公益社団法人 日本騒音制御工学会

公益社団法人 日本騒音制御工学会とは

日本騒音制御工学会は “騒音・振動およびその制御に関する学術・技術の発展と普及を図り, もって生活環境の保全と向上に寄与すること” を目的として1976年(昭和51年)に設立した団体で, 1991年(平成3年)7月には環境庁 (現環境省) 所管の社団法人として認可されました。その後,平成20年12月1日に新公益法人3法が施行されたことに伴い,平成23年4月1日からは“公益社団法人”として新たなスタートを切りました。

本学会設立直前の昭和40年代は, 深刻化する騒音・振動公害を防止するため, 公害対策基本法をはじめとし, 騒音規制法, 各種環境基準, 振動規制法などが次々と制定/設定された時代にあたります。また, 1971年に設立した米国騒音制御工学会が開催するinter-noise (国際騒音制御工学会議) が1975年に仙台で開催されたこともきっかけとなり, 騒音に関係した技術者, 研究者を有機的にまとめる団体の必要性が急速に高まり, 本学会が誕生いたしました。

環境問題の解決は, 一つの分野の専門家だけでは成し得ません。騒音・振動の制御と環境の保全は, 多くの分野の専門家の協働によって, はじめて達成されます。それ故, 本学会会員の専門分野は, 音響, 物理に加え, 機械, 建築, 土木, 電気, 情報, 計測, 医学, 生理, 心理, 行政など多岐ににわたり, 会員が所属する組織も, 大学やその他の研究機関, 行政, 製造業, 建設業, コンサルタント業など広い範囲に及んでいます。

初代会長である故守田榮氏は, 本学会の使命を “騒音の実際面の問題を広い分野の人との協力によって解決する場を提供することであり, また, 各方面の技術や知識が得られる場として活用してもらうことである。” と述べています。この使命を果たすため, 本学会では, 様々な事業活動を行っています。

また, 学会内の活動だけにとどまらず, 国際騒音制御工学会 (I-INCE: International Institute of Noise Control Engineering) や米国騒音制御工学会 (INCE/USA) をはじめとする海外の諸団体, 国内の関連学協会などと密接な連絡をとりながら交流や協力を積極的に推進し, 騒音・振動防止技術の向上と普及を図り社会に貢献すると共に, 世代を越えて自由に集い, 緩やかな連帯の場を設けることにより, かけがえのない技術を未来に伝え続けていくことを目指しています。

 

騒音問題とは

身の周りの様々な音のうち、人に好ましくない影響を及ぼす音、不必要な音、邪魔な音が騒音です。

騒音のもたらす影響は、

  • 睡眠妨害(眠れない、目が覚める…)
  • 心理影響(うるさい、気になる、やかましい…)
  • 活動妨害(会話妨害、テレビの聴取妨害、読書・勉強・作業の邪魔…)
  • 聴力障害(難聴)や身体被害(頭痛・めまい、ノイローゼ…)
  • 物的苦情(瓦のずれ、壁のひび割れ、精密機械などへの影響…)
  • 社会影響(地価下落や土地利用の制限、近隣問題…)

など様々な問題があげられます。

第1に、騒音は音。物理現象としての音の存在が原因となります。

音は大気に生じた音圧の微少な乱れが波として伝わる現象です。
物理現象としての音の性質には空間、時間、周波数が関与します。
また、音の発生源・伝搬の経路・受音側の音響的性状も影響します。
しかしながら、騒音の問題を単純に音の物理現象としてのみ捉えると、問題を正しく把握することが難しくなります。

第2に、騒音は人が音を知覚することに伴う問題です。

人は聴覚により音を聴きます。
物理現象の音を、人が「音」として知覚し(聴取し)、「大きな音だうるさいな!」と判断される事によって、はじめて「騒音」となるわけです。
聴覚は視覚よりも早く、胎内に生命が宿ってまもなく機能し始めます。
人は音に敏感です。音を聞くとすぐに反応し、影響を受けます。さらに、心理現象面は複雑です。意識を集中していると、無関係な音が聞こえても、全く印象が残らない場合もありますし、逆にかなり小さな音にでも耳を傾ける事ができます。

第3に、騒音は、人と人、人と社会の関係に関わる現象でもあります。

騒音問題には、「発生源(音を出す人)→伝搬経路→受音側(影響を受ける人)」という構図が必ず存在します。
特に、音の印象は聞く人の状態によって大きく左右されます。
何をしているのか? 心理状態はどうか? 音の発生源との関係や社会的立場はどうか? 等など、様々な要因の影響で、物理的には同じ音であっても、それぞれの状況によって異なる影響を生じる事があります。
ある人にとっては、快い音楽であっても、別の人には騒音と受け取られたり飛行機の音に悩まされている人が、逆に自家用車のアイドリング音で、近隣住民に迷惑をかけているような場合もあるのです。

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