公益社団法人 日本騒音制御工学会

会長挨拶

「会長就任にあたって」

会長 石田康二

 この度,会員の皆様のご推挙により,第22期公益社団法人日本騒音制御工学会会長を拝命し,井上保雄前会長を引き継ぐことになりました。副会長に就任された篠原直明氏,船場ひさお氏並びに22名の理事の方々と協力して,誠心誠意運営していく所存です。会員の皆様のご支援,ご協力を心よりお願い申し上げます。
  時代の要請として設立された学会も,その存在価値は時代とともに変化します。絶えず今の時代に照らして「存在意義はあるのか」と自らに問うことが大切だと思います。公益法人に移行して7年,現在の会員と賛助会員をはじめ,工学会を利用される市民の方々にとって,なくては困る存在であるか?そう問うことは,当工学会の使命を果たせているかと問うことと同義です。
  工学会の使命については,初代会長の故守田榮先生が,発足時に次のように述べられた記録があります。「騒音の実際面の問題を広い分野の人との協力によって『解決する場』を提供することであり,また,各方面の『技術や知識が得られる場』として活用してもらうことである。」この2つの場の提供と活用は,発足から42年経った現在において,騒音問題が変質する中で,益々その重要性が高まっていると言っていいでしょう。  既存の枠組みの技術や知識だけで解決できない問題,即ち,微かな音が対立の対象になったり,これまで問題とはならなかった音が騒音問題となることが増えてきています。そして,それらの問題に有効な解を導けないことが多く見受けられます。例えば,幼稚園の園児の声を騒音として,その対策に防音塀を立てるというソリューションは,機能でしか問題を捉えていない証左です。本質的な解決には,技術的な知見だけでなく,背反する価値を止揚するコミュニティにおける社会の知恵が必要です。
「解決する場」の提供は,これまで工学会が培い,先達の経験に裏打ちされた「知」と,最新技術としての先鋭的な「知」の他に,社会学的な視点からの「知」を融合した多層の「知恵」を介在させることで可能になります。そのためには,ディープスマートな認定技士の存在と,多様な人材としての会員個々人の学際的な知が頼りです。そしてinternetの時代においては,webサイトにこれらの知を集積し,その利用バリアを下げることが,騒音の問題を抱える市民に対して「解決する場」の入口を提供することに繋がると考えます。 INCE/Jホームページは,現在様々な情報を提供できる場として活用されていますが,3年前に再制作して以来,情報の更新や,コンテンツの整理が一部で困難な現状があります。その障害を早期に解決し,さらに改善を図ることが,今期の喫緊の課題と認識しています。
 これまで述べたことを鑑み,22期の基本方針を「公益法人として,会員,市民の騒音・振動の具体的な問題解決に寄与できる場,仕組みの構築と提供」としました。この方針を具体的なアクションへ落とし込んで活動を推進することが,結果として会勢の拡大に繋がると信じて運営してまいります。

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