(1999年)「大都市騒音・振動主管担当者会議」の報告平成10年度の標記会議が11月1O〜11日に千葉市において開催された。この会議は12の政令指定都市と東京都の課長相当職で構成されており毎年1回持ち回りで開催し,今回は28回目である。騒音に係る環境基準が9月3O日に告示され,27年ぶりに改正されたことに伴い,大都市の騒音担当者においても測定方法や評価について戸惑いがみられる中,今回の会議では環境庁大気保全局自動車環境対策第1課の鈴木課長より「改正後の騒音に係る環境基準について」,続いて目動車環境対策第2課の山田主査より「道路に面する地域の測定方法について」ご説明があり,その後に活発な質疑応答がなされた。質問事項は,近接空間の後背地に関するもの、昼間と夜間の2分類にした理由、自動車騒音の監視について都道府県と市町村の役割分担に関するものなどがあった。その他の議題として,騒音の環境基準の評価方法の見直しに伴う測定体制等について取り上げたが,測定方法等の詳細が明らかになった時点で,その内容に沿った方向で検討することになった。もう一つの議題として複合型娯楽施設への対処方針について議論し,日頃苦労されている苦情処理の考え方を意見交換した。 また,承り事項は屈出に関する事項3題,自動車騒音対策等への取組状況について2題およぴ鉄道騒音調査の実施状況について1題であり,各市持ち婦りのうえ問題点・疑問点については直接問い合わせをすることとした。 最後に,来年の会議開催市となる横浜市よりご挨拶があり会議を閉会した。 (千葉市環境局 川島高嗣) Vol.23 No.2 (1999. 2) より 平成10年度秋期講習会の開催結果について平成10年度2回目の騒音振動技術講習会が11月5、6日の両日に渡り東京飯田橋のレインボービルで開催されました。秋期講習のテーマはLeqが新環境基準の評価値となったことから「新たな騒音の評価手法の解説と測定法の実習」として企画いたしました。事業部会では春と秋の2回技術講習会を開催しています。春期講習会は、新たに騒音振動を担当することになった初心者を対象に、秋期講習会は騒音振動測定に関し多少の経験を持つ人を対象にカリキュラムを作成しています。第1日目は騒音に係る新環境基準をテーマに環境庁大気生活環境室の山崎室長補佐、千葉工大の矢野先生、小林理研の山田所長をはじめ道路交通騒音、鉄道騒音に関する研究の専門家に講師を依頼いたしました。第2日目は測定・分析実習を主にした講座とし、道路交通騒音、鉄道騒音、航空機騒音等をスピーカーから流し、また、加振器を使って公害振動をテーブルに再現し、騒音計や振動計の操作法、データの整理・評価計算法、周波数分析法などを経験してもらいました。実習に使う機器等は、(財)小林理研、リオン(株)及び(株)小野測器のご厚意により各社のものを借用させていただきました。測定、分析の実習に際しては、事業部会のメンバーが各グループに張り付き助言に当たりました。講習会参加者は、60名で講習中にあった質問等は本誌のQ&Aコーナーで紹介する予定です。(神奈川県環境科学センター 堀江裕一) Vol.23 No.3 (1999. 2) より 環境騒音振動行政分科会平成10年度第2回環境騒音振動行政分科会定例会が、8月28日環境庁において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々14名でした。議題は告示間近の環境基準の状況と、本年度の見学会・シンポジウムの内容について討議しました。環境基準について、環境庁自動車環境対策第一課奥山康博氏より環境基準の現状説明を頂きました。その内容は、現在環境基準告示に向けて最終的な調整を行っており、平成11年4月1日に施行したい。測定マニュアルも告示と同時に示したい。騒音測定マニュアルについて、東京都環境科学研究所の末岡伸一委員から、基本的な概要並びに方向性について説明がありました。 平成10年度第3回環境騒音振動行政分科会定例会が、11月17日神奈川県環境科学センターで開催されました。出席者は委員7名と台湾考察団6名の13名でした。今回は「日本における騒音・振動改善対策」を研修目的に来日された台湾考察団と騒音振動行政に関する意見交換を行いました。台湾考察団の来日目的は、近年台湾では騒音に係る苦情が年間2万件程あり(苦情全体の30%)、ここ10年で2倍に増加しており、これを改善するために法改正を1998年中におこなう計画があるため、日本の法体系や改善対策の現状を視察するために来日されました。意見交換会では、日本の法体系や改善対策について事細かな質問が飛び出し、短時間でしたが活発な討議が繰り広げられました。 また、事業部会と共催する明石大橋見学会と道路騒音・振動のアセスメントに関するシンポジウムは、平成11年3月12日と13日の両日に決定いたしました。 (千葉市環境保健研究所 松島 貢) Vol.24 No.1 (1999. 4) より 平成9年度騒音規制法・振動規制法施行状況調査について環境庁では、騒音振動行政の一層の推進を図るため、毎年度、全国の都道府県、指定都市及び中核市を通じ、騒音振動苦情の状況、騒音規制法及び振動規制法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い、その結果を取りまとめている。平成9年度の騒音及び振動に係る苦情の状況、騒音規制法及び振動規制法の施行状況の概要は次のとおりである。(1)苦情の状況 騒音苦情の件数は、平成9年度は14,011件で、前年度に比べ7.0%減少した。苦情の発生源別内訳をみると、工場・事業場騒音が最も多く38.7%、次いで建設作業騒音20.8%、営業騒音13.2%、家庭生活騒音8.3%等であった。 発生源別の増減状況としては、苦情の総数の約4割を占める工場等(前年度比533件の減)に係る苦情が減少するなど全体として減少した。 また、騒音苦情件数の都道府県別増減状況をみると、減少件数が大きいのは埼玉県、兵庫県等であり、増加件数の大きいのは神奈川県、東京都等であった。 振動苦情の件数は、平成9年度は2,257件で、前年度に比べ15.2%減少した。苦情の発生源別内訳をみると、建設作業が45.9%、工場・事業場が33.1%、道路交通が12.5%等であった。 発生源別の増減状況としては、建設作業(前年度比181件の減)に係る苦情、工場・事業場(前年度比135件の減)に係る苦情など全体として減少した。 また、振動苦情件数の都道府県別増減状況をみると、減少件数が大きいのは東京都、兵庫県等であり、増加件数の大きいのは滋賀県、京都府等であった。 (2)法の施行状況 騒音規制法に基づく規制対象地域は、全国の65.0%に当たる2,111市区町村(前年度比4市町の増)で指定が行われている。同地域において規制対象となる工場・事業場及び建設作業に対する苦情については、立入検査が1,671件、行政指導が1,773件行われた。法に基づく改善勧告は7件(前年度5件)行われ、改善命令は行われなかった(前年度0件)。 振動規制法に基づく規制対象地域は、全国の50.8%に当たる1,653市区町村(前年度比4市町村の増)で指定が行われている。同地域において規制対象となる工場・事業場及び建設作業に対する苦情については立入検査が475件、行政指導が498件行われた。法に基づく改善勧告は1件(前年度0件)行われ、改善命令は行われなかった(前年度0件)。 環境庁としては、今後とも騒音規制法及び振動規制法に基づく対策の推進を図っていく。 (環境庁大気保全局大気生活環境室) Vol.24 No.2 (1999. 4) より 平成9年度自動車交通騒音の現況について環境庁においては、自動車交通騒音の実態を把握するため、全国の自治体「当該地域の騒音を代表すると思われる地点又は騒音に係る問題を生じやすい地点」(全国5,286地点)において平成9年度に実施した自動車交通騒音レベルの測定結果について以下のとおり取りまとめた。1.環境基準 全国の測定地点(環境基本法に基づく環境基準の類型指定地域内4,713地点)のうち、4時間帯(朝・昼間・夕・夜間)すべてで環境基準が達成されたのは625地点(13.3%)、4時間帯すべてで達成されなかったのは2,573地点(54.6%)で、一部測定地点は異なるものの平成8年度の調査結果(4時間帯すべてで達成599地点(12.9%)、4時間帯すべてで非達成2,558 地点(55.1%))と同程度の水準であった。また、5年間継続測定地点(2,890地点)でみると、4時間帯すべてで環境基準が達成されたのは354地点(12.2%)で、過去5年間と比較すると同様な傾向であり、依然として低い達成率となっている。 2.要請限度 全国の測定地点(騒音規制法に基づく指定地域内4,908地点)のうち、4時間帯すべて又は4時間帯のいずれかで要請限度を超過したのは1,481地点 (30.2%)で一部測定地点は異なるものの平成8年度の調査結果(1,573地点(32.1%))と同程度であった。 また、5年間継続測定地点(3,036地点)でみると、4時間帯すべて又は4時間帯のいずれかで要請限度を超過したのは983地点(32.4%)で、過去5年間と比較すると同様な傾向であり、依然として厳しい状況である。 環境庁としては、以上のような状況を踏まえ、今後とも、道路交通騒音対策を総合的かつ一層強力に推進することとしている。 なお、平成10年9月30日付けで騒音に係る新環境基準が告示され、平成11年4月1日から施行される。 (環境庁大気保全局自動車環境対策第二課) Vol.25 No.1 (1999. 6) より 新「環境基準に係る環境基準」に関する研究会報告環境騒音振動行政分科会、道路交通騒音分科会及び事業部会の共催の新「騒音に係る環境基準」に関する研究会が平成11年3月12〜13日に兵庫県立生活科学研究所で開催されました。騒音に係る新環境基準の施行が4月にせまっているが、環境騒音の測定、アセスメントなど実務を担当する自治体やコンサルタント会社関係者にとって環境庁の騒音測定マニュアル(暫定版)によるLAeqの測定、評価にまだ疑問や不確定な個所があると感じ,研究会に多くの関心が集まった。当日は自治体関係が約70人、コンサルタント関係が約40人など満席の状態であり、当初の予想を大幅に越えた申し込みのため一部お断りをしたと聞いている。1)「現場からの報告」司会 住友聰一氏(兵庫県立公害研究所) 騒音評価マニュアルに基づいて道路交通騒音を測定した千葉市と兵庫県から24時間の道路騒音及び交通量等の測定体制、測定場所選定、異常音除去方法、マニュアルに基づいた測定と連続測定とのレベル比較などの発表があった。 コンサルタント関係からは道路交通騒音のアセスメントにおける現況調査や「面的」評価について、 ・現況調査では夜間には連続測定が必要なこと、建物反射、遮音壁の影響などの注意点、 ・道路交通騒音の推計では、道路に直接面する地点のLAeqは推定可能であるが背後地の騒音は予測のみではまだ精度上問題があり、実測と予測の組み合せが効果的であることなどの報告があった。 2)「問題解決に向けて」 司会 瀬林伝氏(神戸市) 自治体、コンサルタント、測定マニュアル検討委員ら4名のパネリストによるディスカッションと質疑は以下のようであった。 ・新マニュアルに基づく騒音測定は多大な経費と労力が必要とされるため、測定データの一層の活用と行政施策へ反映が求められる。 ・細街路を走行する自動車音は異常音として処理してよいか。 ・騒音測定の目的を区別、明確化し、目的にあった測定をする。例えばアセスメントでは基本評価編に基づく調査、地域編の簡略化による自治体の調査、予測手法の開発、検証のための調査、防止対策調査などが考えられる。 ・背後地の測定目的や道路に面する地域と一般地域の識別方法など。 新環境基準の測定・評価にはまだ多くの課題が含まれているが道路騒音防止対策の施策が前進しそうな雰囲気が感じられた。なお13日は春霞の明石海峡大橋を見学した。 (名古屋市環境科学研究所 大宮正昭) Vol.25 No.2 (1999. 6) より 環境騒音振動行政分科会とインターネット環境基準がL50からLAeqに変更されたのを機会に、環境騒音振動行政分科会で環境基準に対する意見交換が活発になされるようになりました。しかし、年に3回程度の例会では十分な意見交換が出来ないということで、メンバーの中からもっと自由に意見交換が出来ないかという声があがりました。そこで、インターネットのホームページを運営している長野県衛生公害研究所で、分科会の情報交換をお手伝いすることが出来るか検討しました。この検討のなかには、電子メールによる情報交換と画像情報等が見られる掲示板の作成が含まれています。その結果、機能の制限でメーリングリストを立ち上げるには難しい面があるため、それに類似した機能を使って電子メールによる情報交換を行い、必要に応じて掲示板風に画像情報を閲覧できるようにしました。試験を開始してみたところ、最初は順調だったのですが、途中でハッカーによりメールサーバーが悪用されたことが判明したため、ハッカー対策をしました。すると、一部のメンバーからのメールに限って返信ができなくなるという、トラブルが発生しました。あれやこれやととまどいましたが、一部に機能制限をしてどうやら試験運用できる体制になりました。 さて肝心な情報交換は、現在試験をしている状態にもかかわらず、熱心なメンバーに引きずられるようにして、環境基準の議論にとどまらず幅広い話題で活発な討論が進めらています。情報交換については、ハードの部分(コンピューターの能力やメーリングリストの機能)よりもソフトの部分(どんな情報がどのように交換されるか)が大切ですから、活発な討論が続くことはまさにメールの管理人冥利に尽きる心持ちです。この紙面を借りて活発な討論を推進していただいているメンバーに感謝したいと思います。今後ともよろしくお願いするとともに、これを機会に本格的に運用をしてみようと考えていますので、騒音行政担当者の参加をお待ちしています。 (長野県衛生公害研究所 内田英夫)Email: uchida@nagano-eikouken.or.jp Vol.26 No.1 (1999. 8) より 「自動車騒音低減技術に関する第4次報告書」について1, 経緯等環境庁では、従来より自動車騒音低減に係る対策の1つとして、自動車構造の改善で1台ごとの運行に伴い発生する騒音の大きさを減らす自動車騒音規制(単体規制)を実施しております。最近では、自動車の交通量の増加等により、幹線道路の沿道地域を中心に、依然として環境基準の達成状況が厳しい状況にあることから、平成4年11月の中央公害対策審議会中間答申及び7年2月の中央環境審議会答申にて更なる規制強化の内容を提言いただいたところです。 これを受け、同答申で設定された目標値の達成見通しを早期に明らかにすること、また自動車メーカー等における技術開発を促進することを目的として、平成7年6月に学識経験者からなる「自動車騒音低減技術評価検討会」を設置し、同検討会で目標値達成の見通しが立ったと評価された車種から逐次規制強化を図っております。 2, 第4次報告書の概要 「自動車騒音低減技術評価検討会」ではこれまで、3次にわたる報告書をまとめてきました。今回、第3次までの報告書で目標値達成の具体的な達成の見通しが立たなかった車種(大型トラック、小型二輪自動車等)について、引き続き自動車メーカー等の開発状況に対する技術的検討を進めた結果、平成11年4月に第4次報告書をとりまとめることとなりました。 同報告書では、平成4年の中間答申から10年以内(平成14年頃まで)に目標値を達成すべきとされた車種のうち、中型車(車両総重量が3.5トンを超え、原動機の最高出力が150キロワット以下のもの)の全輪駆動車及びトラック並びに第二種原動機付自転車(排気量0.050リットルを超え、0.125リットル以下のもの)については平成13年頃に、また、大型車(車両総重量が3.5トンを超え、原動機の最高出力が 150キロワットを超えるもの)の全輪駆動車、トラクタ、クレーン車及びトラック並びに小型二輪自動車(排気量が 0.250リットルを超える二輪車)については、平成13年又は14年頃に目標値を達成できる見通しが立ったと評価されております。 これにより、すべての車種について、中間答申から6年以内又は10年以内とされた期間内に目標値を達成できる見通しが立ったことになります。 今後、本報告書を踏まえ、今回目標値達成の見通しが立った車種について、規制強化のための所要の手続きを行うこととしております。 (環境庁大気保全局自動車環境対策第二課 中谷育夫)
Vol.26 No.2 (1999. 8) より 認定技士の会報告認定技士の会では4月19日(日)、鹿島建設(株)の長友宗重氏を講師に招き、第53回講演会を催した。参加者は認定技士21名であった。我が国は21世紀に未曾有の高齢者社会を迎える。高齢者の身体能力の衰えや、視力の衰え、聴覚の衰えなど日常生活上、個人を取り巻く物理環境の障害が問題点として挙げられている中で、長友氏には「高齢者の聴覚と騒音」という演題で、聴覚の問題についてお話をしていただいた。 特に、人間は生きている限り誰しも年をとり、それに伴って様々な不具合が生じる加齢現象というものがあり、加齢による感覚の鈍化が起きる。65歳以上の高齢者になると、視覚の面では視界が暗くなり視野が狭くなる。聴覚の面では聴力の低下により、1kHz以上の高音域の音が聞こえにくくなるなどの高齢者特有の視覚聴覚特性や、言語理解速度が若年者に比較して遅くなる言語認識能力の感覚特性上の問題点等、人間の全体的な情報処理能力の衰えを指摘された。 こうした聴覚上の不具合にもかかわらず、今まで同様の生活を送り、高齢者と共に生きる社会の実現を目指すという考え方が最近提唱されており、高齢者を含む全ての人が利用できる都市空間、建築空間の構築が求められており、今後、公共施設等における拡声装置のデザイン(明瞭度・了解度)を最初から考える必要性があることを指摘されていた。 また、この分野の研究において、情報を聴取する側の高齢者の実態が十分把握されていないことが今後の課題ということで、参加者の中からもモニター参加協力のお話や補聴器の問題など活発な質問・意見が交わされ、非常に興味深い講演だった。 (認定技士の会世話人 石橋正義) Vol.27 No.1 (1999. 10) より 道路交通騒音対策検討会の設置について環境庁では、学識経験者からなる「道路交通騒音対策検討会」を設置し、4月16日に第1回検討会を開催する。同検討会では、4月1日に施行された新騒音環境基準を達成するために、今後の道路交通騒音対策の充実・強化について検討を行い、本年秋を目途に取りまとめを行う予定である。
2.検討内容、新騒音環境基準の達成に向けて、制度的枠組みの拡充を含め、総合的な対策の推進を 図る必要があるが、本検討会においては、答申において早急に展開するべきとされた、総合的かつ計画的な対策推進を図るための枠組みの強化、沿道対策の推進、強化等について検討を行う。 3.スケジュール
4.道路交通騒音対策検討会 委員名簿(敬称略)
(環境庁大気保全局自動車環境対策第一課) Vol.27 No.2 (1999. 10) より 中村ひさおさんが個展を開きました当学会の会員で、音環境デザインをライフワークとして実践されている中村ひさおさんが横浜・港の見える丘公園近くにある、岩崎ミュージアムで個展を開きました。中村ひさお展・夏のささやき<音の原風景を見つめて>と題したもので、7〜8m四方の部屋の床や天井にスピーカーを設置し、中村さんの子供のころの印象に残っている音をソースに音風景が創作されていました。部屋の中央部にはファインアート作家で、中村さんの友人でもある赤岩保元さんが作成した紙粘土の夕顔が100個ほどつるしてあり、音風景を際だたせる演出となっていました。個展を開くにあたり、中村さんは次のように述べておられます。「人は誰しも原点となる音風景を持っています。それは自分の中に眠っているやさしい記憶なのかもしれません。夏のひととき、私の音の原風景を体験して下さい。耳慣れた音たちを、集めたり、並べたり、広げたり、切り取ったりしながら岩崎ミュージアムという空間に私の心の中の風景を表現します。」 聞こえてくる音は、小川と小さな土手で聞こえる音といったところでしょうか。せせらぎの音、小鳥の声、汽車の音、犬の声、カエルの声等がきこえます。多チャンネルで再生されているので、部屋の中を移動すると川面の近くのイメージ、土手に上った時のイメージなど工夫が凝らされていました。 個展は、1999年7月20日から8月1日まで開催されました。 (神奈川県央行政センター 堀江侑史) Vol.27 No.3 (1999. 10) より 環境庁人事異動( )内は前任者。敬称略平成11年4月1日付
環境騒音振動行政分科会平成11年度第1回環境騒音振動行政分科会定例会が、8月10日、環境庁会議室において開催されました。出席者は委員と環境庁の方々16名でした。議題は、自動車騒音の要請限度に関する中環審(中央環境審議会)からの素案の説明と、規制基準と環境基準の関係についての解説でした。 要請限度の審議状況については、環境庁大気保全局自動車環境対策第1課奥村氏より、8月3日に中環審騒音振動部会より報告のあった、騒音評価手法の在り方の素案について説明を頂きました。 主な内容は、今回の要請限度における審議内容は、騒音の評価手法等のみを検討し、制度については検討しない。環境基準と要請限度の整合性をはかるため、要請限度についても騒音の評価手法にLeqを採用する検討を行っている。測定評価方法については、要請限度は自動車騒音の発生源側の騒音レベルを把握するものであるため、測定点は原則として道路端、測定日数は連続する7日間を代表する3日間とし、時間区分ごとに全時間を通じてエネルギー平均した値によって評価すること。そして具体的には、測定方法は環境基準における方法、区域の区分は環境基準の類型区分、時間帯の区分は環境基準の区分に、それぞれ合わせる方向に検討されたそうです。要請限度値は、現行の限度値がそうであるように、環境基準値に一定の値を加えたものとし、新たに環境基準で採用された近接空間の特例についても検討されたとのことでした。 つぎに、末岡委員から、今までともすれば正確に理解していなかった環境基準、規制基準、及び要請限度の定義や意義や相互関係を、詳細な資料(法制時の国会答弁等)を基にして的確な解説をしていただきました。素晴らしい内容の資料で、すべてお知らせ出来ないのが残念ですが、一部を紹介しますと、環境基準は行政の目標値で、複合した騒音に対する基準、クライテリアに実現可能性利便性等を考慮したものである。規制基準、要請限度は、環境基準を達成するために個々の発生源が守る基準である。また、今回の要請限度における区域区分の検討が、環境基準の区分を前提に行われていること等から、規制基準の地域指定と環境基準の類型指定の関係も適切な適用関係を保つ必要性があるのではないかとのことでした。 今回の例会は、中環審から示された自動車騒音の要請限度の素案及び、規制基準と環境基準の関係とホットな議題であったため、活発な討議が繰り広げられ盛況のうちに閉会となりました。 (千葉市環境保健研究所 松島貢) 認定技士の会報告認定技士の会では7月13日(火)、第54回の定例会を開催した。会合には東和大学の佐々木實氏を講師に招き、講演会を催した。参加者は認定技士21名であった。 人間の声は一人で出す場合は、実に様々で人の数だけ異なった声があり、同じ声を持った二人というのはないそうである。しかし、二人以上の声が重なり合うと各人の持つ個性が後退し、新たな個性を持つようになるという。この現象は普段、無意識に使っている音声、話し声、歌声など、聴覚的に溶け合って日常生活にも深く関わっている。この現象は音響学的、特に音響心理学的には未だに解明されていない領域だそうで、聴覚的には物理的重ね合わせ以外の新しい音感覚が生じる。歌の場合には、特にこの現象を「コーラス効果」と呼んでいるそうで、新しい音感覚が生じるコーラスは、この「音声の重なりによる聴覚現象」、略して「音声重なり現象」と呼ばれるこの現象を利用しているそうである。 今回の講演では「声のハーモニーの楽しみ」と題して、コーラスの声のハーモニーのすばらしさ、声を合わせて歌うことの楽しさを講演者自ら音響機器を会場に持ち込み、実演付きの講演をしていただいた。 「良くハーモニーする」ということの同意語である「協和する」という言葉の意味について、その定義、形成要因、及び合唱音楽の起源を、合唱例やそのフレーズをアカペラで歌い、合唱音楽の種類についてわかりやすく解説していただき、合唱音楽の素晴らしさを堪能させていただいた。当日の豪雨の中での講演時間はあっという間に過ぎ去り、清涼感漂うNHKの「音楽の泉」を彷彿させる楽しいミニ音楽会となった。 (認定技士の会世話人 石橋正義) |