5重苦は想像を絶するが、即身仏になるお坊さんは死ぬまでは耐えられる。一般人はまず死ぬ前に這い出してくると考えられるが、自分自身だと5分ぐらいが限界かもしれない。もしくは暴れまわって早く死ぬ。寝ていると思えば6時間ぐらいは持つかもしれないが、凡人には心頭滅却しても火は熱そうで、やはり人は必要だから音を聞いているのだ。

音に関わって数十年経つが、勉強不足なのか、物理的側面はやや理解できたものの、他の側面、特に心理面、生理面については、分かったようで分からない。こうした彷徨える音技術者を助けてくれるのが騒音制御工学会の目的と勝手に解釈して、この学会について考える。騒音の研究者、実務者ならびに基準などを作る人、それを運営する人達が集まって、討論し衆知を集めるのが騒音制御工学会の役目の一つと思われる。工学会なので学術的なことが多くなるのは当たり前だが、網羅的に考えると若干メンバーのバランスを欠く部分もある。たとえば居住者、被害者、つまり一般的に言うと裁判の原告になる人達で専門性を十分判定できない、もしくは聞きたくないのか、お互いにホームページでやり取りし、盛り上がったりしている。本人たちの意見はあまり否定されないので、お互いの傷を舐め合いながらの憂さ晴らしの場となることが多い。物理的な言い訳は感情論には却って邪魔になるのかもしれない(それでも音は聞こえている・・・調)が、これだけで問題が解決されているのであれば一つの選択枝かもしれない。でも、そういう人達に 公平中立にアドバイスしてあげられる人は必要な気がする。ボランティアが成り立つかどうか、今まで検討されたこともあるが、責任と費用のことなど結構問題は多い。

騒音制御工学会の分野別で不足していると感じられる人材は、司法の人、機械や建材の生産者、一般人となるが、これらは外部に幅広く公開シンポジウムなど開かないと、御馴染みさんが増えないと思われる。

周りの何かの音を騒音と感じる人がいる限り、騒音制御工学会の存在価値は失われないであろうが、学会も30歳になることだし、音は、その場限りのものであるのでなおさら、今まで生きてきた証として、何か残したい気もする。未来の人が発掘した化石からいろんな音がでてくるような、そんな仕掛けはないだろうか。夢はサウンドライブラリー地球版なのだけれど・・・。

(財団法人ベターリビング筑波建築試験センター 安岡博人)

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続編・「騒音制御29巻6号」匿名座談会の編集後記

続編・「騒音制御29巻6号」匿名座談会の編集後記

「騒音制御」の編集委員としての主要な仕事の一つとして,特集の企画・編集があります。編集委員は総勢13名で,2名で1組になり各号の特集を担当しています。騒音制御29巻6号(2005.12)の特集を長倉委員(鉄道総研)と担当させて頂きました。この特集は,名前こそ違い前号の続編にあたります。基礎知識だけでなく,測定に本当に役立つ知識を前面に押し出す企画として,座談会を行う案が浮上しました。座談会の成否は出席者で決まると思いますが,その人選につきましては,毎月開かれる編集委員会で討議し決定しました。今回の座談会は匿名でありますので,出席者の選定の経緯は,ここでは触れることが出来ませんが,現場での騒音・振動測定に精通した15名の方にお集まりいただきました。座談会のスタートは,皆さん何を話せばよいのか戸惑っていました。しかし,司会者が動機付けをしたとたんに,堰を切ったように出て来た話題は我々が事前に想定していた,“現場測定においての実務者の立場として言っておきたいノウハウ・トラブル解消法”ではなく,つね日ごろ思っている“計測器に対する疑問・要望・不満”でした。この際,解明・発散しておこうという発言が相次ぎました。騒音測定に熟達した方々からの計測器を使う上での要望や不満は的を射ており,計測器メーカの方にとっては痛いところを突かれていると思いました。これらの生のやり取りを文字にしてしまっていいのだろうかという危惧の念を抱きながら聞き入っていました。この座談会には,計測器メーカの方が3名出席していましたが,質問の集中砲火をあびた計測器メーカの方から,普段は到底聞けない真のユーザからの意見を聞けたと逆に感謝され安堵しました。当初予定していた2時間半を過ぎても終わらず,4時間以上の長丁場になりましたが,中だるみもなく出席者にとっては非常に有意義な座談会であったと思います。

座談会での発言を文字にするテープ起こしが一苦労でした。出席者の皆さんは,一人一人の発言が文字になる座談会であることを承知しているにも関わらず,人の発言中に他の人がかぶって発言をしてきます。発言者が話したい内容と,似て非なる発言をかぶせてくるのでつながりのある文章にならないのです。とかく,日本人は人の話を全部聞かないとか,話の途中ですべてを理解したつもりでいる,話をさえぎるとか,いろいろなことを言われていますが,まさにそれでした。4時間分の発言内容を,雑談を含めて全て掲載しますと60頁を必要とします。会誌には,9頁にまとめましたので,かなりの部分はカットしたことになります。また,グレーな情報は採用しないことをまとめるにあたって念頭におきました。そのため,座談会の雰囲気が伝わりにくくなってしまったことも否めません。

この座談会で私が知り得た貴重な情報としては,騒音計で騒音レベルを測定する際の周波数範囲です。私は,仕様に記載のある測定周波数範囲内で騒音レベルを表示していると思っていました。ところが,最近のマイクロホンは性能が良くなり,基本的には仕様に記されている測定周波数範囲より広い周波数帯域が測定できますので広がった分も含めた騒音レベルが表示されます,とのことでした。従って,A特性補正曲線をそのまま低域あるいは高域まで延ばして補正を行い騒音レベルとしているそうです。常識的に考えれば,性能は良いに超したことはないのですが,仕様に記されていない測定範囲外の扱いについても明確に記載して頂くことを是非ともお願いしたいものです。この座談会で驚いたもう一つのことは,ピストンホンの取り扱い方についての件です。詳細に関しましては,「騒音制御29巻6号,匿名座談会-現場測定で役立つ知識・知恵-」を深くなお且つ行間を読んで頂ければと思います。

今回の座談会は,日ごろの委員会・研究発表会とは異なり,積極的に出席者が発言しなくては成立しないことが心地よい緊張感となり,手持ちの情報を通り一遍に披露するだけでなく,情報を収集する場として積極的に活用しようとする姿勢を明確に感じました。情報が欲しい側(計測器使用者側),情報を提供する側(計測器メーカ)がお互いに充実した時間を共有出来たことに対しては,この企画は成功したものと自負しています。ただ,特集号として内容的に読み応えのあるものになったかについては不安が残ります。テープ起こしの担当が言うのも変ですが,座談会は読むより参加する方が何百倍か役に立つことが分かりました。次回の座談会はいつになるか判りませんが,事前に出席したい旨,お近くの編集委員に予約をしておいた方が良いと考えます。

(財団法人 小林理学研究所 木村和則)

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平成17年度 全国環境研協議会騒音振動担当者会議について

平成17年度 全国環境研協議会騒音振動担当者会議について

本会議は全国自治体の環境・公害研究機関で組織する全国環境研協議会が開催する年1回の会議であり,平成17年度は横浜市環境科学研究所が開催担当の事務局となり,横浜市技能文化会館で開催された(参加者40名)。初回の平成12年度から今回が6回目と,比較的新しい会議であり,全国の5支部の中だけの会議に別途加えられた。大気や水関係の自治体研究者には全国的集いがあったが騒音・振動関係者には無く,全国的な研究発表や意見交換の場として設けられたものであり,近年では環境省との情報交換の場としても機能している。

開催は,毎年,本工学会の秋季研究発表会前日に当発表会場の一画での実施を原則としており,当発表会への参加を促してもいる。

一般講演(会議次第参照)では珍しく振動関係が2件もあり,同講演(1)では,LVmaxが24時間ほぼ一定(平均値69dB)故に苦情対応はこの値を用い,また仮に閾値を50dBとしてそれ以上のデータを用いて評価値を求める提案をしている。同(2)では,苦情に伴う振動測定が道路を除けば多くの場合に実施されず,敷地または官民境界で実施されても殆どが基準に適合である矛盾は,水平に揺れやすい木造家屋の家屋増幅を把握しない限り解決しない。また,現行は無駄なデータの蓄積に等しいとし,鉛直方向の家屋増幅量を5dBとした根拠に疑問を呈している。同(3)では,各種評価をLAeqで実施するのは合算の便利さや国際的動向からも当然としつつ,規制では,特定建設作業単位では規制が困難であり「特定建設作業場」を導入すべきとし,問題点としてLA5の非現実性,各種音源ごとに評価時間が異なる点,夜間運用の禁止(例:新幹線)などを挙げている。また都市の様々な場所の騒音レベルをLAeqで例示するために,鋭意データを収集中であると報告し,併せて中間報告的データを示した。

特別講演で藤本氏は,Inter-noise2005への投稿論文を中心に,日本の騒音行政とその進展を紹介し,最近では,環境騒音に因るアノイアンスと睡眠妨害に重点を置いた統一的社会調査手法の作成を本工学会に委託し(平成12年),本工学会が道路交通騒音や在来線騒音が主な地域で社会調査を行い平成16年に最終的な案を提出したこと,その案をもって引続き空港または新幹線に面した地域で住民反応を調査していること,また,成田国際空港に暫定滑走路が完成後,飛行機の機数増にも拘わらず多くの常時監視局のWECPNL が小さくなった件につき,新たな測定法を検討中である旨を報告した。

同垣下氏は,平成17年6月に騒音規制法の自動車騒音監視の処理基準を改定し,監視対象を2車線(市町村道は4車線)以上の道路と明確化,測定作業頻度を毎年~5年(最大10年)のローテーションとし,5~10年で監視対象区間の全域をカバーする試算を示し,測定の代替に推計手法を活用することを報告した。また同年8月公開の自動車騒音の面的評価支援システム,及び評価マニュアルの改定などを踏まえた監視結果を通して,環境基準達成目標年が最も遅い幹線交通を担う道路(平成21年以降)の基準達成に向け活かすとした。

会議次第

  1. 主催者挨拶
    横浜市環境科学研究所長  小柳 高好
  2. 一般講演
    1. 道路交通振動評価量L10.及びLeqに対する大型車交通量の影響
      -国道16号における24時間測定結果
      千葉県環境研究センター  樋口 茂生
    2. 振動規制法施行状況調査からみた振動苦情
      横浜市環境科学研究所   鹿島 教昭
    3. 等価騒音レベルによる評価の統一と課題
      東京都環境科学研究所   末岡 伸一
  3. 特別講演
    1. 騒音行政の新しい方向
      環境省大気生活環境室   藤本 正典
    2. 自動車騒音常時監視を実施する体制の基盤強化について
      環境省自動車環境対策課  垣下 禎裕
  4. その他
  5. 次期主催者挨拶
    愛知県環境調査センター  田中  進

(横浜市環境科学研究所 鹿島教昭)

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手放せない会誌を目指して

手放せない会誌を目指して

このコラムでは、昨年までの2年間(27巻・28巻)に、若手会員の方とベテラン会員の方から騒音制御工学会に対するご要望やご意見などを投稿いただき、紹介してきました。その中で、会誌に対するご意見も幾つかありました。それらに対する回答を兼ねて、会誌編集の現状や今後の方針などに関して、編集理事の立場から筆(?)を執ろうと思います。

会誌「騒音制御」の編集委員を2期(4年)連続して務めた後、前期から編集委員長を任せられて3年が過ぎます。15年ほど以前にも編集委員を1期務めましたので、もう既に、私は9年間も編集作業に関与したことになります。しかし、この作業に飽きたり、マンネリ化していると感じることがありません。これは、「静かな社会を実現したい」との趣旨から騒音制御工学会に入会されている会員の殆どの人が、「工学会が不要になるほど十分に静かな社会を実現できた」と感じられないことと、共通するものであろうと思います。会員の皆様にお伝えしたい騒音制御工学に関する情報が、まだ溢れるほどに存在していると考えます。この溢れるほどの情報の中から、如何にして読者に関心を持っていただき、判りやすくお伝えできるものを抽出するのかが、編集委員会の任務であると認識しています。私よりも長期に亘り連続して編集委員を務めている1名の委員は、「仕事に直ぐ役立つような特集の企画が最適である」と口癖にしておりますし、私もそのように考えています。

編集委員会には委員長の他に12名の委員が居り、2名が一組になって6組で次のような分野を分担して、特集記事の企画をしております。[騒音発生源],[騒音振動伝搬系],[音環境や感性評価],[規格と計測技術],[社会政策],[交通騒音]。もちろん、この分担に固執するものではなく、ある種の騒音に関する、発生源・伝搬経路・受音環境・計測評価方法という一環の中で騒音低減技術や関連情報を特集にする場合も有ります。過去に無かった特集、過去に発行されていても内容が大部分更新される特集等を、委員会の討議を経て選定して企画の詳細を詰めています。その場での編集の方針は、「手放せない会誌を目指して」です。学術研究をするために手放せないというよりは、騒音制御に関連する実務を進める時に、直ぐに役立つ解説や技術事例の報告および資料集等が詰った会誌が、手放せない一冊になると理解しています。編集委員の殆どが騒音制御を実務としていますので、自分が利用したくなるような内容の特集案が提案されますと、「良い企画である」、「関心を惹く特集である」等で委員会の討議が盛り上がることが多々有ります。しかし、企画した内容を執筆できる人がいるのか、という執筆候補者探しの段階で行き詰ってしまい、時期尚早として残念ながら見送る場合も時々有ります。これは、工学会の会員のニーズと同じ視点から特集を企画したいが、難解すぎる、あるいは冗長すぎる内容では会員のためにならないと判断するからです。

さて、幸いにして会誌の発行予算には最近余裕が有りますので、会員からマンネリ化した会誌であると思われないような魅力ある編集をすることを目的に、今後の会誌編集における抱負を紹介いたします。

現状の隔月発行は維持しますが、ページ数を現状の平均よりも約15%増加させ、そこへ会員からのご要望に基づく連載的な解説記事や技術資料を掲載しようと思います。例えば「技術自慢」のようなシリーズ企画を設け、世界に誇れるような国内の騒音制御技術を紹介したり、「国際会議短信」のようなジャンルを設け、会員がINTER-NOISEで発表した講演論文の概略を半ページ程度で紹介して頂こうと思います。また、図表をカラー刷りで判りやすく表現するツールも普及してきていますので、特集記事の中にはカラー刷りでないと理解できない図表も散見するようになりました。そこでこれらの図表を集めたカラー刷りの口絵ページを定常的に4ページ以内で設けることも予定しております。モノクロ印刷でも十分に理解できる図表を敢えてカラー刷りにすることは有りませんが、会誌も将来的には電子出版へと移行する流れは確実ですので、そうなればモノクロとカラーを区別することも不要です。ですからカラー図表の受け入れも必要に応じて進めようと思います。

会員から「手放せない会誌」と認められるようになることを目指して、今後も特集を中心にする編集を継続いたします。企画の対象には、「ニーズに応える特集」や「時節に適した特集」の観点から編集委員一同が、騒音制御工学に関する幅広い分野にアンテナを拡げて情報の収集に努力していきますが、会員の皆様からも企画して欲しい特集内容などをご提案いただけると嬉しいです。また、28巻6号の特集のように国際的な動向の紹介をすることも、ニーズに応える企画の一つとして、不定期ではあっても企画していきたいです。

なお、解説記事の特集が主体であっても、会員からの投稿論文の掲載も益々促進しようと考えます。特に有効性に関する査読に重みを付けることで、仕事に役立つ論文が載っている会誌として、独自性を示せるものと考えます。

(荏原総合研究所 丸田芳幸)

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広報・行政に関すること

広報・行政に関すること

この原稿では、2003~2004年の学会誌の会員コラムに掲載させていただいたご意見、ご感想に対し担当者としての考えを述べさせていただくことにいたします。

会員コラムは、騒音制御誌の1ページを使わせて頂いておりますが、編集委員会とは別に、広報委員会がQ&Aと合わせ情報コーナーとして企画制作しています。広報委員会では、学会の広報に関すること、ホームページの運営に関すること、会員拡大に関することなどを内容とした事業を実施しています。

さて平成16年11月19日に「公益法人制度改革に関する有識者会議」から民間非営利部門による公益的な法人活動の発展を促進するための新たな仕組みについて、政府(行政改革担当大臣)に対し報告書が提出されました。

この報告書では、(1)現在の主務官庁が認可するという判断主体のあり方、(2)認可及び指導監督にあたっての判断要件のあり方、(3)組織目的をより確実に実現するために組織を方向付ける適正運営確保のあり方、(4)その他、公益性の判断に伴う主な効果、特定非営利活動法人制度との関係について述べています。

当日本騒音制御工学会におきましても特に上記(3)適正運営確保に関し、ガバナンス(適正運営)のあり方、情報開示のあり方について見直しを行い、近々予想される公益法人改革に対応しておく必要があると考えています。このような動きの中で、公益法人として事業及び財務内容を積極的に情報公開し、組織の透明性を確保する必要があることから広報委員会といたしましても積極的に関わっていくつもりです。

公益法人として対外的な情報公開につきましてはこれまで以上にいろいろな場面で実施していきたいと考えておりますが、会員相互の情報交換につきましてもっと積極的にシステム作りが必要であるとのご意見を頂いております。当学会での会員相互の情報交換の場としては、春秋に開催される研究発表会、研究部会に設置されている各分科会、4月に開催される懇談会などがあげられます。これら発表会や分科会活動につきましては当学会のHPにおきまして随時紹介しておりますが、現時点におきまして全ての活動状況を紹介するまでには至っていないのが現状です。今後は、各活動主体が積極的にHPに記事を掲載するよう働きかけていくつもりです。また、HPからメーリングサービスの申し込みができる仕組みもできあがり、当学会会員であればメーリングリストに登録することが可能です。会員の皆様へのお知らせなど学会からの情報発信に利用できます。皆様から当学会員に情報を伝えたい場合は、広報委員会宛にメーリングサービスへの情報提供のご依頼をいただければ、登録している会員の皆様へ広報、伝達することができます。

頂きましたご提言に、子供や市民向けに資料の提供や講習会を開催したらいかがというものがありました。公益法人として社会貢献が求められている現在、当学会からも積極的にそのような活動を行う必要があると考えます。かつて、環境騒音振動行政分科会では市民向け講座を開催した実績があります。この市民向け講座は単年度で終わってしまったと記憶しておりますが、今後は当学会の継続事業として会員以外の人々への普及啓発活動を考える必要があるものと考えます。

環境騒音を低減するためには、騒音に関わる知識をもつ行政担当者を育てなくてはならないとのご意見を頂きました。どのような事業を実施する場合でも言えることと思いますが、事業の立案、予算折衝、事業の実施、効果調査の過程では実施事業についての知識が必要になります。まず立案の段階で、事業の意義、必要性、予測される効果などにつき合理的な説明が求められます。いわゆる環境行政に携わっている行政担当者は、その多くを化学系の専門家が占めています。このため、環境騒音対策として立案される案件も少なくなりがちです。しかし、行政担当者も事業の必要性について団体等からの要望があれば、議会等への説明もしやすくなるという面もあり、地域が抱える問題解決のために技術協力を行うことも考えられます。現実に、ある自治体が解決に苦慮していた低周波音被害について、低周波音分科会では環境省と連携して現地調査を行い、解決への道を開いたという事例もあります。今後、問題を抱える自治体への技術支援も当学会が関わって行かなくてはならない活動と言えるでしょう。

(神奈川県環境科学センター 堀江侑史)

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出版等に関すること

出版等に関すること

学会誌の「会員コラム」に掲載された若手会員及びベテラン会員の方々から頂いたご意見ご希望の中から出版等に関する貴重な助言について考えてみたいと思います。

若手会員の執筆者からは,「子ども向けや一般市民向けの騒音についての啓発資料を作成する際に自由に使える資料集を作成し,学会ホームページを利用して広めることはできないだろうか。利用者からの声を基に,改訂を繰り返していけば,数年後には,素晴らしい資料集ができあがっていることであろう。」というご意見を頂きました。この中には二つのポイントがあります。一つは子供や一般市民向けとして利用者を絞った資料を編集するということ,もう一つは利用者からの声を基にフィードバックを繰り返して編集を進めるということです。

現在,審議が進められている日本騒音制御工学会のピアレビューの素案には,「出版を担当する者は,読者が求めている図書の把握に努め,適切な出版物を選択しなければならない」とあり,頂いたご意見を反映させることは,まさにこれを実践するものとなります。いきなり子供向けの出版物を作るというわけにはいきませんが,現在,一般向けの啓発書として「お話シリーズ」の編集を進めております。その一端をご紹介しますと,「バリアフリーにおける音のやくわり」,「航空機と飛行場周辺の騒音」,「低周波音とはなにか」,「不思議音のなぞ」(いずれも仮題)などです。優しく書くことほど難しいことはない,優しく書いていただくように依頼することはさらに難しい,その一方で役立つ専門書と売れる本とは違う など,念頭に置くべきことは多々ありますが,初心者の方に出来るだけ理解してもらうためのシリーズを目指しております。

これまで当学会からは多くの書籍が出版されておりますが,いずれも多数の執筆担当の方々の共著となっております。学会誌の特集号もそうですが,特集のテーマに基づく原稿の要旨を揃えることは非常に難しいといえます。書いている本人は担当の章で筆述すべきことに専念して,他章とのバランスまでは配慮しないものです。その意味でコンセプトが散漫にならないようにするためには,編集において強力なイニシアティブを発揮する,あるいは少人数による執筆をお願いすることになります。上記のお話シリーズは後者の場合に相当しています。また,これらの出版の際には,ホームページ等で紹介すると共に講習会を企画して広く説明する機会を増やすべく,広報委員会,事業部会と密接に連携をとって進めております。

事業部会では,春と秋に講習会を開催しております。ここで人気のQ&Aコーナーは,参加者から日頃疑問に思っていることや職務上課題となっていることについて質問が投げかけられます。これは,二つ目のポイントに関連しますが,この内の幾つかは,読者の共通の疑問に対する専門家による回答という形式で,学会誌及び学会ホームページの「Q&Aのページ」に掲載されています。この中で最も多く求められているのが,専門用語の解説です。

頂いたご提案のようにフィードバックを繰り返すとまではいきませんが,投げかけられた質問などを参考に,関連ある用語をまとめて一つの項で系統的に説明する「用語事典」(仮称)の出版を計画しております。近年,インターネットの検索サイトが充実しており,一般的な側面からの専門知識を敏速に探し出すことができます。しかし,その情報を基にして子引き孫引きしていく内に,画面に表示される範囲内の断片的な情報しか頭に残らないことにお気づきになるでしょう。

学生時代によく利用した専門書には,有形無形の情報サイトが張りめぐらされており,使い慣れた初版が第二版,三版と内容が更新されても買い換える気がしないものです。一つのことを調べるために,何ヵ所ものページに指を挟んで,あっちこっちと見返した経験があります。的確なキーワードさえ見いだせれば,一つの項目を見るだけで多くの知識が系統的に関連づけて得られるように関連検索を充実し,長く利用していただける専門書を提供していきたいと考えております。

ベテラン会員の方から頂いた「日本騒音制御工学会創立以来の足跡,30年の歴史資料を編纂し後世に遺して頂きたい」というご意見につきましては,すでに創立30周年記念事業企画委員会(主査: 安藤副会長)が設置されており,研究発表会に合わせ記念シンポジウム,記念出版,記念事業等の概要が検討されています。創立30周年記念歴史資料の編纂が,環境保全における音の重要性の社会的アピールに繋がるよう,編集を進めたいと考えております。

(財団法人 小林理学研究所 吉村純一)

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工学会の活性化

工学会の活性化

総会(平成17年5月24日)に先立って開催された評議員会の説明資料に、会員の年齢構成図がありました。正会員1256名の平均年齢は50歳で、20歳代の会員は25名、30歳代は256名、40歳代は304名、50歳代は436名です。88歳になる2名の長老を含めて60歳以上の会員は235名です。この年齢構成を見て愕然としました。来年は創立30周年を迎えますが、創立当初は20歳代の新進気鋭であった世代の会員が際立って多く、後継者が順調に育っているとは言い難い状況のようです。社会の騒音環境が依然として厳しい状況の中で、人々の環境に対する要求レベルは高くなる一方であり、今後も学術、技術、行政の3つの分野の会員がともに協力し、知恵を出し合うことが望まれています。本工学会の魅力を高め、若い会員を増やして活性化を図ることが重要と思います。

一昨年の会員コラムには、若手会員の方々、また昨年の会員コラムではベテラン会員の皆様から学会のあり方や運営方法などについて数々のご意見やご提案がありました。昨年の5月に鈴木陽一先生から研究部会長を引き継いでから1年が過ぎたところですが、これらの貴重なご意見やご提案を大いに参考にさせて頂いています。以下に研究部会での議論の一端を紹介します。

研究部会には現在14の分科会が設置されていますが、本号の研究部会報告にも記されているように、それぞれ活発な活動を行っています。ただし、冒頭に述べた高齢化の問題は各分科会の活動ではより深刻で、大学でも行政でも直接現場で手を動かせる若手の研究者や担当者が激減しており、今後の人材不足が懸念されています。この点については、「音は何故マイナーか」をテーマとする第2回の“環境騒音問題に関する懇談会”でも、種々のご意見がありましたが、研究部会では、今回、新たに分科会委員の公募を試みました。会員の皆様で、興味のある分科会がありましたら、是非、応募いただきたいと思います。また、新たな分科会の提案も大歓迎です。

「春季研究発表会」は今年の4月の発表会で第4回の開催になりました。現在、第5回の実行委員会が組織され準備が進められています。第1回の春季研究発表会は、平成14年に岩瀬昭雄研究部会長のもとに開催されています。当時は部会委員として発表会開催の議論に加わりましたが、この春季の発表会は分科会によるオーガナイズドセッション方式で行なうことが決まり、その方式は現在まで引き継がれています。これは、従来から年1回、秋に開催されていた通常の研究発表会との性格の違いを明確にすることや、分科会活動の活性化に繋がることを意図したものです。会員の皆様のご協力で、発表件数などは順調に推移しており、平成16年の発表件数は、春季が36件、秋季が84件であり、年間の発表件数が平成になって初めて100件を越えました。とはいえ、研究部会ではこの5年を一つの節目と捉え、発表会の実施運営方法の見直しの議論を始めました。現在の研究発表会については1)4つの分科会がオーガナイズを担当しており、一般の研究発表が難しい、2)4月の開催は年度初めであり参加しにくい、3)秋の研究発表会を2日ではなく3日にして、オーガナイズドセッションもそこで行うことにし、春季研究発表会は止める、4)これまで分科会ごとに行っていた分科会報告会や、技術レポートの発行が少なくなってしまった、などなどの意見があります。今年度の研究部会で春季研究発表会のあり方を検討していますので、会員の皆様からのご意見も頂ければ幸いです。

「環境騒音問題に関する懇談会」も春季研究発表会の前日に開催された今回の懇談会で第4回目を迎えました。橘秀樹前会長の提案で始められたこの懇談会は、「学会の活動方針や学会に課せられた役割などについて、自由に議論し、情報交換する場」であり、通常の研究発表会やシンポジウムとは異なる雰囲気の中でフロアからも数多くの忌憚の無い意見が述べられています。未だ出席されたことのない会員の皆様も、是非、次回は足をお運び頂きたいと思います。

第2号の会員コラムで広報委員会委員長の堀江侑史氏が学会ホームページによる情報発信の重要性を指摘されています。研究部会でもこれまでの研究発表会のプログラムなどに加えて、部会の活動内容や分科会の成果などの情報発信を積極的に進めるべく、検討を進めています。

以上、研究部会から話題提供をさせて頂きましたが、魅力ある工学会を目指して活動していますので、今後とも、お気付きの点やご提案などお寄せ頂ければ大変有難いと思います。

(名城大学 吉久光一)

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「技術評価」等に関する課題について

「技術評価」等に関する課題について

学会誌の「会員コラム」に掲載された若手会員並びにベテラン会員の方々から、貴重なご意見やご希望を頂き、その中から今回は「技術評価」等に関する課題について、現状の取り組み方や今後の抱負を述べさせていただきます。

  • 認定技士
    当工学会では日本騒音制御工学会認定技士(以下認定技士という)の制度を確立していて、現在,約100名の方々が認定を受け活躍しています。ところが、認定技士は国家資格ではないため、一般社会において認知度が低い点は否めません。この認知度を高めるためには種々の活動、すなわち、認定技士としてのPRをはじめ、名刺の肩書きにも認定技士である旨を記す等、認定技士としての自覚を持って活動する必要があろうことは言うまでもありません。環境省に働きかけて国家資格としての認定を望む向きの方もいらっしゃるのですが、現状の社会情勢ではなかなか難しいようです。
    関連する国家資格の最たるものが、皆様良く御存知の技術士ですが、当工学会が包含している分野に関しては、適当な分野の細分化がなされておりません。対応としては重要な分野として技術士会に申し入れ,それ相応の位置付けを望むのか、独自に活躍するかということになりましょうが、いずれにしても一筋縄ではいかない問題です。地道な活動が当然必要ですが、現在,任意団体でもある認定技士の会と協力して展開する必要もあるといえましょう。
    翻って考えてみますと、現在の日本では、技術や技術者が正しく評価される制度が確立しておらず、苦々しい思いをしたことは、枚挙の暇が無いほどといえます。日本的体質と言ってしまえばそれまでですが、技術者側も技術を使ってもらえばそれだけで満足といった姿勢も影響していることも事実でしょう。以下に紹介しますAPECエンジニアでは比較的しっかりこの技術評価が実現されており、今後の我々の鑑になると考えられます。
  • APECエンジニア
    APEC(Asia-Pacific Economic Cooperation)エンジニア登録制度は、日本、オーストラリア、カナダ、香港、韓国、マレーシア、ニュージーランド、インドネシア、フィリピン、米国、タイの11エコノミー間で締結されました、国境を越えた技術者の自由な活動を支援する制度です。APECエンジニア相互承認プロジェクトにより、エンジニアとして承認されますと、加盟国内では同等水準の技術を有する技術者として扱われ、活動が促進されることになります。APECエンジニアとして登録できる分野は現在Civil、Structural、Mechanical、Electrical、Chemicalなど11分野がありますが、日本ではこのうち前記の5分野に関して、申請を受け付けております。但し、これらの申請に必要な国内の資格としては、今のところ技術士や一級建築士などです。
    認定技士の該当分野としては“Structural”でありますが、現在のところ認定技師の資格を保有しているのみでは登録が出来ません。今後、APECエンジニア審査委員会に対して,工学会として働きかけをしていければと考えています。
  • 今後の展開
    今後の展開としては、工学会として地道に広報活動を展開していくことや、建築学会でも議論され、現在は多くの実績をあげている司法支援活動、さらには技術支援の保険制度なども重要な課題だと考えています。騒音振動の問題では単なる物理的な技術による解決に加え、人間感情のこじれから生ずる問題も少なくありません。そのため技術者以外に法曹界の協力も得られれば、更に強力な組織になりましょう。また保険制度とは、時には予想もしない事態により、対策効果が十分に発揮されなかったりして予想外に金銭が掛かる場合をバックアップする保険です。いずれにしても、まず認定技士が十分その任に堪えられるだけの知識、技能を保有していることを一般社会に認知してもらう事や、社会に向け多くの正確な情報を常に発信していくことなどが最優先課題と言えましょうか。
    これらの問題解決には我々も真剣に考えてはおりますが、多くの方々の知恵とご尽力を期待するところも大であります。いかようなご意見でも結構ですので、お寄せいただければありがたく存じます。

(鹿島技研 安藤 啓)

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工学会全般に関する現状の取り組み内容,今後の抱負

工学会全般に関する現状の取り組み内容,今後の抱負

3年間にわたり,騒音制御工学会の将来について様々な角度から御意見を頂戴しました。このコラム自身の役割が十分に発揮できているものと思います。学会を運営する側としてもこれらの貴重な意見を元にして学会の将来設計に反映させて行きたいと思います。今回は工学会全般に関する現状の取り組み内容,今後の抱負等を述べさせて頂きます。

  • 公益法人改革に向けての準備状況
    すでに広報委員長の堀江氏からこの欄で御紹介がありました通り,政府では公益法人改革を推進するための立法化が進んでいます。近い将来,新たな法律のもとで民間非営利法人として騒音制御工学会の存在が根拠付けられることになります。その際,非営利法人に要求されるのは,公益性の確保,自律性の向上,情報開示による透明性の向上,ガバナンスの強化です。平ったく言えば,規律正しく,公益性の高い事業を行いなさいということです。このような方針に対応するために,現在,運営のためのルールの整備を行っています。すなわち,実情にそぐわない規則をいくつか廃止すると共に,規律正しい運営をするための諸規則の新設を順次行っています。例えば公益性の高い法人である学会として,倫理に関する意思表示をするための「倫理綱領」,「ピアレビュー倫理綱領」の制定,工学会の運営組織の役割等を明確にする「組織および運営に関する規程」の改正,受託事業全般管理を定める「受託事業規程」の制定,事務局の運営に関する「事務処理規則」,「職員就業規則」,「会計規則」などの制定を行っています。まだ審議中のものもありますが,平成18年度が開始される頃には新たな法律に述べられる非営利法人としての要件をすべて満足出来るようになるよう鋭意努力を続けております。また,平成18年度より会計方式や財務諸表の作成方式が変わりますので,新たな税理士さんの指導のもとそれに対処すべく努力をしているところです。
  • 工学会の社会貢献について
    かねてより騒音制御工学会の社会的認知度が低いといわれていました。認知度を向上させるためには,社会貢献というものが必要です。また,公益性の確保,すなわち不特定多数の人々への利益を図る意味でも社会的貢献は必要です。好運なことに近年は環境省から数多くの委託調査を受けており,工学会として真剣に対処しています。特に最近は,将来の環境行政に対する意志決定のベースとなる科学的データの収集や検討をすることが増えており,この意味で学会としての社会的貢献が着実に行われていると考えています。
  • 国際化が図られているか?
    この5年間位にI-INCEやinternoiseではGlobal Noise Policyという考え方が盛んに議論されるようになりました。それは,「騒音を排出する機械や装置は一つの国で作られて,その国の中だけで使用されるのではなく,多くの国々で製作され,それらが輸出・輸入されて多くの国の騒音問題に結びついている。そうすると騒音を規制するには国境を超えて多国間の問題としてとらえなければならなくなる」ということです。既に一部の製造企業の方々は感じられていると思いますが,EU(欧州共同体)内に機械・装置を輸出するためには,一定の騒音基準以下でないとダメという規制がかかっています。これは裏返せばEUに貿易上の非関税障壁が発生していることにもなるのです。従って,今や騒音問題と言うのはローカルではなく世界的問題として考えなければならないということです。むろん,これは機械・装置だけの問題ではなく,環境騒音問題全体に対する取り組みに大きく関与することになります。 工学会が取り組むべき問題は,国内の騒音だけでなく国際的な騒音問題の取り組みということになります。しかし,現在,工学会内では国際的議論とはやや離れたローカル問題だけに集中しているように思われます。それはそれで意味のあることとしても,日本の産業の持続的発展を願うならば,工学会内にも国際情報の収集と分析,意見の提示を図る組織が必要であると考えています。特に,I-INCEの中の議論では,Global Noise Policyというものを策定するには,ヨーロッパ,アメリカ,日本の協力が必要であるとしていますので,海外における一層の協力が必要と思われます。
  • おわりに
    このコラムは工学会の将来を考える上で非常に役立っていると思います。まだまだ工学会にはやるべき仕事がたくさん残っていますが,ものごとは一朝一夕にはなし得ないので,徐々に良い方向に進みたいと考えている次第です。会員の皆様の御協力を今後とも宜しくお願いしたいと思います。

(小林理研 山本貢平)

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騒音制御工学会に期待する

騒音制御工学会に期待する

騒音制御工学会の設立経過については,本誌Vol.10 No.6 に紹介したが,米国においてINCE USA及びInternational INCEが発足したのは,Noise Control Act が米国議会で可決された直後の 1972年で,日本で最初にInter-Noise が開催され,騒音制御工学会が発足したのは,1967年に公害対策基本法が制定されて,騒音にかかる環境基準が設立された直後の1975年である。それ以来約四半世紀の間に騒音に関する研究も飛躍的に活発になるとともに,工学会における研究発表も年一回から二回に増加し,設立当初には予想もしなかったほどの成果があがっていることは,まことに大慶至極である。近年は毎年開催されるInter-Noise への参加者も諸外国に比べて格段に多いことは,会員諸氏,特に若い研究者の活躍によるところが大きい。最近の騒音問題については,毎回の Inter-Noiseにおいて,欧州統合にかかるEU 諸国の騒音規制についての新しい発表があり,米国,欧州,極東の三大地域において環境問題に対する取り組みが本格化していることを示している。その極東の中心的役割を担う日本騒音制御工学会の責任は極めて大きい。

工学会の設立当初,音響学会との違いは騒音対策に関連して,行政における取り組みにも重点をおくことになっていた。近年は騒音の研究者と行政における対策の担当者との交流も活発に行われて,効果的な成果があがりつつあるように思われる。これも音響学会の騒音振動研究委員会と工学会の運営が共通の方々によって総合的に計画されているからであろう。

今後は音響部門に限らず,騒音に関係のある機械,建築,土木や現代の音響研究には欠かせない情報,通信分野との交流によって,新しい発展を図ることが期待される。

文献

  • 五十嵐寿一 : 騒音制御工学会の生い立ち 騒音制御  Vol.10 No.6 (1986)

(小林理学研究所 五十嵐寿一)

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騒音環境改善のために学術 技術 行政の協調を

騒音環境改善のために学術 技術 行政の協調を

この学会は学術、技術、行政という三つの異なった分野の会員によって構成されており、これがこの学会の大きな特徴で、これは騒音という問題を通じて社会に貢献するためにとても大切なことだと思います。

学会という名の団体は学術研究が主体で、その成果を実用化するための技術は認めてもその地位は低く、さらに行政まで含めている学会は少ないのが現状です。

学会が学術団体だとすれば学術研究を尊重するのは当然かもしれませんが、騒音に関する限り如何に学術研究が進んでもそれを実用化する技術がなければどうにもなりません。その技術が進んでも行政がそれを取り上げてくれなければ問題は解決しないのです。

工業が発達し物流が盛んな現代国家で静かな環境を得るためには、学術、技術、行政が三位一体となって事を進めなければなりません。

たとえば道路交通騒音を例に考えてみましょう。我が国の自動車騒音の単体規制は世界で最も厳しい部類に属します。この規制に合格した車が道路幅に相応しい交通量で制限速度を守って走っても道路の周辺では交通騒音の環境基準を満たせない現実があります。

ドイツの高速道路(アウトバーン)ではその両側40m以内には人の住む家を建てるのを禁じていると聞いていますが土地の狭い我が国ではできない相談です。

となると窓の遮音を良くして室内を静かにするしか考えられません。できれば道路に近接した建物には人が住んで欲しくないのですが都市部では夜間人口が減るのを防ぐためにこうした建物にも住宅を作ることを奨励しているのです。

これは道路に限らず鉄道や航空機の騒音にも、また工場騒音にも言えることで、土地に余裕のある欧米諸国では考えられないわが国特有の問題です。

騒音環境を改善するために学術、技術、行政の担当者が対等の立場で互いに協力して事を進めなければなりません。この三者のどれが欠けてもいけないのであって、全体の総合評価はそれぞれの評価の足し算ではなく掛け算だと思います。どれか一つが0点なら他の二つが100点でも総合評価は0点です。

もう一つ大切なことは立場によって評価の基準が異なることです。学術の立場から見たある技術の評価と技術の立場から見たその技術の評価は同じではありません。このためややもすると自分の立場で相手を低く評価してしまうことにもなりかねません。会員相互の理解を深め互いに認めあうことが大切です。

(東大OB 石井 聖光)

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邯鄲の夢

邯鄲の夢

  1. はじめに
    騒音公害は典型7公害のうちでワースト・ワンであり、従前に較べて多少減少したとはいえ、状況は必ずしもよいとは言えない。
  2. 低周波騒音対策
    騒音対策の技術はかなり進んでいるものの未だ十分とは言い難い。 一方、自動車室内、オフィス内などでは空調器用のファンの、さらなる静音化が進んでいる。 他方、低周波音対策が研究され、工藤(東京農工大)などによるサイドブランチ形サイレンサやリアクティブ形サイレンサなどがその例である。 低周波音の音源対策として、たとえばファン自体で35dBもの低周波音が低減し、実用に供していることが筆者らによって報告されている。
  3. 学際的研究
    以上のハードの研究も大切であるが、これらに対しては学際的立場で研究を行うのも一法と考える。幅広い分野の研究者、技術者の知恵を結集して、ことにあたれば、その進展はかなりのものになろう。
  4. 感性を考える
    以上の立場とは違って、音環境の技術はそこに生活し作業する人々にとって、静けさと安らぎを与えることになろう。しかし、何か欠如を感じる。それは何であろうか、私は感性への配慮の欠闕であると思う。 感性は定量的にあらわすことは難しい。一つの方法として、音質評価があると思う。音質評価については桑野(大阪大学)、橋本(成蹊大学)らの研究がある。 感性と音質評価の方法は一対一の関係とは言い難いというものの、有効な手段であることは否定できない。
  5. 結び

以上、いくつかの問題を抽出したが、各分野の研究者、技術者の研鑽を望むとともに邯鄲の夢におわらないことを望む。

参考文献

  • 1)工藤信之, ポンプ(静音設計と騒音防止・利用技術), pp.292-298, (1993)
  • 2)桑野園子ほか,カテゴリ連続判断法による音質評価, 日本音響学会誌, 38, pp.199-210, (1982)
  • 3)橋本竹夫ほか, 定常音の上にAM音を付加した時の音質評価について, 日本音響学会騒音研究会資料, N88-07-01, pp.1-10, (1988)
  • 4)鈴木昭次, 超低周波音の発生と対策, 日本機械学会誌, pp.86-91, 日本機械学会, (1983)

(元法政大学工学部機械工学科 鈴木 昭次)

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名神高速道路建設の頃の思い出

名神高速道路建設の頃の思い出

わが国最初の高速道路は名神高速道路であるが、それまでの日本の道路は自動車が通行するには全く適していなかった。以下は昭和30年代前半頃の話である。高速道路を建設すると周辺地域にどれ程の騒音を及ぼすのか全く分っていなかった。そこで日本道路公団により当時筆者が在籍していた大阪大学産業科学研究所音響部、北村音一先生(故人)に騒音予測の研究依頼があった。まずは実験車としてワゴン型乗用車と4tトラック各1台を用意し、大阪と奈良を結ぶ通称「阪奈道路」で走行実験を行った。数人の警察官をお願いして5分間づつ約200mにわたって交通を遮断して実験車を走らせた。路肩にポ-ルを立て、防風ガ-ゼを張った金網篭にマイクロホンを入れて種々な高さで吊し、騒音レベルを測定した。道路建設の担当の方はとても張り切っておられて「高速道路での制限速度は100km/hとし、それ以下で走る車はスピ-ド違反として厳しく取り締まる!」という威勢の良いお話であった。

実験の結果、周辺の住民が通常の生活ができる程に騒音を抑えるにはどの位の高さの塀が必要かを更に研究する事となり、大阪市内と郊外で様々な高さの塀について測定したところ、高さ5m程の塀が必要であることが分かった。当時はまだ前川チャ-ト(現・神戸大学名誉教授、前川純一先生のご研究による、塀による減音量の計算グラフ)が無かったので、実際に5mの塀で実験する事となり、各所を探したところ唯一大阪刑務所にあることが分かり、お願いして実験をさせて頂く事となった。北村先生と私は刑務官さんの立合いのもと、服役者ではないという腕章をつけて入り、塀の外にスピ-カを置いて測定を行った。予想通りの結果が得られたが、実際に高さ5mの塀は高過ぎて運転者と近傍の住民に圧迫感を与えかねないと思われた。その後防音塀を低くする研究が行われ、例えば先端を少し内側に曲げた「しのび返し型」、また九州大学大学院芸術工学研究院藤原恭司教授が研究を進めてこられた、吸音性筒状物体が先端に設置されたタイプの塀、または先端を複数に分岐させた「トナカイ型」、そしてもっと効果的な「半地下構造」にする等、多くの工夫がなされた。

何れにしても現在の高速道路網に比べ、名神高速道路しか無かった時代を思うと昔日の感がある。このことは道路網の拡大につれて発生交通量とそれに伴う騒音レベルの予測が益々重要になってくることを意味するであろう。

(九州芸術工科大学名誉教授 音環境システム研究所 佐々木 實)

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次の世代に期待する

次の世代に期待する

このコラムで若い方々の考えをいろいろと読ませていただいた。それぞれの立場の方々が、次のステップへの進展を考えておられるのを見て、この半世紀における騒音振動問題がいかに変遷してきたか、またその中で自分が何をしてきたかを考えさせられます。

私が騒音に関係してから工学会の創立までの25年と、創立当時から現在までの30年の間に環境における騒音振動問題は、技術の進歩と社会の進展に伴って大きく変化をしながら現在にきているなと感じているところです。昭和20年代の私は、騒音などという得体が知れないものが研究の対象になるのだろうかというような疑問を持ちながらの取り組みでした。都市騒音の主体が自動車のクラクションと街頭放送と米軍基地の航空機騒音だった時代です。気が付いてみたら、工場事業場の騒音や建設工事の騒音とあわせて交通機関の騒音が大きな問題となって、いわゆる公害という観点から取り上げられてきた騒音を仕事とする人達の中に入っていました。多くの現場を見て研究の火種が一杯という時代だったのを思い出します。

行政が真剣に公害問題を取り上げてきたときの学識経験者の端くれに入れてもらって、行政というものの重要性にもタッチすることが出来ました。これが日本騒音制御工学会の設立に重要な三本柱として、学術、技術、行政の共同体が出来た大本になっています。若い方々はそれぞれの時代の変化の中での騒音振動問題に取り組んでおられるので、時代にマッチした問題の把握をしていることと思いますが、普段考えていることを述べてみます。

  • 騒音振動では現場の計測が基本ではないかということ。現場を知らずにバーチャルの世界での知識だけでは実生活での騒音振動問題は解決しない。
  • 今のコンピューターを基本とする技術の進歩は、これで何でも出来てしまうという奢りにつながってしまうのではないかとの危惧。
  • 国際的な基準の発信源となってほしいけれども、基準の中にも幅をつくり、国情で選択できる自由がほしい。
  • 問題に取り組むときに、突き進むばかりでなく、振返って全体像を眺める余裕がほしい。

などです。時々、なんで20世紀はあんなに急いで重厚長大の箱物に拘ったのだろう、もっとゆっくりだったら公害問題なども起こらなかったのではないかと感じることもありました。しかしこれを言ったら技術屋の負けかなと口をつぐんでしまうのですが。これからも技術屋の実績を役立たせるためにも、行政との協力が中心になってほしいと思うのです。

(小林理学研究所 時田保夫)

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騒音問題について啓蒙活動

騒音問題について啓蒙活動

本誌Vol.28 No.1の会員コラムで、五十嵐寿一先生から日本騒音制御工学会の成り立ちについて、石井聖光先生から本学会が学術、技術、行政の三者が協力して騒音問題の解決にむけて活動している特色ある学会であることが紹介された。成立時からの伝統を踏まえ、学術、技術、行政の三者の活発な連携体制はユニークで素晴らしい。これを実感したのが本学会の研究部会および外部委託も含む種々の委員会活動で、ここではまさに学術、技術、行政の三者の間で忌憚のない意見と情報の交換が行われ、学ぶことが多く、私自身、大いに充実感を味わうことができた。

学会誌「騒音制御」は論文、技術報告の他に解説や特定テーマについての特集号など、異なる分野からの騒音制御に迫る新しい情報を得ることができるのが有り難い。この分野の取り上げ方は視野が広く、たとえばVol.27 No.2のように「福祉・医療・教育における音の活用」やVol.28 No.1の「音響に関する国際規格の最新情報」のように騒音に限定せずひろく音一般の重要なテーマについて丁寧な紹介がなされている。

本学会に期待することは、現在のアクティビティの高さを維持しつつ一般会員および社会に対する啓蒙活動のさらなる推進である。先に述べたように本学会では研究部会に属する種々の分科会および騒音評価手法や高速鉄道騒音の評価など種々の委員会が設けられ、活発な活動を行っている。研究部会の活動は学会誌にその概要が掲載され、委員会の成果は報告書にまとめられるが、進行途中の研究もありその総てが公表されるわけではない。春か秋の研究発表会の折りにでも分科会活動全体をPRする機会や、あるいは特定分科会の企画で一般市民も対象に公開講演会などの機会を設けることなど考えられる。騒音のような環境問題の場合、その解決に向けて一般市民の意識が大いに関与すると考えられるからである。

(大阪大学名誉教授 難波精一郎)

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本学会に於ける行政分科会の役割

本学会に於ける行政分科会の役割

最近の騒音・振動行政をみますと,極めて厳しい環境に直面しています。騒音に限ってみても,関係法令の制定時からみると発生源及びその形態が多種多様化し,測定・評価も大きく改訂されましたが,住民の騒音に対する意識の変革によりその受け取り方(苦情)も大きく変わりました。その対応にも,例えば単に騒音計による騒音レベルのみではなくスペクトル,継続時間,時間帯等の要因が絡み、苦慮することが多くなっています。加えて,市町村を指導する立場の都道府県においては研究機関等の騒音振動部署の統廃合,法の規制業務を行っている地方自治体においては騒音振動の組織体制の縮小,財源難による測定・調査体制の不整備,担当者の短期間の定期移動による経験・情報量の不足等により,必ずしも十分な行政対応が出来ない状態となっています。

さらに,行政改革の煽りで市町村合併により新たに関連法令の業務を施行しなければならない地方自治体の誕生もあります。このような現状を踏まえて本工学会,取り分け行政分科会の方向性,使命,役割はなにか。本工学会は学界,業界,行政が三位一体となった組織であり,それぞれの立場を尊重せねばなりません。 しかし,現実は三者がバランス良く保たれているとは思えません。行政側からみると,精一杯の努力をしている割に,技術力が伴わないためか,説得力に乏しいためか,会員数が少ないためか,本工学会における行政の立場は弱いように思われます。本来は,行政は住民の苦情対応,その時の騒音レベル等の実態,対策後の評価等々の現場を熟知した,生きた情報を持ち合わせて本工学会で活動すべきでしょう。

私は現在幸いに(?)大学,行政,企業で環境問題に関わっていますが,こと騒音に限っても,アセスメント,大店立地法等における実測値の曖昧さと不足,企業の環境管理における測定体制の不整備或いは各自治体の実態報告の少なさ等が目につきます。

環境問題のメディアにおいて,読者に対し現場のペンによる記事よりも写真の方がより真実性或いは感動を与えるとして重んじられるように,騒音等においても現場の実測データがより重視されるべきでしょう。そのために,行政分科会が率先して-現場を重んじた実測-の行動を起こすことが必要ではないでしょうか。当然,本工学会はその支援を積極的に行うとともに,地方の騒音振動対策の実態にも目を向け,加えて昨年度の本コラム等に提案された若い人々の意見を尊重する組織体制の確立が急務であると思います。

(前神戸市環境局・環境カウンセラー 瀬林 伝)

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わが工学会の展望と課題

わが工学会の展望と課題

INCE/USA の要請でInter-noise75が仙台で開かれ、その翌年わが工学会が結成されてから30年に近い。 

隔月に発行される学会誌や技術(部会)レポートの充実ぶりは、春秋の研究発表会の活況と共に目覚しいものがある。にも拘らず音は何故マイナーか?。

1984年5月の総会で制定された工学会認定技士資格制度は,当時の石井会長の下,副会長の中野氏と私が2年掛けて原案を作成したもの。騒音公害対策の社会的ニーズが高まったのに,その責任を負うべき音響技術者の社会的地位が認められず,環境計量士制度の国家試験にも化学分析の技術を要求され,音響屋の所在が無いかのような状況であった。何とかして我々の存在を社会に認知して貰う必要があったのである。

その目標達成はいつか?。長引く不況の中,実力重視の傾向と共に資格ブームとさえ言われ、その種類は1000とも2000とも言われる。社会に貢献する個人の能力を証明するもの故,国家資格が最高である。国が直接試験をせず只認定することによっても公的資格として認められ,高い信用や評価を得ているものがある。文部省認定の実用英語検定や簿記能力検定,通産省認定のインテリア・コーディネータ等がそれ。わが工学会認定技士を環境省が認定しないのは何故か?、その理由を明確に把握する必要がある。そしてその障害を克服して国家資格を勝ち取るには、担当理事を決め、いろんな立場から考えて環境省を攻略するのに、会長が先頭に立って全力を揚げて取り組んで欲しい。

さらに関連する問題は、道路交通騒音予測式、大店立地法、品確法・住宅性能表示等、音響技術者の活躍が当然期待されるべき場であるのに、それらのマニュアルが出来、ソフトまで売り出される事になると、其の作成に尽力した音響専門家が一転して排除される場になる。この現実を許して良いのだろうか?。何かが狂っている。何かが間違っている。社会構造に問題がある、と言って座視できない問題ではないか。

参考に先進諸外国はどうなっているのだろうか?。

先ず、自らの能力を高めinter-noiseに発表する件数を増やすための研鑚をするのは当然だが、音の重要さの社会的アッピールを、政府・民間に対して工夫を凝らして、強力に推進すべきではなかろうか。

最後にお願いしたいこと。日本騒音制御工学会・1976年・創立以来の足跡、30年の歴史資料を編纂し後世に遺して頂きたい。世代交代の時期なのだから。

(神戸大学名誉教授、環境音響研究所、前川純一)

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半世紀

半世紀

1951年,鹿島建設技術研究所に入り半世紀に及ぶ技術研究者としての生活が始まった。企業に属した故もあって,筆者は,工学技術はその時代か近未来において実用され,社会に貢献すべきものと常に考えてきた。その後四半世紀を経た1976年,騒音制御工学会設立に参画できたことはその意味でも本当に幸いで,それからの研究生活の基盤となった。

工学会は,騒音公害問題への対応を軸に,法令の整備,技術の向上と専門家の権威の確立及び組織化,良い生活環境に関わる市民の知識や理解を進めることなどに大きく貢献しつつ成長を遂げてきた。設立後四半世紀を経て,環境分野は,健康安全と不快解消のための公害対策から一歩進んで,生活の中の心理や感性といったアメニテイ,快適な空間の創出まで範囲が広がってきている。

現在の騒音問題は,1つが鉄道,空港,高速道路,大規模市街地開発といった国,自治体レベルの巨大広域プロジェクト,もう1つが住宅内外や施設周辺など市民生活近傍の個別の問題を対象にケースバイケースの対応が求められる仕事というように,はっきり2極化してきたように思われる。前者に関しては,唯一の専門工学会としてもっと積極的に関与し,発言の機会を求めなければならない。後者に関しては,個人的レベルで生ずる多様な対応事例を収集して肌理細かく分類・分析を行い,データベースに整備してコンサルタント,アドヴァイザ業務の処理能力をレベルアップし,一般化することが必要になろう。

重要な変化に少子高齢化があり,今後半世紀は身体機能が衰えた高齢者の比率が高い社会が続く。補聴器を着用して初めて,騒音を含めて質量共に情報損失がいかに大きかったかに気付く。苦情への共感や評価が鈍っていたのではないか,自分自身の反省である。住居地区では解体工事,自動車よりむしろ単車,生活動脈の補修,商店街の宣伝,空調室外機,水洗など居住環境にこれほど喧しく煩わしい騒音があるとは,専門家としての問題意識が問われよう。

最後に認定技師について,環境省によるオーソライズは急務として,折角国際組織を持つ騒音制御工学会であるからにはAPECエンジニア*への道を是非検討していただきたい。将来は技術を保証する保険制度の確立も視野に入れるべきであろう。

  • * APEC Engineer:現在日本ではCivil(技術士),Structural(1級建築士)のみ。
    他にEnvironmental, Mechanicalなど合計11分野がある。加盟国は,韓,米,加,豪,マレーシア,インドネシアなど10カ国。
    情報は,http://www.engineer.or.jp/apec/whatis.html

(長友宗重)

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騒音制御工学会誌に期待すること

騒音制御工学会誌に期待すること

工学会誌「騒音制御」は、1977年の創刊以来隔月刊で発行されています。騒音制御工学会は会員の構成が広い範囲にわたっていることが特徴であるために、通常の多くの学会誌と比較すると論文・解説をはじめとして毎号が手元に届くたびに実際に読む部分が多く、しかも年を追って充実した内容になっています。

現在工学会の会員数は世界中の騒音制御関連の学協会のなかでトップクラスであり、毎年開催されているインターノイズでの発表件数は主催国に次いで2番目になるのが通例になっています。ただこうしたインターノイズでの発表はすべて英文で書かれていますので、発行された論文集やCD ROMを工学会の会員が直接に目を通す機会が多くないのが残念なことです。

これについての一つの提案ですが、少なくとも日本からの発表論文のアブストラクト(日本文)を「騒音制御」に掲載することができれば、会員にとって役に立つことが多いと考えられます。発表者には余分な負担をかけることであり、また会誌のページ数の増加も避けられないことになる訳で、簡単に実現することはできない問題ではあることになりますが、学会誌のより一層の充実に貢献することになると判断されます。さらにこうした欄を設けることは、会員の活動範囲を拡大することにも寄与することになります。

学会誌をこうした方向で充実させることは、会員数の増加にも大きな役割をするわけで、今後の工学会の発展に対しても重要な問題になると判断されます。さらにこれは今後益々重要性の増加が期待されます国際貢献という面からみても無視することができなくなるに違いないと思われます。

国際貢献という面での騒音制御の分野については、日本からの研究内容は世界中から注目されており、特に道路、鉄道、航空機など環境騒音の問題や騒音評価の基本的な取り扱いに関連した問題については、海外でも参考にされることが多いので、その状況を把握しておくことは、われわれの研究を発展させるためにも寄与するものになると考えられます。

また日本からの発表が比較的少ない研究分野について、今後の日本からの貢献を考える上でも、参考にしたいものになることが期待されます。

(千葉工業大学 子安 勝)

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工学会に対して思うこと

工学会に対して思うこと

11月某日にこの原稿の執筆依頼を受け,軽くお引き受けしたものの,後になって,はたと困ってしまいました。「会員の方々に啓発するような,かつ工学会がより活性化するような」意見を述べよ,という命題は,研究発表会で2回しか発表したことのない私にはとても敷居が高い。ですので,まず研究発表会に対して感じていることを書かせて頂きたいと思います。

私は,騒音制御工学会の他に音響学会と建築学会の二つの学会に所属しています。このどちらの学会も,規模が大きいためか,発表会の原稿は2ページです。ところが,制御工学会は4ページも書くことができます。これを埋めるには,大変な苦労を要します。「下手な内容では書けないぞ」となります。そのために追実験をしたり,追計算をしたりと,研究を進める良い推進力になりました。発表会当日も,持ち時間が20分程度と十分にあり,準備も大変だけれどとても充実していたことを思い出します。このように,一つ一つの研究発表に紙面と発表時間を十分に割くことができるのは,規模の小さい学会ならではのことと思いますが,今後決してやめてはならないと思うことの一つです。

ところで,私は大学に籍を置いて研究に従事しています。大学にいますと,「最新の研究・技術」といわれるものに触れることができます。しかし,実際の現場で何が問題となっているのか,といったことには疎くなりがちで,ややもすれば周囲の状況を見ずに研究が趣味的になってしまう恐れがあります。その一方,現場だけに固執していると,常に対応が場当たり的になり,体系的にものごとを進められなくなるでしょう。この二つのバランスを常に保っておくことがとても重要だと思います。自分にとって面白いものを追求しながらそれを実際に応用できる場面を常に意識する,そんなスタンスが取れれば,と常々思っています。その意味で,工学会には現場のニーズを常に発信し続けることを期待していますし,私としてはそれを自分の研究活動に取り入れるよう,うまく利用したいと考えています。

「実地と研究を繋ぐ学会・学会誌」という意味で,もうひとつお願いしてもよろしいでしょうか。実地で必ず意識されるものに,法令や基準があります。それらには,定量的な規制値や基準値が示され,解説記事等にも網羅的に紹介されていますが,それらの値はどのような知見を基にして定められたものなのでしょうか。そのようなバックボーンが一つ一つ解説されたら,盲目的になるだけでなく理解がより深まるのではないかと考えています。

(東京大学・生産技術研究所 坂本慎一)

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21世紀になって思うこと

21世紀になって思うこと

本工学会の会員平均年齢は50歳を上回ったそうだ。言うまでもなく若手の会員数がのびないことが原因だが,このままの状況が続けば騒音問題・振動問題を真剣に考える技術者が不足してくるのは目に見えている。騒音・振動問題の分野はそんなに魅力がないのだろうか。そのように見えるのは,活躍している技術者の姿が見えない,あるいはアピールできていないからではないだろうか。

私は騒音・振動のコンサルタントを生業にしている。仕事を通じて思うのは,まじめに取り組んでいる技術者が正しく評価される機会が少ないことである。担当技術者として問題解決の前面に出てこない,あるいは出ることができないで裏方に徹していることが非常に多い。また,コンサルティング業務は社会一般に行われている見積り入札のような金額のみで評価する制度にはなじまない。まずは解決すべき問題を正確に認識し,技術が評価の対象となるべきである。社会が大きく変化しようとしている時期である。これに乗じて技術が正しく評価される社会制度ができ上がることを望んでいる。

本工学会でも認定技士制度を通じた活動により,専門的な学術・技術の普及が図られており,今後認定技士の重要性も増していくことであろう。しかし,技術が普及するためには会員各々がそれぞれの立場で活躍しアピールしなければならない。幸いにも本工学会は,学識経験者,行政,民間企業などの幅広い分野の方が会員である。これは本工学会の強みでもある。お互いに情報交換し活躍の場を提供し合い,盛り上げていきたいと思っている。

次に若手研究者の方にひとこと。最近,研究発表会への若い方の参加が少なくなってきているように思う。研究発表会は成果の発表の場であるとともに,印刷物には載らないような失敗談・苦労話・生の声が直接聞ける場でもある。私が約20年前にはじめて研究発表会で発表したときには非常に緊張したことを覚えている。しかし継続して参加することにより,たくさんの方と知り合いになれた。そしてたくさんの知識・情報を頂いた。確かに「騒音制御」や「研究発表会講演論文集」の印刷物には最新の情報や技術が掲載されており貴重な情報源である。しかし技術を実用あるいは応用しようとすれば,やはり直接本人に教えを請うのが手っ取り早い。また諸先輩方は,自分が育ててきた技術を次世代に受け継いでほしいはずだ。21世紀の音環境を担う若き研究者の皆さんには,研究発表会に参加し,直に諸先輩方と話をしてほしい。]

((株)ニューズ環境設計 福島昭則)

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未来の騒音環境は?

未来の騒音環境は?

当学会の会員になって15年あまり,その間,「街は,住環境は,静かになってきたのだろうか。」と考えることがあります。私が所属する研究所は,武蔵野の面影そのもののなかにあり,住まいも同様の環境にあるゆえ,実のところ騒音を切実な問題として捉える機会は,皆無に等しいほどです。それゆえに,たまに訪ねる都会の騒音が「耐え難い」と感じることが多々あります。とても「以前より,静かになった」といえる状況ではないと考えているのは私だけでしょうか。

我々の周辺にある代表的な騒音源に関して,近年の変化を振り返ると,建設機械のボディーに低騒音型と書かれたステッカーをよく見かけるようになり,民間航空機では最新の低騒音型機が普及段階にあり,自動車では,ハイブリッドシステムを採用した路線バスや乗用車が街を走るようになり,電気自動車や燃料電池車が一部で実用化されていることなどにより,低騒音化技術が進んでいることは事実であるといえるでしょう。鉄道では,2005年に浮上式車両が実用化される模様で,「公害問題を解消した画期的な交通システム」と謳われています。もっと身近な例では,オフィスや住宅において内部の音,外部からの音に対して配慮されていることを売りのひとつにしているものも増えてきており,OA機器や家庭電化製品においても作動音が小さいことが商品の性能として語られるようになってきています。低騒音化は,重要な先端技術といっても過言ではないかもしれません。なかには,大気汚染などに配慮した結果,音に対しても有利に働いている副次的な意味合いのものもありますが,経済活動が活発になるにつれて騒音問題が放置できなくなり,それを解決するためのコストを社会全体で 負担しようとする機運が高まったことで,さまざまな技術開発が進んだことはいうまでもありません。

その一翼を当学会が担ってきたことは事実であると考えます。先に挙げた新技術の燃料電池車や浮上式鉄道などが従来のものに取って代わることで,騒音問題が解消されるには多大な費用と時間が必要でしょう。しかし,これからも環境問題を解決することの重要性をアピールし,積極的な活動によって社会をリードしていく立場に当学会が立ち続けなければならないと考えます。

将来,「騒音」という言葉が死語になるときが来るのでしょうか。そのときの都市や交通機関はどのようなものになっているのでしょうか。現在およびこれからの騒音制御工学会の活動がそうした未来の実現に大きく貢献していくことを願ってやまない次第です。

(財団法人小林理学研究所 平尾善裕)

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失敗の経験知をアーカイブに!

失敗の経験知をアーカイブに!

現場における問題解決は,なにより現場での経験がものをいいます。問題が発生している現場の状況は,様々な条件のinputと,その結果であるoutputが多元的に絡み合っていますが,経験豊富なエンジニアは,過去の経験知がシナジー的に作用して,その系の中にいくつかの解を見出すことができます。 個人の頭に保存されている無意識に体系化された問題解決の知恵を検索し適用しているわけです。こうした暗黙知を形式化すること,言い換えれば他人が利用可能な知のデータにすることは大変な作業です。 自ずと若手エンジニアは,先人の知恵を擬似体験的にショートカットする機会に恵まれないまま,現場で学ぶアプローチを繰り返すことが求められます。 確かに,現場を経験することでしか獲得できない知恵もあるでしょう。しかし,騒音・振動の発生のしかたも多様化し,問題の質が複雑化する一方で,過去と同じアプローチでは,結果としてオーバーフローし,疲弊に繋がりはしないか心配です。 では,若手エンジニアに何か支援できるものがあるでしょうか。現場の状況をインプットすれば,いくつかの回答が得られる優れもののソフトウェアでしょうか。 それは,便利なツールには違いないでしょうが,重要なプロセスを省くことで,エンジニアとしての個人のスキルを向上する機会を失わせることになるでしょう。 問題解決の要諦は,原因と結果を繋ぐ系の分析力に尽きると思います。個人の能力向上の弊害にならずに,ベテランのシナジー戦法に対抗できる若手エンジニア支援システムがあるとすれば, 私は,失敗事例データベースではないかと思います。学会の研究発表会などでは,トラブルシューティング的な発表も多く,事例として有効に活用されているエンジニアもいることでしょう。 しかし,問題解決事例の情報は,前提となる条件が同一の場合など,むしろ特殊なケースです。逆に,その多くが公表されていない失敗事例は,成功を収めようとして,結果として失敗した実例ですので,そこにいくつかのヒントが得られるはずです。 1つの答えを知るより,いくつかの問いを持つことが有益なことがあるのではないでしょうか。

さて,本学会会員の高齢化が話題になっていますが,むしろ,今後多くの熟練エンジニアや研究者の知恵が,個人に埋もれたまま引退されることの損失に焦点をあてるべきではないでしょうか。 ベテランが,現場で活かしていた暗黙知を,形式化する道具・仕組みとして,失敗の経験知を蓄えるアーカイブを本学会が提供することにより,若手エンジニアが積極的に学会に関われる土壌を築くことが,望まれていると思います。

((株)小野測器 技術本部 石田康二)

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IT化が進んでも変わらないこと

IT化が進んでも変わらないこと

とある地方のスタジオ。30年前に建てられた現社屋を改築するプロジェクト。設計事務所から、「今の建物の竣工検査報告書と比べて・・・」という問い合わせに、古い資料を探すと、残響時間測定と空調騒音測定だけで丸一週間かけた報告書が出てきた。

実は、この前に、解体前の建物の確認測定をしていた。使用状況の制約もあり、急いで実施した測定の所要時間は20分程度だった。

技術は進歩し、測定すれば簡単に結果が出るようになった。計算機の進歩、IT化。情報はめくるめく瞬時に世界を飛び交うようになった。それに伴って我々の技術レベルも進歩しているはずだが、ともすると、結果が本質を捉えているかどうかさえ危うい場合もあるのではないか。さらには、存在するはずの新しい発見を見過ごしてはいないだろうか。

10年ほど前ならば、計算機処理も発展段階であり、データを分析するにも自分でプログラムを考えて組む場面も多かったが、ソフトウェアが充実してきた現在では、徐々にブラックボックスが増えてきている。今更全てを把握することは必要ないのだろうが、「どうして?」と振り返る余裕を心のどこかに持ちたいものだ。

時間といえば、工学会の研究発表会では、発表時間だけでなく議論の時間も他学会と比べても多いはず。しかし、質疑の時間の議論が本当に活発かと改めて問うてみると、必ずしもそうでもないような気がする。例えば質問者がOHPを持って壇上に登場するぐらいの白熱した議論があってもいいのかも知れない。議論を活発なものとするために、たとえば梗概集を希望者に事前配布するというのは如何でしょう。あるいは、事前に予稿をネットワーク上で閲覧できるようにするという方法もあるのでは。

話は変わるが、日頃から、議論の下地となる環境を提供するということも学会の重要な役割だと思う。最近、個人的には出席率が低下しており心苦しい限りなのだが、研究部会の遮音・床衝撃音・不思議音の3分科会が、活発に活動している。これらの分科会は、議論を交わす場として、メンバー相互の切磋琢磨のためにも非常に有効に機能している。他分野でも活発にこういった活動が展開されていくことを期待したい。惜しむらくは上記3分科会は、「いつもの」メンバーなわけで、ムラのようになっていると見られてしまうこと。しかし、こういった活発なムラが徐々に増えていくことこそが重要なのだろう。

(鹿島技術研究所・古賀貴士)

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気軽に情報交換のできる”場”づくりを

気軽に情報交換のできる”場”づくりを

私はここ数年、事業部会や編集委員会などの委員を仰せつかり、有意義に活動させていただいております。

事業部会においては、講習会や見学会等の企画をやらせていただきましたので、直接参加者の皆様からご意見や質問をいただくことができました。また企画内容によって、参加申込みに顕著な違いが現れるなど、会員の方々のニーズや要望を肌で感じることもできたように思います。

一方で編集委員としては、会誌を読まれた会員の方々の感想なりコメントといったものがなかなか聞こえてき難い状況にあると感じています。

考えてみれば、会員相互が自由に情報交換をしたり、ディスカッションしたりする場というのが当学会にはほとんどありません。年2回の研究発表会でも、特に若い研究者の方や、騒音制御の実務に日々携わっておられるエンジニア、あるいは様々なきっかけから音環境に関する業務に携わることになった方、学生さんなどが、発表の際の質問以外の場面で意見交換できる場面が見当たらないと思うのです。また現在のような不況の世の中では、会員であってもなかなか業務時間中に研究発表会等に参加できない方もいらっしゃるかと思います。

こういったことを考え合わせると、メーリングリストのようなものを立ち上げて、普段着で情報交換できるような場をつくってはどうかと思うのです。ふと仕事の手を止めたひととき、気軽に書き込むことができ、書いている人の雰囲気や心情が垣間見られるような、そんな場所が、バーチャルでもいいのであったらいいなと感じています。

(千代田化工建設(株)中村ひさお)

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日本の鉄道の低騒音技術は世界一?

日本の鉄道の低騒音技術は世界一?

騒音の環境基準と聞いて、たいがいの方は道路交通騒音を連想し、鉄道騒音を思い浮かべる方は、恐らく少数だと思う。私はこの研究所に来て15年以上にわたり鉄道騒音の研究に携わり、鉄道騒音について日頃感じていることを述べさせて戴こうと思う。

新幹線鉄道では、四半世紀以上前の昭和50年に新幹線鉄道騒音に係る環境基準が告示された。環境基準は、線路区分ごとに達成目標期間等が設定されたが、達成状況が芳しくなかったので、地域を限定し当面の対策により75dB以下とするいわゆる「75ホン対策」が進められている。この環境基準を遵守するために、25年以上にわたり、低騒音車両の開発、防音壁の設置や嵩上げ、新しい形状の防音壁の開発、レールや車輪の研磨などありとあらゆる騒音対策が行われてきた。その結果として現在では、日本の新幹線は世界で一番静かな高速鉄道になったと思う。例えば、いま中国の上海の空港アクセスとして導入された常電導磁気浮上式鉄道のTransrapidは低騒音を売り物にしているが、このTransrapidの時速300kmでの騒音値は、84dB(A)(線路中心から25m離れた地点)である。日本の新幹線が時速300kmで75dB(A)以下であることは、いかに低騒音であることか分かって戴けると思う。これは、主にJR各社、鉄道建設公団、(財)鉄道総合技術研究所を中心として関連する各社が、新幹線の騒音対策のために知恵を出し合い研究開発を行ってきた成果の賜であることは言うまでもない。

新幹線の75ホン対策は順次進められ、現在は平成14年度末を目途とした第3次対策が終えたところである。平成12年度に沿線の地方公共団体が測定した結果では、22都府県の321地点のうち132地点(軌道中心から25m離れた位置)で環境基準を達成している状況で、その達成率から言うと、芳しくないのが実情のようである。環境基準は100%達成されるのが理想であろう。しかし現実には、環境対策と利便性の相反するものを両立する必要があり、資金的にも国民の合意が得られる線には限界があるものと思われる。この環境基準達成率の低さが報じられるので、日本の新幹線はうるさいのではないかと感じている方が多いように思う。

現在、鉄道の分野では、新幹線の騒音対策技術は、順次、在来鉄道にも活かされつつあり、新たに導入される新型の車両には新幹線車両で培われた多くの低騒音技術が使われ、さらに静かな鉄道を目指して研究開発が行われている。世界に誇れる日本の鉄道の低騒音技術である。このことを騒音制御に携わる他の分野の方々にも知って戴きたいと願う次第である。

(独立行政法人 交通安全環境研究所 緒方 正剛)

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行政から工学会に対する期待

行政から工学会に対する期待

昨今,生活空間における良好な音環境を確保することが,快適な居住環境を形成する上での重要な要件となってきております。例えば,「大規模小売店舗から発生する騒音予測の手引き」では,生活環境の中で配慮すべき事項として騒音が認知されていますし,「騒音に係る環境基準」においても居住環境における騒音の暴露量を評価することになっております。

このように,生活の場における音環境の良し悪しが重要視されてきている近年,以前と比べて,多種多様の騒音問題が顕在化してきております。例えば,低周波音,複合的な騒音,法令等の規制対象外となる騒音等,今までは潜在的であった問題が表面化しつつあります。これらは,法的整備や騒音影響に関する科学的知見が十分でないために,住民が受けている被害を客観的に判断することが難しいものとなっております。行政としても,問題解決の拠り所がないわけですから,対処に苦慮しているのが現状です。

これらの問題に対処する法令等は,時代のニーズから将来的には整備されることは間違いないでしょう。しかしながら,国レベルでの話になるとかなりの時間がかかると思います。まして,地方自治体レベルでは,厳しい財政状況や専門職員の減少により,多くの場合,新たな施策を展開することは厳しいと思います。

そこで,他学会と比べて行政との関連が深い本工学会が騒音行政を先導する形で,情報を積極的に発信することはできないでしょうか。現在までにも,研究部会の下14の分科会が活動しておりますが,行政への働きかけはまだまだ十分なものではないと思います。裾野を広げ,騒音行政に携わる多くの方々から,疑問点,問題点,関心事等の声を積極的に収集することにより,工学会が取り組むべき課題を見つけることができるでしょう。なぜならば,これらの中には騒音問題の主体である住民の意見が含まれているからです。残念ながら,現在ではこのような声を聴く場が設けられておりませんので,率直な情報交換を行えるシステムを構築することが先決になると思います。あるいは,IT化時代のご時世ですので,工学会のホームページを利用することもできるかと思います。

現在までの懸案事項の解決や新たな問題への迅速な対応を目指し,工学会から騒音に関する情報を発信することは,住民の健康で文化的な生活を確保することにつながるはずです。そして,このことこそ工学会が果たすべき重要な使命の一つだと思います。

(神奈川県環境科学センター 横島潤紀)

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地方都市に地下鉄はない-地方における音の啓発事業の現状-

地方都市に地下鉄はない-地方における音の啓発事業の現状-

飛行機のエンジン(120dB)、車のクラクション(110dB)、電車のガード下(100dB)、うるさい工場の中(90dB)、地下鉄の車内(80dB)、電話のベル(70dB)、ふつうの会話(60dB)、しずかな教室(50dB)、図書館(40dB)、ささやき声(30dB)。

この音のリストは、福島市が数年前に小学生向けに作成した環境副読本に掲載された、「音の大きさ」を解説する図に挙げられたものである。一見すると、何の変哲もないリストに見えるが、福島市在住の小学生に配るという点を考慮すると、問題点が浮き上がってくる。リスト上の大きな音の多くが、福島では聞けない、または、聞くことが困難な音なのだ。 ─ 福島市から最寄りの飛行場までは車で1時間強かかり、1日の発着便数は両手の指で十分数えられる。電車は新幹線を除き地上を走っており、地下鉄なんか存在しない。工場もあるにはあるが、小学生にとってそんなに身近な存在ではなかろう。今時電話のベルというのも、とても珍しいのではないか。

かといって、福島に大音量を発生する音源が存在しないわけではない。例えば、秋には鳥追いのための爆音器の音が聞えてくる。学校の運動会(とその練習)の放送もかなりの音量である。また、最近、夜は暴走族が頑張っているようである。

子どもたちに音についての理解を深めてもらうには、実際に聞いたことがない音の大きさを紹介するよりは、彼ら自身にとって身近な音の大きさを紹介するほうが、遥かに効果的であろう。おそらく、副読本を作成した担当者も、そうは思っていたに違いない。しかしながら、スタッフに騒音の専門家がいるわけではない地方都市の役所においては、担当者にとって入手可能な資料をかき集めて、それらを参考に作成するしかないのが実情であり、その結果が冒頭のリストとなったのである。これは、福島市だけの問題ではない。

このような現状を踏まえて一つ提案がある。学会として、学校や役所等が子ども向けや一般市民向けの騒音についての啓発資料を作成する際に自由に使える資料集を作成し、学会ホームページを利用して広めることはできないだろうか。利用者からの声を基に、改訂を繰り返していけば、数年後には、素晴らしい資料集ができあがると同時に、学会と地方都市の役所との間に深いつながりができあがっていることであろう。

(福島大学 永幡幸司)

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工学会の役割について

工学会の役割について

少々乱暴な私見も交えて、音環境に対する私の想いと工学会の役割について述べさせて頂きます。

豊かになったいまの日本では次々と強い刺激を求めて、それらを簡単に手に入れることができるようになりました。そのため人々は総じて鈍感になってしまったのか、街なかには無神経な音があふれています。人々はそのような状況が気にならない、あるいは、気にしても仕方がないとあきらめているのでしょうか。また、そのような音を発生させることにもためらいがなくなっているような気がします。音に対する意識が低い世界では、人に対する関心も低くコミュニケーションが稀薄になるのではないかと考えます。これは今の日本の状況に通ずるものではないでしょうか。

昔の人のように自然の音を楽しみ、生活の中に音を取り入れて一服の清涼剤としたような暮らしに戻ることはできないかもしれません。しかし、何かに追われるような生活から、今で言う”スローライフ”に戻ることで、音環境に対する意識も変わるかもしれません。

しかし今より不便になったり、個人が損をするようなことはなかなか進まないでしょう。そこで音を制御する技術の出番だと考えます。微弱なエネルギーの音波を制御することで、あるいはそれを利用することで、世の中が変化するなんて愉快ではありませんか。ストレスの少ないスローライフの鍵を握るのは音、騒音制御かもしれない。騒音を制御しているうちに、いつの間にか人々が心豊かに暮らせるような世界になっている。そこまでは望み過ぎとしても、生活の中で再び音に注目が集まることを願っています。

最近の本工学会は、会員数が伸び悩み、平均年齢も高まっているようですが、これは、騒音に対するイメージが過去のもの、公害に関する技術と捉えられて関心が低下していることにも原因があるかもしれません。私の場合、騒音制御に関する業務に従事し続けているのも、目に見えないものを捉えて消すおもしろさ、不思議さに惹かれているためだと思います。

そのような騒音制御に関する楽しみや捉え方を広め、興味を喚起し続けることも本工学会の大切な役割ではないでしょうか。また、先述のような新しい世界を創造するのに役立つ技術、夢のある技術として騒音制御技術を捉え、そのような世界へ導くことも本工学会の役割だと考えたら楽しいですし、新しい方向に向かって発展できるかもしれません。

((株)荏原製作所 音環境部 松田道昭)

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騒音制御工学会に思うこと

騒音制御工学会に思うこと

本会について思うことと題しましたが、私自身と本会の関わりをふり返り、わたしの勝手な期待を書いてみようと思います。

さて、私は、日本騒音制御工学会に入会したのは20代前半だったと思います。かれこれ20年が経ちました。その間、本会から自分と関わりある音響分野について数多くの情報をもたらして頂いたと思います。当時は、これら専門に関する情報公開の場は非常に限られていたため、本会から提供される調査・解析データや新工法・新技術の情報は、私のような実務担当者に大変役立つものばかりでした。わたしは、情報収集の場として大いに活用させてもらいました。その後は、私自身も本会の研究発表会や論文投稿の機会も得るようになり、情報を受信する側だけでなく、発信側として活用させていただくようになりました。

現在、本会の研究発表会も年2回となり、ますます情報発信としての役割が大きくなったと思います。  会員の構成比はわかりませんが、この機会に若手技術者の発表会への参加も企業側として積極的に勧めていきたいと思います。近年、社会的に「透明性」,「説明性」などが叫ばれる中、私たち実務担当者としても、単に一企業の提案にとどまるのではなく、公表された技術・工法を積極的に採用すること、または自らの技術を公表することにより妥当性、信頼性を高められること等欠かせない状況であると考えています。

以上を踏まえ、今後4つの観点で本会との関わりをもって行きたいと思います。

  1. 新技術等の情報収集
  2. 研究発表会などを通じた若手技術者の教育
  3. 信頼度の高い文献データの確保
  4. 妥当性のある測定方法・対策技術の把握

そこで、本会に期待するのは、要素技術や基礎研究も含め、実用性の高い研究をこれまで通り数多く紹介してほしいこと、新技術等の効果検証データを紹介してほしいこと、若手技術者や研究者が参加できるワーキングなどの開催、国内外の動向も含めた、騒音・振動分野の最新情報の提供などをお願いしたいと思います。なお、個人的なお願いがあります。春の研究発表会は、現在4月上旬に開催されていますが、せめて4月末か5月に時期をずらしていただけると、参加できる可能性がもう少し高まるように思います。

今後とも、日本騒音制御工学会が、騒音・振動分野の情報発信の核になっていただけるものと期待は膨らむばかりです。

(株)オリエンタルコンサルタンツ 石川賢一

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道路騒音対策技術をもっと身近に

道路騒音対策技術をもっと身近に

前職のつくばでの研究者時代、ほぼ道路騒音問題一筋に8年余り取り組んできた。しかし、昨年7月に福島の現場事務所にやって来て、つくばでの8年間は一体何だったのかと思った。着任早々、台風に見舞われたのが大きかった。阿武隈川の洪水被害の対応で3ヶ月があっという間に過ぎていった。その後、河川、砂防、道路事業の多岐にわたる業務が押し寄せてくる中、道路騒音を考える暇はなかった。また、事務所内で道路騒音という言葉を発する人もいなかった。

しかし、少し経って、ちょっとまずいことに気づいた。排水性舗装(低騒音舗装)の問題である。東北地方整備局では、環境基準を上回っている市街地では、順次排水性舗装を施工するという方針を立てている。当事務所管内でもその方針に沿って、どんどん施工が進んでいる。ちょっと待てよ。豪雪地帯ではないにせよ積雪のある福島都市圏で、排水性舗装の耐久性はどの程度か。また、減音効果はどれくらい持続するのか。これらが十分確認されず物事は進んでいる。急いで確認のための調査をすることにした。

道路騒音に対する苦情も初めて飛び込んできた。一般道路平面部(幸いなことに副道があった)での遮音壁の設置要望であった。事務所の国道管理区間で遮音壁が設置されているのはごく僅かだ。まして平面部に遮音壁を設置したことはないため、遮音壁アレルギーがあった。所内の議論で紆余曲折があったが、とりあえず私の判断で高さ2mの透光型遮音壁を350m程度設置した。透光型遮音壁は珍しいと地元テレビで放映され、住民の喜んでいるコメントも取り上げられ、何とか所長の面目が保てた。

道路騒音問題など二の次だった地方の現場とはこういうものである。排水性舗装や遮音壁など少しずつ騒音対策が広がりつつあるが、騒音が分かる技術者など事務所に一人いればよい方だ。道路構造物やガードレールのことがよく分かる技術者は多くいても、遮音壁の建て方の基本が分かる人はほとんどいない。

そこで、騒音制御工学会にぜひお願いしたいのが、道路騒音対策技術の現場への普及活動である。ターゲットは、騒音コンサルタントの技術者ではなく、現場の行政官(土木技術者)である。道路騒音の基本が1日で理解できるようなごく簡単な手引き書が必要である。現場技術者の底上げこそ、騒音行政、騒音ビジネスを活発化させる近道だと思うがいかがであろうか?

国土交通省東北地方整備局
福島河川国道事務所長 上坂克巳

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環境騒音振動行政分科会開催

環境騒音振動行政分科会開催

平成13年度第2回環境騒音振動行政分科会定例会が、11月29日に環境省において開催されました。出席者は委員と環境省の方々を含めて18名で,環境省大気生活環境室から低周波音対策について、自動車環境対策課から自動車騒音の常時監視における面的評価の現状について、当学会の春季研究発表会等について討議いたしました。

討議内容は、まず環境省大気生活環境室振動騒音係長高尾氏から低周波音対策の現状について説明がありました。現在環境省で低周波音対策は、低周波に関する苦情を減らすことを目標にしている。13年度中に、昨年度低周波音測定マニュアルに従い測定した調査結果をもとにした、低周波音防止対策事例集を提示する予定である。今後の事業方針としては、低周波音の検討会を設置し、低周波音の実情や低周波音対策の在り方について検討し、将来においては低周波音苦情対処のための防止対策マニュアルを作成する予定であるとのことでした。

次に、同省自動車環境対策課野田氏に、自動車騒音常時監視の面的評価実施状況について、平成13年8月に都道府県、政令市及び中核市を対象にアンケート調査した結果をお話いただきました。これによると、平成12年度における面的評価実施状況は対象自治体で28%であったが、13年度以降の実施計画では年毎に増加し、平成15年度には90%に達するとのことでした。しかし、面的評価の実施計画延長と調査対象延長の比をみると50%に満たない自治体があり、調査対象延長を実施計画の対象と考えていないのではとのことでした。このため、近く環境省より、全ての自治体に対し、対象範囲全域を対象とした面的評価の実施を依頼する計画があるそうです。

なお、自動車環境対策課島村課長補佐からは、面的評価を実施するに当たり各自治体から多くの問題点が寄せられているが、今年度、環境省で直接コンサルタント若しくは自治体に委託して測定・評価を行い、その結果などを十分検討し、問題点に対する環境省としての見解を示していきたいとの説明がありました。

そして今後の取り組みとしては、自動車騒音対策において具体的に如何なる対策が必要であり可能であるか検討を進めていくそうです。

最後に当会主査である川崎市の沖山さんから、平成14年4月23日に第1回春季研究発表会が開催されるとのお知らせがありました。この発表会では、活発な討議をしてもらうために、初めての試みとして、オーガナイズドセッションによる発表会形式としました。今回の発表会では、床衝撃音分科会、低周波音分科会、環境騒音振動行政分科会、不思議音分科会がオーガナイザーを努めます。これらに関連する一般講演も積極的に募集しています。

今例会はこのような活発な討議を重ね、さらに会員の皆様から多くの研究発表申し込みがあることを期待して閉会となりました。

(千葉市大気保全課 松島貢)

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出版事業委員会の新刊計画のお知らせ

出版事業委員会の新刊計画のお知らせ

出版事業委員会では現在、次の2つの新刊書を2002年に出版できるよう企画編集を行っております。

1.「建物における騒音対策のための測定と評価」
出版予定時期 2002年6月,B5版,約300ページ,価格約7000円。

出版趣旨 騒音制御の実務において最初に行うことは,何から,どのような騒音・振動が,どんなメカニズムで発生して,建物等をどのように伝搬し,騒音・振動となって被害を与えているのかを定量的に明らかにすることです。本書はこのような要請に応えるための,「測定」「解析」「評価」のノウハウを,わかり易く具体的な事例に沿って示すことを意図しています。何時,何処で,どんな条件で,という騒音・振動のT.P.Oを特定して定量化するのは至難の技です。測定器に使われることなく測定器を使いきり,対策をイメージしながら自分の耳で聞き肌で感じることの重要性を訴求し,人間感性測定法を解説したのが本書の特徴です。(安岡正人主査の出版趣意書より)

2.「騒音規制法の解説(仮称)」
出版予定時期 2002年5月,A5版,約600ページ,価格約4000円。


出版趣旨 最近は騒音規制法や関係法令の改定が頻繁に行われており,それらについての統一的な解説が求められています。また,騒音規制法も昭和43年以来長い年月を経ており,騒音関係技術の進展や環境法令の整備に伴い法令解釈や技術指導においても従前と異なる点が多々あります。そのため,適切な法の運用を図り,騒音規制への国民の理解を得るために,広く騒音規制法に係る情報を提供することが必要となっています(末岡伸一主査の出版企画趣旨より)。本書は本工学会がこのような要請に応え,騒音対策関係者の必携の書として企画するものです。

なお,以上に続く出版企画としては,「騒音制御用語事典(仮称)」がその具体化に向けて検討されています。

(出版事業委員会委員長 寺尾道仁)

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騒音・振動講習会への期待

騒音・振動講習会への期待

事業部会では,年に2回,騒音・振動講習会を開催しています。寄せられたアンケートから,講習会への意見,本学会への要望などをまとめてみました。

講習会は,通常一日目が講義,二日目が測定器等を使っての実習およびQ&Aセッションという構成で行われます。昨年6月には例年通り初心者向の基礎講座を,11月には騒音に係る環境基準の評価マニュアルの解説と測定方法の実習を行いました。

受講者の多くは,実際に測定器を使って実習ができることをとても有意義に感じているようです。実習では,測定データをレベルレコーダに記録し,値を読み取ってから手計算でLeqを算出するといった,最近の測定器が自動で行う計算を,あえて自分の手でやっていただく機会を設けていますが,これについても「やってみて初めて測定値の意味がわかった」といった声が聞かれます。講義・実習終了後に講師や事業部会委員が答えていくQ&Aセッションも好評で,講義に関する質問ばかりでなく,日常業務で困っていることなど,大変多くの質問が寄せられます。

アンケート中の「今後開催してほしい講習会のテーマは?」という設問に対して,常に希望が多いことを受けて企画されたのが,2月15日に行われた第47回騒音・振動講習会「低周波音の基礎と測定方法」です。この講習会は講義だけの講習会となりましたが,今年度3回目の開催にも拘わらず,70名近くの受講者が大変熱心に受講され,関心の高さが窺えました。

感想として多いのは「実例を聞くことができて参考になった」といったもので,受講者のみなさんが実務に直接役立つ情報を求めていることがわかります。またアンケート全体から窺えるのは,受講者のみなさんの多くが,住民やユーザーといった,実際に問題を抱える人たちに非常に近い「現場」にいるということです。これでいいのだろうかと不安に思いつつも,確認する術がなく実務を進めている方が,講習会でみんなと一緒にやってみて自信をつけたり,ちょっとした疑問でも長いこと引きずってしまっていたものが,講習会を通じて解消されたといった,明るくほっとしたニュアンスを感じるアンケートが多くありました。また東京で開催される講習会に,九州,沖縄,北海道等遠方の方々もたくさん参加されていることにも,受講者の熱意が感じられます。

このようなことから,私は騒音制御工学会には「より身近に感じることのできる学会」という役割が求められているのではないかと思っています。あまりおすましをせずに,気軽に参加できる学会。そういった存在であってほしいということを百数十枚のアンケートから感じました。

(事業部会委員 千代田化工建設(株) 中村ひさお)

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近畿府県主要都市の騒音・振動行政担当者会議

近畿府県主要都市の騒音・振動行政担当者会議

先に,本会員コラムで関西における騒音・振動行政の取り組みについて, 第53回近畿府県主要都市騒音振動連絡会(13.7.11神戸市)及び環境省騒音 振動係長高尾氏のご出席を得て多数の自治体が参加した低周波音の情報交 換会(13.8.10大阪府)について紹介し,多くの行政担当者に関心を持ってい ただきました(本誌Vol24,No5)。今回,新年を迎えた関西における騒音・ 振動行政の動きを紹介します。

第54回近畿府県主要都市騒音振動連絡会は,本年2月5日に京都市の主 催で開催されました。議題は,

  1. 環境影響評価における低周波音の取扱 (ほとんどの自治体は低周波空気振動として認識しており,G特性を利用し ていない。)
  2. 自動車騒音の面的評価の実施方法(ほとんどの自治体は検討中。)
  3. 自動車騒音測定結果が要請限度を超過した場合の対応及び反射音補正の取扱
  4. 特定施設等の届出に係る技術審査(ほとんどの自治体ではマニュアル無し。)
  5. 苦情の未然防止
  6. 騒音の規制基準
  7. 鉄軌道騒音・振動への対応等

でした。
議題により,府県と市との間で認識の差がみられました。

また,兵庫県内では,第19回騒音・振動連絡会が1月16日に明石市の主催で 開催されました。議題は,

  1. 警報音による苦情対応
  2. 特定建設作業以外の作業による騒音苦情対応
  3. 県条例「一般工場等に対する命令等」の運用
  4. 連棟でのカラオケ騒音による苦情対応
  5. 環境騒音「道路に面する地域」の評価
  6. 移動販売車の拡声器騒音苦情対応
  7. 道路騒音・振動の苦情対応
  8. 「低周波音の測定方法に関するマニュアル」の解説

でした。
議題によっては以前から課題になっているものもあり, 環境省が作成したマニュアルが自治体に十分浸透していないなどの問題について 指摘がありました。

地方分権の推進に伴い指定都市(現12),中核市(34),特例市(30), 騒音規制法施行令で指定する市(15)が増えている現状から,騒音・振動行政の 実務を行う自治体担当者のための研修,講習会の必要性,重要性が高まっています。 このようなニーズに本学会は,応えるべく役割を担っていると考えています。

(騒音振動行政分科会 神戸市 瀬林 伝)

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環境騒音振動行政分科会020529開催

環境騒音振動行政分科会020529開催

平成14年度第1回環境騒音振動行政分科会定例会が,5月29日環境省において開催されました。出席者は委員と環境省の方々を含めて16名でした。

会議冒頭に,本年2月に大気生活環境室に着任された上河原室長から挨拶を戴きました。この中で,大気生活環境室では今後,低周波音と交通関係の騒音・振動問題に取り組むとの方針を明らかにされました。

討議内容は,まず,大気生活環境室の佐野氏から,騒音振動行政における最近の動向に関する解説がありました。昭和55年から平成12年までの全国の騒音に関する苦情件数は,減少傾向を示している。 しかし,地域別に見ると大都市では騒音苦情件数が増加傾向を示している。 発生種類別では,工場に係る苦情件数は減少しているが,建設作業は横ばい状況を示している。 この減少理由としては,規制行政の効果と推測できる。発生源別の内訳は,工場及び建設作業とも指定地域内の未規制施設の苦情件数が多い解析結果であった。

次に,低周波音に関しては,平成12年度から平成13年度にかけては苦情件数が大幅に増加していた。この要因としては,マスメディアに取り上げられたり,低周波音に対する誤解があると考えている。この対応としては,測定マニュアルの周知を図り,精度の高いデータを収集し、原因究明及び対策手法の確立を図って行く。環境省から低周波音に関する資料として, 平成14年3月に低周波音防止対策事例集を発表し,今年度中に全国状況調査結果の発表を予定している。 振動規制に関しては,振動規制法制定以来改訂を行っていないため,諸外国の規制と差が見られるので是正を検討中である。 本年度の音風景保全全国大会が,10月24日から25日に松山市で開催されるので,広く参加をお願いいたしますとのことでした。

次に,自動車環境対策課島村課長補佐から,平成12年度自動車交通騒音の状況について解説していただきました。平成12年度に面的評価を実施した自治体は,義務付けられた95自治体のうち27自治体で,全国的に面的評価が進んでいない状況であった。今後2~3年のうちには全国で実施していただきたい。全国の面的評価が得られた段階で,自動車騒音対策の具体的な施策を策定する考えである。環境省としても,現在のところ,自治体への支援は測定器整備だけであるが,今後別の形での支援を検討しているとのことでした。

最後の討議で,本分科会の主査を長期にわたり務めた沖山氏が本学会副会長に就任するため後任の主査選出を行い,千葉県環境研究センターの石井晧氏を満場一致で選出して閉会といたしました。

(千葉市大気保全課 松島貢)

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施設見学会報告
地上150mから聴く東京の音環境 ~東京タワー展望台リニューアル

施設見学会報告
地上150mから聴く東京の音環境
~東京タワー展望台リニューアル

事業部会では、5/28午後、開業以来初めて大規模改修が行われた東京タワー展望台において施設見学会を開催しました。

地上施設内会議室にて、今回のリニューアルプロジェクトのリーダーを務められた日本電波塔(株)の相沢氏から東京タワーの歴史・役割やリニューアルの経緯を、設計/施工を担当した千代田化工の斎藤氏から全体的なデザインコンセプト、中村から音による環境演出の概要の説明を受けた後、地上150mの大展望台および地上250mの特別展望台を見学しました。

特別展望台ではガラスやアルミといった硬い印象の素材を使った意匠デザインに合わせたパブリックアート的な演出音、大展望台2階ではゆっくりと展望を楽しむために周囲の人々の出す音を包み込み、方角によって印象の変化する演出音、カフェと下り用エレベーターの待合いエリアのある1階では少しポップに馴染みやすい演出音がそれぞれに流されています。いずれもあくまでも主役である「眺望」を引き立て、目立つことなく気にならない音環境を創り出すことを目標にしています。

東京タワーは毎日のように目にはするけれど、登ったのは初めて、あるいは数十年ぶりという参加者が多く、純粋に楽しんでいただける見学会となりました。

リニューアル以後、来場者が3割アップしたということで、見学会当日も平日にも拘わらずかなり混雑した状態でしたが、天候に恵まれ、最高の眺望を体験することができました。

今回のリニューアルのきっかけとなった地上波デジタル放送対応の送信システム工事が続いていたため、屋外での東京上空の環境騒音体験は十分にできませんでしたが、全ての工事が終了すれば、地上250mの環境騒音体験も可能なため、またあらためて見学会を企画したいと思います。

(元事業部会委員 千代田化工建設(株)中村ひさお)

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出版事業委員会からのお知らせ

出版事業委員会からのお知らせ

この度,日本騒音制御工学会出版事業委員会を寺尾道仁先生から引き継ぎました。

工学会の果たすべき役割も,会員による研究活動や研究発表などを中心に多岐に渡っていますが,これに加えて会員や会員外へのサービスも工学会が果たすべき大事な社会的貢献活動です。そのような活動の一環として,工学会のアクティビティを示すために本委員会の役割がある。そう考えています。

本委員会が工学会の活動を担う有力な組織として存在いたしますことは,創立20周年記念「騒音制御工学ハンドブック」刊行を始めとした出版で象徴されるように,会員各位の知るところです。微力ながら,その名に恥じない活動をと気が引き締まりますが,成果ばかりを追うことはやめようとも考えています。

さて,あらためて本委員会の活動方針を申し上げますと,これまでの継続案件の遂行と新たな企画の提案となります。これについて第1回目の委員会で議論した結果を披瀝して,皆様方のご意見を頂ければ幸いと思います。

継続企画で具体的な刊行が間近なものは以下の2件です。

「建物における騒音対策のための測定と評価」は執筆段階も佳境に入り,来年2~3月の刊行を目指して担当委員を中心に奮闘中です。次いで「騒音規制法解説(仮題)」は,約470ページで行政関係者を中心購読者と考えた企画で,執筆者数も限られているためか,年内刊行が期待されています。

この他,何点か継続的に議論している案件があり,なかには長年の検討にも関わらず進展が見られないものあり,「用語事典」や「振動規制法解説」等の気合いの入った企画として期待されているものありの状態ですが,企画の見直しを含めた今後の活発な議論が必要と考えています。

最後は,やはり新委員会のオリジナル企画の提案もしていきたいというのが一致した考えです。まだ議論が開始されたばかりですが,騒音の計測や予測の実務担当者が,できるだけ速く知識を吸収できる,同僚や新任者,一般の方にわかりやすく解説するのに役立つ,さらに一般の方向けの啓蒙書のような比較的柔らかい内容の出版計画で,まずは議論が盛り上がりました。会員各位の経験とお知恵を拝借したいと考えています。ご希望などは大歓迎です。

最後になりますが,工学会会員が総力を挙げて出版したともいえる「騒音制御工学ハンドブック」の購入と紹介をあらためてお願い申し上げます。

(出版事業委員会委員長 岩瀬昭雄)

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橘教授の2001レイリーメダル授賞,および平成14年度環境保全功労者表彰

橘教授の2001レイリーメダル授賞,
および平成14年度環境保全功労者表彰

橘秀樹先生(東大生研教授,現騒音制御工学会会長)が今年3月末に,イギリス音響学会より2001 Rayleigh Medal を授賞されました。この賞は音響理論の原点ともいえる”Theory of sound”の著者であり,著明な物理学者でもあるLord Rayleighにちなんで贈られるものです。日本人としては初めての授賞であり,工学会会員にとっても大変名誉なことです。授賞理由は,

  1. 「建築音響・騒音に関する一連の研究」
  2. 「音響インテンシティ法をはじめとする音響計測法に関する一連の研究」
  3. 「音響関連国際規格の制定における功績」

で,先生の長年の研究成果およびICA, I-INCE, ISO,など数々の対外活動が国際的にも高く評価された証といえます。

さらに,今年6月5日,橘先生は環境大臣より平成14年度環境保全功労者表彰を受けられました。この表彰は環境保全、地域環境保全及び地域環境美化に関し特に顕著な功績があった者(団体を含む)に対して,その功績を讃えるために毎年行われるものです。先生の場合は、環境保全の推進のため,多年にわたり顕著な功績のあった者・団体に与えられる「環境保全功労者表彰」に該当し,全部で11件のうちのお一人です。具体的には、以下の2つの功績に対するものと伺っています。

  1. 中央環境審議会騒音振動部会騒音評価手法等専門委員会委員長として「騒音評価等の在り方について」を答申(平成10年5月22日)及び「騒音評価手法等の在り方について(自動車騒音の要請限度)」の答申(平成11年10月6日)のとりまとめに尽力した。
  2. 大気・水・環境負荷分野の環境評価技術検討会検討員及び同検討会騒音WG座長として報告書のとりまとめに尽力するなど、騒音分野の環境影響評価において多大な貢献をした。

騒音制御工学会の大きな目標でもある環境保全に関し特に顕著な功績があった者として認められたことは,大変喜ばしいことです。

橘先生の2つの授賞を祝うため,7月29日には200人近い関係者が東京に参集し,先生を囲んで和やかな一時を過ごしました。

(小林理研 山本貢平)

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研究部会紹介

研究部会紹介

2002年6月から,研究部会の部会長を務めております。研究部会は,「騒音及び振動の制御に関する学術・研究の発展と普及を図り,もって生活環境の保全と向上に寄与する」ことを目的とした本学会にあって,(1)技術的調査・研究の推進,(2)ISO,IEC,JIS等の規格の立案と審議,(3)その他,学会の技術的,学術的問題を担当する部会と位置づけられています。

この研究部会の特徴は,その傘下に,多くの分科会を持っていることです。現在,遮音,床衝撃音,環境騒音振動行政,騒音伝搬,不思議音,低周波音,作業環境騒音,アクティブコントロール,サウンド・アメニティ,騒音ラベリング,環境振動評価,道路交通騒音等,家庭用設備機器発生音測定法,道路交通振動予測式作成の計14分科会を擁しております。これら個々の分科会活動の様子は,折に触れてこの会員コラム欄で紹介されてきましたし,また,今号には簡単ですが,研究部会報告として,各分科会の昨年の活動が掲載されています。研究部会自体は,年に4回程度の会合を持ってきていますが,各分科会は,それぞれ自由な活動を行っています。本部会は,このように,分科会活動を基礎としたボトムアップ型の運営を特徴としてきました。

しかし工学会発足から四半世紀以上が経過し,ボトムアップ型の運営だけでは,必ずしも十分ではないとの認識から,2002年春からは,これらのうちのいくつかの分科会を担当分科会としつつも,研究部会が企画に責任を持つ形で春期研究発表会が発足しました。つまり,秋がいわばなんでもありの,自由な研究発表討議の場とすれば,春は研究部会がコーディネートするスペシャルセッション形式の研究発表会ということです。現在,研究部会では,更に秋の研究発表会をより魅力あるものとするためには,どのような運営形態をとればよいのか,真剣な討議を行っております。

更に,橘会長(研究部会員でもあります)の提案により,騒音に関する問題を自由に討議できる「懇談会」発足に向けた準備を行っています。これは,研究発表会よりも自由な雰囲気で意見交換が行え,結論を出すと言うよりも,継続して活発な議論ができる場を持ちたいという問題意識によるものです。

このように,研究部会は,徹底した実学の視点から騒音制御をとらえてゆく本学会にあって,技術的・学術的な基礎・基盤を形作るための重要な責務を負った部会です。部会員一同,この自負を持って部会の運営に当たっておりますので,会員各位の更なるご理解・ご協力をお願いいたします。

(東北大学電気通信研究所 鈴木陽一)

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環境騒音振動行政分科会021030開催

環境騒音振動行政分科会021030開催

平成14年度第2回環境騒音振動行政分科会定例会が、10月30日環境省において開催されました。出席者は委員と環境省の方々を含め14名でした。

会議冒頭に、大気生活環境室の上河原室長から、平成15年度における環境省の事業方針概要について解説して戴きました。

討議に入りますと、まず、大気生活環境室石井補佐から、平成15年度における騒音振動事業計画の説明がありました。事業内容は継続事業が中心で、騒音規制法施行事務、近隣騒音等対策推進、騒音低減新技術状況検討調査、低周波音の影響に関する調査、騒音による影響の評価に関する総合的研究でした。しかし、新規事業として、建設作業騒音、航空機騒音、新幹線騒音及び自動車騒音の単体規制見直しで交換用マフラーについての規制手法等の在りかたの検討を来年度から5年間かけて実施する予定である。評価方法はエネルギーベース評価を念頭におき、規制基準はアノイアンスを考慮して設定したい。来年度は、騒音特性の把握とアノイアンス等に関する調査を計画しているとのことでした。

続いて、大気生活環境室大野係長から、低周波音に関する最近の動向について解説がありました。自治体に寄せられた低周波音の苦情件数は、平成12年度115件、平成13年度110件程度で、苦情件数の増減については今後も監視をしなければならないと考えている。本年8月末に全国保健医団体連合会から陳情があり、住民からの低周波音に関する苦情が申し入れられた時には、門前払いせずに測定をして現況把握をして欲しいとの要望があったそうです。低周波音に関しては、正確な情報が伝わっておらず、行政と住民の間で意見のくい違いが起こっているケースがある。このような状況を踏まえ、住民を納得させられるような対応ができる体制を作りたいとのことでした。

大気生活環境室大河原室長から、一般環境騒音調査に関しても、全国規模で測定方法や環境騒音適合状況を把握する必要があるので、一般環境騒音調査を5年間隔くらいに実施できないだろうかとの提案があました。これを受けて、最初から全国レベルの調査は困難だと思うので、実現可能な自治体で実施し、本分科会でデータの取りまとめを行ってはどうかとの意見が出ました。

最後に、これからの本分科会の事業計画として、一般地域における環境騒音と低周波音に関するWGの設置、ミニシンポジウムの開催と本分科会関西例会について協議して、閉会となりました。

(千葉市大気保全課 松島 貢)

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環境騒音振動行政分科会

環境騒音振動行政分科会

平成12年度第1回環境騒音振動行政分科会定例会が,11月16日環境庁において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々を含めて23名で,現在話題の「低周波音の測定方法に関するマニュアル」,「道路交通騒音沿道対策の充実強化について」及び行政分科会で取りまとめた「環境騒音調査の手引」について討議しました。

会議に先立ち環境庁大気生活環境室の藤田室長から次のお話がありました。低周波音測定マニュアル策定とこれに基づく実態調査計画について。OECDの「環境に配慮した持続可能な交通に関する国際会議」において,2030年を目途に騒音レベルの目標値を屋外で最大、昼間55dB(A),夜間45dB(A)以下とすることが,来年の閣僚会議に報告され了承される見通しである。2000インターノイズでは,各国の騒音に係る基準法制度等を比較出来る機会を作るプロジェクトが動き出したとのことでした。

討議ではまず,低周波音の測定方法に関するマニュアルについて,環境庁大気生活環境室高尾係長から,マニュアル策定の背景と,これからの低周波音に関する事業計画について解説を頂きました。低周波音の実態把握のために,都道府県政令市中核市を中心とした自治体は,本年度の補正予算が認められた低周波音実態調査に積極的に協力して頂きたいとのことでした。特に低周波音の人体影響については,この調査結果をもとに来年度から調査研究を手がけ,5年後を目途に有効な低周波音対策の立案を行う予定とのことでした。

次に,環境庁自動車環境対策第1課島村課長補佐から,道路交通騒音対策検討会中間報告の道路交通騒音対策充実強化案のうち「沿道対策の充実強化の方向について」解説を頂きました。その主な内容は,沿道法積極的活用と沿道耐騒音化対策を推進するために,次の4点について検討するとのことでした①沿道の騒音レベルに関する情報提供,②住居等の防音性能の表示・説明,③幹線道路沿道に立地する住居等の防音性能の確保,④沿道における住居等の立地抑制等。

最後に,末岡委員から行政分科会でまとめた「環境騒音調査の手引」について解説がありました。本手引きは,環境騒音調査に関する詳細事項を定め,この手引き書があれば測定から評価まで出来る,をコンセプトにして本会委員が執筆したものであります。なお本書につきましては,学会事務局に問い合わせて頂ければ入手出来ます。そして今後の行政分科会の活動として,騒音振動関係法令・技術的指導関係の解説書を作成することを取り決めて,本日の定例会が閉会となりました。

(千葉市環境保健研究所 松島 貢)

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講習会報告

講習会報告

去る11月9~10日に新宿太平会館にて、第44回技術講習会を開催した。テーマは”騒音に係る環境基準の評価マニュアルの解説と測定法の実習”である。第一日目は東京都の末岡さんと小林理研の山本さんに講師を依頼し、評価マニュアルを主体に講義をしていただいた。環境庁の藤田室長のお話が、国会との関係で夕方になるという突然の予定変更もあったが、一応予定通りであった。2日目はそれに基づいた実習主体の講習会であり、千葉市の松島さんと長野県の内田さんにそれぞれ講師をお願いした。講師陣の説明がとても上手なためか、両日とも皆熱心に受講しており、講師の先生方の休憩時間もとれないほどであった。最後にQ&Aということで、参加者の方々からたくさんの質問をいただいた。回答者に東京都の末岡さんをお願いし、懇切丁寧に回答していただいた。時間の関係ですべての質問にお答え出来なかった事はお詫びしたい。今後、本誌のQ&Aコーナーにも取り上げて順に回答していきたいと考えている。

テーマが今日的であったためか、定員を60名で募集したにもかかわらず好評であり、早々の締め切りとなってしまった。内容に実習がある関係で、どうしても大幅な増員ができず、10名程度の増員が限界であった。申し込みに遅れ、断られた方々には大変申し訳ないと思っている。本会の講習会はまた本年も継続的に開催されるので、またの機会にということでお許しいただきたい。また、今回の会場が若干横に広い関係で、受講者の位置によってはスクリーンが見にくい場所もあり、その点に関してもお詫びしたい。

今後の講習会の予定は春に基礎編、秋に応用編という方針は守りながら、その時々に合致したテーマを選定して企画していくつもりである。また、会場に関しても、もう少し柔軟な対応の取れる場所を選定して、受講者の方々にご迷惑をかけないように心がけたいと思っている。

(事業部会長 安藤 啓)

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神奈川県生活環境保全条例の一部改正

神奈川県生活環境保全条例の一部改正

「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」が一部改正され、平成13年4月1日から施行されます。

最近、人々のライフスタイルの変化に伴い、夜間営業の大型小売店では、来店者の使用する自動車の発着音、ドアの開閉音及び人声等による騒音が、駐車場など店舗周辺から発生し、近隣の住民の安眠を妨げる状況が出てきています。

神奈川県では、このような夜間の騒音に対して、静穏を保持し、生活環境を保全するため、神奈川県生活環境の保全等に関する条例を改正し騒音規制の強化を図ることとしました。

改正の主な内容は、

  • 大型小売店(店舗面積500㎡を超える店舗)において夜間(午後11時から翌日6時)に小売業を営む者は、店舗の駐車場及びその周辺において騒音による公害が生じないように努める。
  • 騒音による公害を未然に防止するため、夜間に小売業を営もうとする事業者に対し、小売業を開始する30日前までに事前届出を義務付けています。
  • 公害が生じていると認められる場合は、営業時間の変更等必要な措置を講ずるよう勧告や命令をする事ができる。
  • 公害と認める判断基準については、検討会を設け、数値を取入れた客観的な基準を新たに策定し、等価騒音レベルの考え方を基本とする評価を取入れました。その判断基準は、苦情者の居住する建物の外部で、1時間あたり騒音レベル60dB相当の音が、360秒を超えて発生している場合となります。
  • 営業開始の届出、変更の届出に違反した場合又は営業時間の命令に違反した場合は、罰則規定が適用されます。

夜間騒音の評価尺度としては、「1時間当たり60dB以上の騒音の加重総暴露量」を採用することとしましたが、これは衝撃音については最大値及びその暴露回数から算出される暴露量、連続音については騒音レベルとその継続時間から算出される暴露量のそれぞれの和とします。ここでいう衝撃音とは自動車のドアの開閉音等、連続音とは自動車エンジン音、人の話し声、歩行音、荷さばき作業音等が含まれます。

騒音の発生を判断する場所(測定場所)は被害を訴える者の住居で騒音を受けやすい面の外側とします。

これらの音が計算により60dB相当で1時間当たり360秒を超えて発生している場合を数値的判断基準とし、他の要件も考慮して公害と認めることになります。

(神奈川県環境農政部大気水質課 鈴木有美)

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「大都市騒音振動主管担当者会議」の報告

「大都市騒音振動主管担当者会議」の報告

平成12年度の標記会議が12月4日~5日に大阪市において開催された。この会議は東京都と12の政令指定都市の騒音担当課長職で構成されており毎年1回持ち回りで開催し,今回は30回目である。

議題は,「騒音に係る環境基準の評価方法について」を主体として討議された。

特に,平成11年4月1日からLAeqの評価による新環境基準が施行され,これを受けて平成12年4月1日から自動車騒音の要請限度も改正し施行されたが,これと合わせて同日から自動車騒音の常時監視が政令指定都市等の法定受託事務に位置付けられたことから各都市ともそれぞれの実情にあった測定を計画し,実施している。このため,当会議では,これまでの定点観測点の見直しの予定や面的評価を行う区間の選定方法等を共通の課題として取り上げ,これらを主体に意見交換が行われた。多くの都市から面的評価については相当な事務量の増加になることから,将来はGISを利用した評価支援システムの導入を計画しているとの報告がされた。また,先駆的な都市では,国の緊急雇用対策費を活用して市内の交通センサス対象道路を対象に今年度中に自動車騒音マップを作成するとの報告もされるなど各都市の報告に対し活発な意見交換や討議が行われた。

なお,時間の関係で当日意見交換や議論ができない項目については,「承り事項」として紙上での意見交換を行っているが,主な項目としては,大規模小売店舗立地法関係が最も多く,次ぎに一般地域における環境騒音に関する問題,深夜営業店に付設する駐車場の騒音問題,建設作業問題など13項目が各都市から提出されていた。大規模小売店舗立地法関係については今日的な課題であり,これも議題に準じて活発な意見交換が行われた。

また,環境庁から来賓として大気保全局大気生活環境室から高尾智満振動騒音係長,自動車環境対策第一課から滝澤 晶主査,自動車環境対策第二課から瀬戸加奈子専門官にご出席を頂き,各議論に講評を頂いた後,滝澤主査から「道路交通騒音対策の充実強化について」,高尾係長から「低周波音について」の講演があり盛況の内に閉会した。

(川崎市環境局公害部騒音振動課 小倉 隆)

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環境省における低周波音の取組について

環境省における低周波音の取組について

環境省では,有効な低周波音対策を講じるため,低周波音の実態の把握・人体に対する影響の調査に取り組んでいます。

平成12年10月に,「低周波音の測定方法に関するマニュアル」を策定し,地方公共団体に送付しました。このマニュアルは,主に苦情が発生した場合における測定方法を示したもので,G特性音圧レベル及び1/3オクターブバンド音圧レベルの測定を基本としています。このマニュアルは,統一的な測定方法を示したものであり,今後,精度の高いデータが集積できるものと考えています。

さらに,データを集積するために,43の都道府県・市に低周波音の測定を委託しました。この測定に関しては,測定方法の詳細を委員会で検討し,委託先の自治体に対し説明会を行いました。測定対象の音源は,(1)低周波音に関係すると思われる苦情が発生している地点,(2)低周波音の問題が生じる可能性がある地点とし,原則として,音源側・生活環境側各1地点以上で測定を行いました。具体的には,工場・事業場,橋梁,新幹線のトンネル付近で行われました。また,測定者からは,風の影響・測定対象以外の発生源の影響に苦慮したこと,苦情者が最も低周波音を感じる場所と測定値が最大になる場所にずれが生じる場合があったことなどの感想が聞かれました。この測定により得られたデータは,平成13年度に解析を行う予定です。なお,測定機器の一部を環境省から測定を実施した都道府県・市に無償貸与していましたが,これらの機器は,今後も当該自治体で利用され,測定データを提出していただく予定です。

また,平成13年度から低周波音が人体に及ぼす影響の調査を行う予定です。今回の調査では,生理的影響や心理的影響について調査します。特に,心理的側面も含めた苦情の実態を把握し,最小感覚閾値等との比較検討を行います。この他にも人体影響に関する調査を4~5年程度実施する予定です。

環境省としては,これらの測定,調査から得られた知見をもとに,有効な低周波音対策を講じて参る所存です。

(環境省環境管理局大気生活環境室 高尾智満)

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「大店法」,低周波音測定,自動車騒音測定法をテーマに意見交換
—– 全国環境研協議会関東甲信静支部騒音振動専門部会・研究連絡会 —–

「大店法」,低周波音測定,自動車騒音測定法をテーマに意見交換
—– 全国環境研協議会関東甲信静支部騒音振動専門部会・研究連絡会 —–

標記の研究連絡会が,3月9日に千葉県廃棄物情報技術センター会議室(市原市五井)で開催された。今回の担当は千葉県環境研究所である。この会議は,夏季の専門部会のほかに,それを補う意味で年に1回行われており,目的はその時々の課題の検討や意見・情報交換をすることである.参加したのは,関東甲信静の1都8県2市(1県3市が欠席)の主に研究機関担当者である(行政から千葉県3名,川崎市1名が参加)。

以下,プログラムに沿って紹介する。

  1. 「大店法」騒音予測ソフトについて
    千葉県では,行政が審査業務を行っているため研究所では実務がないが,静岡県(研究機関),神奈川県(研究機関),千葉県(行政)の各担当者の具体的な苦労話が聞け,予測方法を始め審査業務そのものの実態を理解でき参考になった。
  2. 低周波音測定について
    新型低周波音レベル計について,各都県市の機器導入状況や測定器操作時の留意事項(バッテリーの消耗が早い)等について情報を入手できた。また,具体的な苦情事例をもとに測定方法や対応上の問題点について有意義な情報交換をした。
  3. 騒音及びその測定について
    1. 自動車騒音測定の課題
      各都県市の自動車交通騒音の測定状況を把握できた。測定評価方法については,今後検討しなければならない課題が多いと認識した。
    2. 国における騒音に関する検討会の現況について
      国における騒音関係の最新の動向を知ることができ,ためになった。

全体として,各都県市の研究機関の騒音振動関係担当者が一同に会して,情報交換あるいは,共有した情報をもとに検討することができ,非常に有意義であった。

(千葉県環境研究所 樋口茂生・石橋雅之)

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工学会ホームページのリニューアル

工学会ホームページのリニューアル

本工学会のホームページは、工学会の諸活動で得られた成果や情報を広く公開し、会員の情報共有化を促進することを目的に、1998年3月に開設されました。以来、会員の皆様からいただいたご助言やご協力により、音の豆知識、用語解説、サウンドライブラリ、工学会通信、会員コラム、Q&A等の内容を追加・更新し、ホームページの独自情報と学会誌情報のより早い提供を継続的に行うことができています。

ホームページの運営を担当する広報委員会では、開設以来2万数千件の多数のご利用を踏まえ、より親しみ易く、より利用し易いホームページとなるよう、本年4月1日よりリニューアルを実施すると共に新アドレス(http://www.ince-j.or.jp/)へ移行しました。

このリニューアルにより情報項目の一覧や更新履歴を加え、掲載内容が一目でわかり、見たい情報に簡単にアクセスできるようになりました。さらに、研究発表会への講演申込をホームページ上で行えるようにするとともに、既刊の学会誌の目次集を整備し、書籍資料コーナーを新設するなど、内容の充実と利便性の向上に努めています。また、ホームページ上に問合せ先として工学会事務局のメールアドレス(office@ince-j.or.jp)を示したことから、非会員の方々からの質問も増えてまいりました。

当ホームページは、会員・非会員を問わず相互の情報交換を促進することができる場として、工学会の活性化に繋がるものです。広報委員会では、今回のリニューアルにとどまらず、更なる使用性の改善、新たな情報・データベースの追加などを検討し、ホームページを進化させてまいります。今後とも多くの方々にご利用していただき、皆様の変わらぬご指導・ご助言を賜りたくお願い申し上げます。

(広報委員会 三宅龍雄)

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環境騒音振動行政分科会

環境騒音振動行政分科会

平成13年度第1回環境騒音振動行政分科会定例会が5月30日環境省において開催されました。出席者は委員と環境省の方々を含めて17名で,環境省大気生活環境室と自動車環境対策課から平成13年度事業についての説明と、行政分科会の平成13年度活動計画について討議いたしました。

会議に先立ち環境省大気生活環境室の森本室長から着任のご挨拶と、本年度の大気生活環境室の事業計画概要についてお話戴きました。

討議内容は、まず環境省大気生活環境室石井補佐から,大気生活環境室の事業「騒音による影響の評価に関する総合研究」と「低周波音対策に関する調査」に関する説明がありました。

前者は騒音の人体影響に関する基礎資料蓄積を目的とした平成16年度までの継続事業で、本年度は騒音の睡眠影響と住民反応に関するアンケート調査手法の確立に関する研究です。後者は昨年度実施した調査の結果解析を取りまとめ、低周波音の人体影響に関する検討会の立ち上げを計画しているとのことでした。

次に、自動車環境対策課野田主査より、「道路交通騒音モニタリング推計手法確立調査」、「道路交通騒音強化対策検討調査」、「道路交通騒音・振動対策調査」について説明がありました。

この中で、モニタリング推計手法確立調査は、道路交通騒音の面的評価を効率的に行うための推計手法を開発することが目的とのことでした。そして、道路交通騒音・振動対策調査につおきましては、道路交通振動の要請限度などの見直しを含めた対策のあり方を再検討するものであるとのことでした。

最後に、当分科会の13年度事業について討議いたしまして、市民と行政、研究者との意見交流を行い、静かな環境を取り戻すことを目的としたシンポジウムを開催する方向性が見出され、具体案については今後の協議事項とし閉会いたしました。

(千葉市大気保全課 松島貢)

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認定技士の会

認定技士の会

現在,本会の会員数は47名で,ほぼ隔月に例会を開催し,そこで主に会員から近況報告,最近の話題等について講演がある。最近では2月に増本 清氏,4月に岡田 健氏,7月に城戸健一氏が講演された。

増本 清氏は,騒音・振動を含めて労働安全コンサルタントで活躍されていて,今回の講演は,ここ数年に発生している社会的な事故あるいは我々の身近に起こり得る事故に関連して,職場に発生する災害を防止するリスクアセスメントについて講演された。なお,続いて本会事務局をお願いしている雨宮明生氏が永年にわたるリスクアセスメントの体験談について興味深い内容で話された。

岡田 健氏は,騒音・振動防止のコンサルタントとして国内外で活躍されているが,1999年から2年間,日本政府から騒音・振動に関するJAICA Expertとしてタイ・バンコックの環境研究・トレーニングセンター(ERTC)に派遣され,この3月に帰国された。今回は,タイの騒音事情について講演された。タイは公害に対する厳しい規制は整備されているが,現状は公害対策が遅れ,市内には古い車が走り,また観光名物のツクツクという三輪車や市民の足であるロングテールボートは日本製中古エンジンを消音器なしで搭載してうるさい音をたてて走り回っている。岡田氏は,途上国で環境対策を行うことは経済面や社会構造から非常に難しい状況であるとともに,公害対策や環境改善の考え方を指導することさえも国民性が絡んだ難しい問題であると話された。

城戸氏は,今も教鞭をとられているが,今回は音響学と情報科学について話された。音響学はわれわれの生活のために古くから非常に重要であるが,その重要なのは,音が情報を運ぶためで,情報科学の考え方と手法は音響学にとって非常に有用であり,それらが音響学の将来の発展の方向を示していることを力説された。

次回は,石井聖光氏のホールの音響設計と建築コンサルタントについて話される予定である。

(世話人 大熊恒靖,藤井圭次)

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第53回近畿府県主要都市騒音振動連絡会報告

第53回近畿府県主要都市騒音振動連絡会報告

去る7月11日(水),標記連絡会(本会は,近畿2府,4県,3指定都市,3中核市で構成され,昭和48年の開催以来,我が国で最も長く継続している騒音振動行政担当者の会とされる。)が各自治体の騒音振動担当者約30名の参加のもと神戸市において開催された。主たる議題は,①地方分権推進に係る各自治体の騒音振動条例のあり方,②騒音に係る環境基準の面的評価の公表について,③低周波音について(全国状況調査,苦情対応,対策等)等であった。全般的にみて,地方分権に伴う各自治体間の事務の執行の差,人的組織の低下,会議運営のマンネリ化等の理由により,より活発な論議が見られなかった。

今後,地方分権の推進による中核市,特例市,政令市の指定に伴い,このような騒音振動行政の的確な運用のための担当者連絡会,研究会,情報交換会等の必要性は高まるであろう。しかし,その運営のあり方等について検討する必要があろう。

特に行政分科会は勿論のこと本工学会では,地方の騒音振動行政の動き,要望等を迅速,率直に受け入れ,的確な対応を行わなければならない。そのためには,昭和59年から継続している行政分科会を,例えば行政分科部等に組織改正して,より現実的・弾力的かつ効率的な活動が出来るように知恵をだし,具体化-(一例として行政分科会が平成11年3月(神戸市)及び平成12年9月(大阪)で行った研究会等を全国的に開催し,本工学会の活動状況等について啓発を行い,会員を増やすなど。)-すべき時にきているのではなかろうか。

また,標記連絡会では川原崎(京都府),山下(大阪府),辻本(兵庫県),瀬林(神戸市)が世話人となり,本連絡会メンバー以外の自治体にも呼びかけて,8月10日(金)に環境省騒音振動係長高尾氏の出席を得て,ホットな話題の低周波音についての情報交換会を約50名の参加のもと,活発に行った。

(神戸市 瀬林 伝)

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全環研協議会騒音振動担当者会議開催

全環研協議会騒音振動担当者会議開催

平成13年度全国環境研協議会騒音振動担当者会議が,福岡県春日市で平成13年9月12日に,福岡県保健環境研究所の主催で開催された。この会議は,地方公共団体環境研究所の騒音振動担当者の全国会議として昨年度に発足したもので,本年度は全国の試験研究所等から58名の参加を得て盛大に開催された。

会議は,福岡県保健環境研究所加藤所長の開会の辞により始まり,主催県の木本さんの司会により,一般発表として,

  1. 騒音規制法令における課題(東京都:現行の騒音規制法令や測定方法の問題点と改正の方向についての考え方の報告),
  2. 現行の道路交通騒音振動評価の問題点と改善方向(千葉県:間欠的である道路振動については大型車の振動に着目した評価に妥当性があるとの報告),
  3. 道路に面する地域における環境騒音測定方法に関する検討(宮城県:道路に面する地域における環境騒音の測定時期及び測定時間の考察についての報告)
  4. が発表された。また,特別発表として,
  5. 平成12年度低周波音全国状況調査について(環境省大気生活環境室:平成12年度に43自治体に低周波音計を貸 与して実施した低周波音全国状況調査の平成12年度分集計についての報告),
  6. 自動車騒音の常時監視の実施状況(環境省自動車環境対策課:全環研に加盟している都道府県市65団体に対する自動車騒音の常時監視に係る実績等のアンケートについての集約結果),

が報告された。

全環研協議会では,毎年大気,水質,騒音の各分野で,全国レベルの専門部会を開催しており,その他にも各支部単位で同様の会議が開催されており,地方環境研究所相互の情報交換と研修の場として活用されている。今後も,騒音振動担当者会議を充実させて騒音振動部門として連携していくことを確認し,会議終了後の懇親会を含め,盛会のうちに本年度の会議を終了した。

なお,平成14年度の騒音振動担当者会議は,神奈川県環境科学センターの主催で,騒音制御工学会研究発表会の時期に合わせて開催される予定である。

(東京都環境科学研究所 末岡伸一)

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平成13年度大都市騒音振動主管担当者会議開催

平成13年度大都市騒音振動主管担当者会議開催

平成13年10月 4日~ 5日,札幌市において標記の会議が,札幌市,仙台市,千葉市,東京都,川崎市,横浜市,名古屋市,京都市,大阪市,神戸市,広島市,北九州市,福岡市の各政令指定都市の全構成機関が参加し,来賓として環境省の関係職員のご出席を得て開催されました。

当該会議は,昭和49年10月に第 1回の会議が開催され今回は第31回になりますが,毎年その時代の課題となっている騒音振動問題について行政現場の立場から活発な議論や意見交換がされております。

今回は,平成12年 4月から騒音規制法により都道府県知事,政令指定都市の長等に自動車騒音の常時監視が義務付けられ面的評価を行うことになりましたが,これをテーマに第1の議題を「道路騒音面的評価の取組み状況と市民公開のあり方」として各都市より自動車騒音の調査実績や今後の調査計画,GISを活用した面的評価システムの構築の進行状況,パンフレットの作成やホームページなどによる市民公表等について報告があり,それぞれの問題点を抽出するなどして真剣な討議,意見交換が活発に行われました。

第2の議題は,各都市において従来の公害防止の観点のみならず,より良好な生活環境の確保を図る観点から現行の騒音規制法等では対応が困難な騒音発生源について現況の条例を改正して新たな規制を行おうとする動きがあることから,「条例改正に係る騒音防止対策に対する検討について」をテーマとして深夜営業飲食店,拡声機放送,開放型事業場の騒音規制について各都市から現況報告の後,今後の規制方法等について討議,意見交換が行われました。 また,時間の関係で当日討議ができない課題については「承り事項」として紙上で意見交換をしますが,主な項目としましては道路交通騒音関係が最も多く,次に低周波音関係で,続いて大規模小売店舗立地法など12項目が各都市から提出されていました。 なお,低周波音関係については今日的課題であり,これも議題に準じて活発な意見交換が行われました。 また,環境省から来賓として環境管理局自動車環境対策課から野田主査,大気生活環境室から佐野環境事務官にご出席を頂き,各議論に講評を頂いた後,野田主査から「自動車騒音に係る常時監視の現状について」,佐野環境事務官から「低周波音問題について」の講演があり,盛況の内に会を閉会しました。

(行政分科会主査 沖山文敏)

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環境騒音振動行政分科会

環境騒音振動行政分科会

平成11年度第2回環境騒音振動行政分科会定例会が11月10日環境庁において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々の20名でした。

特に今回は、お忙しい中、環境庁大気生活環境室の藤田室長に出席いただき、ご挨拶と大気生活環境室の現状についてお話しいただきました。その内容は、平成11年度第2次補正予算で、「地方公共団体における騒音モニタリング機器の緊急整備」として、地方公共団体への環境騒音モニタリング機器に対する補助事業を要求した。また、低周波空気振動の測定マニュアルの自治体等への提示、建設作業騒音規制の見直しを検討しているとのことでした。

今回の議題は、自動車騒音の要請限度に関する中環審の答申の説明、本年度のシンポジウム、騒音測定の手引き書作成についての3件でありました。 要請限度に関する答申は、環境庁大気保全局自動車環境対策第1課滝沢氏に解説していただきました。概要は、騒音の評価手法にLeqを採用し、環境基準との整合性を明確にした。測定日数は連続する7日間を代表する3日間。測定方法、区域区分は環境基準に合わせた。限度値は、環境基準に+10dBと近接空間については+5dBで設定した。今回新たに「要請限度は環境基準達成のための施策のひとつで、発生源側の騒音レベルを把握するためのもの」が明記された。告示は平成11年中に、施行は平成12年4月1日を目途に考えているとのことでした。

シンポジウムについては、事業部会長塩田氏より、3月に事業部会が九州でシンポジウムを兼ねた、環境全体の中の音環境をテーマにした講習会を計画しているので、行政分科会と共催にしてはどうかとの提案があり、これを承諾しました。 騒音測定の手引き書作成については、委員の末岡氏から説明がありました。 行政分科会の活動として、騒音全般についてわかりやすく解説した、手引き書の作成を計画している。測定から評価まで一連の流れを示し、この手引き書でとりあえず測定評価ができるものとしたい。環境騒音を主に考え、騒音測定方法以外の留意点について特に明記したいとのことでした。

今例会では自動車騒音の要請限度の答申により、環境基準との関係が明らかになり、これからの自動車騒音について活発な討議が繰り広げられ、さらに当分科会事業としての手引き書作成の提案もあり盛況のうちに閉会となりました。

(千葉市環境保健研究所 松島貢)

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新東京国際空港の見学会

新東京国際空港の見学会

平成11年11月12日、事業部会主催の見学会が新東京国際空港にて開催されました。新国際空港公団地域共生部環境管理室の辻さんと斉藤さんに空港内の施設を案内していただき、約30名の参加者がバスに乗って空港施設を見学してまわりました。案内していだいたのは飛行機の消音施設や防音提、情報公開センターなどです。

初めに見学をした消音施設は今年3月に完成したばかりの新しいもので、デュッセルドルフの空港にある消音施設と同様の技術を用いています。建物のような囲いの中に飛行機が1機入ってしまえる大きさで、エンジンなどの試験ができます。このようなタイプはハンガータイプと呼ばれ、国内には唯一のものということでした。この新しい消音施設は、従来から空港で使用している消音施設のとなりに設けられています。従来のものよりも新しい施設の方がエンジン試験時の音を約20dBも下げることができるため、夜中にも使用できるということでした。

防音堤は周辺の地域への騒音の低減を目的とし、滑走路に沿って空港敷地の端に設けられた施設で、約100メートルの幅で盛土をし、植栽をほどこした堤です。騒音低減効果は防音堤の背後で約10dBの効果があると考えられています。作られてから28年が経過した防音堤の植栽は大きく成長し、林のようになっていました。作られた当時まだ木が成長していなかった頃と比較して、現在の防音堤の騒音低減効果はあまり差がないとのことですが、心理的には木が茂ったことで音がより多く遮られるような気分になり、心理面を含めた防音効果は大きいとのことでした。

次に見学をした情報公開センターは地域の住民に空港の様々な情報を提供する施設です。興味深かったのは空港や空港周辺の騒音、水質、大気質などの観測データをリアルタイムで見られることでした。空港が周辺の環境に大変気を配っていることが感じられました。

最後に、以前管制塔として使用していたタワーに案内していただきました。このタワーは新しい空港ターミナルができるまで活躍していたもので、現在はこのタワーのとなりに新しい管制塔が建設され、使用されています。タワーの元管制室に昇る頃には日も暮れ、眼下に美しい空港の夜景を見ながら無事見学会を終了しました。

((株)小野測器 向井ひかり)

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平成11年度大都市騒音振動主管担当者会議開催される

平成11年度大都市騒音振動主管担当者会議開催される

平成11年11月18日~19日、横浜市において標記の会議が、札幌市、仙台市、千葉市、東京都、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市の各政令指定都市の全機関が参加して開催されました。

当該会議は、昭和49年10月に第1回の会議が開催され今回は第29回になりますが、毎年その時代の課題となっている騒音問題について行政現場の立場から活発な議論や意見交換がされております。

今回は、平成11年4月に施行された新「騒音に係る環境基準」をテーマに、環境庁から大気保全局大気生活環境室長をはじめ自動車環境第一課、自動車環境第二課の課長補佐、係長などの6名の方々の出席を得て、次の議題について環境騒音低減化に向け国、自治体それぞれの立場から真剣な討議、意見交換が活発に行われました。 議題

  1. 新環境基準の施行に伴う測定計画について
  2. 「騒音に係る環境基準」の改正に伴う今後の測定体制等について
  3. 道路交通騒音の測定について

また、時間の関係で当日討議ができない課題については「承り事項」として紙上で意見交換をしますが、その内容は次のとおりです。

  1. 生活騒音相談について
  2. 大規模小売店舗立地法の対応について
  3. 音環境に係る施策の取り組みと今後の予定について
  4. 一般地域の環境基準の評価に係る除外すべき音の処理方法について
  5. 騒音振動関係特定施設の届出に係る電子化の状況について
  6. 球技場から発生する騒音の規制について
  7. 近隣騒音防止対策としての広報活動について
  8. マンションの地下駐車場に設置される特定施設に相当する送風機の取扱いについて
  9. 新環境基準による自動車騒音の測定(沿道地域評価)について

なお、11月19日は、横浜国際総合競技場の音環境デザイン、競技場周辺の音環境について視察し、盛況の内に会議を閉会しました。

(行政分科会 主査 沖山文敏)

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低騒音タイプの家庭用精米器開発への取り組み

低騒音タイプの家庭用精米器開発への取り組み

平成7年に新食糧法が施行されて以降、自主流通米が認められたこと、お米の販売が届け出制になったことから、お米が様々な形で流通、販売されるようになりました。

そのような中で、家庭で手軽に玄米を精米できる家庭用精米器が注目を浴びています。流通の変化によって、米作農家が贈答として親戚にお米を送るようになったり、スーパーなどでも玄米が販売されるようになったことから、私たちのまわりは、案外玄米を入手しやすい環境になっています。お米は精米後1週間で、酸化の進行により風味が落ちてくるため、できるだけ精米したてのお米を食べることがおいしくお米を食べる秘訣といえます。家庭用精米器を使うことで玄米の状態で保存をし、毎日食べる分だけ精米することができるので、家庭で常につきたてのおいしいお米を食べることができます。

しかし、従来の家庭用精米器は精米の発生音が非常に大きく、その大きさは精米器から1mの位置で69dBAもありました。精米中は電話のベルもテレビの音も聞こえなくなるほどでした。家庭用精米器は夜間の使用が多いことやマンションなどでの利用を考えると、隣人に対する音の配慮から、発生音の対策が強く望まれていました。

今後精米器の需要がさらに見込まれることから、長野県工業試験場は、20年前から家庭用精米器の開発生産を行っている(株)柳沢精機製作所と共同で、低騒音化の課題解決に取り組んできました。

発生音の原因は、精米中に精米機構部で米がこすれあうことによって発生する非常に大きな振動で、この振動が各構成部品に伝わり、精米器全体を振動させ、振動音を発生させていました。振動発生源である精米機構部は、精米のノウハウや能力維持の問題があり、構造の変更は困難でした。そこで、精米機構部をモーターも含めて一体と考え、発生した振動が他の部分に伝達しないよう、周囲と振動絶縁することにしました。この対策によって、新しい家庭用精米器の発生音は1mの距離で57dBAと、12dBA低減させることに成功しました。

(長野県工業試験場 芳川美代子)

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平成12年度の環境庁事業

平成12年度の環境庁事業

平成12年度に環境庁が行う事業のうち、騒音振動関連を中心として以下に挙げました。数字は予算(単位は百万円)、カッコ内は前年度の数字です。

1.大都市地域の自動車環境対策等の拡充 2,072(2,042)

  1. 大都市地域の自動車交通等に起因する大気汚染の改善を図るため、大型ディーゼ ル自動車の代替に重点を置いて、低公害車の普及を推進するとともに、自動車から排 出される窒素酸化物(NOx)の総量削減のための新たな施策の検討や新たな騒音環境 基準に対応した道路交通騒音対策の充実を進める。
  2. 浮遊粒子状物質(SPM)について、規制を含め総合的な対策を検討するとともに 、浮遊粒子状物質の中でも微小な粒子状物質(PM2.5)についても、対策の検討に向け て測定・評価手法の確立を目指す。
  3. 低公害車の普及。
  4. 自動車NOx対策の推進
  5. 道路騒音対策等の充実・強化 918(911)
  6. 騒音の総曝露量(人間の耳に伝達される騒音の総量)を正確に反映し、国際 的にも広く採用されている評価手法を採用した新たな騒音環境基準の達成に向け て、現場での対策立案の基礎となる騒音の推計方法を開発する。さらに、騒音に よる睡眠への影響等に関する我が国独自の知見を充実させるための総合的研究を 開始する。また、悪臭、振動等の感覚公害対策を推進する。
    • ・(新)新環境基準に対応した沿道騒音の面的推計方法の開発 18(0)
    • ・(新)騒音による影響の評価に関する総合的研究 16(0)

2.21世紀にふさわしい環境行政を的確に進め得る「環境省」を実現するための体制整備

  1. 平成13年(2001年)1月に環境省が設置されることに伴い、廃棄物行政の一元化 、化学物質対策をはじめとする幅広い事務の共管化、地球環境問題への取組の強化等 に対応した組織・定員を確保し、体制の充実強化を図る。
  2. 顔の見える環境省を目指して、環境行政への国民の理解と参画を進めるため、環 境に関する調査の情報を分かりやすい方法で国民に提供する。
  3. 環境省設置に向けた体制整備 環境庁の現在の機構、1官房4局2部2審議官24課を、1官房4局3部4審議官27課1参事官に変える。
  4. 環境省の組織・体制のポイント
    1. 地球環境対策の強化
    2. 総合環境政策の強化
    3. 共管事務等による事務増への対応
    4. 国立公園等現地管理体制の充実
    5. 国立環境研究所の廃棄物研究体制の確立
  5. 環境国勢調査情報の提供

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東海地区公害試験研究機関会議

東海地区公害試験研究機関会議

平成11年度東海地区公害試験研究機関会議騒音振動分科会が11月26日、新築されたばかりの三重県科学技術振興センター保健環境研究所で開催されました。出席した機関名と人数は愛知県環境調査センター(3名)、三重県保健環境研究所(3名)、静岡県環境衛生科学研究所(1名)、名古屋市環境科学研究所(3名)及び岐阜県保健環境研究所(2名)の計12名でした。

今回の会議は挨拶(三重県保健環境研究所)、自己紹介の後以下の式次第で進められました。

1.議 題

  1. LAeqによる環境騒音測定について(岐阜県)
  2. 新幹線鉄道騒音の評価手法の検討(静岡県)
  3. アルミ鋳物製品製造工場から発生する低周波音について(三重県)
  4. 道路背後地騒音の測定例について(名古屋市)
  5. 道路交通騒音におけるLAeqとLANについて(愛知県)

2.施設見学

三重県保健環境研究所及び三重県環境学習情報センター

この分科会は昭和48年頃から開催されており、最初の10年ほどはメンバーがほとんど変わらなかったので、自己紹介の必要はありませんでした。最近は名古屋市を除く他の機関のメンバーの異動が激しく、自己紹介無しではすまされません。

議題では上記のとおり、環境騒音の評価方法の変更に伴う測定の実施方法などに関する話題が3題を占めています。実際に測定する側からするといろいろ疑問が出てくるようです。

三重県はこれまで騒音振動担当者がなく、この分科会も情報解析部門の方が出席されていましたが、移転改組に伴い無響室等の施設と最新鋭の機器を揃え担当が出来ました。非常に喜ばしいことです。

次回は静岡県が幹事県で名古屋市で開催されることに決まりました。

(岐阜県保健環境研究所 奥平文雄)

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「あなたに伝えたい私の好きな音風景」キャンペーンについて

「あなたに伝えたい私の好きな音風景」キャンペーンについて

このキャンペーンは民放ラジオ局が身の回りの貴重な音風景、音文化をリスナーとともに発掘・制作し、音の魅力を再認識することをねらいとして行うものです。

誰もが「音」からイメージされる風景や季節感・領域感を持っています。例えば、蝉の鳴き声を聞いてはじめて「ああ、夏なんだ」と再認識したり、「音」から自分のノスタルジーの中での風景をイメージすることがあります。まるで聴覚からフラッシュバックするかのごとく、季節を感じたり、風景を思い出したり、連想することです。それは人と音の間に存在する一つの「音文化」といえます。時として視覚よりも心の奥深く、そして永く残るものであり、心の中で大きく広がりながら、さらには音によって優しさや温かさ、そして安らぎまでをも感じさせてくれます。そのような「音風景」は誰もが漠然と持ち、どこの土地にも存在しています。

放送の世界でも「IT革命」と呼ばれる技術革新が進行中ですが、ラジオの強みは今まで培ってきた「音」「音声」のみが持ちうる力であり、リスナーひとりひとりの想像力がそれぞれの独自の世界を築いていく力です。

21世紀を目前に控え、ラジオ局自身の武器となる「音」を今一度捉え直すことは意義あることと考え、当キャンペーンを企画しました。

実施期間は平成12年5月22日~12月上旬、主催は社団法人日本民間放送連盟・音声放送委員会です。

実施内容は、「音風景」のアイデア・エピソードを募集、参加99社で1社1作品を制作し、その中で選考した優秀20作品をミニ番組として各社で放送する事を骨子とします。

当キャンペーン実施に際しては、独自のホームページを開設し、各社のホームページからリンクできるようにするとともに、募集告知・募集要項を掲載し、音風景の応募も可能なものとする予定です。また、最優秀作品の一般公開投票、作品紹介等にも活用したいと考えています。

((社)日本民間放送連盟)

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騒音による影響の評価に関する総合的研究について

騒音による影響の評価に関する総合的研究について

環境庁大気保全局大気生活環境室では、平成10年5月22日の中央環境審議会答申に基づく新たな「騒音に係る環境基準」が平成11年4月に施行された事を受けて、「騒音による影響の評価に関する総合的研究」事業を実施する。

新環境基準は、当時において最大限得られる科学的知見に基づいて設定されたものであるが、中環審答申において「騒音の睡眠への影響、騒音に対する住民反応等に関し、特に我が国の実態に基づく知見の充実に努めることが必要である」旨指摘されている。

本研究は、騒音による影響が国民の生活実態、社会的環境の変化、対策の進展等により変化していくものであることを踏まえ、新環境基準のもとで国民の生活に応じたきめ細かい行政対応をとっていくために、騒音の性状、居住実態等に応じた騒音影響に関する知見を充実していくことを目的とする。

事業費は1,600万円で、騒音による睡眠への影響に関する調査や、住民反応に関するアンケート調査についての統一的手法の確立等を目指し、統一的調査方法に基づき、我が国の様々な居住実態等の下で騒音による睡眠影響と住民反応に関する研究を実施する予定である。事業は平成12年度に開始し、平成16年度に取りまとめを行う予定である。

大気生活環境室では、この他に悪臭防止対策の推進事業や、低周波音問題についても取り組みをしている。

(環境庁大気保全局大気生活環境室)

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環境騒音振動行政分科会定例会開催

環境騒音振動行政分科会定例会開催

平成11年度第3回環境騒音振動行政分科会定例会が,5月12日環境庁において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々を含めて22名で,2件の議題について討議しました。

最初の議題は,環境庁大気生活環境室の藤田室長から,平成12年度における大気生活環境室の事業計画についてお話しいただきました。主な計画は2件あり,1件目は本コラムに記載されている「騒音による影響の評価に関する総合研究」,2件目は低周波音問題への取り組みでした。特に低周波音は,平成9年度から調査を開始し,調査結果を取りまとめ,測定方法等に関するマニュアルを作成し,本年度中に地方自治体等に配布予定とのことでした。

次の議題は,末岡委員から,行政分科会で作成中の「騒音調査の手引」の内容と進捗状況の説明がありました。この「騒音調査の手引」は,自治体担当者を対象としており,これを読めばとりあえず環境騒音の測定が出来るという程度に仕上げ,汎用性の高い手引書を目指しました。この手引書は出来上がりしだい,自治体を中心に配布いたしたいと考えております。

(千葉市環境保健研究所 松島 貢)

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環境騒音調査の手引

環境騒音調査の手引

騒音に係る環境基準のLAeqへの改訂、あわせて騒音規制法改正や地方分権などに より、かつて無い規模での環境騒音のモニタリングが開始されようとしている。これ に対応して都道府県等において、モニタリングの体制作りが検討されているが、騒音 施策の検討、経費の捻出、区市町村の指導、など検討事項が山積している。言うまで もなく、このような新たな情況のなかでは、各都道府県等における「継続的なモニタ リングの仕組み作り」が最も重要な課題である。

この環境騒音の技術的な測定方法については、環境庁より「技術的助言」として 測定マニアルが作成されているが、法的な位置づけや計画の管理などについての情報 が不足している。そこで、環境騒音振動行政分科会では、各委員の協力のもと、適切 なモニタリング体制を構築するために必要な事項について、法的な経緯を含めて解説 した手引きを作成することにした。

本手引きにおいては、法的な位置づけからはじまり具体的な機器管理の注意点ま で、例示的に記述してあり、都道府県等が具体的な仕組み作りにおいて参考となる資 料としてある。内容としては、(1)環境基準と騒音行政、(2)環境基準の測定評価、(3)騒 音測定の留意点、(4)騒音測定の関連事項、に整理して記述した。都道府県等において は、この手引きにより具体的な仕組み作りを検討され、測定技術面については環境庁 マニアルを参考にされたい。なお、本手引きについては、今後のモニタリングの積み 重ねに合わせて順次改訂を行い、この大規模なモニタリング業務が適切に遂行される ように援助していきたい。

なお、本資料については、環境騒音振動行政分科会の資料として作成したもので あり、入手については、各委員まで問い合わせ頂きたい。

(東京都 末岡伸一)

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全国公害研協議会関東甲信静支部騒音振動専門部会会議

全国公害研協議会関東甲信静支部騒音振動専門部会会議

平成12年度全国公害研協議会関東甲信静支部騒音振動専門部会が7月6日(木)~7日(金)、プラザ菜の花(千葉市)において開催されました。出席した機関は静岡県、神奈川県、横浜市(資料参加)、川崎市、山梨県、長野県、東京都、千葉市、埼玉県、栃木県、群馬県、千葉県(開催県)の各環境・公害関連試験研究機関であり、オブザーバーも含め参加者は20名でした。

議 題

  1. 排水性舗装と光触媒塗布排水性舗装の騒音比較(千葉県環境研究所)
    千葉県が市川市において、実験的に行っている光触媒塗布排水性舗装の音響特性 を調査。
  2. 道路交通騒音の異常音の除外例の検討(静岡県環境衛生科学研究所)
    静岡県で提案しているLxからLAeqを算出する簡便式の有効性を検証。
  3. 道路交通騒音の鉛直方向のレベル分布(千葉市環境保健研究所)
    千葉の県市合同で中高層集合住宅における騒音の垂直分布を調査。
  4. 「騒音に係る環境基準」の測定・評価-問題点とその対応について-(横浜 市環境科学研究所)
  5. 騒音制御工学会の騒音調査の手引きについて(東京都環境科学研究所)
  6. 苦情データ・苦情処理事例の利用について(神奈川県環境科学センター)
    苦情処理データの有効活用について今後の方策を検討。
  7. 道路交通振動における大型車に起因する振動レベルの実測(千葉県環境研究 所)
    道路交通振動対策に関して、大型Ⅰ種対策と車線構成に着目して考慮することの 重要性を指摘。
  8. その他
    (1)次期開催都県として東京都が紹介されました。なお、全公研騒音振動担当者会の 全国集会に関するアンケート調査の趣旨説明がありました。
    (2)専門部会と当部会が行う情報連絡会の内容と情報交換の促進について意見交換が ありました。

2日目は現地視察として、千葉県内の自治体合同調査である自動車交通騒音の高 層階建物への影響調査の現地調査地点を確認後、国道14号上り車線(千葉市美浜区真 砂)の騒音対策現場を視察しました。

今回の部会では関係都県市から発表があり、また翌日は遮音対策の現場を視察 し、意見交換がなされました。この部会は都県市の担当者の会議として、自由な意見 交換が行われるところに意義があり、それぞれの参加機関の調査研究の向上に貢献し ています。

(千葉県環境研究所 石井 晧)

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認定技士の会報告

認定技士の会報告

第58回認定技士の会が4月19日(水)グランドヒル市ヶ谷で開催されました。出席者は17名でした。

中野環境クリニックの中野有朋氏をお招きして、「最近の超低周波音、低周波音対策事例」という題で講演していただきました。

低周波音・超低周波音の影響によると思われる苦情とその実態について、多くの調査事例を挙げて、具体的に分かりやすくご説明していただきました。

低周波音で普通耳から聞こえる音としては①遠方からの自動車走行音や工場操業音、②集合住宅ではかすかに聞こえる隣戸の物音やドアの開閉音、③戸建住宅では換気扇の音、エアコンの室外機の音などで、一般的にレベルは低く特定の周波数成分が卓越した音である。なお、20Hz以下の超低周波音は真空ポンプ、空気圧縮機等の大型機械や高速道路のような構造物によって発生するもので、作業環境やダムの放水路等の自然現象で生じて問題になることはあるが、一般家庭においては人体に感じられるような超低周波音の発生源はほとんどないと考えてよい。また、低周波音の問題はほとんどが静かな住宅地で起こっているのが特徴で、低周波騒音計などの測定機器で測定はできるが、評価方法や基準値は騒音のように定められたものは現在のところない。最近、基準がないことから訴訟も増えており、対策においては周辺環境が非常に静かな場合、その音が感知されるか否かによって評価が行われているが、防止技術は現在充分確立されていると考えてよい。

このような現状において、低周波音に類する音の問題の取り扱いにおける評価方法、対策としての防止技術についても事例を通じて説明され、質問も活発に行われ大変参考になる講演でした。

第59回認定技士の会は7月12日(水)同じくグランドヒル市ヶ谷で開催され、出席者は13名でした。講演は「続・梵鐘の音」という演題でリオン(株)の大熊恒靖氏にお願いしました。

環境庁が選んだ「残したい日本の音風景100選」の中でも、12の梵鐘の音が選ばれています。鐘の音はNHKテレビ「ゆく年くる年」の除夜の鐘の音をイメージすることが一般的で、鐘の音をゆっくり聞く機会も昨今では少なくなりました。今回、長年にわたる鐘の音の収集活動の中で得た貴重な資料等からなる研究の概要を、パソコンを使用した映像と音によるプレゼンテーションによりご説明していただきました。鐘の音は、鐘が鳴っているとき、その鐘の表面の一部だけを詳細に調べても全体像はとらえられないそうで、鐘全体を見る必要があるそうです。鐘の音はいつまでも残る最も低い周波数の音(基音)をベースとして、たくさんの倍音が複雑に混ざった音になっています。基音の減衰時間が鐘の音の印象を決める重要な要因の一つであることに着目して、鐘の年代と減衰時間の関係から梵鐘の音の減衰時間に時代的な変遷があるという研究成果を様々な角度からご説明されました。寺の鐘にまつわる話など興味の引かれる講演でした。

その他、認定技士の会の今後の活動、見学会、ニュースの発行等について討議して会を終了しました。

(認定技士世話人 石橋正義)

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第1回全公研騒音振動担当者会議開催される

第1回全公研騒音振動担当者会議開催される

この度、全公研協議会(全国の公設環境研究所68機関で構成)に騒音振動担当者会議が設けられ、その記念すべき第一回が東京都北区の北トピアで9月4日(月)に開催された。大気汚染や水環境については、全公研で同様の会議が開催されており、これらに合わせて騒音振動部門においても全国規模の会議を毎年開催することにしたものである。

今回は、東京都環境科学研究所が事務局となったが、環境基準や要請限度の改正、常時監視規定の追加など、一連の騒音に係る基準等の改正があり、各機関とも関心が高く北海道から沖縄県まで、69名の多数の参加により盛大に開催された。

当日は、東京都環境科学研究所土屋所長から事務局挨拶、環境庁大気保全局大気生活環境室藤田室長から来賓挨拶があり、一般演題5件、特別演題2件の報告があり熱心に質疑討論が行われた。発表は、神奈川県環境科学センターの大塚氏を座長に、(1)一般道路用低防音壁の道路騒音低減効果測定(神奈川県 石井貢)、(2)環境騒音評価において除外すベき音の取り扱いについて(長野県 内田英夫)、(3)住民の反応を基にした環境騒音の分析と評価(名古屋市 大宮正昭)、(4)大型車に起因する振動の実態とL10評価(千葉県 樋口茂生)、(5)地方の研究所における騒音振動部門の現況と課題(福岡県 木本行雄)、(6)低周波音の測定マ二アルについて(環境庁 高尾智満)、(7)道路交通騒音対策中間報告について(環境庁 島村喜一)の報告が各氏よりあった。

騒音振動については、専管部門を有する機関が少ないにもかかわらず、行政部門を含め多数の参加者があり、最近の騒音問題への関心の高さがうかがわれる。なお、来年度については、福岡県を事務局として9月ごろ開催される予定である。

(東京都環境科学研究所 末岡伸一)

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「大都市騒音・振動主管担当者会議」の報告

「大都市騒音・振動主管担当者会議」の報告

Vol.23 No.1 (1999. 2) より

平成10年度の標記会議が11月1O~11日に千葉市において開催された。この会議は12の政令指定都市と東京都の課長相当職で構成されており毎年1回持ち回りで開催し,今回は28回目である。騒音に係る環境基準が9月3O日に告示され,27年ぶりに改正されたことに伴い,大都市の騒音担当者においても測定方法や評価について戸惑いがみられる中,今回の会議では環境庁大気保全局自動車環境対策第1課の鈴木課長より「改正後の騒音に係る環境基準について」,続いて目動車環境対策第2課の山田主査より「道路に面する地域の測定方法について」ご説明があり,その後に活発な質疑応答がなされた。質問事項は,近接空間の後背地に関するもの、昼間と夜間の2分類にした理由、自動車騒音の監視について都道府県と市町村の役割分担に関するものなどがあった。

その他の議題として,騒音の環境基準の評価方法の見直しに伴う測定体制等について取り上げたが,測定方法等の詳細が明らかになった時点で,その内容に沿った方向で検討することになった。もう一つの議題として複合型娯楽施設への対処方針について議論し,日頃苦労されている苦情処理の考え方を意見交換した。

また,承り事項は屈出に関する事項3題,自動車騒音対策等への取組状況について2題およぴ鉄道騒音調査の実施状況について1題であり,各市持ち婦りのうえ問題点・疑問点については直接問い合わせをすることとした。

最後に,来年の会議開催市となる横浜市よりご挨拶があり会議を閉会した。

(千葉市環境局 川島高嗣)

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平成10年度秋期講習会の開催結果について

平成10年度秋期講習会の開催結果について

Vol.23 No.2 (1999. 2) より

平成10年度2回目の騒音振動技術講習会が11月5、6日の両日に渡り東京飯田橋のレインボービルで開催されました。秋期講習のテーマはLeqが新環境基準の評価値となったことから「新たな騒音の評価手法の解説と測定法の実習」として企画いたしました。事業部会では春と秋の2回技術講習会を開催しています。春期講習会は、新たに騒音振動を担当することになった初心者を対象に、秋期講習会は騒音振動測定に関し多少の経験を持つ人を対象にカリキュラムを作成しています。第1日目は騒音に係る新環境基準をテーマに環境庁大気生活環境室の山崎室長補佐、千葉工大の矢野先生、小林理研の山田所長をはじめ道路交通騒音、鉄道騒音に関する研究の専門家に講師を依頼いたしました。第2日目は測定・分析実習を主にした講座とし、道路交通騒音、鉄道騒音、航空機騒音等をスピーカーから流し、また、加振器を使って公害振動をテーブルに再現し、騒音計や振動計の操作法、データの整理・評価計算法、周波数分析法などを経験してもらいました。実習に使う機器等は、(財)小林理研、リオン(株)及び(株)小野測器のご厚意により各社のものを借用させていただきました。測定、分析の実習に際しては、事業部会のメンバーが各グループに張り付き助言に当たりました。講習会参加者は、60名で講習中にあった質問等は本誌のQ&Aコーナーで紹介する予定です。

(神奈川県環境科学センター 堀江裕一)

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環境騒音振動行政分科会

環境騒音振動行政分科会

Vol.23 No.3 (1999. 2) より

平成10年度第2回環境騒音振動行政分科会定例会が、8月28日環境庁において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々14名でした。議題は告示間近の環境基準の状況と、本年度の見学会・シンポジウムの内容について討議しました。

環境基準について、環境庁自動車環境対策第一課奥山康博氏より環境基準の現状説明を頂きました。その内容は、現在環境基準告示に向けて最終的な調整を行っており、平成11年4月1日に施行したい。測定マニュアルも告示と同時に示したい。騒音測定マニュアルについて、東京都環境科学研究所の末岡伸一委員から、基本的な概要並びに方向性について説明がありました。

平成10年度第3回環境騒音振動行政分科会定例会が、11月17日神奈川県環境科学センターで開催されました。出席者は委員7名と台湾考察団6名の13名でした。今回は「日本における騒音・振動改善対策」を研修目的に来日された台湾考察団と騒音振動行政に関する意見交換を行いました。台湾考察団の来日目的は、近年台湾では騒音に係る苦情が年間2万件程あり(苦情全体の30%)、ここ10年で2倍に増加しており、これを改善するために法改正を1998年中におこなう計画があるため、日本の法体系や改善対策の現状を視察するために来日されました。意見交換会では、日本の法体系や改善対策について事細かな質問が飛び出し、短時間でしたが活発な討議が繰り広げられました。

また、事業部会と共催する明石大橋見学会と道路騒音・振動のアセスメントに関するシンポジウムは、平成11年3月12日と13日の両日に決定いたしました。

(千葉市環境保健研究所 松島 貢)

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平成9年度騒音規制法・振動規制法施行状況調査について

平成9年度騒音規制法・振動規制法施行状況調査について

Vol.24 No.1 (1999. 4) より

環境庁では、騒音振動行政の一層の推進を図るため、毎年度、全国の都道府県、指定都市及び中核市を通じ、騒音振動苦情の状況、騒音規制法及び振動規制法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い、その結果を取りまとめている。平成9年度の騒音及び振動に係る苦情の状況、騒音規制法及び振動規制法の施行状況の概要は次のとおりである。

(1)苦情の状況

騒音苦情の件数は、平成9年度は14,011件で、前年度に比べ7.0%減少した。苦情の発生源別内訳をみると、工場・事業場騒音が最も多く38.7%、次いで建設作業騒音20.8%、営業騒音13.2%、家庭生活騒音8.3%等であった。

発生源別の増減状況としては、苦情の総数の約4割を占める工場等(前年度比533件の減)に係る苦情が減少するなど全体として減少した。

また、騒音苦情件数の都道府県別増減状況をみると、減少件数が大きいのは埼玉県、兵庫県等であり、増加件数の大きいのは神奈川県、東京都等であった。

振動苦情の件数は、平成9年度は2,257件で、前年度に比べ15.2%減少した。苦情の発生源別内訳をみると、建設作業が45.9%、工場・事業場が33.1%、道路交通が12.5%等であった。

発生源別の増減状況としては、建設作業(前年度比181件の減)に係る苦情、工場・事業場(前年度比135件の減)に係る苦情など全体として減少した。

また、振動苦情件数の都道府県別増減状況をみると、減少件数が大きいのは東京都、兵庫県等であり、増加件数の大きいのは滋賀県、京都府等であった。

(2)法の施行状況

騒音規制法に基づく規制対象地域は、全国の65.0%に当たる2,111市区町村(前年度比4市町の増)で指定が行われている。同地域において規制対象となる工場・事業場及び建設作業に対する苦情については、立入検査が1,671件、行政指導が1,773件行われた。法に基づく改善勧告は7件(前年度5件)行われ、改善命令は行われなかった(前年度0件)。

振動規制法に基づく規制対象地域は、全国の50.8%に当たる1,653市区町村(前年度比4市町村の増)で指定が行われている。同地域において規制対象となる工場・事業場及び建設作業に対する苦情については立入検査が475件、行政指導が498件行われた。法に基づく改善勧告は1件(前年度0件)行われ、改善命令は行われなかった(前年度0件)。

環境庁としては、今後とも騒音規制法及び振動規制法に基づく対策の推進を図っていく。

(環境庁大気保全局大気生活環境室)

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平成9年度自動車交通騒音の現況について

平成9年度自動車交通騒音の現況について

Vol.24 No.2 (1999. 4) より

環境庁においては、自動車交通騒音の実態を把握するため、全国の自治体「当該地域の騒音を代表すると思われる地点又は騒音に係る問題を生じやすい地点」(全国5,286地点)において平成9年度に実施した自動車交通騒音レベルの測定結果について以下のとおり取りまとめた。

1.環境基準

全国の測定地点(環境基本法に基づく環境基準の類型指定地域内4,713地点)のうち、4時間帯(朝・昼間・夕・夜間)すべてで環境基準が達成されたのは625地点(13.3%)、4時間帯すべてで達成されなかったのは2,573地点(54.6%)で、一部測定地点は異なるものの平成8年度の調査結果(4時間帯すべてで達成599地点(12.9%)、4時間帯すべてで非達成2,558 地点(55.1%))と同程度の水準であった。また、5年間継続測定地点(2,890地点)でみると、4時間帯すべてで環境基準が達成されたのは354地点(12.2%)で、過去5年間と比較すると同様な傾向であり、依然として低い達成率となっている。

2.要請限度

全国の測定地点(騒音規制法に基づく指定地域内4,908地点)のうち、4時間帯すべて又は4時間帯のいずれかで要請限度を超過したのは1,481地点 (30.2%)で一部測定地点は異なるものの平成8年度の調査結果(1,573地点(32.1%))と同程度であった。

また、5年間継続測定地点(3,036地点)でみると、4時間帯すべて又は4時間帯のいずれかで要請限度を超過したのは983地点(32.4%)で、過去5年間と比較すると同様な傾向であり、依然として厳しい状況である。

環境庁としては、以上のような状況を踏まえ、今後とも、道路交通騒音対策を総合的かつ一層強力に推進することとしている。

なお、平成10年9月30日付けで騒音に係る新環境基準が告示され、平成11年4月1日から施行される。

(環境庁大気保全局自動車環境対策第二課)

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新「環境基準に係る環境基準」に関する研究会報告

新「環境基準に係る環境基準」に関する研究会報告

Vol.25 No.1 (1999. 6) より

環境騒音振動行政分科会、道路交通騒音分科会及び事業部会の共催の新「騒音に係る環境基準」に関する研究会が平成11年3月12~13日に兵庫県立生活科学研究所で開催されました。騒音に係る新環境基準の施行が4月にせまっているが、環境騒音の測定、アセスメントなど実務を担当する自治体やコンサルタント会社関係者にとって環境庁の騒音測定マニュアル(暫定版)によるLAeqの測定、評価にまだ疑問や不確定な個所があると感じ,研究会に多くの関心が集まった。当日は自治体関係が約70人、コンサルタント関係が約40人など満席の状態であり、当初の予想を大幅に越えた申し込みのため一部お断りをしたと聞いている。

1)「現場からの報告」司会 住友聰一氏(兵庫県立公害研究所)

騒音評価マニュアルに基づいて道路交通騒音を測定した千葉市と兵庫県から24時間の道路騒音及び交通量等の測定体制、測定場所選定、異常音除去方法、マニュアルに基づいた測定と連続測定とのレベル比較などの発表があった。

コンサルタント関係からは道路交通騒音のアセスメントにおける現況調査や「面的」評価について、

  • 現況調査では夜間には連続測定が必要なこと、建物反射、遮音壁の影響などの注意点、
  • 道路交通騒音の推計では、道路に直接面する地点のLAeqは推定可能であるが背後地の騒音は予測のみではまだ精度上問題があり、実測と予測の組み合せが効果的であることなどの報告があった。

2)「問題解決に向けて」 司会 瀬林伝氏(神戸市)

自治体、コンサルタント、測定マニュアル検討委員ら4名のパネリストによるディスカッションと質疑は以下のようであった。

  • 新マニュアルに基づく騒音測定は多大な経費と労力が必要とされるため、測定データの一層の活用と行政施策へ反映が求められる。
  • 細街路を走行する自動車音は異常音として処理してよいか。
  • 騒音測定の目的を区別、明確化し、目的にあった測定をする。例えばアセスメントでは基本評価編に基づく調査、地域編の簡略化による自治体の調査、予測手法の開発、検証のための調査、防止対策調査などが考えられる。
  • 背後地の測定目的や道路に面する地域と一般地域の識別方法など。

新環境基準の測定・評価にはまだ多くの課題が含まれているが道路騒音防止対策の施策が前進しそうな雰囲気が感じられた。なお13日は春霞の明石海峡大橋を見学した。

(名古屋市環境科学研究所 大宮正昭)

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環境騒音振動行政分科会とインターネット

環境騒音振動行政分科会とインターネット

Vol.25 No.2 (1999. 6) より

環境基準がL50からLAeqに変更されたのを機会に、環境騒音振動行政分科会で環境基準に対する意見交換が活発になされるようになりました。しかし、年に3回程度の例会では十分な意見交換が出来ないということで、メンバーの中からもっと自由に意見交換が出来ないかという声があがりました。そこで、インターネットのホームページを運営している長野県衛生公害研究所で、分科会の情報交換をお手伝いすることが出来るか検討しました。この検討のなかには、電子メールによる情報交換と画像情報等が見られる掲示板の作成が含まれています。その結果、機能の制限でメーリングリストを立ち上げるには難しい面があるため、それに類似した機能を使って電子メールによる情報交換を行い、必要に応じて掲示板風に画像情報を閲覧できるようにしました。

試験を開始してみたところ、最初は順調だったのですが、途中でハッカーによりメールサーバーが悪用されたことが判明したため、ハッカー対策をしました。すると、一部のメンバーからのメールに限って返信ができなくなるという、トラブルが発生しました。あれやこれやととまどいましたが、一部に機能制限をしてどうやら試験運用できる体制になりました。

さて肝心な情報交換は、現在試験をしている状態にもかかわらず、熱心なメンバーに引きずられるようにして、環境基準の議論にとどまらず幅広い話題で活発な討論が進めらています。情報交換については、ハードの部分(コンピューターの能力やメーリングリストの機能)よりもソフトの部分(どんな情報がどのように交換されるか)が大切ですから、活発な討論が続くことはまさにメールの管理人冥利に尽きる心持ちです。この紙面を借りて活発な討論を推進していただいているメンバーに感謝したいと思います。今後ともよろしくお願いするとともに、これを機会に本格的に運用をしてみようと考えていますので、騒音行政担当者の参加をお待ちしています。

(長野県衛生公害研究所 内田英夫)
Email: uchida@nagano-eikouken.or.jp

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「自動車騒音低減技術に関する第4次報告書」について

「自動車騒音低減技術に関する第4次報告書」について

Vol.26 No.1 (1999. 8) より

1.経緯等

環境庁では、従来より自動車騒音低減に係る対策の1つとして、自動車構造の改善で1台ごとの運行に伴い発生する騒音の大きさを減らす自動車騒音規制(単体規制)を実施しております。最近では、自動車の交通量の増加等により、幹線道路の沿道地域を中心に、依然として環境基準の達成状況が厳しい状況にあることから、平成4年11月の中央公害対策審議会中間答申及び7年2月の中央環境審議会答申にて更なる規制強化の内容を提言いただいたところです。

これを受け、同答申で設定された目標値の達成見通しを早期に明らかにすること、また自動車メーカー等における技術開発を促進することを目的として、平成7年6月に学識経験者からなる「自動車騒音低減技術評価検討会」を設置し、同検討会で目標値達成の見通しが立ったと評価された車種から逐次規制強化を図っております。

2.第4次報告書の概要

「自動車騒音低減技術評価検討会」ではこれまで、3次にわたる報告書をまとめてきました。今回、第3次までの報告書で目標値達成の具体的な達成の見通しが立たなかった車種(大型トラック、小型二輪自動車等)について、引き続き自動車メーカー等の開発状況に対する技術的検討を進めた結果、平成11年4月に第4次報告書をとりまとめることとなりました。

同報告書では、平成4年の中間答申から10年以内(平成14年頃まで)に目標値を達成すべきとされた車種のうち、中型車(車両総重量が3.5トンを超え、原動機の最高出力が150キロワット以下のもの)の全輪駆動車及びトラック並びに第二種原動機付自転車(排気量0.050リットルを超え、0.125リットル以下のもの)については平成13年頃に、また、大型車(車両総重量が3.5トンを超え、原動機の最高出力が 150キロワットを超えるもの)の全輪駆動車、トラクタ、クレーン車及びトラック並びに小型二輪自動車(排気量が 0.250リットルを超える二輪車)については、平成13年又は14年頃に目標値を達成できる見通しが立ったと評価されております。

これにより、すべての車種について、中間答申から6年以内又は10年以内とされた期間内に目標値を達成できる見通しが立ったことになります。

今後、本報告書を踏まえ、今回目標値達成の見通しが立った車種について、規制強化のための所要の手続きを行うこととしております。

(環境庁大気保全局自動車環境対策第二課 中谷育夫)

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認定技士の会報告

認定技士の会報告

Vol.26 No.2 (1999. 8) より

認定技士の会では4月19日(日)、鹿島建設(株)の長友宗重氏を講師に招き、第53回講演会を催した。参加者は認定技士21名であった。

我が国は21世紀に未曾有の高齢者社会を迎える。高齢者の身体能力の衰えや、視力の衰え、聴覚の衰えなど日常生活上、個人を取り巻く物理環境の障害が問題点として挙げられている中で、長友氏には「高齢者の聴覚と騒音」という演題で、聴覚の問題についてお話をしていただいた。

特に、人間は生きている限り誰しも年をとり、それに伴って様々な不具合が生じる加齢現象というものがあり、加齢による感覚の鈍化が起きる。65歳以上の高齢者になると、視覚の面では視界が暗くなり視野が狭くなる。聴覚の面では聴力の低下により、1kHz以上の高音域の音が聞こえにくくなるなどの高齢者特有の視覚聴覚特性や、言語理解速度が若年者に比較して遅くなる言語認識能力の感覚特性上の問題点等、人間の全体的な情報処理能力の衰えを指摘された。

こうした聴覚上の不具合にもかかわらず、今まで同様の生活を送り、高齢者と共に生きる社会の実現を目指すという考え方が最近提唱されており、高齢者を含む全ての人が利用できる都市空間、建築空間の構築が求められており、今後、公共施設等における拡声装置のデザイン(明瞭度・了解度)を最初から考える必要性があることを指摘されていた。

また、この分野の研究において、情報を聴取する側の高齢者の実態が十分把握されていないことが今後の課題ということで、参加者の中からもモニター参加協力のお話や補聴器の問題など活発な質問・意見が交わされ、非常に興味深い講演だった。

(認定技士の会世話人 石橋正義)

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道路交通騒音対策検討会の設置について

道路交通騒音対策検討会の設置について

Vol.27 No.1 (1999. 10) より

環境庁では、学識経験者からなる「道路交通騒音対策検討会」を設置し、4月16日に第1回検討会を開催する。同検討会では、4月1日に施行された新騒音環境基準を達成するために、今後の道路交通騒音対策の充実・強化について検討を行い、本年秋を目途に取りまとめを行う予定である。

1.設立の趣旨

  1. 昨年5月に中央環境審議会より、「騒音の評価手法の在り方について」答申が 出され、これに基づいて平成11年4月1日に新環境騒音基準が施行されたところである。この答申においては、道路に面する地域について環境基準達成に向けて今後展開するべき施策について提言が行われている。
  2. このため、環境庁においては大気保全局に学識経験者からなる「道路交通騒音対策検討会」を設置し、新環境基準の達成に向けて道路交通騒音対策の充実・強化について検討を行うものである。

2.検討内容、新騒音環境基準の達成に向けて、制度的枠組みの拡充を含め、総合的な対策の推進を 図る必要があるが、本検討会においては、答申において早急に展開するべきとされた、総合的かつ計画的な対策推進を図るための枠組みの強化、沿道対策の推進、強化等について検討を行う。

3.スケジュール
第1回検討会を4月16日に開催し、本年秋を目途にとりまとめを行う予定である。

4.道路交通騒音対策検討会 委員名簿(敬称略)

浅野 直人 福岡大学法学部長
大西 博文 建設省土木研究所環境部交通環境研究室長
大森 文彦 東洋大学法学部教授
押野 康夫 (財)日本自動車研究所ダイナミックス研究部部長
岸井 隆幸 日本大学理工学部教授
斎藤  威 警察庁科学警察研究所交通部交通規制研究室長
末岡 伸一 東京都環境科学研究所応用研究部主任研究員
原田  昇 東京大学新領域研究科教授
森口 祐一 国立環境研究所社会環境システム部資源管理研究室長
山内 弘隆 一橋大学商学部教授
山本 貢平 (財)小林理学研究所所長

(環境庁大気保全局自動車環境対策第一課)

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中村ひさおさんが個展を開きました

中村ひさおさんが個展を開きました

Vol.27 No.2 (1999. 10) より

当学会の会員で、音環境デザインをライフワークとして実践されている中村ひさおさんが横浜・港の見える丘公園近くにある、岩崎ミュージアムで個展を開きました。中村ひさお展・夏のささやき<音の原風景を見つめて>と題したもので、7~8m四方の部屋の床や天井にスピーカーを設置し、中村さんの子供のころの印象に残っている音をソースに音風景が創作されていました。部屋の中央部にはファインアート作家で、中村さんの友人でもある赤岩保元さんが作成した紙粘土の夕顔が100個ほどつるしてあり、音風景を際だたせる演出となっていました。

個展を開くにあたり、中村さんは次のように述べておられます。「人は誰しも原点となる音風景を持っています。それは自分の中に眠っているやさしい記憶なのかもしれません。夏のひととき、私の音の原風景を体験して下さい。耳慣れた音たちを、集めたり、並べたり、広げたり、切り取ったりしながら岩崎ミュージアムという空間に私の心の中の風景を表現します。」

聞こえてくる音は、小川と小さな土手で聞こえる音といったところでしょうか。せせらぎの音、小鳥の声、汽車の音、犬の声、カエルの声等がきこえます。多チャンネルで再生されているので、部屋の中を移動すると川面の近くのイメージ、土手に上った時のイメージなど工夫が凝らされていました。

個展は、1999年7月20日から8月1日まで開催されました。

(神奈川県央行政センター 堀江侑史)

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環境庁人事異動

環境庁人事異動

Vol.27 No.3 (1999. 10) より

( )内は前任者。敬称略

平成11年4月1日付

自動車環境対策第一課主査 滝澤 晶(清水厚宏)
自動車環境対策第二課 瀬戸加奈子(山田正人)
大気生活環境室 阿部友喜(原崎正幸)

4月27日付

大気保全局企画課課長 桜井康好(冨岡 悟)
大気生活環境室室長 藤田八暉(柏木順二)
同室長補佐 戸田英作(大気規制課課長補佐併任)

前大気生活環境室山崎邦彦室長補佐は米国へ研修出張

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環境騒音振動行政分科会

環境騒音振動行政分科会

平成11年度第1回環境騒音振動行政分科会定例会が、8月10日、環境庁会議室において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々16名でした。

議題は、自動車騒音の要請限度に関する中環審(中央環境審議会)からの素案の説明と、規制基準と環境基準の関係についての解説でした。

要請限度の審議状況については、環境庁大気保全局自動車環境対策第1課奥村氏より、8月3日に中環審騒音振動部会より報告のあった、騒音評価手法の在り方の素案について説明を頂きました。

主な内容は、今回の要請限度における審議内容は、騒音の評価手法等のみを検討し、制度については検討しない。環境基準と要請限度の整合性をはかるため、要請限度についても騒音の評価手法にLeqを採用する検討を行っている。測定評価方法については、要請限度は自動車騒音の発生源側の騒音レベルを把握するものであるため、測定点は原則として道路端、測定日数は連続する7日間を代表する3日間とし、時間区分ごとに全時間を通じてエネルギー平均した値によって評価すること。そして具体的には、測定方法は環境基準における方法、区域の区分は環境基準の類型区分、時間帯の区分は環境基準の区分に、それぞれ合わせる方向に検討されたそうです。要請限度値は、現行の限度値がそうであるように、環境基準値に一定の値を加えたものとし、新たに環境基準で採用された近接空間の特例についても検討されたとのことでした。

つぎに、末岡委員から、今までともすれば正確に理解していなかった環境基準、規制基準、及び要請限度の定義や意義や相互関係を、詳細な資料(法制時の国会答弁等)を基にして的確な解説をしていただきました。素晴らしい内容の資料で、すべてお知らせ出来ないのが残念ですが、一部を紹介しますと、環境基準は行政の目標値で、複合した騒音に対する基準、クライテリアに実現可能性利便性等を考慮したものである。規制基準、要請限度は、環境基準を達成するために個々の発生源が守る基準である。また、今回の要請限度における区域区分の検討が、環境基準の区分を前提に行われていること等から、規制基準の地域指定と環境基準の類型指定の関係も適切な適用関係を保つ必要性があるのではないかとのことでした。

今回の例会は、中環審から示された自動車騒音の要請限度の素案及び、規制基準と環境基準の関係とホットな議題であったため、活発な討議が繰り広げられ盛況のうちに閉会となりました。

(千葉市環境保健研究所 松島貢)

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認定技士の会報告

認定技士の会報告

認定技士の会では7月13日(火)、第54回の定例会を開催した。会合には東和大学の佐々木實氏を講師に招き、講演会を催した。参加者は認定技士21名であった。

人間の声は一人で出す場合は、実に様々で人の数だけ異なった声があり、同じ声を持った二人というのはないそうである。しかし、二人以上の声が重なり合うと各人の持つ個性が後退し、新たな個性を持つようになるという。この現象は普段、無意識に使っている音声、話し声、歌声など、聴覚的に溶け合って日常生活にも深く関わっている。この現象は音響学的、特に音響心理学的には未だに解明されていない領域だそうで、聴覚的には物理的重ね合わせ以外の新しい音感覚が生じる。歌の場合には、特にこの現象を「コーラス効果」と呼んでいるそうで、新しい音感覚が生じるコーラスは、この「音声の重なりによる聴覚現象」、略して「音声重なり現象」と呼ばれるこの現象を利用しているそうである。

今回の講演では「声のハーモニーの楽しみ」と題して、コーラスの声のハーモニーのすばらしさ、声を合わせて歌うことの楽しさを講演者自ら音響機器を会場に持ち込み、実演付きの講演をしていただいた。

「良くハーモニーする」ということの同意語である「協和する」という言葉の意味について、その定義、形成要因、及び合唱音楽の起源を、合唱例やそのフレーズをアカペラで歌い、合唱音楽の種類についてわかりやすく解説していただき、合唱音楽の素晴らしさを堪能させていただいた。当日の豪雨の中での講演時間はあっという間に過ぎ去り、清涼感漂うNHKの「音楽の泉」を彷彿させる楽しいミニ音楽会となった。

(認定技士の会世話人 石橋正義)

環境庁人事異動( )内は前任者。敬称略
平成11年9月1日付
自動車環境対策第一課物流専門官
奥山 広(今田滋彦)
※物流専門官は鉄道・航空機騒音担当

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